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問題36 下肢の深部静脈血栓が剥離して血流で運ばれた場合、塞栓症を最も生じやすい臓器はどれか。
1.脳
2.肺
3.腎臓
4.脾臓
解答2
解説
静脈血栓塞栓症とは、手足の静脈に血栓ができて血管が詰まる深部静脈血栓症(DVT)と、その血栓が血流に乗って運ばれ肺の動脈に詰まる肺血栓塞栓症を合わせた総称である。深部静脈血栓症とは、長時間の安静や手術などの血流低下により下肢の静脈に血栓が詰まってしまう病気である。下肢の疼痛、圧痛、熱感などの症状がみられる。ほかのリスク因子として、脱水や肥満、化学療法などがあげられる。
1.3~4.× 脳/腎臓/脾臓より優先されるものが他にある。
2.〇 正しい。肺は、下肢の深部静脈血栓が剥離して血流で運ばれた場合、塞栓症を最も生じやすい臓器である。深部静脈血栓症と肺塞栓症はあわせて、静脈血栓塞栓症と呼ばれる。臨床では、長期臥床、術後、悪性腫瘍、脱水、妊娠・産褥、下肢ギプス固定などのあとに、片脚の腫脹や疼痛が出て、その後に突然の呼吸困難、胸痛、頻呼吸、低酸素血症をきたしたら、下肢深部静脈血栓症からの肺塞栓症を強く疑う。
問題37 ラングハンス巨細胞の由来はどれか。
1.好中球
2.樹状細胞
3.リンパ球
4.マクロファージ
解答4
解説
ラングハンス巨細胞とは、結核などの肉芽腫でみられる多核巨細胞である。マクロファージが融合してでき、核が細胞の周辺に馬蹄形や花冠状に並ぶのが特徴である。
1.× 好中球とは、白血球の中で一番多く、細菌免疫の主役である。マクロファージが好中球に指令し、好中球は活性化・増殖する。末梢血白血球の40~70%を占め、生体内に細菌・真菌が侵入すると、まず好中球が感染部位に遊走し、菌を貪食する。細菌感染による急性炎症で最初に反応する。
2.× 樹状細胞とは、免疫細胞の一種で、体内や体表面で異物を発見すると、それを自分の中に取り込み特徴を持つ細胞である。樹状細胞は、抗原提示細胞として機能し、体内に入ったウイルスなどの抗原を取り込み、他の免疫系の細胞に伝える役割を果たす。抗原を取り込み活性化されるとリンパ管を通り、所属リンパ節に移行する。
※樹状細胞に属するのは、「ランゲルハンス細胞」であって、ラングハンス巨細胞ではない。名称が非常によく似ているが、両者は全く別物である。ランゲルハンス細胞は表皮などに存在する抗原提示細胞で、樹状細胞の一種である。一方、ラングハンス巨細胞とは、肉芽腫内でマクロファージが融合して生じる多核巨細胞である。
3.× リンパ球とは、脊椎動物の免疫系における白血球のサブタイプの一つである。リンパ球には①ナチュラルキラー細胞、②T細胞、③B細胞がある。B細胞は体液性免疫を担当し、B細胞から活性化して形質細胞となり抗体を産生する。
4.〇 正しい。マクロファージは、ラングハンス巨細胞の由来である。なぜなら、ラングハンス巨細胞は、肉芽腫内で活性化したマクロファージ、特に類上皮細胞化したマクロファージ同士が融合して形成される多核巨細胞であるため。
・マクロファージとは、単球から分化し、貪食能を有する。異物を貪食して抗原提示細胞になり、抗原情報がリンパ球に伝えられる。直径15~20μmの比較的大きな細胞で、全身の組織に広く分布しており、自然免疫(生まれつき持っている防御機構)において重要な役割を担っている。
問題38 大腸癌のTNM分類を行う上で必要な情報はどれか。
1.組織型
2.遠隔転移の有無
3.静脈侵襲の有無
4.腫瘍の存在する大腸の部位
解答2
解説
病期の評価には、TNM分類と呼ばれる分類法を使用する。これは、がんの大きさと浸潤(T因子)、リンパ節転移(N因子)、遠隔転移の有無(M因子)の3つの因子について評価し、これらを総合的に組み合わせて病期を決定する。
1.× 組織型は、TNM分類を行う上で必須の情報ではない。
・組織型とは、たとえば腺癌、粘液癌、印環細胞癌など、顕微鏡で見た腫瘍の種類のことである。
2.〇 正しい。遠隔転移の有無は、大腸癌のTNM分類を行う上で必要な情報である。
これは、TNM分類のM因子に該当する。
3.× 静脈侵襲の有無は、TNM分類を行う上で必須の情報ではない。
・静脈侵襲とは、癌が静脈の中へ入り込んでいる所見のことである。
4.× 腫瘍の存在する大腸の部位は、TNM分類を行う上で必須の情報ではない。
なぜなら、TNM分類は、腫瘍が盲腸・上行結腸・S状結腸のどこにあるかではなく、どこまで浸潤し、どのリンパ節に及び、遠隔転移があるかで決まるため。
問題39 月経異常について正しいのはどれか。
1.授乳は原発性無月経の原因となる。
2.運動過多は過多月経の原因となる。
3.続発性無月経では鉄欠乏性貧血が起こる。
4.月経前症候群(PMS)の症状は月経が始まると消失する。
解答4
解説
無月経(月経がない状態)には①原発性、②続発性、③その他のものがある。
①原発性無月経:正常な成長と第二次性徴が認められる患者において15歳までに月経が起こらないことである。しかし、13歳までに月経が開始せず、思春期の徴候(例、何らかのタイプの乳房の発達)がみられない場合は、原発性無月経の評価を行うべきである。
