第26回(H30年)はり師きゅう師国家試験 解説【午前11~15】

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

 

問題11 滅菌に用いられるのはどれか。

1.アルコール
2.塩素ガス
3.高圧蒸気
4.紫外線

解答

解説

各用語の説明

・無菌とは、すべての菌が存在しない状態である。
滅菌とは、物体の表面または容器内のすべての生命形態(細菌、ウイルス、胞子、真菌など)を完全に除去または死滅させるプロセスを指す
・消毒とは、病原性微生物を、害の無い程度まで減らしたり、あるいは感染力を失わせたりして、毒性を無力化させることである。
・殺菌とは、一部を殺しただけでも「殺菌した」と言える状態であるため、この用語を使う場合は、有効性を保証したものではないともいえる。
・静菌とは、菌をしずめている状態で、菌を殺さないがその増殖を止めている状態を指す。対象や程度を含まない概念である。
・除菌とは、菌をのぞいている状態で、対象物から菌を除いて減らしている状態である。
・抗菌とは、菌をふせぐことで、細菌の増殖を阻止する(抑制する)ことである。菌を殺したり減少させたりするのではなく、繁殖を阻止する(抑制する)対象や程度を含まない概念である。

1.× アルコール(エタノール)は、消毒に用いられる。消毒用エタノールは、皮膚や手術部位の消毒、医療器具の洗浄消毒などに用いられている。また、種々の添加物成分を混合した製剤(エタノール製剤またはアルコール製剤)として、新指定医薬部外品や食品添加物の用途でも使われている。

2.× 塩素ガスは、消毒に用いられる。塩素ガスとは、塩素の気体状態を指し、黄緑色で刺激臭のある有毒な気体であり、酸化力が強く、有機物や微生物を酸化・消毒するのに使用される。

3.〇 正しい。高圧蒸気は、滅菌に用いられる。高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)とは、飽和水蒸気(空気が排除され蒸気で満たされた状態)の中で135℃付近まで加熱し、発生した水分により蛋白凝固を促進して微生物を死滅させる方法をいう。利点として、①浸透性が強いこと、②残留毒性がないこと、③短時間で滅菌可能であることなどがあげられる。

4.× 紫外線は、消毒に用いられる。紫外線消毒とは、紫外線照射によりDNAが紫外線を吸収し、DNA遺伝コードを破壊し、増殖を防ぎ、死滅(不活性化)する方法をいう。

 

 

 

 

 

問題12 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律で、再免許を与えることができるのはどれか。

1.免許取消しの事由に該当しなくなったとき
2.免許証を紛失したとき
3.誤って免許証を破いてしまったとき
4.故意に免許証を汚したとき

解答

解説
1.〇 正しい。免許取消しの事由に該当しなくなったときは、再免許を与えることができる。
「第九条 施術者が、第三条各号の一に掲げる者に該当するときは、厚生労働大臣は期間を定めてその業務を停止し、又はその免許を取り消すことができる。②前項の規定により免許を取り消された者であつても、その者がその取消しの理由となつた事項に該当しなくなつたとき、その他その後の事情により再び免許を与えることが適当であると認められるに至つたときは、再免許を与えることができる」(※引用:「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」e-GOV法令検索様HPより)。

2.× 免許証を紛失したとき/誤って免許証を破いてしまったとき/故意に免許証を汚したときは、「再免許」ではなく再交付である。
第六条(免許証の再交付申請)施術者は、免許証又は免許証明書を破り、汚し、又は失ったときは、免許証の再交付を申請することができる
2前項の申請をするには、様式第四号による申請書に戸籍の謄本若しくは抄本又は住民票の写しを添えて厚生労働大臣に提出しなければならない。
3第一項の申請をする場合には、手数料として三千三百円を国に納めなければならない。
4免許証又は免許証明書を破り、又は汚した施術者が第一項の申請をする場合には、申請書にその免許証又は免許証明書を添えなければならない。
5施術者は、免許証の再交付を受けた後、失った免許証又は免許証明書を発見したときは、五日以内に、これを厚生労働大臣に返納しなければならない。
(※引用:「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律施行規則」e-GOV法令検索様HP)

 

 

 

 

 

問題13 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律で、免許証を返納しなければならないのはどれか。

1.再交付を申請するとき
2.書換え交付を申請するとき
3.再免許を申請するとき
4.名簿登録の消除を申請するとき

解答

解説
1.× 再交付を申請するとき/再免許を申請するときは、免許の返納をしなくてもよい。なぜなら、すでに再発行している時点で、元の免許は紛失している(使えない状況)可能性が高いため。ただし、第六条(免許証の再交付申請)「施術者は、免許証の再交付を受けた後、失った免許証又は免許証明書を発見したときは、五日以内に、これを厚生労働大臣に返納しなければならない」と規定されている(※引用:「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律施行規則」e-GOV法令検索様HP)。

