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専門基礎科目
問題1 要介護者に対して、居宅、通所、短期間宿泊により、入浴、排泄、食事等の介護、その他の日常生活上の世話や機能訓練を行うのはどれか。
1.小規模多機能型居宅介護
2.認知症対応型共同生活介護
3.定期巡回・随時対応型訪問介護看護
4.地域密着型通所介護
解答1
解説
1.〇 正しい。小規模多機能型居宅介護は、要介護者に対して、居宅、通所、短期間宿泊により、入浴、排泄、食事等の介護、その他の日常生活上の世話や機能訓練を行う。
小規模多機能型居宅介護とは、デイサービスを中心に訪問介護やショートステイを組み合わせ、在宅での生活の支援や、機能訓練を行うサービスで、居宅・通所・短期入所を状況に応じて組み合わせて行うものである。
2.× 認知症対応型共同生活介護
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)とは、認知症である者について、共同生活を営むべき住居において、入浴・排泄・食事などの介護、その他日常生活上の世話および機能訓練を行うことをいう。共同生活のなかで利用者の認知症の改善を図る施設である。
3.× 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは、訪問介護員または訪問看護師が要介護者の自宅を定期訪問し、介護・看護を提供する24時間対応の介護サービスである。一日に複数回訪問し、一回の訪問は10~20分程度で、短時間の身体介護(食事介助、清拭介助、排せつ介助など)を中心に行う。
4.× 地域密着型通所介護
地域密着型通所介護は、要介護者を対象とし、老人デイサービスセンターにおいて、入浴・排泄・食事などの介護支援や機能訓練を行うサービスである。
問題2 加入者と医療保険の組合せで正しいのはどれか。
1.自営業者:共済組合
2.国家公務員:協会けんぽ
3.私立学校教員:健康保険組合
4.無職者:国民健康保険
解答4
解説
被用者保険とは、被用者を対象とする保険のことである。被用者とは、企業や個人事業主等に雇われた人々で、いわゆるサラリーマン等の会社員や公務員、さらには船員が含まれる。職域保険ともいう。被用者保険の場合、雇用に伴う給料支払等を通じて、被用者の所得等が把握されるため、雇用主からの拠出や被用者からの保険料徴収が相対的に容易に行えるというメリットがある。被用者保険は、①健康保険(一般被用者保険)、②特定被用者保険に分かれる。①健康保険は、組合管掌健康保険(組合健保)、全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)があり、②特定被用者保険は、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済制度、船員保険があげられる。
1.× 共済組合は、「自営業者」ではなく国家公務員である。
(国家公務員)共済組合とは、公務員および私立学校教職員を対象とした公的社会保障を運営する社会保険組合である。組合は医療保険、年金保険の役割を担っており、組合員は健康保険法に基づく保険料の徴収・各種給付が行なわれない。
2.× 協会けんぽは、「国家公務員」ではなく中小企業の労働者である。
全国健康保険協会管掌保険(協会けんぽ)とは、中小企業の労働者やその家族を対象とした保険制度で、被用者保険の範囲内に含まれる。協会けんぽは、加入者の医療費や年金を支払うために設立されている。
3.× 健康保険組合は、「私立学校教員」ではなく大企業の会社員とその家族である。
健康保険組合とは、公的医療保険を運営するために特別につくられた法人である。従業員と勤務先が毎月払う健康保険料をもとに、医療費の支払いなどの保険給付、健康診断などの保健事業を担っている。主に大企業の従業員と家族ら約2900万人が加入する。
4.〇 正しい。無職者:国民健康保険
国民健康保険とは、日本の国民健康保険法等を根拠とする、法定強制保険の医療保険である。病気やケガで医療機関や薬局を受診する場合に、「国民健康保険証」を窓口に提示することで医療費の一定の割合を国民健康保険が負担できる。国民健康保険の加入者は、職場の健康保険(協会けんぽ、健康保険組合、共済組合)の加入者、75歳以上等で後期高齢者医療制度の加入者および生活保護を受けている人以外の方となる。つまり、無職者である。
問題3 ヒトを対象とした医学研究の倫理について定めたのはどれか。
1.アルマ・アタ宣言
2.患者の権利宣言
3.ジュネーブ宣言
4.ヘルシンキ宣言
解答4
解説
1.× アルマ・アタ宣言
アルマ・アタ宣言とは、プライマリヘルスケアに関する宣言である。すべての人に健康を基本的な人権として認め、その達成の過程において住民の主体的な参加や自己決定権を保障する理念である。すべての人にとって健康を基本的な人権として認め、その達成の過程において住民の主体的な参加や自己決定権を保障する理念である。
