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21.喉頭の軟骨のうち対をなすのはどれか。
1.喉頭蓋軟骨
2.甲状軟骨
3.披裂軟骨
4.輪状軟骨
解答3
解説
1.× 喉頭蓋軟骨とは、単独の軟骨で、喉頭蓋を構成する。喉頭蓋とは、飲食物を口にするとき、気管に入らないように蓋をする役目の突起物のこと。
2.× 甲状軟骨とは、単独の軟骨で、甲状軟骨は喉頭の前方にあり、「のどぼとけ(喉頭隆起)」を形成する。
3.〇 正しい。披裂軟骨は、喉頭の軟骨のうち対をなす。披裂軟骨とは、輪状軟骨後板上に乗る硝子軟骨であり、前方に声帯突起が、外方に筋突起が突出している。一対(2つ)ある。
4.× 輪状軟骨とは、喉頭の枠組みの土台となるリング状の硝子軟骨である。
(※図引用:「illustAC様」)
22.腎臓について誤っているのはどれか。
1.脂肪被膜で包まれる。
2.右腎は左腎より低い。
3.腎小体は糸球体とボーマン嚢からなる。
4.傍糸球体細胞からアルドステロンが分泌される。
解答4
解説
(※図引用:「イラストボックス様」より)
1.〇 脂肪被膜で包まれる。腎臓は外側から腎筋膜(ゲロタ筋膜)→脂肪被膜→腎被膜(線維被膜)の順に包まれている。腎筋膜(ゲロタ筋膜):密性結合組織の膜状の構造物。筋組織を包んでいるのではなく、腎臓・副腎をつつんだ脂肪被膜を覆う。前葉と後葉が腎の外側方で合わさり、さらに腹壁の筋群の内面を被う「横筋筋膜」へと続く。
・脂肪被膜:腎臓・副腎をつつむ脂肪組織の塊。
・腎被膜(線維被膜):薄く堅い結合組織の被膜で、腎臓表面を覆う。
2.〇 右腎は、左腎より低い。なぜなら、右側には肝臓があるため。
3.〇 腎小体は、糸球体とボーマン嚢からなる。ネフロン(腎単位)とは、腎臓における尿生成の機能単位のことをいい、腎小体と尿細管で構成されている。多数のネフロンは集合管に合流し、尿を腎杯に送る。腎臓の実質部分の外側を皮質、内側を髄質といい、皮質に腎小体が左右それぞれ約100万個ずつ存在する。
4.× 傍糸球体細胞から、「アルドステロン」ではなくレニンが分泌される。レニンとは、腎臓(傍糸球体細胞)から分泌されるホルモンである。レニンは、腎血流量の減少により作動し、血圧上昇させる働きがある。ちなみに、アルドステロンは、副腎皮質の球状層から分泌されるホルモンである。
副腎皮質から、コルチゾール・アルドステロン・アンドロゲン(男性ホルモン)などが分泌される。コルチゾールは、血糖値の上昇や脂質・蛋白質代謝の亢進、免疫抑制・抗炎症作用、血圧の調節など、さまざまな働きがあるが、過剰になるとクッシング症候群、不足するとアジソン病を引き起こす。
①球状帯:電解質コルチコイド(アルドステロン)を産生する。皮膜直下の薄い層で、皮質細胞が球状の塊を形成する。
②束状帯:糖質コルチコイド(コルチゾール)を産生する。最も厚い層で、細胞は縦に並び、細胞索を形成する。その間を洞様毛細血管が髄質に向かって走行する。
③網状帯:アンドロゲンを産生する。皮質の最深部で、網状をなす細胞索からなる。
23.顎動脈の枝はどれか。
1.中硬膜動脈
2.顔面動脈
3.後頭動脈
4.舌動脈
解答1
解説
(※図引用:「髄膜炎(ずいまくえん)」著:杉浦 崇浩様より)
「頭蓋骨→硬膜→くも膜→クモ膜下腔(この中に脳脊髄液が存在)→軟膜」という構造となっている。クモ膜と軟膜の間には、脳脊髄液が充満したクモ膜下腔が存在する。脳脊髄液は、脳と脊髄の保護や栄養補給、代謝物の除去を担っているといわれている。
1.〇 正しい。中硬膜動脈は、顎動脈の枝(内頚動脈の枝)である。中硬膜動脈は、顎動脈の枝であり、硬膜に血液を供給する。ちなみに、硬膜とは、一番外側で、頭蓋骨に内側から張りついている強靭な膜であり、脳を外傷や感染から守る役割を果たす。
2~4.× 顔面動脈/後頭動脈/舌動脈
いずれも外頸動脈の枝である。
・外頸動脈とは、左右の総頸動脈から分岐し、頭蓋の外側を走行する動脈である。 顎の付け根のあたりで浅側頭動脈と顎動脈に分かれる。
・内頸動脈とは、心臓血管である上行大動脈から分枝してできる左右の総頸動脈から分枝する動脈の一つである。
①内頚動脈の枝
後交通動脈、前大脳動脈、眼動脈、中大脳動脈
②外頚動脈の枝
顔面動脈、後頭動脈、浅側頭動脈、後耳介動脈、舌動脈、顎動脈、上甲状腺動脈、上行咽頭動脈
24.上肢の動脈の経路について正しいのはどれか。
1.橈骨動脈は手根管を通る。
2.腋窩動脈は外側腋窩隙を通る。
3.上腕動脈は内側上腕二頭筋溝を通る。
4.尺骨動脈は上腕骨内側上顆の後ろを通る。
解答3
解説
1.× 橈骨動脈は手根管を「通らない」。手根管とは、手根骨と屈筋支帯に囲まれたトンネルである。通過するのは、①正中神経、②前腕屈筋群の腱(橈側手根屈筋腱、長母指屈筋腱、浅指屈筋腱、深指屈筋腱)である。
2.× 外側腋窩隙を通るのは、「腋窩動脈」ではなく腋窩神経や後上腕回旋動静脈である。外側腋窩隙とは、小円筋と大円筋と上腕三頭筋の長頭と上腕骨で囲まれた四角形の隙き間をいう。腋窩神経や後上腕回旋動静脈が通る。このすき間が狭くなると、腋窩神経の障害から、支配筋である三角筋の筋力低下が起こり、上腕挙上困難(四辺形間隙症候群)になる。
3.〇 正しい。上腕動脈は、内側上腕二頭筋溝を通る。上腕動脈は、前腕部より遠位、かつ最も前腕に近い動脈である。
4.× 上腕骨内側上顆の後ろを通るのは、「尺骨動脈」ではなく尺骨神経である。尺骨動脈の走行は、肘窩で上腕動脈から分岐し、前腕の近位1/2では深在性の走行となる。尺側に向かって下行する。
25.下大静脈に直接注がないのはどれか。
1.肝静脈
2.腎静脈
3.脾静脈
4.腰静脈
解答3
解説
具体的には・・・
①肝静脈
②腎静脈
③右精巣(卵巣)静脈
④腰静脈
⑤総腸骨静脈
※左精巣(卵巣)静脈は、腎静脈を経て流入する。
1.〇 肝静脈/腎静脈/腰静脈は、下大静脈に直接注ぐ。
3.× 脾静脈は、下大静脈に直接注がない。脾静脈は、上腸間膜静脈と合流して門脈を形成する。
門脈は、だいたいの消化管から得られた栄養を肝臓へと運ぶ働きを持つ機能血管である。胃、腸、膵臓、脾臓、胆嚢の毛細管から静脈血を集める。