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問題51 脳性麻痺について正しいのはどれか。
1.脳の進行性病変に基づく障害である。
2.病型は失調型が最も多い。
3.精神発達遅滞と麻痺の程度は無関係である。
4.ボツリヌス毒素治療の適応とはならない。
解答3
解説
「脳性麻痺は受胎から新生児(生後4週以内)までの間に生じた、脳の非進行性病変にもとづく永続的な、しかし変化しうる運動および姿勢の異常(1968年の厚生省脳性麻痺研究班)」。
1.× 脳の「進行性病変」ではなく非進行性病変に基づく障害である。つまり、脳の原病変そのものは進行しない。ただし、成長に伴って痙縮、拘縮、股関節脱臼、歩行障害などの二次障害が目立ってくることはある。
2.× 病型は、「失調型」ではなく痙直型(約80%)が最も多い。次に多いのは、アテトーゼ型である。
3.〇 正しい。精神発達遅滞と麻痺の程度は無関係である。なぜなら、脳性麻痺では、身体の運動障害が重くても知的機能が保たれることがあり、逆に運動麻痺が軽くても知的障害を合併することがあるため。
4.× ボツリヌス毒素治療の適応「となる」。特に、脳性麻痺の痙縮筋に対し実施される。なぜなら、ボツリヌス毒素は、脳性麻痺の痙縮筋に注射して筋緊張を下げ、関節拘縮や異常姿勢を改善が期待できるため。
ボツリヌス療法は、脳・脊髄疾患などによる痙性麻痺に対して有効とされている。ボツリヌス毒素を筋肉内に数か所注射し、筋収縮を抑制する。効果持続は、3~6か月のため、数か月ごとに再投与が必要である。ボツリヌス毒素が神経終末の受容体に結合することで、アセチルコリンの放出を阻害し、アセチルコリンを介した筋収縮および発汗が阻害される。なお、アセチルコリンの合成や貯蔵、神経伝導には影響を及ぼさない特徴を持つ。
問題52 小児の気管支喘息について正しいのはどれか。
1.非アトピー型喘息が多い。
2.発作時には呼気の延長がみられる。
3.発作時には水分摂取を制限する。
4.思春期までに寛解するのはまれである。
解答2
解説
【症状】
喘鳴、呼吸困難、呼気延長など(1秒率の低下)、アレルギー反応やウイルス感染が誘引となる。
【治療】気道の炎症を抑えて、発作が起きない状態にする。発作を繰り返すと、気道の粘膜が徐々に厚くなり、狭くなった気道が元に戻らなくなるため治療が難しくなる。そのため、日頃から気道の炎症を抑える治療を行い、喘息をコントロールすることが重要である。
1.× 「非アトピー型」ではなくアトピー型喘息が多い(90%以上)。
・アトピー型の気管支喘息とは、ダニや花粉などのアレルゲンに対するIgE抗体が関わる喘息である。
・非アトピー型の気管支喘息とは、明確なアレルゲンが見つかりにくい喘息である。成人ではアトピー型約6割、非アトピー型約4割、小児では9割以上がアトピー型である。
2.〇 正しい。発作時には、呼気の延長がみられる。なぜなら、喘息は、気道の狭窄が起こり、発作時には気管支が収縮し、粘膜が腫れ、分泌物も増えるため、したがって、呼気時に空気が通りにくくなる。
3.× 発作時には水分摂取を制限する「必要はない」。むしろ、脱水に気を付けるべきである。なぜなら、喘息発作時の小児では、呼吸仕事量の増加や摂取低下、嘔吐などで脱水をきたしうるため。
4.× 思春期までに寛解するのは「まれ」ではなく多い(60~80%長期寛解)。一方で、アトピーが強い、肺機能が低い、思春期にも症状が続く場合は、成人喘息へ移行しやすい。
問題53 膵癌の危険因子はどれか。
1.胃癌
2.糖尿病
3.腎不全
4.関節リウマチ
解答2
解説
