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問題66 細菌感染症はどれか。
1.帯状疱疹
2.流行性角結膜炎
3.百日咳
4.手足口病
解答3
解説
1.× 帯状疱疹
帯状疱疹とは、身体の左右どちらか一方に、ピリピリと刺すような痛みと、これに続いて赤い斑点と小さな水ぶくれが帯状にあらわれる病気である。多くの人が子どものときに感染する水ぼうそうのウイルスが原因で起こる。
2.× 流行性角結膜炎
流行性角結膜炎とは、はやり目ともいい、アデノウイルスというウイルスの感染が原因となる病気である。まぶたは腫れ、結膜はむくみ、充血がみられる。
3.〇 正しい。百日咳は、細菌感染症である。
百日咳とは、特有のけいれん性の咳発作(痙咳発作)を特徴とする急性気道感染症である。百日咳の原因菌は、百日咳菌である。特有のけいれん性の咳発作(痙咳発作)を特徴とする急性気道感染症である。母親からの免疫(経胎盤移行抗体)が十分でなく、乳児期早期から罹患する可能性があり、1歳以下の乳児、特に生後6 カ月以下では死に至る危険性も高い。百日せきワクチンを含むDPT三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)あるいはDPT-IPV四種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオ)接種はわが国を含めて世界各国で実施されており、その普及とともに各国で百日咳の発生数は激減している。しかし、ワクチン接種を行っていない人や接種後年数が経過し、免疫が減衰した人での発病はわが国でも見られており、世界各国でいまだ多くの流行が発生している。
4.× 手足口病
手足口病とは、手のひらや足の裏、口の中などに小さな水ぶくれのような発疹ができるウイルス感染症である。原因はコクサッキーウイルスやエンテロウイルスといったウイルスへの感染である。5歳までの子どもがかかることが多く、夏に流行のピークを迎える。
①細菌感染の場合:白血球・CRP増加(特に好中球が働く)
②ウイルス感染の場合:白血球・CRPわずかに増加(特にリンパ球が働く)
問題67 感染症について正しいのはどれか。
1.風疹は「三日ばしか」と言われる。
2.日本脳炎はネズミの媒介によって感染する。
3.水痘は精巣炎を合併しやすい。
4.流行性耳下腺炎は空気感染する。
解答1
解説
1.〇 正しい。風疹は「三日ばしか」と言われる。
風疹とは、風疹ウイルスに感染することで引き起こされる感染症である。俗に「三日ばしか」と呼ばれる。風疹ウイルスに感染してからおよそ2~3週間の潜伏期間を経て、発疹や発熱などの症状が現れる。ただし、症状がない、もしくは気付かないほど軽いこともある。一般的な症状として、発熱、皮膚の発疹、リンパ節の腫れ、関節痛などである。多くの場合、特別な治療をしなくても自然に治るため、症状を和らげる治療が行われるが、妊娠中に風疹にかかると赤ちゃんに悪影響が出ることもあるため、予防接種をすることがすすめられる。
2.× 日本脳炎は、「ネズミ」ではなく蚊の媒介によって感染する。
日本脳炎とは、日本脳炎ウイルスにより発生する疾病で、蚊を介して感染する。以前は子どもや高齢者に多くみられた病気である。初期症状として、突然の高熱・頭痛・嘔吐などで発病し、意識障害や麻痺等の神経系の障害を引き起こす病気で、後遺症を残すことや死に至ることもある。
3.× 精巣炎を合併しやすいのは、「水痘」ではなく流行性耳下腺炎である。
水痘とは、いわゆる「みずぼうそう」のことで、水痘帯状疱疹ウイルスというウイルスによって引き起こされる発疹性の病気である。子供の頃にかかった水痘ウイルスが数十年の潜伏期間を経て、免疫力が低下した時などに再活性化(回帰感染)して起こる。
4.× 流行性耳下腺炎は、「空気感染」ではなく飛沫感染である。
