第31回(R5年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後121~125】

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問題121 深刺すると、前鋸筋と肋間筋を貫き肺を損傷するのはどれか。

1.輒筋
2.膺窓
3.期門
4.胸郷

解答

解説

(※図引用:「肩関節挙上位 側面 表記あり」イラストAC様HPより)

前鋸筋

【起始】第1~8(~10)肋骨前外側面
【停止】第1,2肋骨とその間の腱弓からの筋束は肩甲骨上角。第2,3肋骨からは分散して広く肩甲骨内側縁。第4肋骨以下からは下角
【作用】全体:肩甲骨を前方に引く。下2/3:下角を前に引いて肩甲骨を外方に回旋し、上腕の屈曲と外転を補助。最上部:肩甲骨をやや引き上げる。
【神経】長胸神経。

1.〇 正しい。輒筋(※読み:ちょうきん)は、深刺すると、前鋸筋と肋間筋を貫き肺を損傷する。
輒筋は、側胸部、第4肋間、中腋窩線の前方1寸にある。

2.× 膺窓(※読み:ようそう)
膺窓は、前胸部、第3肋間、前正中線の外方4寸にある。

3.× 期門(※読み:きもん)
期門は、前胸部、第6肋間、前正中線の外方4寸にある。巨闕(任脈)の外方4寸にあたる。

4.× 胸郷(※読み:きょうきょう)
胸郷は、前胸部、第3肋間、前正中線の外方6寸にある。

 

 

 

 

 

問題122 足の太陰経にある経金穴の部位はどれか。

1.足関節後内側、内果尖とアキレス腱の間の陥凹部
2.足内側、内果の前下方、舟状骨粗面と内果尖の中央陥凹部
3.足関節前外側、長指伸筋腱外側の陥凹部、外果尖の前下方
4.足関節前面中央の陥凹部、長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間

解答

解説

経金穴

中封、霊道、商丘、経渠、復溜、間使

1.× 足関節後内側、内果尖とアキレス腱の間の陥凹部は、「太渓(※読み:たいけい)」である。
足の少陰腎経に該当する。

2.〇 正しい。足内側、内果の前下方、舟状骨粗面と内果尖の中央陥凹部は、足の太陰経にある経金穴の部位である。
足内側、内果の前下方、舟状骨粗面と内果尖の中央陥凹部は、商丘(※読み:しょうきゅう)があり、足の太陰脾経に該当する。

3.× 足関節前外側、長指伸筋腱外側の陥凹部、外果尖の前下方は、「丘墟(※読み:きゅうきょ)」である。
足の少陽胆経に該当する。外果尖の前下方にあたる。

4.× 足関節前面中央の陥凹部、長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間は、「解渓(※読み:かいけい)」である。
足の陽明胃経に該当する。内果尖と外果尖との中点にあたる。

 

 

 

 

 

問題123 五要穴について正しいのはどれか。

1.同じ高さで並ぶ郄穴がある。
2.手関節横紋上には6穴の原穴がある。
3.前腕の外側と内側で対応する絡穴がある。
4.募穴のうち4穴は自経にある。

解答

解説
1.〇 正しい。同じ高さで並ぶ郄穴がある
郄穴の陰経の心における陰郄と心包における郄門は同じ高さである。
陰郄(※読み:いんげき)は、前腕前内側、尺側手根屈筋腱の橈側縁、手関節掌側横紋の上方5分に位置する。
郄門(※読み:げきもん)は、前腕前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋の上方5寸に位置する。

2.× 手関節横紋上には、「6穴」ではなく3穴の原穴がある。
①神門(※読み:しんもん)は、手関節前内側、尺側手根屈筋腱の橈側縁、手関節掌側横紋上に位置する。
②大陵(※読み:だいりょう)は、手関節前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋上に位置する。
③陽池(※読み:ようち)は、手関節後面、総指伸筋腱の尺側陥凹部、手関節背側横紋上に位置する。