膵癌の危険因子に、糖尿病、慢性膵炎、喫煙、飲酒、肥満、家族歴などがあげられる。
1.3~4.× 胃癌/腎不全/関節リウマチ
これらは、膵癌の主な危険因子とはいえない。
2.〇 正しい。糖尿病は、膵癌の危険因子である。なぜなら、糖尿病では、インスリンが効きにくくなり高インスリン状態や高血糖が続くため。これが膵臓の細胞増殖や慢性炎症を促し、膵癌の発生に関わると考えられる。また、急な糖尿病悪化は膵癌の初期サインの場合もある。
問題54 アルコール性肝障害について誤っているのはどれか。
1.治療の基本は禁酒である。
2.肝生検は診断に有用である。
3.飲酒量が同量の場合、男性の方が発症しやすい。
4.γ-GTが高値である。
解答3
解説
アルコール性肝障害とは、アルコールの飲みすぎによって肝臓に負担がかかり、肝細胞に中性脂肪が蓄積することによって風船状に肥大化し肝機能が障害されてしまう病気である。初期には肝臓全体が腫れてアルコール性脂肪肝の状態となる。
1.〇 正しい。治療の基本は禁酒である。なぜなら、アルコール性肝障害は、飲酒そのものが肝障害を進行させる原因であるため。禁酒がさらなる肝障害の進展を防ぐ治療の中心である。
2.〇 正しい。肝生検は診断に有用である。なぜなら、肝生検とは、肝障害の存在確認、飲酒が原因である可能性の評価、肝障害の進行度や病期の把握に役立つため。たとえば、飲酒歴はあるものの、B型・C型肝炎や脂肪性肝疾患など他の肝疾患との区別が難しい症例では、肝生検が診断の助けになる。
3.× 飲酒量が同量の場合、「男性」ではなく女性の方が発症しやすい。なぜなら、女性は男性より体内水分量が少なく、アルコール分解能も低く、アルコールの肝障害を受けやすいため。
4.〇 正しい。γ-GTが高値である。なぜなら、アルコールは、肝臓の酵素誘導を起こし、γ-GTを上昇させやすいため。
・γ-GTP(γグルタミルトランスペプチダーゼ)は、肝胆道系の異常を推測する指標である。肝臓の解毒作用(タンパク質分解)に関係する酵素である。
問題55 乳癌について正しいのはどれか。
1.男性には発症しない。
2.主な症状は乳房のしこりである。
3.頸部リンパ節に転移しやすい。
4.エストロゲン補充療法を行う。
解答2
解説
乳癌とは、乳管や小葉上皮から発生する悪性腫瘍である。乳管起源のものを乳管癌といい、小葉上皮由来のものを小葉癌という。年々増加しており、女性のがんで罹患率第1位、死亡率は第2位である。40~60歳代の閉経期前後の女性に多い。
乳がんのリスク要因は、①初経年齢が早い、②閉経年齢が遅い、③出産歴がない、④初産年齢が遅い、⑤授乳歴がないことなどである。閉経後の肥満は乳がん発症の高リスクであると考え、 また閉経後の女性では運動による乳がんリスク減少の可能性が示されている。
1.× 男性に「も発症する(ただし全体の約1%)」。なぜなら、男性の乳房にも乳腺組織があり、そこから癌が発生しうるため。
2.〇 正しい。主な症状は乳房のしこりである。なぜなら、乳癌は乳管や小葉に生じた腫瘍が局所で増殖し、触知できる腫瘤(しゅりゅう:しこり)として見つかることが多いため。ほかに、乳房のくぼみ、乳頭・乳輪のただれ、左右差、乳頭分泌などもある。
3.× 「頸部」ではなく腋窩リンパ節に転移しやすい。なぜなら、乳房のリンパ流の多くは腋窩リンパ節に集まるため。
4.× エストロゲン補充療法「は行わない」。むしろ、エストロゲンの作用を抑えるように治療する。つまり、治療の方向性は、“補充”ではなく“抑制”である。
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