第34回(R8年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後126~130】

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問題126 腧穴で鍼の深刺により延髄損傷の危険性が最も高いのはどれか。

1.脳戸
2.翳風
3.瘂門
4.夾脊

解答

解説
1.× 脳戸は、頭部、外後頭隆起上方の陥凹部に位置する。

2.× 翳風は、前頸部、耳垂後方、乳様突起下端前方の陥凹部に位置する。

3.〇 正しい。瘂門は、腧穴で鍼の深刺により延髄損傷の危険性が最も高い。
・瘂門は、後頸部、後正中線上、第2頸椎棘突起上方の陥凹部に位置する。

4.× 夾脊は、背部、第1胸椎棘突起~第5腰椎棘突起までの各突起下縁と同じ高さで後正中線の両外方5分に位置する。

 

 

 

 

 

問題127 次の徒手検査はどれか。
 「患者を背臥位にして、股関節・膝関節屈曲90度から膝関節のみをゆっくりと伸展させ、下肢後面に疼痛が誘発されるかを確認する。」

1.トーマステスト
2.ラセーグテスト
3.ボンネットテスト
4.ブラガードテスト

解答

解説

本症例のポイント

①患者は背臥位。
②股関節・膝関節屈曲90度から膝関節のみをゆっくりと伸展
下肢後面に疼痛が誘発されるかを確認する。

1.× トーマステストは、股関節屈曲拘縮(腸腰筋の短縮)を診るテストである。背臥位で股関節・膝関節を屈曲する。反対側の膝が持ち上がると陽性である。

2.〇 正しい。ラセーグテストが該当する。
・ラセーグテストとは、椎間板ヘルニア、脊椎すべり症、横靭帯肥厚、脊柱管狭窄症など神経根障害を検査する。背臥位で股関節・膝関節屈曲90度から膝関節のみをゆっくりと伸展する。下肢後面に疼痛が誘発されるか確認し、疼痛を訴え、それ以上の挙上が不可となるものを陽性とする。

3.× ボンネットテストは、梨状筋症候群の診断に使用される誘発テストである。やり方は、背臥位の被検者は、検査側の膝関節屈曲位にて、対側の脚の上に乗せる(梨状筋に伸展ストレスを加える)。殿部から太ももにかけて、放散痛が出た場合は陽性である。

4.× ブラガードテストは、椎間板ヘルニアの検査である。下肢伸展挙上テスト(SLR)で下肢痛を生じた位置より、角度を少し減じた位置で、足関節を背屈させ、同様の下肢痛を認めたときに陽性とする。

 

 

 

 

 

問題128 次の症例で最も考えられる頭痛はどれか。
 「50歳の女性。月に15回以上頭痛を自覚。主に午後や夕方に頭の両側や後頸部に締め付けられる痛みがある。鎮痛薬は月に4、5回服用。」

1.群発頭痛
2.緊張型頭痛
3.薬物使用過多による頭痛
4.片頭痛

解答

解説

本症例のポイント

・50歳の女性。
・月に15回以上頭痛を自覚。
・主に午後や夕方に頭の両側や後頸部に締め付けられる痛みがある。
・鎮痛薬は月に4、5回服用
→ほかの選択肢が消去できる理由をあげられるようにしよう。

1.× 群発頭痛は考えにくい。なぜなら、群発頭痛の場合、「片側の眼窩部・眼窩上部・側頭部の激しい痛み」が起こるため。
・群発頭痛とは、数週間から数か月ほどの間、片方の目の周りや頭の前側や後ろ側の辺りが毎日のように強く痛くなることである。はっきりとした原因は分かっておらず、体内時計の乱れなどが関係しているのではないかと考えられている。

2.〇 正しい。緊張型頭痛が最も考えられる。なぜなら、緊張型頭痛の特徴として、「両側性」「圧迫感・締め付け感(拍動性ではない)」「軽度~中等度」「日常動作で悪化しにくい」であり、本症例と一致しているため。
・緊張型頭痛とは、一般的に頭痛のなかでもっとも頻度が高く、頭の周囲が締め付けられるように痛くなるタイプの頭痛である。一般的な頭痛といえる。原因はストレス、首や肩の筋肉の血行の悪さ、姿勢の悪さ、睡眠不足などさまざまである。

3.× 薬物使用過多による頭痛は考えにくい。なぜなら、本症例は、鎮痛薬の服用を月に4、5回であるため。薬物使用過多による頭痛を疑う場合、月15日以上の頭痛のほか、急性期治療薬を3か月を超えて規則的に過量使用している必要がある。

4.× 片頭痛は考えにくい。なぜなら、片頭痛の場合、「片側性」「拍動性」「中等度~重度」「日常動作で悪化」「悪心・嘔吐、または光過敏・音過敏」を伴うことが多いため。

 

 

 

 

 

問題129 次の症例で最も適切な疾患はどれか。
 「75歳の女性。円背で胸腰椎移行部に圧痛を認める。15年前に胃癌の既往がある。脊椎エックス線像で陳旧性の圧迫骨折を認める。血液検査やMRI検査で異常はない。」

1.骨粗鬆症
2.骨軟化症
3.多発性骨髄腫
4.転移性骨腫瘍

解答

解説

本症例のポイント

75歳の女性
・円背で胸腰椎移行部に圧痛を認める。
・15年前に胃癌の既往がある。
・脊椎エックス線像で陳旧性の圧迫骨折を認める。
・血液検査やMRI検査:異常はない
→ほかの選択肢が消去できる理由をあげられるようにしよう。

