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121.胃痛に対して行う低周波鍼通電療法で、デルマトームを応用した経穴の組合せとして正しいのはどれか。
1.三焦兪:腎兪
2.膈兪:肝兪
3.玉枕:天柱
4.大杼:肺兪
解答2
解説
1.× 三焦兪:腎兪
・三焦兪(※読み:さんしょうゆ):腰部、第1腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分に位置する。
・腎兪(※読み:じんゆ):腰部、第2腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分に位置する。
2.〇 正しい。膈兪:肝兪
胃に対するデルマトームは第7~9胸椎である。
・膈兪(※読み:かくゆ)は、上背部、第7胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分に位置する。
・肝兪(※読み:かんゆ)は、上背部、第9胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分に位置する。
3.× 玉枕:天柱
・玉枕(※読み:ぎょくちん)は、頭部、外後頭隆起上縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸3分に位置する。
・天柱(※読み:てんちゅう)は、後頸部、第2頸椎棘突起上縁と同じ高さ、僧帽筋外縁の陥凹部に位置する。
4.× 大杼:肺兪
・大杼(※読み:だいじょ)は、上背部、第1胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分に位置する。
・肺兪(※読み:はいゆ)は、上背部、第3胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分に位置する。
(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)
122.次の文で示す患者の東洋医学的病態で適切なのはどれか。「65歳の男性。主訴は排尿痛。3年前から自覚するようになった。飲食の不摂生から便がすっきり出ないときに痛みが強くなり、下腹部の不快感を伴う。尿は色が濃くて量が少ない。舌質は紅、舌苔は黄膩。脈は滑数。」
1.下焦の湿熱
2.命門の火衰
3.粛降の失調
4.運化の低下
解答1
解説
・65歳の男性(主訴:排尿痛)。
・3年前から自覚するようになった。
・飲食の不摂生から便がすっきり出ないときに痛みが強くなり、下腹部の不快感を伴う。
・尿は色が濃くて量が少ない。
・舌質は紅、舌苔は黄膩。脈は滑数。
→痰湿証:便が出すっきり出ないときに痛みが強くなり、舌苔膩、脈滑。
→熱証:尿の色が濃くて量が少なく、舌質紅、舌苔黄、脈数。
→下焦:排尿痛と下腹部の不快感。
1.〇 正しい。下焦の湿熱が、この症例の東洋医学的病態である。
・痰湿証:便が出すっきり出ないときに痛みが強くなり、舌苔膩、脈滑。
・熱証:尿の色が濃くて量が少なく、舌質紅、舌苔黄、脈数。
・下焦:排尿痛と下腹部の不快感。
2.× 命門の火衰とは、腎陽虚の重症のケースといわれている。命門の火(元陽)が不足し、全身の機能が衰えた状態のことである。
3.× 粛降の失調は、肺の病証にみられる。粛降とは、静粛・下降といった通調水道、水の上源であり、肺の機能で、各臓腑へ降ろすという意味がある。下降させることにより、吸気や水分を下方へ移動させることである。
4.× 運化の低下は、脾の病証にみられる。運化は、飲食物を水穀の精微に変化させ、心・肺に運ぶことを指す。
123.「74歳の男性。農業に従事。主訴は頻尿と会陰部の不快感。10年前から尿が出始めるまでに時間がかかるようになった。就寝後、排尿のため2回は覚醒する。PSA値は正常範囲内である。会陰部の不快感が増強している。血尿、尿混濁は認めず、排尿痛はない。」
本症例の疾患で最も適切なのはどれか。
1.膀胱炎
2.膀胱結石
3.前立腺肥大症
4.前立腺癌の進行期
解答3
解説
・74歳の男性(農業、主訴:頻尿と会陰部の不快感)
・10年前:尿が出始めるまでに時間がかかるようになった。
・就寝後、排尿のため2回は覚醒する。
・PSA値:正常範囲内。
・会陰部の不快感が増強している。
・血尿、尿混濁は認めず、排尿痛はない。
→ほかの選択肢が否定される理由もしっかりおさえておこう。
1.× 膀胱炎より優先されるものが他にある。なぜなら、本症例は、血尿、尿混濁は認めず、排尿痛はないため。(急性)膀胱炎とは、機能的・形態的に尿路に異常のない人の膀胱炎である。 原因として、女性では尿意を我慢したり、冷えや月経が原因で起きることがある。また、妊娠や便秘、性交渉などが誘因となって起こる。症状として、頻尿や残尿感などである。
2.× 膀胱結石より優先されるものが他にある。なぜなら、本症例の主訴は、頻尿と会陰部の不快感であるため。ちなみに、尿路結石症とは、尿路に、結石(尿に含まれるカルシウム・シュウ酸・リン酸・尿酸などが結晶化したもの)ができる病気である。結石のできる位置によって、腎結石(腎臓内にある結石) 、尿管結石、膀胱結石などと呼ばれる。結石ができる原因は明確に分かっていないが、リスク要因としては体質遺伝の他、生活習慣が大きく関わっているとされている。典型的な最初の症状は脇腹から下腹部にかけての突然の激痛である。 「動くと痛い」というのは結石の症状ではなく筋肉や骨からの症状のことが多いが、尿管結石の場合はじっとしていてももだえるほどの症状が出ることがある。 また、結石によって閉塞した部位の中枢側の尿路が拡張し、腰背部の仙痛発作が起こる。治療としては、①体外衝撃波腎・尿管結石破砕術、②経尿道的尿路結石除去術、③経皮的尿路結石除去術(もしくは②と③を同時に併用する手術)などがあげられる。
