第24回(H28年)はり師きゅう師国家試験 解説【午前16~20】

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16.気管内面にみられるのはどれか。

1.多列線毛上皮
2.単層立方上皮
3.単層扁平上皮
4.移行上皮

解答

解説
1.〇 正しい。多列線毛上皮は、気管内面にみられる。多列線毛上皮とは、表面に線毛があり、杯細胞が豊富。線毛と粘液で塵や異物をからめとる特徴を持つ。
鼻腔~気管・気管支(気道)などが該当する。

2.× 単層立方上皮は、栄養と水分の消化吸収、ならびに体内への異物の侵入を防ぐバリア、内分泌機能による消化液の分泌と腸管運動の調節などの作用を持つ。したがって、甲状腺の濾胞上皮、尿細管などにみられる。

3.× 単層扁平上皮は、薄いので物質の交換などに向き、胸膜、腹膜、血管内皮、肺胞などでみられる。

4.× 移行上皮は、伸び縮みすることができる特殊な上皮であり、腎杯~尿管~膀胱(尿路)などでみられる。

上皮組織の形態による分類

・単層扁平上皮:薄いので物質の交換などに向く。
(胸膜、腹膜、血管内皮、肺胞など)

・単層立方上皮:甲状腺の濾胞細胞など。
(甲状腺の濾胞上皮、尿細管など)

・単層円柱上皮:吸収と分泌を行う場所に向く。
消化器系(胃、小腸、大腸)、卵管・子宮など

・重層扁平上皮:摩擦など機械的刺激に強い。
皮膚、口腔~食道、肛門、膣など。

・多列線毛上皮:表面に線毛があり、杯細胞が豊富。線毛と粘液で塵や異物をからめとる。
鼻腔~気管・気管支(気道)

・移行上皮:伸び縮みすることができる。
腎杯肾~尿管~膀胱(尿路)

 

 

 

 

 

17.頸椎について正しいのはどれか。

1.生理的後湾がある。
2.椎骨動脈は第7頸椎の横突孔を通る。
3.環椎後頭関節は頭部の屈伸に関与する。
4.環椎横靭帯は歯突起前面を覆う。

解答

解説

(※図引用:「イラスト素材:脊柱(側面)」illustAC様より)

1.× 生理的「後湾」ではなく前弯がある。ちなみに、生理的後弯は、胸椎と仙椎で見られる特徴である。

2.× 椎骨動脈は、「第7頸椎」ではなく第6頸椎までの横突孔を通る。椎骨動脈の他にも椎骨静脈も貫通する。

3.〇 正しい。環椎後頭関節は頭部の屈伸に関与する。環椎と後頭骨の関節を環椎後頭関節という。

4.× 環椎横靭帯は、歯突起「前面」ではなく後面を覆う。

 

 

 

 

 

18.関節について正しいのはどれか。

1.胸鎖関節には関節円板が存在する。
2.肩関節で関節唇は上腕骨頭に付着する。
3.腕尺関節は車軸関節である。
4.手関節で尺骨は舟状骨に接する。

解答

解説
1.〇 正しい。胸鎖関節には関節円板が存在する。関節円板とは、帽子のように下顎頭にぶらさがっていて、顎が動くときに、骨と骨がこすれないように、クッションの役割をはたす組織である。①顎関節、②胸鎖関節、③肩鎖関節、④下橈尺関節、⑤橈骨手根関節にある。

2.× 肩関節で関節唇は、「上腕骨頭」ではなく肩甲骨の関節窩に付着する。ちなみに、関節唇とは、関節窩の縁にあり、肩関節の安定性を高めると同時に、さまざまな衝撃から守るクッションの役割を果たしている。

3.× 腕尺関節は、「車軸関節」ではなくらせん関節である。らせん関節は、腕尺関節、距腿関節、膝関節である。

4.× 手関節で、「尺骨」ではなく橈骨は、舟状骨に接する。尺骨は手根骨とは直接関節を形成せず、三角線維軟骨複合体を介して手関節に関与している。ちなみに、三角線維軟骨複合体とは、遠位橈尺関節を安定化させている支持組織である。遠位橈尺関節は手関節に隣接して存在し、肘関節に隣接する近位橈尺関節と共に前腕の回内外運動を行う。遠位橈尺関節の安定性と衝撃吸収を担うため、三角線維軟骨複合体損傷は、疼痛や機能障害の原因となる。原因として、外傷である。 手関節部の強い衝撃や手関節への過剰な負荷の繰り返しにより起きるため、野球やテニスなどのスポーツが原因となることが多い。

