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問題1 WHO憲章の前文において、「健康とは、( )的にも( )的にも( )的的にも完全に良好な状態をいう」とある。
( )にあてはまらないのはどれか。
1.環境
2.社会
3.身体
4.精神
解答1
解説
WHO憲章では以下のように定義している。「健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」また、同憲章にはこんなことも謳われている。「到達しうる最高基準の健康を享有することは、人種、宗教、政治的信念又は経済的若しくは社会的条件の差別なしに万人の有する基本的権利の一つである。」「全ての人民の健康は、平和と安全を達成する基礎であり、個人と国家の完全な協力に依存する。」「ある国が健康の増進と保護を達成することは、全ての国に対して価値を有する。」つまり、健康が個人にとって、また国家にとっても極めて大切なものであり、その達成に向けて個人と国家が協力していくことが必要ということである。これが既に半世紀以上前に作成されており、今でもなお憲章としての意味を持ち続けているのである。
(引用:「健康長寿社会の実現に向けて~健康・予防元年~」厚生労働省HPより)
1.× 環境は、( )にあてはまらない。
2~4.〇 社会/身体/精神は、( )に該当する。
・健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。
問題2 プライマリヘルスケアが提唱されたのはどれか。
1.アルマ・アタ宣言
2.オタワ憲章
3.モントリオール議定書
4.リオデジャネイロ宣言
解答1
解説
プライマリヘルスケアは、アルマ・アタ宣言(1978年)で提唱されたものである。地域住民が一次的に利用する保健医療サービスを指す。
提唱元:アルマ・アタ宣言(WHOとUNICEF)
概念:「すべての人々に健康を」を目標に、病気の治療よりも予防対策や健康管理に重点を置いた保健活動
【4つの原則】
①住民のニーズに基づくこと
②地域資源の有効活用
③住民参加
④農業・教育・通信・建設・水利等、多分野間の協調と統合
【8つの活動項目】
①健康教育(ヘルスプロモーション)
②食料の供給と栄養の改善
③安全な飲料水の供給と基本的な環境衛生
④母子保健サービス(家族計画を含む)
⑤主要な感染症の対策(予防接種)
⑥風土病の対策
⑦簡単な病気やけがの治療(プライマリケア)
⑧必須医薬品の供給
(※参考:「プライマリ・ヘルス・ケア」特定非営利活動法人シェア様HPより)
1.〇 アルマ・アタ宣言は、プライマリヘルスケアが提唱された。
・アルマ・アタ宣言とは、プライマリヘルスケアに関する宣言である。すべての人に健康を基本的な人権として認め、その達成の過程において住民の主体的な参加や自己決定権を保障する理念である。すべての人にとって健康を基本的な人権として認め、その達成の過程において住民の主体的な参加や自己決定権を保障する理念である。
2.× オタワ憲章とは、ヘルスプロモーションに関する宣言である。ヘルスプロモーション(健康教育)は、「人々が自らの健康とその決定要因をコントロールし、改善することができるようにするプロセス」と定義される。①健康な公共政策づくり、②健康を支援する環境づくり、③地域活動の強化、④個人技術の開発、⑤ヘルスサービスの方向転換などが挙げられる。保健部門だけの責任にとどまらず、人々のライフスタイルや生活の質(QOL)にかかわるものであり、個人の能力だけでなく環境の整備も含まれる。オタワ憲章(1986年)で提唱され、日本では、健康日本21(2000年)で基本理念に取り入れられている。
3.× モントリオール議定書とは、1987年に採択された国際的な環境保護協定で、オゾン層を破壊するフロンなどの物質の製造や使用を段階的に削減・廃止することを目的としている。世界中の国が参加し、オゾン層回復に大きな成果を上げている。
4.× リオデジャネイロ宣言とは、1992年の地球サミットで採択された環境と開発に関する基本原則である。持続可能な開発の推進や、環境保護と経済成長の両立を目指し、各国の協力や市民参加の重要性を強調している。
問題3 コホート研究の説明で誤っているのはどれか。
1.調査期間が短い。
2.バイアスが少ない。
3.仮説証明が容易である。
4.要因の有無別に疾病発生状況を調べる。
解答1
解説
研究の種類には、研究者が調査対象集団に対して何らかの働きかけ(介入)を行うか否かで、介入を行う「介入研究」と、介入を行わない「観察研究」とに大きく分類される。介入研究には、「臨床試験・地域研究」などがある。一方、観察研究には、大きく「①記述疫学・②分析疫学」に大別され、①記述疫学には、横断研究・時系列研究などがある。②分析疫学には、生態学的研究・横断研究・症例対照研究・コホート研究などがある。ちなみに、観察研究とは、対象とする集団に対して研究者が、治療や指導などの介入をしないで、健康・疾病に関するデータを集めて、その詳細を分析して、新しい知見(診断・治療法等の開発につながる情報や推定していた仮説の検証等)を得るための研究のことである。