②続発性無月経:規則的な月経周期の確立後に6カ月以上または月経周期で3周期以上の期間、月経がない状態である。しかし、以前の周期が規則的であった患者では月経が3カ月以上なければ続発性無月経の評価が行われ、以前の周期が不規則であった患者では月経が6カ月以上なければ続発性無月経の評価が行われる。
③その他:解剖学的原因(妊娠を含む)、慢性無排卵、卵巣不全など
(※参考:「無月経」MSDマニュアルプロフェッショナル版様より)
1.× 授乳は、「原発性」ではなく続発性無月経(授乳性無月経)の原因となる。授乳中は、乳頭刺激により排卵に必要なホルモン分泌が抑えられ、無月経になる。これは生理的な授乳性無月経(続発性無月経)である。
2.× 運動過多は、「過多月経」ではなく運動性無月経の原因となる。
・運動性無月経とは、スポーツによる初経の遅れや連続性の無月経などの月経異常のことである。女性アスリートの健康管理上重要な問題であり、主な原因としてエネルギー不足、精神的・身体的ストレス、体重・体脂肪の減少などがあげられる。骨粗鬆症や不妊の原因となる。
・過多月経とは、1回の生理期間の出血量が150ml以上あることである。
3.× 必ずしも、続発性無月経では鉄欠乏性貧血が起こる「わけではない」。むしろ、鉄欠乏性貧血は、続発性無月経では起こりにくく、過多月経や不正性器出血が続く場合に起こりやすい。なぜなら、無月経は、むしろ月経出血がない状態であるため。
・鉄欠乏性貧血とは、体内に流れている赤血球に多く含まれるヘモグロビンと鉄分が欠乏する事により、酸素の運搬能力が低下し全身に十分な酸素が供給されず倦怠感や動悸、息切れなどの症状がみられる貧血の種類の中でも最も多く特に女性に多い疾患である。
4.〇 正しい。月経前症候群(PMS)の症状は、月経が始まると消失する。なぜなら、月経前症候群は、黄体期に周期的に出現する症状群であるため。したがって、月経が始まるとホルモン環境が変化して症状が改善・消失する。
月経前、3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するものをいう。原因は、はっきりとはわかっていないが、女性ホルモンの変動が関わっていると考えられている。排卵のリズムがある女性の場合、排卵から月経までの期間(黄体期)にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が多く分泌される。この黄体期の後半に卵胞ホルモンと黄体ホルモンが急激に低下し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことが、PMSの原因と考えられている。しかし、脳内のホルモンや神経伝達物質はストレスなどの影響を受けるため、PMSは女性ホルモンの低下だけが原因ではなく多くの要因から起こるといわれている。精神神経症状として情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害、自律神経症状としてのぼせ、食欲不振・過食、めまい、倦怠感、身体的症状として腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張りなどがある。とくに精神状態が強い場合には、月経前不快気分障害(PMDD)の場合もある。治療法として、①日常生活の改善、②薬物療法(排卵抑制療法、症状に対する治療法、漢方療法)があげられる。
問題40 規則的な不随意運動はどれか。
1.振戦
2.ジストニア
3.アテトーゼ
4.バリズム
解答1
解説
不随意運動とは、本人の意思とは無関係に身体に異常な運動が起きることである。主として、無意識の運動をつかさどる錐体外路系(大脳基底核、脳幹、小脳など)が障害された際にみられる。不随意運動の種類は、さまざまなパターンがある(①律動的なもの、②運動の速度が速いものや遅いもの、③画一的な運動が繰り返されるもの、④不規則な運動が雑然と連続しておこるもの、⑤ごく一部(顔面、四肢、躯幹(くかん)など)に生ずるものから全身に及ぶものなど)
・振戦(律動的な無目的の運動が、一部の筋や身体の一部、ときに全身に現れる)
・舞踏病様運動、アテトーシス(おもに四肢や顔面におこるややゆっくりした不随意運動)
・バリスム(舞踏病より激しい腕や手の不随意運動)
・ジストニー(持続性収縮によって非対称性な姿勢をとる)
・チック(不規則で突発的な体の動きや発声が、本人の意思とは関係なく繰り返し起きてしまう疾患。根本的な原因は解明されていない)
・ジスキネジー(目的に合致しない病的運動)
1.〇 正しい。振戦は、規則的な不随意運動である。
・振戦とは、律動的な無目的の運動が、一部の筋や身体の一部、ときに全身に現れるものを指す。
2.× ジストニアとは、筋緊張の異常亢進による体幹・頚部の捻転などが起こる症状である。大脳基底核の障害でみられるため不適切である。
3.× アテトーゼとは、顔や手足をゆっくりとくねくねと動かしてしまうものである。
4.× バリズムとは、舞踏病より激しい腕や手の不随意運動のことである。
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