第20回(H24年)はり師きゅう師国家試験 解説【午前16~20】

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16.側頭骨にあるのはどれか。

1.視神経管
2.翼突管
3.頸動脈管
4.舌下神経管

解答

解説
1.× 視神経管は、蝶形骨に存在する。視神経、眼動脈が通る。

2.× 翼突管は、蝶形骨の翼状突起に存在する。翼突神経が通る。

3.〇 正しい。頸動脈管は、側頭骨(蝶形骨-側頭骨間)にある。破裂孔ともいい、内頸動脈が通る。

4.× 舌下神経管は、後頭骨にある。舌下神経が通過する。

頭蓋骨にある孔

大後頭孔(後頭骨):延髄、副神経、椎骨動·静脈
舌下神経管(後頭骨):舌下神経
上眼窩裂(蝶形骨):動眼・滑車・外転神経、眼神経、上眼静脈
下眼窩裂(蝶形骨-上顎骨頬骨間):眼窩下神経、頬骨神経、下眼静脈
視神経管(蝶形骨-小翼):視神経、眼動脈
正円孔(蝶形骨-大翼):上顎神経
卵円孔(蝶形骨-大翼):下顎神経
棘孔(蝶形骨-大翼):下顎神経硬膜枝、中硬膜動脈
破裂孔(蝶形骨-側頭骨間):頚動脈管(内頸動脈)
内耳孔(側頭骨-錐体):顔面神経、内耳神経、迷路動脈
頚静脈孔(側頭骨):内頚静脈、舌咽神経、迷走神経、副神経
茎乳突孔(側頭骨):顏面神経
下顎孔(下顎骨-下顎枝):下歯槽神経、下歯槽動・静脈
オトガイ孔(下顎骨-下顎体):オトガイ神経、オトガイ動・静脈
眼窩上孔(前頭骨):眼窩上神経外側枝
眼窩下孔(上顎骨):眼窩下神経

 

 

 

 

 

17.橈骨神経について正しいのはどれか。

1.腕神経叢の外側神経束に由来する。
2.内側腋窩隙を通過する。
3.回外筋を貫く。
4.手掌橈側半の感覚を支配する。

解答

解説

(※図引用:日本整形外科学会様HPより)

1.× 腕神経叢の「外側神経束」ではなく後神経束に由来する。外側神経束は、筋皮神経や正中神経に由来する。

2.× 内側腋窩隙を通過するのは、「肩甲回旋静脈」である。内側腋窩隙とは、小円筋と大円筋と上腕三頭筋の長頭で出来る三角形の隙き間をいう。外側腋窩隙とは、小円筋と大円筋と上腕三頭筋の長頭と上腕骨で囲まれた四角形の隙き間をいう。腋窩神経や後上腕回旋動静脈が通る。

3.〇 正しい。回外筋を貫く。回外筋の【起始】上腕骨外側上顆、尺骨の回外筋稜、肘関節包後面、橈骨輪状靭帯、【停止】橈骨上部外側面、【作用】前腕回外、【支配神経】橈骨神経深枝:C5~C7である。

4.× 手掌橈側半の感覚を支配するのは、「正中神経」である。橈骨神経は、手背橈側の感覚を支配する。

 

 

 

 

 

18.脊柱の靱帯について正しい記述はどれか。

1.黄色靱帯は椎体の後面にある。
2.環椎横靱帯は歯突起の後面にある。
3.項靭帯は椎間円板の前面にある。
4.後縦靱帯は椎孔の背側にある。

解答

解説
1.× 椎体の後面にあるのは、「黄色靱帯」ではなく後縦靱帯である。後縦靱帯とは、脊椎椎体の後縁を上下に連結する靭帯である。ちなみに、黄色靭帯は、椎弓間を連結する。椎弓は、後方に存在し、椎弓の両脇に存在する椎間関節により結びつけられていると同時に、椎弓の間は黄色靭帯でつながっている。黄色靭帯は、軸椎から第1仙椎までの上下に隣り合った椎骨の椎弓板の間に張る靭帯である。つまり、脊柱管の側後壁に沿って走行する。