3.〇 正しい。前立腺肥大症は、本症例の疾患である。前立腺肥大症とは、男性の膀胱の隣にある前立腺という臓器が大きくなっている状態で、排尿症状や蓄尿症状、排尿後症状などが現れる。原因ははっきりと断定できていないが、男性ホルモンの関与が指摘されている。また、肥満や高血圧、高血糖、脂質異常症なども関係があるといわれている。
4.× 前立腺癌の進行期より優先されるものが他にある。なぜなら、本症例のPSA値は正常範囲内であるため。PSA(Prostate Specific Antigen)とは、前立腺特異抗原で、前立腺で作られるタンパク質である。採血で測定し、前立腺がんの腫瘍マーカーとして用いられる。PSAの基準値は、0~4ng/mLとされている。4~10ng/mLは、25~40%の割合でがんが発見され、100ng/mLを超える場合には前立腺がんが強く疑われ、転移も疑われる。
124.「74歳の男性。農業に従事。主訴は頻尿と会陰部の不快感。10年前から尿が出始めるまでに時間がかかるようになった。就寝後、排尿のため2回は覚醒する。PSA値は正常範囲内である。会陰部の不快感が増強している。血尿、尿混濁は認めず、排尿痛はない。」
会陰部の症状緩和を目的に陰部神経への鍼施術を行う場合、刺鍼部位の目安となる体表点で最も適切なのはどれか。
1.上後腸骨棘と坐骨結節下端内側を結ぶ線上の中点
2.大転子と上後腸骨棘を結ぶ線の中点から直角下方3cmの点
3.大転子と坐骨結節を結ぶ線上の内側3分の1の点
4.大転子と仙尾関節を結ぶ線上の外側3分の1の点
解答1
解説
・74歳の男性(農業、主訴:頻尿と会陰部の不快感)
・前立腺肥大症は、本症例の疾患である。
→前立腺肥大症とは、男性の膀胱の隣にある前立腺という臓器が大きくなっている状態で、排尿症状や蓄尿症状、排尿後症状などが現れる。原因ははっきりと断定できていないが、男性ホルモンの関与が指摘されている。また、肥満や高血圧、高血糖、脂質異常症なども関係があるといわれている。
1.〇 正しい。上後腸骨棘と坐骨結節下端内側を結ぶ線上の中点(S2領域)は、刺鍼部位の目安となる体表点である。排尿中枢は、仙髄(S2~4)にあり、膀胱壁が拡張するとその知覚が排尿中枢に伝えられる。普段は大脳から蓄尿の指令が出ているが、排尿の命令が出ると陰部神経を介して外尿道括約筋が弛緩し、副交感神経を介して排尿筋が収縮する。
2.× 大転子と上後腸骨棘を結ぶ線の中点から直角下方3cmの点は、L5領域である。
3.× 大転子と坐骨結節を結ぶ線上の内側3分の1の点は、S1領域である。
4.× 大転子と仙尾関節を結ぶ線上の外側3分の1の点は、L5領域である。
(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)
125.肩関節周囲炎の内旋制限に対し、拘縮している筋への施術で適切な経穴はどれか。
1.肩井
2.曲垣
3.天宗
4.中府
解答3
解説
1.× 肩井(※読み:けんせい)は、後頸部、第7頸椎棘突起と肩峰外縁を結ぶ線上の中点に位置する。天髎(三焦経)の上方にあたる。僧帽筋の治療穴である。
2.× 曲垣(※読み:きょくえん)は、肩甲部、肩甲棘内端の上方陥凹部に位置する。僧帽筋の治療穴である。
3.〇 正しい。天宗は、肩関節周囲炎の内旋制限に対し、拘縮している筋(棘下筋)への施術である。天宗(※読み:てんそう)は、肩甲部、肩甲棘の中点と肩甲骨下角を結んだ線上、肩甲棘から1/3にある陥凹部に位置する。棘下筋の治療穴である。
・棘下筋の【起始】肩甲骨の棘下窩、棘下筋膜の内側、【停止】上腕骨大結節の中部、【作用】肩関節外旋、上部は外転、下部は内転である。
4.× 中府(※読み:ちゅうふ)は、前胸部、第1肋間と同じ高さ、鎖骨下高の外側、前正中線の外方6寸。小胸筋の治療穴である。
肩関節周囲炎(五十肩)は、慢性炎症に分類される。肩関節周囲炎(五十肩)は、肩関節とその周辺組織(肩峰下滑液包や腱板など)の退行性変性が原因となり肩関節の痛みと運動の制限を伴うものである。加齢による退行変性を基盤に発症し、疼痛(運動時痛、夜間時痛)と運動障害を主徴とする。肩関節周囲炎は痙縮期、拘縮期、回復期と分けられ、筋萎縮は拘縮期に肩甲帯筋の廃用性萎縮としてみられる。リハビリとして、Codman体操(コッドマン体操)を実施する。肩関節周囲炎の炎症期に使用する運動であり、肩関節回旋筋腱板の強化や肩関節可動域拡大を目的に使用する。患側の手に1~1.5㎏の重錘を持ち、振り子運動を行う。
①痙縮期(約2~9か月):急性期で疼痛が主体となる。明らかな誘因はなく、肩の違和感や痛みで出現。運動時痛や安静時・夜間時痛が出現し、急速に関節が硬くなる。局所の安静、三角巾固定痛みの出る動作は避ける。
②拘縮期(約4~12か月):亜急性期で拘縮が主体となる。徐々に安静時痛・夜間痛は軽減しますが、肩関節は拘縮し、可動域制限が残りやすくなる。過度に動かすと強いつっぱり感が出現する。徐々に運動範囲を広げる(お風呂やホットパックでの保温、愛護的に関節可動域の拡大)
③回復期(約6~9か月):慢性期で、症状は徐々に改善する。可動域制限も徐々に回復し、運動時痛も消失する。積極的な運動(ストレッチング)を実施する。