第23回(H27年)はり師きゅう師国家試験 解説【午前16~20】

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16.線維性の連結はどれか。

1.釘植
2.仙腸関節
3.恥骨結合
4.椎間関節

解答

解説
1.〇 正しい。釘植は、線維性の連結である。釘植は、骨と骨は繊維性の結合組織によって固く連結され、可動性はごく小さいか全くない。線維性の連結には、縫合、釘植、靱帯結合の3種がある。

2.× 仙腸関節は、靭帯結合である。靭帯結合とは、靱帯が2つの骨と結合している関節で、わずかに稼働性を有するものをさす。例えば、脛骨と腓骨との間の遠位関節などがあげられる。

3~4.× 恥骨結合/椎間関節は、軟骨結合である。(線維)軟骨結合とは、骨と骨の間に線維軟骨が存在し、可動性がまったくないかごくわずかである不動関節のことである。線維軟骨結合は、①恥骨の線維軟骨結合で連結された寛骨、②椎間板で連結された椎骨があげられる。

 

 

 

 

 

17.頭蓋骨で2個あるのはどれか。

1.篩骨
2.鋤骨
3.鼻骨
4.舌骨

解答

解説

脳頭蓋骨

単一の骨:前頭骨、後頭骨、篩骨、蝶形骨
一対の骨:側頭骨、頭頂骨

1.× 篩骨(※読み:しこつ)は、頭蓋骨で1個ある。
篩骨は、鼻腔の上部に位置する。

2.× 鋤骨(※読み:じょこつ)は、頭蓋骨で1個ある。
鋤骨は、鼻中隔の後下半部を形成する板状の骨である。

3.〇 正しい。鼻骨は、頭蓋骨で2個ある。
鼻骨は、左右一対(2個)の骨として存在し、鼻の上部を構成する。

4.× 舌骨は、頭蓋骨で1個ある。
舌骨は、喉の奥に位置し、直接連結しない独立した骨である。

頭蓋骨とは?

頭蓋骨とは、①脳頭蓋(神経頭蓋):脳や嗅覚・視覚・聴覚器官等を覆う部分、②顔面頭蓋(内蔵頭蓋):口の周辺や耳などを構成する部分をいう。

①脳頭蓋:6種8個に大別される。
頭頂骨(2個)、側頭骨(2個)、前頭骨、後頭骨、蝶形骨、篩骨

②顔面頭蓋:9種15個に大別される。
鼻骨(2個)、涙骨(2個)、下鼻甲介(2個)、上顎骨(2個)、頬骨(2個)、口蓋骨(2個)、下顎骨、鋤骨、舌骨

したがって、23個の骨が組み合わさって成り立っている。

 

 

 

 

 

18.大結節稜に停止する筋はどれか。

1.大胸筋
2.大円筋
3.小円筋
4.広背筋

解答

解説

大結節稜に付着する筋肉

・小円筋
小円筋の【起始】肩甲骨後面の外側部上半、【停止】上腕骨大結節の下部、大結節稜の上端、【作用】肩関節外旋である。

・大胸筋
大胸筋の【起始】鎖骨部:鎖骨内側1/2~2/3、胸肋部:胸骨前面と上5~7個の肋軟骨、腹部:腹直筋鞘前葉の表面、【停止】上腕骨の大結節稜、【作用】肩関節内転・内旋、鎖骨部:肩甲骨屈曲、腹部:肩関節下制である。

1.〇 正しい。大胸筋は、大結節稜に停止する筋である。
大胸筋の【起始】鎖骨部:鎖骨内側1/2~2/3、胸肋部:胸骨前面と上5~7個の肋軟骨、腹部:腹直筋鞘前葉の表面、【停止】上腕骨の大結節稜、【作用】肩関節内転・内旋、鎖骨部:肩甲骨屈曲、腹部:肩関節下制である。

2.× 大円筋の【起始】肩甲骨の下角部、棘下筋膜下部外面、【停止】上腕骨の小結節稜、【作用】肩関節内転、内旋、伸展、【神経】肩甲下神経である。

3.△ 小円筋の一部は、大結節稜に停止する。教科書によってさまざまである。小円筋の【起始】肩甲骨後面の外側部上半、【停止】上腕骨大結節の下部、大結節稜の上端、【作用】肩関節外旋である。

4.× 広背筋の【起始】第6~8胸椎以下の棘突起、腰背腱膜、腸骨稜、第(9)10~12肋骨および肩甲骨下角、【停止】上腕骨の小結節稜、【作用】肩関節内転、伸展、多少内旋、【神経】胸背神経である。

 

 

 

 

 

19.腋窩リンパ節に還流する領域はどれか。

1.顎下三角
2.筋三角
3.後頸三角
4.聴診三角

解答

解説
1.× 顎下三角は、顎二腹 筋前腹、後腹、下顎骨下縁によって囲まれた部分である。

2.× 筋三角(三角筋胸筋三角)とは、モーレンハイム窩ともいい、大胸筋上縁と三角筋前縁との境にある三角筋胸筋溝の上端部と鎖骨にて構成される領域のことである。

3.× 後頸三角は、僧帽筋前縁、胸鎖乳突筋後縁、鎖骨上縁で囲まれた部分である。

4.〇 正しい。聴診三角は、腋窩リンパ節に還流する領域である。聴診三角とは、広背筋上縁と肩甲骨内側縁と僧帽筋外側縁からなる三角形である。筋層が薄いために呼吸音が明瞭に聞こえる。

 

 

 

 

 

20.静脈と開口部の組合せで正しいのはどれか。

1.海綿静脈洞:外頚静脈
2.食道静脈:奇静脈
3.橈側皮静脈:上腕静脈
4.門脈:下大静脈

解答

解説
1.× 海綿静脈洞と「外頚静脈」は関連ない。
・海綿静脈洞とは、眼の後方、頭蓋骨の基底部にある太い静脈である。頭蓋に入ってすぐ、眼の真後ろのあたりの頭蓋骨内に内頸動脈を囲むように存在する。海綿状の静脈機能を持った部位である。
・外頸静脈とは、頭蓋外側および顔面深部からの血液の大部分を受け取る静脈で、下顎後静脈の後部と後耳介静脈の接合部より始まる。

2.〇 正しい。食道静脈:奇静脈
・奇静脈とは、脊柱の右側を走行し上大静脈に合流する静脈をいう。ほかに、脊柱の左側を走行する静脈に半奇静脈と副半奇静脈がある。これらは上大静脈と下大静脈の連絡を担い、閉塞した際には奇静脈が側副血行路として機能する。

3.× 橈側皮静脈と「上腕静脈」は関連ない。
・橈側皮静脈(外側)は、主に腋窩静脈に注ぐ。一方、上腕静脈は尺側皮静脈(内側)と関係がある。

4.× 門脈と「下大静脈」は関連ない。
・門脈とは、だいたいの消化管から得られた栄養を肝臓へと運ぶ働きを持つ機能血管である。肝臓では、栄養素の代謝や解毒が行われるため、門脈を通ることが重要である。
・下大静脈の役割として、①下半身の静脈血や腰静脈・腎静脈・肝静脈などの静脈血を集めて右心房に送ること、②全身へ栄養素やアルブミンを運ぶことなどがあげられる。

下大静脈に直接流入するのは主に下半身(横隔膜以下の部)の静脈血

具体的には・・・
①肝静脈
②腎静脈
③右精巣(卵巣)静脈
④腰静脈
⑤総腸骨静脈
※左精巣(卵巣)静脈は、腎静脈を経て流入する。

 

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