第24回(H28年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後91~95】

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91.肺に作用して発声・呼吸を推動するのはどれか。

1.営気
2.衛気
3.宗気
4.元気

解答

解説
1.× 営気とは、津液を血に変化させ、脈中を巡らせる。豊かな栄養分により組織・器官の活動を支える気である。

2.× 衛気とは、体表(昼)と体内(夜)をめぐる活動性の高い気のことである。全身を温め、腠理の開闔により、発汗を調節し、外邪の侵襲を防ぐ。

3.〇 正しい。宗気は、肺に作用して発声・呼吸を推動する。宗気とは、呼吸で得られる気(水穀の精微と精気)によって化生された気である。胸中に集まり、心肺の活動(呼吸・血の推動)を支える。

4.× 元気(原気)とは、先天の精を源とし、生命活動の原動力となる気である。三焦を通って、全身に分布し、臓腑の生理活動を始動させる。

 

 

 

 

 

92.五神の志を蔵すのはどれか。

1.脾
2.肺
3.腎
4.肝

解答

解説
1.× 脾は、五神の「意」を蔵す。

2.× 肺は、五神の「魄」を蔵す。

3.〇 正しい。は、五神の「志」を蔵す。

4.× 肝は、五神の「魂」を蔵す。

 

 

 

 

 

93.外邪とその特徴の組合せで正しいのはどれか。

1.火邪:動血
2.風邪:収斂
3.湿邪:遊走性
4.寒邪:粘滞性

解答

解説
1.〇 正しい。火邪:動血
火邪(熱邪)は、陽性の邪気で炎上性があり、気・津液を損傷する。また、生風、動血という特徴も持つ。

2.× 収斂(収引性)は、「風邪」ではなく寒邪である。
風邪は、陽性の邪気で軽揚性、開泄性、遊走性があり、他の外邪の先導役となる(百病の長)。

3.× 遊走性は、「湿邪」ではなく風邪である。
湿邪は、陰性の邪気で重濁性、粘滞性、下注性がある。脾を損傷しやすい。気機を滞らせやすい。

4.× 粘滞性は、「寒邪」ではなく湿邪である。
寒邪は、陰性の邪気で寒冷性、凝滞性、収引性があり、陽気を損傷しやすい。

 

 

 

 

 

94.次の文で示す症状の病因はどれか。「2日前から喉が痛む。鼻がつまり、頭が痛く、顔がむくむ。」

1.風邪
2.湿邪
3.暑邪
4.燥邪

解答

解説
1.〇 正しい。風邪が、この症例の症状の病因である。風邪は、陽性の邪気で軽揚性、開泄性遊走性があり、他の外邪の先導役となる(百病の長)。

2.× 湿邪は、陰性の邪気で重濁性、粘滞性、下注性がある。脾を損傷しやすい。気機を滞らせやすい。

3.× 暑邪(熱邪)は、陽性の邪気で夏季のみに出現し、炎熱性、昇散性がある。気・津液を損傷しやすく、湿邪を伴う。

4.× 燥邪は、陽性の邪気で乾燥性があり、肺を損傷しやすい。秋に現れることが多い。

 

 

 

 

 

95.腎陽虚証の症状はどれか。

1.煩熱
2.浮腫
3.不眠
4.口渇

解答

解説
1.× 煩熱とは、発熱と心煩、煩躁である状態である。熱証の症状である。 

2.〇 正しい。浮腫は、腎陽虚証の症状である。腎陽虚は、腰膝酸軟、冷え、畏寒、陽萎、不妊、泄瀉、夜間尿、舌苔白などがみられる。

3.× 不眠は、血虚や血熱などでみられる症状である。
・血虚は、眩暈、顔面蒼白、動悸、不眠、健忘、目のかすみ、しびれ、痙攣、月経痛、経少、経色淡白、視力減退、爪の変形などである。

4.× 口渇は、血熱などでみられる症状である。
・血熱は、発熱、出血、五心煩熱、盗汗、口渇不眠、心煩、潮熱、皮膚症状(→発赤、発疹、痒み)、精神不安などである。

浮腫とは?

浮腫とは、体液のうち間質液が異常に増加した状態を指す。主に皮下に水分が貯留するが、胸腔に溜まった場合は胸水・腹腔に溜まった場合は腹水と呼ばれる。軽度の浮腫であれば、寝不足や塩分の過剰摂取、長時間の起立などが要因で起きることがある。病的な浮腫の原因はさまざまだが、①血漿膠質浸透圧の低下(低アルブミン血症など)、②心臓のポンプ機能低下による血液のうっ滞(心不全など)、③リンパ管の閉塞によるリンパ液のうっ滞、④血管透過性の亢進(アナフィラキシーショックなど)に大別することができる。

 

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