2.〇 正しい。環椎横靱帯は、歯突起の後面にある。歯突起とは、軸椎の突起のことをいう。環椎横靱帯は、歯突起を環椎の前弓に固定する役割を担っている。

3.× 椎間円板の前面にあるのは、「項靭帯」ではなく前縦靱帯である。前縦靱帯とは、脊椎椎体の前縁を上下に連結する靭帯である。ちなみに、項靭帯とは、後頭隆起から第7頚椎棘突起にかけてほぼ正中に位置する線維弾性組織である。各頚椎の棘突起を繋いでいる棘上靱帯とも連続している。

4.× 後縦靱帯は、「椎孔」ではなく椎体の背側(後面)にある。後縦靱帯とは、脊椎椎体の後縁を上下に連結する靭帯である。

 

 

 

 

 

19.起始が1つの骨にある筋はどれか。

1.上腕二頭筋
2.上腕三頭筋
3.大腿二頭筋
4.下腿三頭筋

解答

解説
1.〇 正しい。上腕二頭筋は、起始が1つの骨にある筋である。上腕二頭筋の【起始】長頭:肩甲骨の関節上結節、短頭:肩甲骨の烏口突起、【停止】橈骨粗面、腱の一部は薄い上腕二頭筋腱膜となって前腕筋膜の上内側に放散、【作用】肘関節屈曲、回外(長頭:肩関節外転、短頭:肩関節内転)、【神経】筋皮神経である。

2.× 上腕三頭筋の【起始】内側頭:上腕骨後面の橈骨神経溝の下方の大部分(広い)、両側の筋間中隔、外側頭:上腕骨橈骨神経溝の上方、長頭:肩甲骨の関節下結節、【停止】尺骨の肘頭、【作用】肘関節伸展、肩関節伸展、【神経】橈骨神経である。

3.× 大腿二頭筋の【起始】長頭:坐骨結節、短頭:大腿骨体の粗線の外側唇、外側大腿筋間中隔、【停止】腓骨頭、【作用】股関節伸展、外旋、膝関節屈曲、【支配神経】長頭:坐骨神経の脛骨神経部、短頭:坐骨神経の総腓骨神経部である。

4.× 下腿三頭筋とは、下腿の強大な筋の総称で、膨隆する2頭をもつ浅側の腓腹筋と、深側にある平たいヒラメ筋とからなる。
・腓腹筋:【起始】外側頭:大腿骨外側上顆、内側頭:大腿骨内側上顆、【停止】踵骨腱(アキレス腱)となり踵骨隆起後面の中部、【作用】膝関節屈曲、足関節底屈、踵の挙上、【神経】脛骨神経である。
・ヒラメ筋:【起始】腓骨頭と腓骨後面、脛骨のヒラメ筋線と内側縁、腓骨と脛骨間のヒラメ筋腱弓、【停止】踵骨腱(アキレス腱)となり踵骨隆起後面の中部、【作用】膝関節底屈、踵の挙上、【神経】脛骨神経である。下腿三頭筋の筋力低下による歩行障害として、歩行の推進力の低下があげられる。

 

 

 

 

 

20.大腿骨の粗線に付着する筋はどれか。

1.半膜様筋
2.半腱様筋
3.長内転筋
4.薄筋

解答

解説
1.× 半膜様筋の【起始】坐骨結節、【停止】脛骨粗面、脛骨内側顆の後部、斜膝窩靭帯、膝窩筋筋膜、【作用】股関節伸展、内転、内旋、膝関節屈曲、【支配神経】坐骨神経の脛骨神経部である。

2.× 半腱様筋の【起始】坐骨結節(大腿二頭筋長頭の起始の内側でこれと融合)、【停止】脛骨粗面の内側(鵞足を形成)、【作用】股関節伸展、内転、内旋、膝関節屈曲、【支配神経】坐骨神経の脛骨神経部である。

3.〇 正しい。長内転筋は、大腿骨の粗線に付着する筋である。長内転筋の【起始】恥骨結節の下方、【停止】大腿骨粗線内側唇の中部1/3、【作用】股関節内転、屈曲、【神経】閉鎖神経前枝である。

4.× 薄筋の【起始】恥骨結合の外側、【停止】脛骨の内側面。停止腱は鵞足に加わる。、【作用】股関節内転、膝関節屈曲と内旋、【支配神経】閉鎖神経前枝である。

 

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