第27回(H31年)はり師きゅう師国家試験 解説【午前1~5】

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専門基礎科目

問題1 介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活の世話を行うことを目的とするのはどれか。

1.介護老人保健施設
2.介護老人福祉施設
3.地域包括ケア病棟
4.グループホーム

解答

解説
1.〇 正しい。介護老人保健施設は、介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活の世話を行うことを目的とする。
介護老人保健施設とは、要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護・医学的管理のもと、介護および機能訓練その他必要な医療ならびに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設である。

2.× 介護老人福祉施設
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)とは、常時介護を必要とし、在宅での生活が困難な高齢者に対して、生活全般の介護を提供する施設である。入浴、排泄、食事などの介護、その他の日常生活の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行う。原則として要介護3以上の認定を受けた高齢者が対象である。ただし、要介護1・2の特例的な入所が認められる要件があり、「認知症で日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、在宅生活が困難な状態にあること」である。

3.× 地域包括ケア病棟
地域包括ケア病棟とは、急性期治療を終了し、直ぐに在宅や施設へ移行するには不安のある患者、在宅・施設療養中から緊急入院した患者に対して、在宅復帰に向けて診療、看護、リハビリを行なうことを目的とした病床である。

4.× グループホーム
グループホームとは、共同生活援助ともいい、『障害者総合支援法』の訓練等給付のひとつであり、ひとりで生活できない障害者が共同生活を行う住居で、相談や日常生活上の援助を受けるものである。主に夜間や休日に精神障害者が共同生活を営む住居で、食事の世話・服薬指導など、相談や日常生活の援助を行う。

 

 

 

 

 

問題2 介護保険の第1号被保険者はどれか。

1.18歳以上
2.20歳以上
3.40歳以上
4.65歳以上

解答

解説
1~2.× 18歳以上/20歳以上
これらは、介護保険の保険者に関係しない。

3.× 40歳以上
40歳以上65歳未満の医療保険加入者は、第2号被保険者である。

4.〇 正しい。65歳以上が、介護保険の第1号被保険者である。
第1号被保険者(65歳以上)になると、介護保険被保険者証が交付される。一方、第2号被保険者(40歳以上65歳未満の医療保険加入者)は、要支援・要介護の認定を受けた者に交付される。介護保険の要介護(要支援)認定の申請をする際や、介護サービスを利用する際に必要となる。

 

 

 

 

 

問題3 患者に対する施術者の役割で適切なのはどれか。

1.援助者
2.管理者
3.指導者
4.保護者

解答

解説

リスボン宣言とは?

リスボン宣言とは、1981年にポルトガルのリスボンで採択され、患者の権利に関する宣言である。①良質の医療を受ける権利、②選択の自由の権利、③自己決定の権利、④情報を得る権利、⑤プライバシーを守られる権利、⑥人間としての尊厳を得る権利が規定されている。

1.〇 正しい。援助者が、患者に対する施術者の役割である。
なぜなら、医療を受けるのは患者であり、リスボン宣言の選択の自由の権利自己決定の権利を尊重しなければならないため。

2~4.× 管理者/指導者/保護者
管理・指導・保護の立場となると、治療者は患者より上の立場と抱きやすい。あくまでも対等な立場で、治療をするうえで、インフォームドコンセント「十分な説明を受けたうえでの同意・承諾」をしなければならない。

インフォームド・コンセントとは?

インフォームド・コンセントは、「十分な説明を受けたうえでの同意・承諾」を意味する。医療者側から診断結果を伝え、治療法の選択肢を提示し、予想される予後などについて説明したうえで、患者自らが治療方針を選択し、同意のもとで医療を行うことを指す。診断結果の伝達には「癌の告知」という重要な問題も含まれる。

 

 

 

 

 

問題4 我が国の2016年に発生した業務上疾病で最も多いのはどれか。

1.腰痛
2.じん肺
3.心疾患
4.酸素欠乏症

解答

解説

疾病分類別にみた発生件数

1位(5574件):負傷に起因する疾病 (このうちの4722件が災害性腰痛)
2位(703件):物理的因子による疾病 
3位(215件):化学物質による疾病(がんを除く) 
4位(210件):じん肺症及びじん肺合併症
5位(125件):病原体による疾病 (※データ参考:「業務上疾病発生状況等調査」厚生労働省HPより)

1.〇 正しい。腰痛が、我が国の2016年に発生した業務上疾病で最も多い。
1位(5574件):負傷に起因する疾病 (このうちの4722件が災害性腰痛)

2.× じん肺
4位(210件):じん肺症及びじん肺合併症

3.× 心疾患
ランキング外である。ちなみに、過重な業務による脳血管疾患・心臓疾患は69件である。

4.× 酸素欠乏症
ランキング外である。ちなみに、酸素欠乏症は13件である。 

 

 

 

 

 

問題5 虐待を受けたと思われる児童を発見した者が通告する施設はどれか。

1.保健所
2.児童相談所
3.地域包括ケアセンター
4.市町村保健センター

解答

解説
1.× 保健所
保健所とは、精神保健福祉・健康・生活衛生など地域保健法に定められた14の事業(主に疾病予防・健康増進・環境衛生などの公衆衛生活動)を中心に行っている。保健所では保健師や精神保健福祉士、医師などが生活面や社会復帰について相談にのってくれる。都道府県、特別区、指定都市、中核市、『地域保健法施行令』で定める市に必置である。

2.〇 正しい。児童相談所は、虐待を受けたと思われる児童を発見した者が通告する施設である。
児童相談所とは、「児童福祉法」に基づいて設置される行政機関であり、都道府県、指定都市で必置となっている。原則18歳未満の子供に関する相談や通告について、子供本人・家族・学校の先生・地域の方々など、どなたからも受け付けている。児童相談所は、すべての子供が心身ともに健やかに育ち、その持てる力を最大限に発揮できるように家族等を援助し、ともに考え、問題を解決していく専門の相談機関である。職員は、児童福祉司、児童心理司、医師または保健師、弁護士などである。所長は、医師で一定の者、大学等で心理学を専修する学科を卒業した者、社会福祉士、児童福祉司で一定の者などである。

3.× 地域包括ケアセンター
地域包括支援センターとは、介護保険法に基づき各市町村によって設置されており、地域の高齢者の医療・福祉・介護・虐待など様々な事柄に関する相談窓口となっている。地域包括支援センターの人員基準は、「第1号被保険者(65歳以上の高齢者)3000人~6000人ごとに、保健師、社会福祉士及び主任介護支援専門員(準ずる者を含む)を最低限それぞれ各1人」である。

4.× 市町村保健センター
市町村保健センターとは、健康相談、保健指導、健康診査など、地域保健に関する事業を地域住民に行うための施設である。地域保健法に基づいて多くの市町村に設置されている。産前・産後の事業も行われている。

 

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