コホート研究とは、時間軸:前向き研究で、観察期間は長期間行う。信頼性は高いが費用・労力が大きい。
症例対照研究とは、時間軸:後ろ向き研究で、観察期間はない。信頼性は低いが費用・労力が小さい。症例群と対照群に分け、両群の過去の曝露状況を比較する方法である。曝露と疾患発症の関連を明らかにする。
1.× 調査期間は、「短い」ではなく長い。コホート研究は、対象者を長期間にわたって追跡調査する必要があるため。※ここでは、症例対照研究と比較している。
2.〇 正しい。バイアスが少ない。なぜなら、疾病が発生する前に要因を評価するため。
3.〇 正しい。仮説証明が容易である。なぜなら、コホート研究では、要因への曝露が疾病発生に先行していることを直接的に観察できるため。要因と疾病の間の時間的な前後関係を明確に把握できる。
4.〇 正しい。要因の有無別に疾病発生状況を調べる。なぜなら、コホート研究では、ある要因(例:喫煙)の有無で人を分けて、将来の病気の発生状況を比較するため。これにより、「要因が病気の発症に関係するかどうか」がわかり、因果関係を明らかにしやすくなる。
問題4 母子保健法で規定されているのはどれか。
1.人工妊娠中絶
2.妊産婦健康診査
3.健やか親子21(第二次)
4.被虐待児発見時の通告義務
解答2
解説
母子保健法とは、母性、乳幼児の健康の保持および増進を目的とした法律である。母子保健に関する原理を明らかにするとともに、母性並びに乳児及び幼児に対する保健指導、健康診査、医療その他の措置を講じ、もって国民保健の向上に寄与することを目的として制定された法律である。各種届出は市町村長または特別区、指定都市の区長に届け出る。
1.× 人工妊娠中絶は、母体保護法に規定されている。
・母体保護法とは、不妊手術及び人工妊娠中絶に関する堕胎罪の例外事項を定めること等により、母親の生命健康を保護することを目的とした法律である。1948年7月13日に公布された。
2.〇 正しい。妊産婦健康診査は、母子保健法(13条)で規定されている。
3.× 健やか親子21(第二次)は、厚生労働省が推進する国民運動計画である(※下参照)。
4.× 被虐待児発見時の通告義務は、児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)に規定されている。
児童虐待防止法の第五条に「学校、児童福祉施設、病院その他児童の福祉に業務上関係のある団体及び学校の教職員、児童福祉施設の職員、医師、保健師、弁護士その他児童の福祉に職務上関係のある者は、児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、児童虐待の早期発見に努めなければならない」と規定されている(※一部引用:「児童虐待の防止等に関する法律」e-GOV法令検索様HPより)。
健やか親子21は、平成25年の第1次計画の最終評価報告書を受け、平成27年度より第2次計画が開始されている。第1次計画では目標を設定した指標が多かったため、第2次計画では見直しを行い、目標を設けた52の指標と、目標を設けない「参考とする指標」として28の指標を設定した。第2次計画の中間評価は5年後、最終評価は10年後を予定している。
<目標>
1. 思春期の保健対策の強化と健康教育の推進(十代の自殺、人工妊娠中絶、性感染症罹患)
2. 妊娠・出産に関する安全性と快適さの確保と不妊への支援(妊産婦死亡、産後うつ病、産婦人科医・助産師数)
3. 小児保健医療水準を維持・向上させるための環境整備(低出生体重児、事故、妊娠・育児期間中の喫煙)
4. 子どものこころの安らかな発達の促進と育児不安の軽減(虐待死亡、母乳育児、心の問題に対応する小児科医)
(※参考:「健やか親子21(第2次)について」厚生労働省HPより)
問題5 学校健診で小・中・高等学校に進むにつれて増加傾向にあるのはどれか。
1.う歯
2.耳疾患
3.喘息
4.裸眼視力1.0未満
解答4
解説
(※図引用:「令和3年度 主な疾病・異常等の被患率 」文部科学省HPより)
1.× う歯(むし歯)の者の割合は,8歳が最も高くなっている。
2.× 耳疾患の者の割合は,6歳が最も高くなっている。
3.× 喘息の者の割合は,7歳が最も高くなっている。
4.〇 正しい。裸眼視力1.0未満は、学校健診で小・中・高等学校に進むにつれて増加傾向にある。
①裸眼視力 1.0 未満の者の割合は,年齢が高くなるにつれておおむね増加傾向となっており,小学校1年生で約4人に1人,小学3年生で約3人に1人,小学6年生では約半数となっている。
②むし歯(う歯)の者の割合は,8歳が最も高くなっている。
③鼻・副鼻腔疾患の者の割合は,小学校・中学校で 1 割程度となっており,9歳が最も高くなっている。
(※引用:「令和3年度学校保健統計 調査結果のポイント 」文部科学省HPより)