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問題126 奇穴とその部位の組合せで正しいのはどれか。
1.魚腰:眉間中央陥凹部
2.接脊:第11胸椎棘突起下方の陥凹部
3.十宣:各中手指節関節の間の背側
4.胆嚢点:陽陵泉の下約1寸
解答4
解説
1.× 眉間中央陥凹部は、「魚腰」ではなく印堂(※読み:いんどう)である。
魚腰(※読み:ぎょよう)は、顔面部、瞳孔の直上、正視させ、眉毛の中央の陥中に取る。
2.× 接脊は、「第11」ではなく第12胸椎棘突起下方の陥凹部である。
接脊(※読み:せっせき)は、上背部、後正中線上、第12胸椎棘突起下方の陥凹部を位置する。別名:接骨(※読み:せっこつ)
3.× 各中手指節関節の間の背側は、「十宣」ではなく八邪(※読み:はちじゃ)である。
十宣(※読み:じゅっせん)は、両手十指の各先端中央に取る。※別名:鬼城(※読み:きじょう)・十指端(※読み:じゅっしたん)
4.〇 正しい。胆嚢点:陽陵泉の下約1寸である。
問題127 医療面接の態度について最も適切なのはどれか。
1.患者の正面に座る。
2.患者の話を共感的に聴く。
3.導入は閉ざされた質問から行う。
4.アドヒアランスよりコンプライアンスを目指す。
解答2
解説
ロジャーズの3原則とは、アメリカの心理学者であるカール・ロジャーズが提唱した「傾聴」の3つの構成要素を表すものである。
【ロジャーズ,C.Rの3原則】
①「共感的理解」:相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとすること
②「無条件の肯定的配慮」:相手の話を善悪の評価や好き嫌いの評価をせずに聴くこと
③「自己一致」:聴き手が相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で、話が分かりにくい時は分かりにくいことを伝え、真意を確認すること
1.× あえて、患者の正面に座る必要はない。
なぜなら、患者によっては正面だと圧迫感を抱く可能性があるため。横に座ったり、90°角度をつけて座ることが望ましい。
2.〇 正しい。患者の話を共感的に聴く。
共感的態度を用いることで、相手は理解してもらえると安心感を抱きやすい。相手の立場に立ったうえで、相手の感情や思いを理解して関わることが大切である。
3.× 導入は、「閉ざされた質問」ではなく開かれた質問から行う。
なぜなら、閉ざされた質問に対する患者が話すことは限定されるため。
4.× 逆である。「コンプライアンス」より「アドヒアランス」を目指す。
アドヒアランスとは、医療現場で患者が治療方針の決定に賛同し、積極的に治療を受けることを意味する言葉である。コンプライアンスとは、医療者からの指示を患者が遵守することを指す。似たような言葉であるが、アドヒアランスは、患者が賛同、つまり能動的に治療を受けることを指す。
open-ended question(開かれた質問)は、5W1HでいうWhen(なぜ)、How(どうやって・どのように)に該当する。したがって、患者が症状や来院理由を自由に話せるため、相手からより多くの情報を引き出したい場面で有効である。
closed-ended question(閉じられた質問)は、5W1Hでいう(When(いつ)、Where(どこで)、 Who(誰が)、What(何を)や、はい/いいえで答えられる限定された質問である。したがって、相手の考えや事実を明確にしたい場面などで有効である。
問題128 腰椎前弯の増強を改善する目的で行う体操はどれか。
1.コッドマン体操
2.バージャー体操
3.フレンケル体操
4.ウィリアムス体操
解答4
解説
1.× コッドマン体操
Codman体操(コッドマン体操)は、肩関節周囲炎の炎症期に使用する運動であり、肩関節回旋筋腱板の強化や肩関節可動域拡大を目的に使用する。患側の手に1~1.5㎏の重錘を持ち、振り子運動を行う。肩甲骨と上腕骨の間に関節の遊びを作ることで、痛みや障害を予防する。
2.× バージャー体操
バージャー体操は、末梢循環障害に対する体操である。つまり足の血流を良くする体操である。下肢を上げた状態で2分、下げた状態で3分、水平にして5分行う。
3.× フレンケル体操
Frenkel体操(フランクル体操、フレンケル体操)は、視覚で代償して運動制御を促通する運動療法であり、脊髄性運動失調などに対して行われる。
4.〇 正しい。ウィリアムス体操は、腰椎前弯の増強を改善する目的で行う。
