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146.単回使用鍼の滅菌に用いられるのはどれか。
1.酸化エチレンガス
2.ポビドンヨード
3.グルコン酸クロルヘキシジン
4.塩化ベンザルコニウム
解答1
解説
単回使用毫鍼とは、流通・保護のため通常、 複数の一次包装された毫鍼のことをいう。
1.〇 正しい。酸化エチレンガスは、単回使用鍼の滅菌に用いられる。
EOG(酸化エチレンガス)滅菌は、温度や湿度の繊細な医療器具に適した滅菌方法である。酸化エチレンガスとは、比較的低い温度でも極めて強い殺菌力を発揮し、金属・非金属の区別なく利用できるため理想的な滅菌法として普及している。適用:カテーテル類、プラスチック製品、不織布、ゴム製品など。適用外:液体、ガスが通りにくい形状のもの、直ぐに使用したいもの。欠点として、滅菌処理・エアレーション時間(ガスの残留毒性が強いため、これらを除去する処理)が長いことがあげられる。
2.× ポビドンヨードとは、世界中で感染対策に使われている代表的な殺菌消毒剤の有効成分のひとつである。施設に感染症が流行していない場合は、ポビドンヨードやアルコール溶液などで断端を消毒することは勧められていない。臍帯断端は清潔で乾いた状態にしておく必要がある。
3.× グルコン酸クロルヘキシジンとは、手術時手洗い、手術部位の皮膚、創傷部位(創傷周辺皮膚)、血管内留置カテーテル挿入部位の皮膚などに使用する。特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対しても有効である。
4.× 塩化ベンザルコニウムとは、一般細菌・真菌類に抗菌作用を示す。使用出来る用途が幅広く、手指の殺菌・消毒をはじめ、創傷面・口腔内の殺菌・消毒から理容室・美容室での消毒や食器・器具類,家屋・乗物等、ゴミ箱・冷蔵庫等,幅広い箇所の消毒に使用できる。ただし、低水準消毒薬であるため、ノロウイルスに有効とは言えない。
147.鍼刺激とその反応との組合せで正しいのはどれか。
1.雀啄術による響き:B線維の興奮
2.鍉鍼刺激:高閾値機械受容器の興奮
3.管散術による刺激:Aδ線維の興奮
4.いちよう鍼による擦過刺激:ポリモーダル受容器の興奮
解答4
解説
1.× 雀啄術による響きは、「B線維」ではなくA線維の興奮である。
・雀啄術は、刺入時または一定の深さで鍼を上下に進退させる。
・B線維は、交感神経の節前線維である。
2.× 鍉鍼刺激は、「高閾値機械受容器」ではなくA線維の興奮である。
・鍉鍼(3寸半)は、手足末端近くの脈を按じて気を補い、邪を出させる。刺入しない鍼で、接触・摩擦する鍼に該当する。
・高閾値機械受容器は、侵害受容器のひとつである。特徴として、①侵害性機械刺激に対し強度に応じた反応を示す、②繰り返し刺激で反応は減弱する、③刺激が終了すれば後発射を示さないことなどがあげられる。
3.× 管散術による刺激は、「Aδ線維」ではなくAα線維やAβ線維、Aγ線維の興奮である。
・管散術は、鍼を使用せず、鍼管の上端を弾入の要領で叩打する。十七手技のうち、最も刺激が弱い。
4.〇 正しい。いちよう鍼による擦過刺激:ポリモーダル受容器の興奮
・いちょう鍼は、小児鍼のひとつで、皮膚をなでたりさすったりする目的で用いられる鍼で①摩擦鍼、②接触鍼となる。
・ポリモーダル受容器は、侵害受容器のひとつである。特徴として、①皮膚のみならず骨格筋、関節、内臓諸器官と広く全身に分布している。②非侵害刺激から侵害刺激まで広い範囲で刺激強度に応じて反応する。③侵害刺激を繰り返し与えると反応性が増大し閾値の低下がみられる。
148.内因性オピオイドはどれか。
1.ニューロトロフィン
2.GABA(ガンマアミノ酪酸)
3.ダイノルフイン
4.ドパミン
解答3
解説
1.× ニューロトロフィンとは、発生から老化に至る長期間にわたり神経細胞に作用し、生存維持、分化促進、神経機能の獲得・維持などの役割を担う神経栄養因子と考えられている。神経細胞の分化に及ぼすニューロトロフィンの作用は数多く研究されてきたが、その多くは神経分化の後期過程を対象としており、全貌の解明には程遠いのが現状である。