 

(※引用:「イラスト素材:手の骨」illustAC様より)

 

 

 

 

 

19.下肢の骨について正しいのはどれか。

1.距骨には載距突起がある。
2.腓骨にはヒラメ筋線がある。
3.脛骨には粗線がある。
4.大腿骨には恥骨筋線がある。

解答

解説


1.× 「距骨」ではなく踵骨に、載距突起がある。載距突起は、距骨が載る突起という意味であり、体重が乗る役割を持つ。

2.× 「腓骨」ではなく脛骨に、ヒラメ筋線がある。ヒラメ筋線は、ヒラメ筋の起始部である。ヒラメ筋の【起始】腓骨頭と腓骨後面、脛骨のヒラメ筋線と内側縁、腓骨と脛骨間のヒラメ筋腱弓、【停止】踵骨腱(アキレス腱)となり踵骨隆起後面の中部、【作用】足関節底屈、踵の挙上、【神経】脛骨神経である。

3.× 「脛骨」ではなく大腿骨に、粗線がある。大内転筋の停止部である。ちなみに、脛骨には、脛骨粗面があり、大腿四頭筋の停止部である。

4.〇 正しい。大腿骨には恥骨筋線がある。(大・短)内転筋や恥骨筋の停止部である。
・大内転筋の【起始】恥骨下枝、坐骨枝、坐骨結節、【停止】恥骨筋線、大腿骨粗線の内側唇全長、内側上顆、【作用】股関節内転、前部:屈曲、後部:伸展、【神経】前部:閉鎖神経後枝、後部:坐骨神経(脛骨神経部):L2~L5(S1)である。
・恥骨筋の【起始】恥骨櫛、恥骨筋膜、【停止】恥骨筋線、【作用】股関節内転、屈曲、【神経】大腿神経、閉鎖神経前枝:L2,L3である。ちなみに、小殿筋は、中殿筋の深層にある。中殿筋の【起始】腸骨翼の外面で前および後殿筋線の間、腸骨稜外唇および殿筋筋膜、【停止】大転子の外側面、【作用】股関節外転、前部:内旋、後部:外旋、【支配神経】上殿神経:L4~S1である。

 

 

 

 

 

20.腰三角を構成するのはどれか。

1.外腹斜筋
2.腸肋筋
3.大腰筋
4.腰方形筋

解答

解説

腰三角の構成

腰三角は、腹部の下背部に存在する三角形。
・前縁:外腹斜筋
・後縁:広背筋
・下縁:腸骨稜

1.〇 正しい。外腹斜筋は、腰三角を構成する。外腹斜筋の【起始】第5(6)~12肋骨の外面、【停止】腱膜は腹直筋鞘の前葉に入って白線に終わる。鼠経靭帯、恥骨稜、最後部:腸骨稜外唇。【作用】肋骨の引き下げ、脊柱の屈曲、骨盤の引き上げ、また脊柱を同時に曲げ、上体を対側に回す。腹圧を高め、腹式呼吸のとき呼息を行う。

2.× 腸肋筋は脊柱起立筋の一つである。脊柱起立筋は、腸肋筋、最長筋、棘筋があげられる。腸肋筋(腰腸肋筋、胸腸肋筋、頸腸肋筋)の作用は、①両側が作用すると脊柱を反らせ、肋骨を引き下げる、②片側が働けば体を同側に曲げる。ちなみに、【起始】腸骨稜および仙骨後面、第12~3(4)肋骨の肋骨角上縁、【停止】第12~1肋骨の肋骨角(起始のすぐ外側)および第7~4(3)頸椎の横突起の後結節である。

3.× 大腰筋の【起始】第12腰椎~第4腰椎の椎体と椎間円板、すべての腰椎の肋骨突起、第12肋骨、【停止】大腿骨の小転子、【作用】股関節屈曲である。

4.× 腰方形筋の【起始】腸骨稜と腸腰靭帯、腰椎肋骨突起、【停止】第12肋骨、腰椎肋骨突起、【作用】腰椎を同側に曲げる。両側が働けば腰椎を後ろへ曲げる(腰を反らす)である。

 

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