流行性耳下腺炎とは、2~3週間の潜伏期(平均18日前後)を経て発症し、片側あるいは両側の唾液腺の腫脹を特徴とするウイルス感染症である。通常1~2 週間で軽快する。最も多い合併症は髄膜炎であり、その他髄膜脳炎、睾丸炎(精巣炎)、卵巣炎、難聴、膵炎などを認める場合がある。流行性耳下腺炎の約20%に精巣炎を合併すると言われており、思春期以降に精巣炎を起こすと、男性不妊の原因となる。
感染には、①接触感染、②空気感染、③飛沫感染がある。
①接触感染(例:流行性角結膜炎、疥癬、ノロウイルス感染症など)
(1)直接接触感染:感染者の皮膚粘膜との直接接触による伝播・感染する。
(2)間接接触感染:感染者の微生物で汚染された衣類、周囲の器物、環境などとの接触による伝播・感染する。
②飛沫感染(例:風疹、流行性耳下腺炎、 インフルエンザ、マイコプラズマ、百日咳など)
咳やくしゃみなどに伴って発生する飛沫(粒径5μm以上の粒子)が経気道的にヒトの粘膜に付着し感染する。飛散する範囲は1m以内であることが特徴。
③空気感染(例:結核、水痘、麻疹など)
飛沫核 (粒径5μm未満の粒子に付着した微生物)が長期間空中を浮遊し、これを吸い込むことで感染が伝播・感染する。
(※参考:「医療施設等における感染対策ガイドライン」厚生労働省様HPより)
問題68 ウイルス性肝炎で生の貝類の摂取により最も感染しやすいのはどれか。
1.A型
2.B型
3.C型
4.E型
解答1
解説
1.〇 正しい。A型は、ウイルス性肝炎で生の貝類の摂取により最も感染しやすい。
A型肝炎とは、A型肝炎ウイルス(HAV)感染による疾患である。通常、感染した人の便で汚染されたものを摂取したときに感染する。人の便が流れている海で育った貝類の摂取で感染することもある。初期症状は倦怠感や発熱、頭痛、筋肉痛等で、一過性の急性肝炎が主症状であり、治癒後に強い免疫が残る。治療は、通常、安静を含めた対症療法が中心となる。
2.× B型
B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスに感染することによって生じる肝臓の病気のことである。B型肝炎ウイルスは主に感染者の血液や体液を介して感染する。たとえば、注射針を感染者と共用した場合や、感染者と性行為をした場合などに感染する。しかし、B型肝炎にはワクチンがあるため、適切にワクチンを接種することによって感染を予防することができる。
3.× C型
C型肝炎とは、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染することによって起こる肝臓の病気である。C型肝炎ウイルスは、主に感染者の血液や体液から感染する。感染の危険性がある行為としては注射器の使い回しや剃刀(かみそり)の共用などがある。そのほか、妊娠中の母親から胎児への感染や性行為による感染もあるが、感染する確率は低いと考えられている。
4.× E型
E型肝炎ウイルスとは、急性肝炎の原因となるRNAウイルスである。水や豚・猪のレバーなど食物を介して経口感染する。従来、経口伝播型非A非B型肝炎とよばれてきたウイルス性の急性肝炎で、その病原体はE型肝炎ウイルス(RNAウイルス)である。E型肝炎の致死率はA型肝炎の10倍といわれ、妊婦では実に20%に達することがある。
問題69 非代償性肝硬変でみられる血液検査所見はどれか。
1.総ビリルビン値低下
2.血小板減少
3.プロトロンビン時間短縮
4.アルブミン値上昇
解答2
解説
肝硬変とは、B型・C型肝炎ウイルス感染、多量・長期の飲酒、過栄養、自己免疫などにより起こる慢性肝炎や肝障害が徐々に進行して肝臓が硬くなった状態をいう。
非代償性肝硬変とは、肝硬変の症状のうち黄疸、腹水、肝性脳症が認められる状態を指す。一方、代償性肝硬変とは、症状のないものを指す。
1.× 総ビリルビン値は、「低下」ではなく上昇する。