2.× 患者の権利宣言(リスボン宣言)
リスボン宣言とは、1981年にポルトガルのリスボンで採択され、患者の権利に関する宣言である。①良質の医療を受ける権利、②選択の自由の権利、③自己決定の権利、④情報を得る権利、⑤プライバシーを守られる権利、⑥人間としての尊厳を得る権利が規定されている。
3.× ジュネーブ宣言
ジュネーブ宣言とは、1948年に世界医師会で規定された医の倫理に関する規定であり、ヒポクラテスの誓いをもとにしている。守秘義務などが含まれている。
4.〇 正しい。ヘルシンキ宣言は、ヒトを対象とした医学研究の倫理について定めた。
ヘルシンキ宣言とは、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の基盤となる倫理的原則を示しているものである。ニュルンベルク綱領とは、医学的研究のための被験者の意思と自由を保護するガイドラインである。ニュルンベルク裁判で問題とされた人体実験において遵守されるべき基本原則を定めた倫理綱領である。1947年に提示された、研究目的の医療行為を行うにあたって厳守すべき10項目の基本原則である。後にヘルシンキ宣言として人を対象とする研究の倫理指針につながった。
1.良質の医療を受ける権利
2.選択の自由の権利
3.自己決定の権利
4.意識喪失患者が代理人に付託する権利
5.法的無能力者が代理人に付託する権利
6.患者の意思に反する処置・治療に対する権利
7.医療情報に関する権利
8.秘密保持に関する権利
9.健康教育を受ける権利
10.人間としての尊厳が守られる権利
11.宗教的支援を受ける権利
問題4 疾病の三次予防はどれか。
1.健康教育
2.予防接種
3.健康診査
4.リハビリテーション
解答4
解説
疾病の進行段階に対応した予防方法を一次予防、二次予防、三次予防と呼ぶ。
一次予防:「生活習慣を改善して健康増進し、生活習慣病等を予防すること」
二次予防:「健康診査等による早期発見・早期治療」
三次予防:「疾病が発症した後、必要な治療を受け、機能の維持・回復を図ること」と定義している。
(※健康日本21において)
1~2.× 健康教育/予防接種は、一次予防である。
3.× 健康診査は、二次予防である。
4.〇 正しい。リハビリテーションは、疾病の三次予防である。
問題5 精神保健について誤っているのはどれか。
1.長期に社会的入院をしている患者に退院促進支援事業を行う。
2.地域医療計画に精神疾患が加えられた。
3.ハローワークで就労支援を行う。
4.精神保健福祉センターは各市町村に置かれる。
解答4
解説
①精神障害者の医療及び保護を行うこと、②障害者総合支援法とともに、精神障害者の社会復帰の促進、自立と社会経済活動への参加の促進のために必要な援助を行うこと、③精神疾患の発生の予防や、国民の精神的健康の保持及び増進に努めることによって、精神障害者の福祉の増進及び国民の精神保健の向上を図ることを目的とした法律である。
(※参考:「精神保健福祉法について」厚生労働省HPより)
1.〇 長期に社会的入院をしている患者に退院促進支援事業を行う。
社会的入院とは、必ずしも治療や退院を目指さない、長期入院のことを指す。精神病患者が、医学的には入院の必要性がないにも関わらず生活上などの都合により入院生活を続けてしまうことである。
2.〇 地域医療計画に精神疾患が加えられた(第6次)。
医療計画とは、地域における体系的な医療の提供を実現することを目的として、都道府県が策定する計画である。医療計画は6年ごと(平成29年度までは5年ごと)に見直される。
3.〇 ハローワークで就労支援を行う。
ハローワークとは、公共職業安定所ともいわれ、就職困難者の支援など地域の総合的雇用サービス機関であり主な業務として、①職業相談、②職業紹介、③求人確保、④事業主に対する助言・窓口業務、⑤就職後の障害者に対する助言・指導などがあげられる。
4.× 精神保健福祉センターは、「各市町村」ではなく各都道府県及び政令指定都市に置かれる。
精神保健福祉センターとは、精神保健福祉法第6条に規定された都道府県(指定都市)の精神保健福祉に関する技術的中核機関である。
①根拠法令:精神保健福祉法(6条)
②目的:地域住民の精神的健康の保持増進、精神障害の予防、適切な精神医療の推進、自立と社会経済活動の促進のための援助等。
③設置基準:都道府県、指定都市
④配置職員:精神科医、精神保健福祉士(精神保健福祉相談員)、臨床心理技術者、保健師等
【業務内容】
①企画立案。
②保健所と精神保健関係諸機関に対する技術指導と技術援助。
③精神保健関係諸機関の職員に対する教育研修。
④精神保健に関する普及啓発。
⑤調査研究。
⑥精神保健福祉相談(複雑または困難なもの)
⑦協力組織の育成。
⑧精神医療審査会に関する事務。
⑨自立支援医療(精神通院医療)の支給認定、精神障害者保健福祉手帳の判定。
(※参考:「精神保健福祉センターと保健所」厚生労働省HPより)