3.× 前腕の「外側と内側」ではなく前面と後面で対応する絡穴がある。
内関(※読み:ないかん)は、前腕前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋の上方2寸に位置する。
外関(※読み:がいかん)は、前腕後面、橈骨と尺骨の骨間の中点、手関節背側横敏の上方2寸に位置する。

4.× 募穴のうち「4穴」ではなく3穴は自経にある。
期門(※読み:きもん)は、前胸部、第6肋間、前正中線の外方4寸に位置する。
中府(※読み:ちゅうふ)は、前胸部、第1肋間と同じ高さ、鎖骨下高の外側、前正中線の外方6寸に位置する。
日月(※読み:じつげつ)は、前胸部、第7肋間、前正中線の外方4寸※女性では、鎖骨中線と第7肋間との交点に位置する。

 

 

 

 

 

問題124 組合せで用いる経穴で八会穴を含まないのはどれか。

1.脚気八処の穴
2.小児斜差の灸
3.中風七穴
4.六つ灸

解答

解説

八会穴

腑会-中脘【任】
血会-膈兪【膀】
臟会-章門【肝】
骨会-大杼【膀】
筋会-陽陵泉【胆】
脈会-太淵【肺】
髄会-懸鍾【胆】
気会-膻中【任】

1.〇 脚気八処の穴
脚気八処の穴は、風市【胆】、伏兎【胃】、外膝眼【奇】、犢鼻【胃】、足三里【胃】、上巨虚【胃】、下巨虚【胃】、懸鍾【胆】である。
懸鍾(※読み:けんしょう)は、下腿外側、腓骨の前方、外果尖の上方3寸に位置する。

2.× 小児斜差の灸は、組合せで用いる経穴で八会穴を含まない。
男児は左肝兪穴と右脾兪穴、女児は右肝兪穴と左脾兪穴である。ちなみに、小児疾患、特に疳の虫に用いる。

3.〇 中風七穴
第1説は、百会【督】、肩井【胆】、足三里【胃】、曲池【大】、曲鬢【胆】、風市【胆】、懸鍾【胆】である。
第2説は、百会【督】、肩井【胆】、足三里【胃】、曲池【大】、風池【胆】、大椎【督】、間使【包】である。

4.〇 六つ灸
六つ灸は、膈兪、肝兪、脾兪の左右で計6穴である。六華の灸、胃の六つ灸である。
膈兪(※読み:かくゆ)は、上背部、第7胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分に位置する。

 

 

 

 

 

問題125 肓門穴の外方5分にある奇穴の主治はどれか。

1.喘息
2.動悸
3.痞塊
4.痔疾

解答

解説

肓門(※読み:こうもん)

腰部、第1腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸に位置する。

1.× 喘息
喘息が主治なのは、四華(※読み:しか)や患門(※読み:かんもん)である。

2.× 動悸
動悸が主治な奇穴は該当しない。ちなみに、動悸とは、心臓の拍動を普段よりも強く感じたり、速く感じたりする症状のことを指す。心臓の「ドキドキ」を強く、速く感じる状態である。

3.〇 正しい。痞塊は、肓門穴の外方5分にある奇穴の主治である。
肓門穴の外方5分にある奇穴は、痞根(※読み:ひこん)が該当する。痞根(※読み:ひこん)は、腰部、第1腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸5分に位置する。主治は、痞塊(肝臓・脾臓・膵臓などの肥大)、胃炎、腸炎、鼓腸、腰痛である。

4.× 痔疾
痔疾が主治なのは、十七椎(※読み:じゅうななつい)である。十七椎は、腰部、後正中線上、第5腰椎棘突起下方の陥凹部に位置する。ちなみに、別名:上仙(※読み:じょうせん)ともいう。

 

2 COMMENTS

アバター 鍼ちゃん

国家試験前大変お世話になっております。
問題121 答えは1では、ないでしょうか?
確認お願い致します。

返信する
真菰 真菰

コメントありがとうございます。
更新の励みになります!!!
ご指摘通り間違えておりました。
修正致しましたのでご確認ください。
今後ともよろしくお願いいたします。

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