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問題106 三叉神経第1枝の領域にある経穴はどれか。
1.四白
2.迎香
3.素髎
4.下関
解答3
解説
(※図引用:「illustAC様」)
1.× 四白(※読み:しはく)は、顔面部、眼窩下孔部に位置する。眼窩下神経の出る部にあたる。また、眼輪筋の治療穴である。四白は、特発性三叉神経痛の好発部位に対する局所治療穴である。特発性三叉神経痛とは、三叉神経のうち、1つまたは複数の枝の領域におこる発作性電撃様疼痛である。40歳以上の中高年者に多くみられ、女性に多くみられる。発作の間隔は症状の進行とともに短縮する。痛みは片側性に発症し、正中を越えて反対側に広がることはない。好発部位は第Ⅱ枝、次に第Ⅲ枝である。
2.× 迎香(※読み:げいこう)は、顔面部、鼻唇溝中、鼻翼外縁中点と同じ高さに位置する。顔面部、鼻唇溝中、鼻翼下縁の高さである。
3.〇 正しい。素髎は、三叉神経第1枝の領域にある経穴である。素髎(※読み:そりょう)は、顔面部、鼻の尖端に位置する。
4.× 下関は、三叉神経第3枝の領域にある経穴である。下関(※読み:げかん)は、顔面部、類骨弓の下縁中点と下顎切痕の間の陥凹部に位置する。
バレー(Valleix)氏圧痛点:三叉神経の各枝は、頭蓋底にある穴を通って顔面骨にある穴から出てそれぞれの支配領域に分布する。
①第Ⅰ枝の眼神経:眼窩上孔から
②第Ⅱ枝の上顎神経:眼窩下孔から
③第Ⅲ枝の下顎神経:オトガイ孔から出ており、その部分を皮膚の上から押すと痛みが起こす。
問題107 デルマトームでC6領域上に位置する経穴はどれか。
1.後渓
2.中渚
3.液門
4.魚際
解答4
解説
(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)
1.× 後渓は、C8領域である。後渓(※読み:こうけい)は、手背、第5中手指節関節尺側の近位陥凹部、赤白肉際に位置する。
2.× 中渚は、C8領域である。中渚(※読み:ちゅうしょ)は、手背、第4~5中手骨間、第4中手指節関節近位の陥凹部に位置する。
3.× 液門は、C8領域である。液門(※読み:えきもん)は、手背、薬指と小指の間、みずかきの近位陥凹部、赤白肉際に位置する。
4.〇 正しい。魚際は、デルマトームでC6領域上に位置する経穴である。魚際(※読み:ぎょさい)は、手掌、第1中手骨中点の橈側、赤白肉際に位置する。
問題108 経穴と腱の位置関係で正しいのはどれか。
1.通里は尺側手根屈筋腱の尺側にある。
2.陽渓は長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間にある。
3.中封は後脛骨筋腱の前縁にある。
4.陰谷は半腱様筋腫の外縁にある。
解答4
解説
(※図引用:「The Bone Identity ~整形外科医のブログ~様HPより」)
手背には長母指伸筋の腱、掌側には短母指伸筋の腱と長母指外転筋の腱が並んで走行している。ここを解剖学的嗅ぎタバコ窩という。手背の母指基部の専用のタバコ粉末を置いて匂いをかぐ楽しみの一つで使用されていた部位であることから、その名がつけられた。手背には長母指伸筋の腱、掌側には短母指伸筋の腱と長母指外転筋の腱が並んで走行している。ここから舟状骨も触知できる。
1.× 通里は、尺側手根屈筋腱の「尺側」ではなく橈側縁にある。
通里(※読み:つうり)は、前腕前内側、尺側手根屈筋腱の橈側縁、手関節掌側横紋の上方1寸に位置する。
2.× 陽渓は、「長母指外転筋」ではなく長母指伸筋腱と短母指伸筋腱の間にある。
陽渓(※読み:ようけい)は、手関節後外側、手関節背側横紋橈側、橈骨茎状突起の遠位、タバコ窩(橈骨小窩)の陥凹部に位置する。
3.× 中封は、「後脛骨筋腱の前縁」ではなく前脛骨筋腱内側の陥凹部にある。
中封(※読み:ちゅうほう)は、足関節前内側、前脛骨筋腱内側の陥凹部、内果尖の前方に位置する。解渓(胃経)と商丘(脾経)との間にあたる。
4.〇 正しい。陰谷は、半腱様筋腫の外縁にある。
陰谷(※読み:いんこく)は、膝後内側、半腱様筋腱の外縁、膝窩横紋上に位置する。
問題109 奇穴の子宮と同じ高さにある経穴はどれか。
1.急脈
2.大赫
3.水道
4.府舎
解答2
解説
子宮(※読み:しきゅう)は、下腹部、臍下4寸、中極(任)の外方3寸に取る。
【主治】婦人科疾患(月経痛、月経不順、不妊、子宮下垂など)、膀胱炎
1.× 急脈(※読み:きゅうみゃく)は、鼡径部、恥骨結合上縁と同じ高さ、前正中線の外方2寸5分に位置する。
2.〇 正しい。大赫は、奇穴の子宮と同じ高さにある経穴である。大赫(※読み:だいかく)は、下腹部、臍中央の下方4寸、前正中線の外方5分に位置する。
3.× 水道(※読み:すいどう)は、下腹部、臍中央の下方3寸、前正中線の外方2寸に位置する。
4.× 府舎(※読み:ふしゃ)は、下腹部、臍中央の下方4寸3分、前正中線の外方4寸に位置する。
問題110 体重節痛の際に用いる経穴部位で正しいのはどれか。
1.第4・第5中足骨底接合部の遠位、第5指の長指伸筋腱外側の陥凹部
2.内果後下方、踵骨上方、アキレス腱付着部内側前方の陥凹部
3.足外側、第5中足骨粗面の遠位、赤白肉際
4.足関節前内側、前脛骨筋腱内側の陥凹部、内果尖の前方
解答1
解説
経脈の注ぐ所 体重節痛に対し、五兪穴の兪穴を用いる。
1.〇 正しい。第4・第5中足骨底接合部の遠位、第5指の長指伸筋腱外側の陥凹部は、足臨泣で体重節痛の際に用いる経穴部位である。なぜなら、足臨泣(※読み:あしりんきゅう)は、胆経の兪穴であるため。
2.× 内果後下方、踵骨上方、アキレス腱付着部内側前方の陥凹部は、大鍾である。大鍾は、腎の絡穴である。
3.× 足外側、第5中足骨粗面の遠位、赤白肉際は、京骨である。京骨は、膀胱経の原穴である。
4.× 足関節前内側、前脛骨筋腱内側の陥凹部、内果尖の前方は、中封である。中封は、肝経の経穴である。