第27回(H31年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後141~145】

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はり理論試験問題(問題141~150)

問題141 2番鍼の太さはどれか。

1.0.14mm
2.0.16mm
3.0.18mm
4.0.20mm

解答

解説

鍼の太さ、長さ

鍼体長:1寸は30mmである。※1寸3分は40mm
鍼体径:1番鍼は0.16mm、1番増ごとに0.02mm太くなる。
※0.16mm=16号鍼。0.14mm以下は毛鍼・霞鍼などと呼ばれる。

1.× 0.14mmは、0.1番鍼の太さである。
0.14mm以下は毛鍼・霞鍼などと呼ばれる。

2.× 0.16mmは、1番鍼の太さである。

3.〇 正しい。0.18mmが、2番鍼の太さである。

4.× 0.20mmは、3番鍼の太さである。

 

 

 

 

 

問題142 刺鍼手技で呼気時に刺入し吸気時に止めるを繰り返し、目的深度まで刺入するのはどれか。

1.随鍼術
2.間歇術
3.内調術
4.乱鍼術

解答

解説
1.〇 正しい。随鍼術は、刺鍼手技で呼気時に刺入し吸気時に止めるを繰り返し、目的深度まで刺入する。
随鍼術とは、患者の呼吸に合わせて刺抜する手技である。呼気時に刺入、吸気時に止める。抜銅時は吸気時に抜く。

2.× 間歇術
間歇術とは、目的の深さへ刺入し、半分抜いて留め、また前の深さまで刺して留める、を繰り返す手技である。

3.× 内調術
内調術とは、刺入した鍼の鍼柄を鍼管で叩打し、鍼体に動揺を与える手技である。

4.× 乱鍼術
乱鍼術とは、一定の方式に従わず、複数の手技を併用する手技である。

 

 

 

 

 

問題143 理学検査が陽性の病態に局所刺鍼が最も有効なのはどれか。

1.アプリヘンジョンテスト
2.ラックマンテスト
3.ストロークテスト
4.チェアテスト

解答

解説
1.× アプリヘンジョンテスト
アプリヘンジョン徴候(Apprehension sign)は、関節の不安感のテストである。膝蓋骨や肩関節の不安定の有無をみる。膝の脱臼不安感テストは、習慣性膝蓋骨脱臼の際に陽性となる。膝蓋骨に力を加えて外側に移動させ屈曲させようとすると、膝蓋骨の外方への不安定性や脱臼不安感を訴える。

2.× ラックマンテスト
Lachmanテスト(ラックマンテスト)は、背臥位で膝関節を20~30度屈曲させて、下腿部近位端を斜め前方へ引き出す。前十字靭帯損傷の際に陽性となる。

3.× ストロークテスト
Stroke test(ストロークテスト)とは、膝蓋骨内側縁を上方へ移動させた後、ただちに大腿遠位部を下方へ移動させる検査で、膝関節に貯留している関節液の程度を評価できる。

4.〇 正しい。チェアテストで陽性の病態に局所刺鍼が最も有効である。
Chairテストの陽性は、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)を疑う。方法は、患者さんに肘関節伸展位のまま手で椅子を持ち上げてもらう。ちなみに、曲池が治療対象である。曲池は、肘外側、尺沢と上腕骨外側上顆を結ぶ線上の中点に位置する。長・短橈側手根伸筋の治療穴である。

 

 

 

 

 

問題144 単回使用毫鍼の滅菌に用いられるのはどれか。

1.EOG
2.塩化ベンザルコニウム
3.ポビドンヨード
4.イソプロピルアルコール

解答

解説

単回使用毫鍼とは?