1.〇 正しい。骨粗鬆症が最も考えられる。
・骨粗鬆症とは、骨量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気である。原因として、閉経による女性ホルモンの低下や運動不足・喫煙・飲酒・栄養不足・加齢などである。骨粗鬆症の患者は、わずかな外力でも容易に圧迫骨折(特に胸腰椎)、大腿骨頚部骨折、橈骨遠位端骨折を起こしやすい(※参考:「骨粗鬆症」日本整形外科学会様HPより)。

2.× 骨軟化症より優先されるものが他にある。なぜなら、骨軟化症の場合、骨痛だけでなく、血液異常(低リン血症・低Ca血症・高ALPなど)が起こるため。
・骨軟化症は、骨化の過程における石灰化障害が生じた結果、石灰化していない骨基質が増加し、骨強度が減弱することにより生じる。骨端線閉鎖前の小児期に発症したものをくる病という。病因は、低リン血症、ビタミンD代謝物作用障害、石灰化を障害する薬剤性(アルミニウム、エチドロネート等)などである。

3.× 多発性骨髄腫より優先されるものが他にある。なぜなら、多発性骨髄腫の場合、骨痛や骨折に加えて、ほかの異常(貧血、腎機能障害、高カルシウム血症、M蛋白など)が起こるため。
・多発性骨髄腫とは、形質細胞がクローン性に増殖するリンパ系腫瘍である。増殖した形質細胞やそこから分泌される単クローン性免疫グロブリンが骨病変、腎機能障害、M蛋白血症などさまざまな病態や症状を引き起こす。多発性骨髄腫の発症年齢は65~70歳がピークで男性が女性より多く約60%を占める。腫瘍の増大、感染症の合併、腎不全、出血、急性白血病化などで死に至る。主な症状として、頭痛、眼症状の他に①骨組織融解による症状(腰痛・背部痛・圧迫骨折・病的骨折・脊髄圧迫症状・高カルシウム血症など)や②造血抑制、M蛋白増加による症状(貧血・息切れ・動悸・腎機能障害)、易感染性(免疫グロブリン減少)、発熱(白血球減少)、出血傾向(血小板減少)などである。

4.× 転移性骨腫瘍より優先されるものが他にある。なぜなら、転移性骨腫瘍の場合、MRIにて、通常は腫瘍性変化を示すことが多いため。
・骨転移とは、転移性骨腫瘍ともいい、がん細胞が血液の流れで運ばれて骨に移動し、そこで増殖している状態のことをいう。骨転移は、どんながんでもおきる可能性がある。乳がん、前立腺がん、肺がんなどが、骨に転移しやすい。骨転移には、3種類(①溶骨型、②造骨型、③混合型)あげられ、①溶骨型骨転移がおきると、骨が弱くなり、痛みがでたり、ちょっとしたことで骨折してしまうことがある。

 

 

 

 

 

問題130 次の症例で最も考えられる疾患はどれか。
 「76歳の女性。1年ほど前から特に誘因なく右手がしびれ、その後、左手にも出現。物をつかみにくく、歩行もぎこちなくなった。両側下肢の腱反射は亢進。」

1.胸郭出口症候群
2.頸椎症性脊髄症
3.頸椎症性神経根症
4.外傷性頸部症候群

解答

解説

本症例のポイント

・76歳の女性。
・1年ほど前から特に誘因なく右手がしびれ、その後、左手にも出現。
・物をつかみにくく、歩行もぎこちなくなった。
両側下肢の腱反射は亢進
→ほかの選択肢が消去できる理由をあげられるようにしよう。ほかの選択肢は、誘因がみられるのが特徴である。

1.× 胸郭出口症候群より優先されるものが他にある。なぜなら、胸郭出口症候群の場合、腕を挙げる動作(つり革、物干し)で、上肢のしびれや肩・腕の痛みが出やすい疾患であるため。
・胸郭出口症候群は、胸郭出口付近における神経と動静脈の圧迫症状を総称したものである。症状として、上肢のしびれ、脱力感、冷感などが出現する。胸郭出口は、鎖骨、第1肋骨、前・中斜角筋で構成される。原因として、①前斜角筋と中斜角筋の間で圧迫される斜角筋症候群、②鎖骨と第一肋骨の間で圧迫される肋鎖症候群、③小胸筋を通過するときに圧迫される小胸筋症候群、④頭肋で圧迫される頸肋症候群などがある。

2.〇 正しい。頸椎症性脊髄症が最も考えられる。なぜなら、頸椎症性脊髄症は、加齢変化で頸髄が圧迫され、手足のしびれ、手指の不器用さ、歩行障害、反射亢進をきたすため。
・頸椎症性脊髄症とは、加齢による頸椎の変形によって内側の脊髄が圧迫されて、巧緻性の低下や手足のしびれが生じる疾患である。箸での食事が難しくなったり、ボタンをとめるのが困難になることもある。

3.× 頸椎症性神経根症より優先されるものが他にある。なぜなら、頸椎症性神経根症の場合、神経根の圧迫で起こり、主症状が肩から腕にかけての痛みやしびれであるため。
・頸椎症性神経根症とは、頚椎の変性や変形によって、首から腕や手に伸びる神経が圧迫されて痛みやしびれなどの症状を引き起こす疾患である。

4.× 外傷性頸部症候群より優先されるものが他にある。なぜなら、外傷性頸部症候群の場合、頸部の挫傷後(交通事故など)に生じる症候群であるため。
・外傷性頚部症候群とは、交通事故などで首に衝撃が加わった後、骨折や脱臼がないのに首の痛み、肩こり、頭痛、めまい、手のしびれなどが続く状態である。

 

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