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21.声帯靭帯が付着するのはどれか。
1.甲状軟骨
2.喉頭蓋軟骨
3.小角軟骨
4.輪状軟骨
解答1
解説
声帯ヒダとは、声帯靭帯と声帯筋のことで、喉頭内の発声に関わるひだである。声門に張り出した粘膜に包まれたひだで、口側から見て前庭ひだの奥に位置する。
(※図引用:「illustAC様」)
1.〇 正しい。甲状軟骨は、声帯靭帯が付着する。甲状軟骨とは、喉頭部の前面の軟骨で最大の部分を指す。披裂軟骨とは、輪状軟骨後板上に乗る硝子軟骨であり、前方に声帯突起が、外方に筋突起が突出している。声帯突起には甲状披裂筋、声帯靱帯が付着し、筋突起には外側輪状披裂筋、後輪状披裂筋、披裂筋が付着する。
2.× 喉頭蓋軟骨とは、喉頭蓋を構成する軟骨である。喉頭とは、発声や飲食物の飲み込むとき、気管や肺へ入らないように防止する役割をする。 喉頭蓋とは、飲食物を口にするとき、気管に入らないように蓋をする役目の突起物のことである。
3.× 小角軟骨とは、喉頭腔を構成する6種類の軟骨の1つで、変形した三角錐のような形をしており、声帯の運動に重要な役割を果たす。
4.× 輪状軟骨とは、喉頭の枠組みの土台となるリング状の硝子軟骨である。
喉頭隆起とは、(※読み:こうとうりゅうき)俗に喉仏(※読み:のどぼとけ)とも言い、喉の中間にある甲状軟骨の隆起したところである。役割として、喉頭隆起が持ち上がることにより「てこ」の原理で喉頭蓋が下がり、喉頭を塞ぐ。
22.上行結腸について正しいのはどれか。
1.肝臓の方形葉下面に接する。
2.脾臓に接する。
3.右結腸動脈が分布する。
4.輪状ヒダを持つ。
解答3
解説
(※図引用:「消化器官の図2」より)
1.× 肝臓の「方形葉下面」ではなく右葉下部(右結腸曲付近)に接する。方形葉とは、胆嚢と左葉の間を指し、尾状葉とは下大静脈と左葉の間を指す。
2.× 「脾臓」ではなく肝臓(右葉)に接する。脾臓は、横行結腸の左側部分(左結腸曲)と接する。
3.〇 正しい。右結腸動脈が分布する。右結腸動脈とは、大腸の右側に酸素や栄養を供給する動脈である。大腸は、上腸間膜動脈と下腸間膜動脈の2つの動脈によって栄養され、上腸間膜動脈は小腸のほとんどと大腸の右側に、下腸間膜動脈は大腸の左側に酸素や栄養を供給している。
4.× 輪状ヒダを持たない。腸絨毛とは、小腸の粘膜内壁にある輪状ひだ(ケルクリング皺襞)に存在する突起である。長さ約0.5mmで、指状または葉状の小突起をしている(※読み:ちょうじゅうもう)。栄養をいきわたらせる役割を持つ。
(図引用:「肝臓周辺臓器 名称」illustAC様HPより)
23.鼠径管を通過するのはどれか。
1.子宮円索
2.臍動脈索
3.卵巣提索
4.固有卵巣索
解答1
解説
鼠径管とは、鼠径靭帯を底面として外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋でつくられたトンネルである。
鼠径管の中は、
男性:精管・精巣動脈・精巣静脈を含む精索と精巣挙筋が通る。
女性:子宮円索が通る。
1.〇 正しい。子宮円索は、鼠径管を通過する。子宮円索は、子宮円靱帯ともいい、鼠径管から大陰唇に至る、卵管開口部の前下方、左右両側で子宮に付着している筋線維を含む線維帯のことである。
2.× 臍動脈索とは、胎児の臍動脈の痕跡である。腹腔前壁の膀胱付近から臍に向かう一対の内側臍ヒダの中にある。
3.× 卵巣提索とは、子宮広間膜の一部で、骨盤壁に達して卵巣を支える役割を担う靭帯である。卵巣動静脈やリンパ管を包んでいる。
4.× 固有卵巣索とは、卵巣固有靱帯ともいい、卵巣を骨盤壁に固定している靭帯の一つである。
(図引用:「女性器の解剖と整理」医学出版様より)
24.硬膜について正しいのはどれか。
1.硬膜は2葉からなる。
2.小脳鎌は大脳と小脳の境となる。
3.硬膜静脈洞は硬膜の内側に形成される。