2.× GABA(ガンマアミノ酪酸)とは、GABA(ガンマアミノ酪酸)が増強すると他の神経の活動を抑制するため、不安や痛覚が軽減するといわれている。
3.〇 正しい。ダイノルフインは、内因性オピオイドである。内因性オピオイドは、体内で作られ、生理的な状況や危機が迫ったときに放出される物質され、脳や脊髄に存在するオピオイド受容体に作用し、鎮痛作用をもたらす。主に、エンドルフィン、エンケファリン、ダイノルフィン、エンドモルフィンなどあげられる。また、痛みによる不快な感覚の抑制、下降性抑制神経系の賦活化、恐怖という情動の抑制、脳内報酬系における重要な伝達物質でもある。
4.× ドパミンとは、運動調節や意欲・学習などに関わる脳内の神経伝達物質である。脳内のドパミン量が不足するとパーキンソン病になり、過剰になると統合失調症になると考えられている。 統合失調症の治療薬は、ドパミンD2受容体に結合して不活性化させる。
149.刺鍼により起こる軸索反射について正しいのはどれか。
1.内因性オピオイドが関与する。
2.反射中枢は脊髄にある。
3.血漿が漏出する。
4.Aβ線維の興奮によって起こる。
解答3
解説
1.× 内因性オピオイドは関与「しない」。内因性オピオイドの遊離は、鎮痛作用に関与する。内因性オピオイドは、体内で作られ、生理的な状況や危機が迫ったときに放出される物質され、脳や脊髄に存在するオピオイド受容体に作用し、鎮痛作用をもたらす。主に、エンドルフィン、エンケファリン、ダイノルフィン、エンドモルフィンなどあげられる。また、痛みによる不快な感覚の抑制、下降性抑制神経系の賦活化、恐怖という情動の抑制、脳内報酬系における重要な伝達物質でもある。
2.× 反射中枢は脊髄「ではない」。なぜなら、軸索反射は、反射様現象であるため。軸索反射は末梢神経内で完結する反射であり、中枢神経(脊髄や脳)は関与しない。感覚神経の興奮が軸索内で双方向に伝播し、軸索末端から神経伝達物質が放出されることによって起こる。
3.〇 正しい。血漿が漏出する。軸索反射とは、末梢神経の軸索上で起こる反射様現象である。神経末端に生じた興奮が神経の分枝に沿って逆行性に伝播する現象のことをさす。したがって、鋮刺激によりポリモーダル受容器が興奮すると、軸索反射によって受容器末端から神経伝達物質が放出され、コリン作動性神経の末梢血管に働いて(血管拡張(フレア)、膨疹(浮腫))が生じる。※神経伝達物質には(CGRP、サブスタンスP)が考えられている。
4.× 「Aβ線維」ではなくC線維の興奮によって起こる。
150.「内部環境」という用語で恒常性について述べた人物はどれか。
1.ノーバート・ウイナー
2.クロード・ベルナール
3.ウオルター・キャノン
4.ハンス・セリエ
解答2
解説
1.× ノーバート・ウイナーは、サイバネティックスを唱えた。サイバネティックスとは、フィードバック機構によって自動調整されている回路のことである。
2.〇 正しい。クロード・ベルナールは、「内部環境」という用語で恒常性について述べた人物である。この考え方は後に米国の生理学者・ウォルター・B・キャノンによって「ホメオスタシス」という概念に発展させられた。
3.× ウオルター・キャノンは、緊急反応を唱えた。緊急反応とは、身体がストレスや危機的状況に直面した際の反応のことである。副腎髄質からアドレナリンやノルアドレナリンが分泌され、交感神経系が活性化される。これらのホルモンは、体内の特定の受容体に作用して、心拍数や血圧の上昇、呼吸の促進など、身体を戦闘状態または逃走状態に適した準備に導く一連の反応を提唱した。
4.× ハンス・セリエは、ストレス学説を唱えた。ストレス学説とは、ストレスに対する適応症候群(防御反応)である。発生機序として、ストレスが人体に加わると適応ホルモンとして脳の下垂体から副腎に副腎皮質刺激ホルモンが分泌され、さらに副腎は副腎皮質ホルモンを分泌して人体を保護する。人体にストレス刺激が加わりストレス状態が続くと、副腎皮質が肥大する。第1期(警告反応期)→第2期(抵抗期)→第3期(疲憊期)という過程をたどる。