単回使用毫鍼とは、流通・保護のため通常、 複数の一次包装された毫鍼のことをいう。

1.〇 正しい。EOGは、単回使用毫鍼の滅菌に用いられる。
EOG(酸化エチレンガス)滅菌は、温度や湿度の繊細な医療器具に適した滅菌方法である。酸化エチレンガスとは、比較的低い温度でも極めて強い殺菌力を発揮し、金属・非金属の区別なく利用できるため理想的な滅菌法として普及している。適用:カテーテル類、プラスチック製品、不織布、ゴム製品など。適用外:液体、ガスが通りにくい形状のもの、直ぐに使用したいもの。欠点として、滅菌処理・エアレーション時間(ガスの残留毒性が強いため、これらを除去する処理)が長いことがあげられる。

2.× 塩化ベンザルコニウム
塩化ベンザルコニウムとは、一般細菌・真菌類に抗菌作用を示す。使用出来る用途が幅広く、手指の殺菌・消毒をはじめ、創傷面・口腔内の殺菌・消毒から理容室・美容室での消毒や食器・器具類,家屋・乗物等、ゴミ箱・冷蔵庫等,幅広い箇所の消毒に使用できる。ただし、低水準消毒薬であるため、ノロウイルスに有効とは言えない。

3.× ポビドンヨード
ポビドンヨードとは、世界中で感染対策に使われている代表的な殺菌消毒剤の有効成分のひとつである。施設に感染症が流行していない場合は、ポビドンヨードやアルコール溶液などで断端を消毒することは勧められていない。臍帯断端は清潔で乾いた状態にしておく必要がある。

4.× イソプロピルアルコール
イソプロピルアルコール(IPA)とは、エタノールと同じアルコール類の一種である。エタノールとは異なる点は、飲むことはできないことである。アルコール類は、エタノールやプロパノールがあげられる。消毒用エタノールとは、皮膚や手術部位の消毒、医療器具の洗浄消毒などに用いられている。また、種々の添加物成分を混合した製剤(エタノール製剤またはアルコール製剤)として、新指定医薬部外品や食品添加物の用途でも使われている。

 

 

 

 

 

問題145 痛覚の二次性ニューロンが上行するのはどれか。

1.内側毛帯
2.脊髄前側索
3.脊髄背側索
4.脊髄後索

解答

解説
1.4.× 内側毛帯/脊髄後索
深部感覚(振動覚、位置覚)の伝導路である。後根 ⇒ 後索(下肢からの線維は薄束を通って薄束核に終わり、上肢からの線維は楔状束を通って楔状束核に終わる) ⇒ 延髄(後索核) ⇒ 毛帯交叉 ⇒ 内側毛帯 ⇒ 視床後外側腹側核 ⇒ 感覚野をたどる。

2.〇 正しい。脊髄前側索は、痛覚の二次性ニューロンが上行する。
外側脊髄視床路(温痛覚・粗大触圧覚)は、感覚神経→脊髄後角→(交叉)→脊髄側索→視床→後脚→大脳皮質体性知覚野の経路をたどる。

3.× 脊髄背側索
脊髄背側索を上行するのは、運動や姿勢維持などの調節に関与する後脊髄小脳路である。後脊髄小脳路は、非意識型深部感覚を伝える。脊髄に入り後索をやや上行したのち、あるいは直接に後角の胸髄核に達する。ここでニューロンを代えて、同側の側索の後外側部の表層を後脊髄小脳路として上行し、下小脳脚を経て小脳に至る。(非交叉性)姿勢の調節運動における個々の筋の精密な協調のために必要な情報である。

MEMO

 体性感覚性神経系には、触覚・固有覚(位置覚と振動覚)を伝える後索・内側毛帯路と、温痛覚(温度覚と痛覚)を伝える脊髄視床路の二つの伝導路がある。どちらの伝導路も、感覚受容器から大脳皮質に情報が伝わるまでに3種類のニューロンがかかわっている。このニューロンを末梢から順に一次・二次・三次ニューロンという。

①一次ニューロンは、侵害受容器から、細胞体がある脊髄後根神経節を経由し、二次ニューロンとシナプスする後角の手前までのことをいう。

②二次ニューロンは、二次ニューロンの細胞体が主に存在する後角から脊髄を経由し、三次ニューロンとシナプスする視床の手前までのことをいう。

③三次ニューロンは、視床から頭頂葉の中心後回(ブロードマンの脳地図の3,1,2野)にある感覚野までをいう。(参考:Wikiより)。

 

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