4.硬膜外腔は脳脊髄液により満たされる。
解答1
解説
(※図引用:「髄膜炎(ずいまくえん)」著:杉浦 崇浩様より)
「頭蓋骨→硬膜→くも膜→クモ膜下腔(この中に脳脊髄液が存在)→軟膜」という構造となっている。クモ膜と軟膜の間には、脳脊髄液が充満したクモ膜下腔が存在する。脳脊髄液は、脳と脊髄の保護や栄養補給、代謝物の除去を担っているといわれている。
1.〇 正しい。硬膜は2葉からなる。脳硬膜は、内層と外層の2層構造である。外層はいわゆる頭蓋骨内面の骨膜で、通常は内層と外層は強く癒着している。ちなみに、硬膜とは、脳脊髄を包んでいる硬い膜である。 硬膜の下の構造はくも膜、軟膜、脳/脊髄実質が存在している。また、硬膜は環椎とつながっているため、目の使いすぎなどにより、 首の後ろの筋肉(小後頭直筋)が固くなり、硬膜を引っ張り脳周囲の圧力が変わり頭痛につながる。
2.× 「小脳鎌」ではなく小脳テントは大脳と小脳の境となる。小脳鎌は、小脳の両半球を左右に隔てる構造である。脳底槽(鞍上槽:ペンタゴン)は、鞍上部周囲のくも膜下腔にヒトデ型の領域である。
3.× 硬膜静脈洞は、硬膜の「内側」ではなく「内側と外側の間」に形成される。硬膜静脈洞とは、硬膜内層と硬膜外層の間、または、硬膜内層と硬膜内層が合わさった部分に静脈血が流れる管腔構造が存在する。脳の静脈と眼静脈は、硬膜静脈洞を介して内頸静脈へ注ぐ。ちなみに、内頸静脈は、外頸、浅側頭、顔面、顎静脈などを受けた後、鎖骨下静脈と合流して腕頭静脈となる。
4.× 脳脊髄液により満たされるのは、「硬膜外腔」ではなくくも膜下腔である。硬膜外腔とは、頭蓋骨と硬膜の間の空間である。
くも膜下出血とは、くも膜と呼ばれる脳表面の膜と脳の空間(くも膜下腔と呼ばれ、脳脊髄液が存在している)に存在する血管が切れて起こる出血である。くも膜下出血ではくも膜下腔に血液が流入し、CTでは高吸収域として抽出される。合併症には、①再出血、②脳血管攣縮、③正常圧水頭症などがある。①再出血:発症後24時間以内が多く、死亡率も高い。②脳血管攣縮:72時間後〜2週間後(ピークは8〜10日)が多く、脳血管攣縮による梗塞の好発部位は、「前交通動脈」である。③正常圧水頭症:数週〜数ヶ月後に認知症状、尿失禁、歩行障害などの症状が出現する。
25.脊髄神経の後枝に由来するのはどれか。
1.大後頭神経
2.肋間神経
3.橈骨神経
4.下殿神経
解答1
解説
(図引用:「前根」wikiより)
脊髄神経は、①前枝と②後枝に分かれる。
①前枝:体幹の前側や四肢の筋肉・皮膚に分布し、神経叢(腕神経叢、腰仙骨神経叢など)を形成する。
②後枝:脊柱の背側(背中や後頸部)の深層筋(脊柱起立筋など)や皮膚に分布する。
1.〇 正しい。大後頭神経は、脊髄神経の後枝に由来する。大後頭神経は、深後頸部筋を支配する。
2.× 肋間神経とは、12個ある胸椎の間から左右に対となって出て各肋骨の下を走り、胸壁と腹壁の筋肉や皮膚の運動・知覚を司っている末梢神経である。内腹斜筋、外腹斜筋などを支配する。つまり、感覚神経と運動神経である。
3.× 橈骨神経とは、頸神経(C5~T1)の前枝に由来する。母指背側の感覚と上腕三頭筋・腕橈骨筋・長、短橈側手根伸筋、総指伸筋などの伸筋群を支配する。感覚領域は、親指から中指の背側、手背の橈側(親指側)、前腕の背側、上腕の背側と外側である。
4.× 下殿神経は、仙骨神経叢(L5~S2)の前枝に由来する。下殿神経は、大殿筋の支配神経である。
腹部から下肢に分布する脊髄神経は、腰神経叢と仙骨神経叢とを形成する。腰神経叢は、T12~L4の前枝で構成され、その枝は腹部から大腿前面に分布する。一方、仙骨神経叢は、L4~S4前枝から構成され、その枝は腰部~大腿後面と下肢~足部に分布する。
腰神経叢:①腸骨下腹神経、②腸骨鼠経神経、③外側大腿皮神経、④大腿神経、⑤陰部大腿神経、⑥閉鎖神経
仙骨神経叢:①上殿神経、②下殿神経、③坐骨神経、④後大腿皮神経、⑤陰部神経