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41.運動野があるのはどれか。
1.前頭葉
2.頭頂葉
3.後頭葉
4.側頭葉
解答1
解説
1.〇 正しい。前頭葉は、運動野がある。運動野とは、論理的思考を制御する領域である。前頭葉障害の主症状として、①遂行機能障害、②易疲労性、③意欲・発動性の低下、④脱抑制・易怒性、⑤注意障害、⑥非流暢性失語等が挙げられる。
2.× 頭頂葉とは、頭のてっぺんのやや後ろの部分に位置し、体性感覚や空間認識をつかさどる。
3.× 後頭葉とは、主に視覚情報の処理を担当する。
4.× 側頭葉とは、脳の側面を占める脳領域で、視覚や聴覚などの認知機能や記憶をつかさどる。
42.骨格筋の収縮時にカルシウムイオンと結合するのはどれか。
1.アクチン
2.クレアチン
3.トロポニン
4.ミオシン
解答3
解説
【筋収縮の機序】
①筋小胞体から放出されたCa2+がトロポニンと結合する。
②ATPエネルギーを利用したミオシンの頭部首振り運動が起こる。
③アクチンフィラメントを引き寄せながらミオシンフィラメント上を滑走して筋収縮が起こる。
【運動による筋疲労によって起こる事象】
①代謝産物の蓄積(乳酸の増加やpHの低下)
②エネルギー供給率の低下(ATP低下、ADP増加、グリコーゲン低下)
③興奮収縮連関不全(筋小胞体へのCa2+取り込み低下)
1.× アクチンとは、筋原線維を構成する細いフィラメント(アクチンフィラメント)の主成分である。
2.× クレアチンとは、アミノ酸の一種で、筋肉に蓄えられてエネルギー源として利用される物質である。筋肉ではクレアチンリン酸がATPを再合成する際に働く。
3.〇 正しい。トロポニンは、骨格筋の収縮時にカルシウムイオンと結合する。ちなみに、トロポニンとは、心筋に特異的に含まれる物質で、心筋が障害を受けたときに血液中で増える物質で、筋収縮の機序としては、①筋小胞体から放出されたCa2+がトロポニンと結合する。
4.× ミオシンとは、筋原線維を構成する太いフィラメントの主成分である。ミオシン頭部がアクチンに結合し、ATPを利用して筋収縮を引き起こす。
43.大脳基底核の働きはどれか。
1.感覚の中継
2.血糖の調節
3.姿勢の制御
4.唾液分泌の調節
解答3
解説
1.× 感覚の中継は、視床である。視床とは、嗅覚以外のあらゆる感覚情報(体性感覚、痛覚、視覚、聴覚、味覚など)を大脳皮質に送る一大中継基地を担う。
2.× 血糖の調節は、主に膵臓(インスリンやグルカゴンの分泌)が行う。
3.〇 正しい。姿勢の制御は、大脳基底核の働きである。大脳基底核とは、①線条体(被殻 + 尾状核)、②淡蒼球、③黒質、④視床下核である。小脳とともにからだの運動をスムーズにする役割がある。
4.× 唾液分泌の調節は、自律神経系(主に副交感神経)によって行われる。
膵臓のランゲルハンス島からは、①インスリン、②グルカゴン、③ソマトスタチンが分泌される。
①インスリンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞から分泌されるホルモンの一種で、①血糖低下、②脂肪合成の作用がある。
②グルカゴンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるα細胞から分泌されるホルモンの一種で、①血糖上昇、②脂肪分解の作用がある。
③ソマトスタチンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるδ細胞から分泌されるホルモンの一種で、成長ホルモン、インスリン、グルカゴン、ガストリン、セクレチンの分泌抑制の作用がある。
44.光の刺激により縮瞳が起こる機序で正しいのはどれか。
1.毛様体筋の収縮
2.瞳孔括約筋の収縮
3.上斜筋の収縮
4.外側直筋の収縮
解答2
解説
(※図:「看護師イラスト集」看護roo!様HPより)
1.× 毛様体筋の収縮は、近くを見るときに収縮する。毛様体筋とは、眼の遠近調節を行う筋である。ちなみに、近くで見るとき、毛様体小帯が弛緩し、水晶体が厚くなる。
2.〇 正しい。瞳孔括約筋の収縮は、光の刺激により縮瞳が起こる機序である。副交感神経優位で、瞳孔括約筋が収縮(縮瞳)する。瞳孔散大筋は、交感神経優位で収縮(散瞳)する。
3.× 上斜筋の収縮は、眼球を下内方に向ける。
4.× 外(側)直筋の収縮は、眼球を外側に向ける。
【眼球運動:筋】
外側:外直筋
内側:内直筋
外上方:外直筋+上直筋
内上方:内直筋+下斜筋
外下方:外直筋+下直筋
内下方:内直筋+上斜筋
【支配神経】
①動眼神経:内側直筋・上直筋・下直筋・下斜筋
②滑車神経:上斜筋
③外転神経:外側直筋
45.ミネラルの異常と病態との組合せで正しいのはどれか。
1.カルシウム過剰:テタニー
2.鉄過剰:ヘモクロマトーシス
3.カリウム不足:ウイルソン病
4.銅不足:くる病
解答2
解説
低カルシウム血症とは、血漿タンパク質濃度が正常範囲内にある場合に血清総カルシウム濃度が8.8mg/dL(2.20mmol/L)未満であること、または血清イオン化カルシウム濃度が4.7mg/dL(1.17mmol/L)未満となった状態である。 原因には、副甲状腺機能低下症、ビタミンD欠乏症、および腎疾患がある。症状として、しびれ感、テタニー(手指の不随意な筋収縮)、けいれん(すべての形)、喉頭けいれん・気管支けいれん、歯牙発育障害などがある。
1.× カルシウム「過剰」ではなく不足で、テタニーが起こる。テタニーとは、血中カルシウム濃度が低下することで筋の異常収縮による硬直、痙攣、知覚障害などを生じる病態をいう。副甲状腺機能低下症では、パラトルモンの分泌低下により、血清カルシウム値が低下し、テタニーをきたす。
2.〇 正しい。鉄過剰:ヘモクロマトーシス
ヘモクロマトーシスとは、鉄過剰症ともいい、体内の鉄の調節が崩れ、鉄が臓器に過剰に沈着して障害を引き起こす病気である。遺伝性の疾患が多く、腸管からの鉄吸収が過剰になることで全身の臓器に鉄が沈着し、肝硬変や糖尿病、皮膚の色素沈着などの症状を引き起こす。
3.× カリウム「不足」ではなく過剰で、ウイルソン病が起こる。ウィルソン病とは、まれな遺伝性疾患で、肝臓が正常時のように余分な銅を胆汁中に排泄せず、結果として肝臓に銅が蓄積して肝臓が損傷する病気である。銅は肝臓、脳、眼やその他の臓器に蓄積し、ウィルソン病の患者では、振戦(ふるえ)、発語困難、嚥下(えんげ)困難、協調運動障害、人格変化、肝炎がみられる。
4.× 「銅」ではなくビタミンDの不足で、くる病が起こる。くる病とは、小児期に見られる骨の石灰化不全であり、主に成長障害と骨の弯曲が起こる疾患である。ビタミンDの代謝あるいは感受性の障害により、骨に石灰化が起こらず、強度が不足する病気である。 成人期ではビタミンD依存性骨軟化症と呼ばれる。小児期には成長も障害され、骨X線検査で特徴的な所見を呈し、ビタミンD依存性くる病とも呼ばれる。