Williams体操(ウィリアムス体操)は、腰痛症に対して腰部の負担を軽減するために用いられる。方法として、腹筋強化・大殿筋強化・ハムストリングス強化・背筋群のストレッチングを行う。
閉塞性血栓血管炎(バージャー病)とは、脚や腕の細い動脈や中間サイズの動脈が、炎症を起こして閉塞する病気である。喫煙は病変の増悪因子であるが、原因不明である。症状は、腕や脚への血流減少による冷感、しびれ、チクチクする感覚、灼熱感などである。治療で最も重要なのは禁煙で、薬剤も有効なことがある。寒さにより血管が狭くなるため(収縮)、寒さへの曝露を回避することが助けになる。
問題129 左手中指のしびれを訴える患者に第6・第7頸椎棘突起間の左外方に刺鍼し症状が改善した。本症例の検査所見として最も適切なのはどれか。
1.ファレンテスト陽性
2.上腕三頭筋反射減弱
3.中指伸展テスト陽性
4.エデンテスト陽性
解答2
解説
・左手中指のしびれ
・第6~7頸椎棘突起間の左外方に刺鍼し症状改善。
→定喘(※読み:ていぜん)に刺鍼したと考えられる。
定喘は、上背部、第7頸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方5分に位置する。※別名:治端(※読み:ちぜん)
【主治】咳嗽、喘息、蕁麻疹、上肢麻痺
1.× ファレンテスト陽性
ファーレン徴候(Phalen徴候)とは、手首を曲げて症状の再現性をみる検査である。1分以内の症状出現で、正中神経麻痺を疑う。
2.〇 正しい。上腕三頭筋反射減弱が、本症例の検査所見である。
なぜなら、本症例は、①左手中指のしびれ、②定喘への刺鍼による症状改善したことにより、上肢麻痺を生じていると考えられるため。
定喘は、上背部、第7頸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方5分に位置する。【主治】咳嗽、喘息、蕁麻疹、上肢麻痺
3.× 中指伸展テスト陽性
中指伸展テストは、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)を見る検査である。患者さんの中指を下に押し、患者さんはその逆に中指を上に持ち上げるようにした時、肘の外側に痛みが出るかを調べる。
4.× エデンテスト陽性
Edenテスト(エデンテスト)は、胸郭出口症候群誘発テストである。方法は、患者は座位になり胸を張った状態で両方の肩関節を伸展する。検査者は橈骨動脈の拍動をモニターして約1分程度保持する。橈骨動脈の拍動が減弱または消失した場合、胸郭出口症候群と判断する。
問題130 次の文で示す症例で障害神経根として最も適切なのはどれか。
「45歳の男性。荷物の搬送中に腰に激痛が走り、右下肢に痛みが生じている。近医にて腰椎椎間板ヘルニアと診断された。しゃがんだ状態から立ち上がる際に右膝の力が入らない。」
1.L4
2.L5
3.S1
4.S2
解答1
解説
・45歳の男性(腰椎椎間板ヘルニア)。
・荷物の搬送中に腰に激痛が走る。
・右下肢に痛みが生じている。
・しゃがんだ状態から立ち上がる際に右膝の力が入らない。
→腰椎椎間板ヘルニアは、障害されている各神経根によって症状が異なる。本症例は、「しゃがんだ状態から立ち上がる際に右膝の力が入らない」ことから、大腿四頭筋に筋力低下が起こっているため、障害されている神経根を特定するのは容易である。
1.〇 正しい。L4が、本症例で障害神経根である。
なぜなら、大腿四頭筋の筋力低下が起こっているため。ほかにもL4の神経根障害には、下腿内側から足背内側にかけたしびれ、膝蓋腱反射の低下が起こる。
2.× L5
主に前脛骨筋、長母指伸筋、中殿筋の筋力低下。下腿外側~足背にかけたしびれが起こる。
3.× S1
主に、長母指屈筋、長・短腓骨筋、腓腹筋の筋力低下、足背外側~足底にかけたしびれ、アキレス腱反射の低下が起こる。
4.× S2
主に、排尿障害が起こる。
椎間板は、外縁部分を構成する線維輪という靱帯様の構造物と、中心部に含まれる軟らかい髄核という構造物から成り立っているが、外縁部分の椎間板の線維輪が弱くなって膨隆したり、線維輪が断裂して中心部の髄核が脱出したりすると、近傍にある神経を圧迫している状態のことを腰椎椎間板ヘルニアという。L4/5とL5/S1が好発部位である。
L3‒L4間(支配神経根L4):膝蓋腱反射低下、大腿~下腿内側の感覚麻痺、大腿四頭筋力低下。
L4‒L5間(支配神経根L5):下腿外側~母趾の感覚麻痺、前脛骨筋、長母指伸筋、長趾伸筋の筋力低下。
L5‒S1間(支配神経根S1):アキレス腱反射低下、足部尺側側の感覚麻痺、下腿三頭筋、長母指屈筋、長趾屈筋の筋力低下。