2.× 書換え交付を申請するときは、免許の返納をしなくてもよい。なぜなら、書換え交付を申請するときの必要書類ではないため。第五条(免許証の書換え交付申請)「施術者は、免許証又は免許証明書の記載事項に変更を生じたときは、免許証の書換え交付を申請することができる。2前項の申請をするには、様式第二号による申請書に免許証又は免許証明書及び戸籍の謄本又は抄本を添え、これを厚生労働大臣に提出しなければならない」と規定されている(※引用:「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律施行規則」e-GOV法令検索様HP)。

4.〇 正しい。名簿登録の消除を申請するときは、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律で、免許証を返納しなければならない。
第七条(免許証又は免許証明書の返納)「施術者は、名簿の登録の消除を申請するときは、免許証又は免許証明書を厚生労働大臣に返納しなければならない。第四条第二項の規定により名簿の登録の消除を申請する者についても、同様とする。2施術者は、免許を取り消されたときは、五日以内に、免許証又は免許証明書を厚生労働大臣に返納しなければならない。」(※引用:「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律施行規則」e-GOV法令検索様HP)

 

 

 

 

 

問題14 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律で、施術所につき衛生上必要な措置が講じられていないとき、その使用制限を命じることができるのはどれか。

1.厚生労働大臣
2.都道府県知事
3.市区町村長
4.保健所長

解答

解説
1.× 厚生労働大臣とは、日本の厚生労働省の長および主任の大臣たる国務大臣である。厚生労働省は、「国民生活の保障・向上」と「経済の発展」を目指すために、社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上・増進と、働く環境の整備、職業の安定・人材の育成を総合的・一体的に推進する。

2.〇 正しい。都道府県知事は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律で、施術所につき衛生上必要な措置が講じられていないとき、その使用制限を命じることができる。これは、第八条において「都道府県知事は、衛生上害を生ずるおそれがあると認めるときは、施術者に対し、その業務に関して必要な指示をすることができる。②医師の団体は、前項の指示に関して、都道府県知事に、意見を述べることができる」と規定されている(※引用:「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律施行規則」e-GOV法令検索様HP)。

3.× 市区町村長とは、独任制かつ市町村の執行機関の責任者であり、その市町村の保健福祉や環境、教育、文化などの行政事務を管理・執行することができる。また、予算の調整や条例の制定、条例の改正案を議会に提出できる他、税金の課税や徴収、公の施設の設置・管理、廃止などについての権限を持っている。

4.× 保健所長とは、保健所内の組織管理を主な業務とし、医師たる職員であって、3年以上の公衆衛生の実務経験等を経た者を充てることが原則である。ただし、医師と同等以上の知識を持ち公衆衛生実務の経験が5年以上あり、国立保健医療科学院の養成訓練課程(原則1年)を終了した者であれば、医師でなくても保健所長になることを認められている。

 

 

 

 

 

問題15 助産所について定めている法律はどれか。

1.地域保健法
2.医師法
3.保健師助産師看護師法
4.医療法

解答

解説

助産所について

助産所について、「医療法」に記載されている。ちなみに、医療法とは、病院、診療所、助産院の開設、管理、整備の方法などを定める日本の法律である。①医療を受けるものの利益と保護、②良好かつ適切な医療を効率的に提供する体制確保を主目的としている。

助産所の管理(医療法第11条、第12条、第15条第2項)
・助産所の開設者は、助産師に、これを管理させなければならない。
・自ら管理者となることができるものである場合は、原則として、自ら管理しなければならない。
・助産所の管理者は、助産所に勤務する助産師その他の従業者を監督し、その業務遂行に遺憾のないよう必要な注意をしなければならない。

1.× 地域保健法とは、地域保健対策の推進に関する基本指針、保健所の設置その他地域保健対策の推進に関し基本となる事項を定めることにより、母子保健法その他の地域保健対策に関する法律による対策が地域において総合的に推進されることを確保し、地域住民の健康の保持及び増進に寄与することを目的として制定された法律である。

2.× 医師法とは、医師全般の職務・資格などを規定する日本の法律である。つまり、一般人には禁止されている医療行為を、医師という有資格者に限って許可する法律である。

3.× 保健師助産師看護師法とは、保健師・助産師および看護師の資質を向上し、もって医療および公衆衛生の普及向上を図ることを目的とする日本の法律である。通称は保助看法。(※一部引用:「保健師助産師看護師法」厚生労働省HPより)

4.〇 正しい。医療法は、助産所について定めている。医療法とは、病院、診療所、助産院の開設、管理、整備の方法などを定める日本の法律である。①医療を受けるものの利益と保護、②良好かつ適切な医療を効率的に提供する体制確保を主目的としている。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)