この結果、黄疸が生じる。(総)ビリルビンとは、赤血球が壊れたときにできる黄色い色素のことである。総ビリルビンは、①間接ビリルビンと②直接ビリルビンをあわせていう。基準値:0.2〜1.2mg/dLである。肝細胞の障害により、直接ビリルビンが上昇する。急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝臓がん、自己免疫性肝炎などがあげられる。腎臓からも排泄され、主に肝臓で代謝されるため、肝臓や胆嚢の状態を知るための重要な指標となる。一方、間接ビリルビンが上昇する代表的な疾患は溶血性貧血であり、溶血により多くの赤血球が壊れ、ビリルビンが肝臓の処理能力を超えて過剰に増加する。
2.〇 正しい。血小板減少は、非代償性肝硬変でみられる血液検査所見である。
この結果、出血傾向がみられる。肝機能低下によって、本来、肝臓で作られる凝固因子と呼ばれるタンパク質や血小板が少なくなり、出血傾向となり、鼻血や歯茎からの出血が起こるようになる。
3.× プロトロンビン時間は、「短縮」ではなく延長する。
プロトロンビン時間とは、血液の凝固因子に関する指標の一つ。外因系及び共通系の凝固異常を判定する検査指標として用いられる。基準値は9.5〜12.0秒とされており、これを大きく超える場合には凝固因子の先天的な欠乏症や異常症、ビタミンKの不足や吸収障害、肝硬変をはじめとする肝障害などが疑われる。
4.× アルブミン値は、「上昇」ではなく減少する。
その結果、浮腫が生じる。アルブミンとは、肝臓で作られるたんぱく質で、肝臓や栄養状態の指標となる。血清総蛋白の60%程度を占め肝臓で生成される。アルブミンが低値の場合は、低栄養状態、がん、 肝硬変など、一方で高値の場合は、脱水により血管内の水分が減少し、濃縮効果によることが考えられる。
浮腫とは、体液のうち間質液が異常に増加した状態を指す。主に皮下に水分が貯留するが、胸腔に溜まった場合は胸水・腹腔に溜まった場合は腹水と呼ばれる。軽度の浮腫であれば、寝不足や塩分の過剰摂取、長時間の起立などが要因で起こることがある。病的な浮腫の原因はさまざまだが、①血漿膠質浸透圧の低下(低アルブミン血症など)、②心臓のポンプ機能低下による血液のうっ滞(心不全など)、③リンパ管の閉塞によるリンパ液のうっ滞、④血管透過性の亢進(アナフィラキシーショックなど)に大別することができる。
問題70 膵癌のリスクファクターでないのはどれか。
1.糖尿病
2.慢性膵炎
3.喫煙
4.高血圧
解答4
解説
膵臓癌とは、膵臓に発生するがんのことで、原因不明であるが、遺伝が影響したり、喫煙などの生活習慣、慢性膵炎・糖尿病などにかかっている人は、膵臓がんのリスクが高いと報告されている。初期段階ではあまり症状がなく、進行するとお腹や背中の痛み、黄疸といった症状が現れ始めるのが特徴である。治療法は手術、放射線療法、抗がん剤治療を組み合わせて行い、手術が不可能な場合は放射線療法や抗がん剤治療が検討される。
1.〇 糖尿病
2型糖尿病とは、遺伝的な体質(インスリン分泌低下、インスリン抵抗性)に過食、運動不足、肥満が加わることにより起こる糖尿病を指す。一方で、1型糖尿病の原因として、自己免疫異常によるインスリン分泌細胞の破壊などがあげられる。
2.〇 慢性膵炎
慢性膵炎とは、膵臓の正常な細胞が壊れ、膵臓が線維に置き換わる病気である。慢性膵炎になると、膵臓で分泌される消化酵素の量が減り、消化する力が弱まり、その結果、下痢や脂肪便(便器の中に油が浮くような便)がみられる。
3.〇 喫煙
すい臓がんの原因として、生活習慣や肝臓の病気、遺伝的要因などがある。生活習慣では喫煙や肥満、お酒の飲み過ぎが原因とされており、タバコをたくさん吸うヘビースモーカーの場合、タバコを吸わない人に比べて2~3倍すい臓がんになりやすい。
4.× 高血圧は、膵癌のリスクファクターでない。
脳卒中、心臓病をひきおこす原因である。
生活習慣病は、「食習慣、運動習慣、休養の取り方、喫煙、飲酒などの生活習慣が、その発症・伸展に関与する疾患群」と定義されている。生活習慣病の背景因子として、①遺伝性因子、②環境因子、③生活習慣因子が考えらえているが、「生活習慣因子」は生活習慣病の積極的予防に最も重要な要素とされている。