この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
問題61 ペプチドホルモンの細胞内から細胞外への移動形式はどれか。
1.共輸送
2.単純拡散
3.促通拡散
4.開口分泌
答え.4
解説
ホルモンは①ペプチドホルモン、②ステロイドホルモン、③アミン・アミノホルモン、④糖タンパクホルモン、⑤その他の5つ分類される。①ペプチドホルモンは、成長ホルモン・インスリンなど大部分のホルモンが含まれる。②ステロイドホルモンは、副腎皮質ホルモンの他に性腺ホルモンも含まれる。コレステロールを原料として作られたステロイド骨格を盛るホルモンである。③アミン・アミノホルモンは、副腎髄質ホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリン)、甲状腺ホルモンがある。
運搬体タンパク質とは、水に難溶性または不溶性の生体成分と結合して血流中を循環し、生体成分を体内各所に送達するタンパク質の総称である。
1.× 共輸送
共輸送とは、濃度勾配に沿ったイオンの移動と濃度勾配に逆らった物質のくみ上げを同時に行うである。したがって、結果としてイオンと物質は同じ方向に動く。 たとえば、Na+/アミノ酸共輸送系などが当てはまる。
2.× 単純拡散
単純拡散とは、細胞膜を通して起こる溶質の拡散のことである。単純拡散によって通過する物質には、脂溶性物質や酸素や二酸化炭素のようなガス体がある。また分子量の小さなイオン等はイオンチャネルを単純拡散で通過する。
3.× 促通拡散
促進拡散とは、単純拡散で細胞膜を通過できないような分子量の大きい溶質を、輸送タンパクを利用して拡散させる方法をいう。これは、濃度勾配または電気的勾配に従い移動が行われる。例えば、グルコースやアミノ酸などが該当する。濃度勾配または電気的勾配に従った方向に輸送する場合は、エネルギーを必要としない。
4.〇 正しい。開口分泌は、ペプチドホルモンの細胞内から細胞外への移動形式である。
分泌方法による分類には、①開口分泌型、②細胞膜透過型があげられる。①開口分泌とは、エキソサイトーシスともいい、細胞外への分泌形態の一つである。開口分泌型は、ペプチドホルモンやアミン型ホルモン、細胞内で合成された物質(蛋白質など)の移動形式である。一方、ステロイドホルモンは、②細胞膜透過型が用いられる。
拡散とは、物質粒子(あるいは分子、イオン)がある空間を拡がり散る現象のことをいう。また、受動輸送とは、エネルギーを必要としない栄養素の吸収方法である。拡散(受動輸送)には、①単純拡散と②促進拡散とよばれる2つのタイプがあり、③能動輸送があげられる。
①単純拡散とは、細胞膜を通して起こる溶質の拡散のことである。単純拡散によって通過する物質には、脂溶性物質や酸素や二酸化炭素のようなガス体がある。また分子量の小さなイオン等はイオンチャネルを単純拡散で通過する。
②促進拡散とは、単純拡散で細胞膜を通過できないような分子量の大きい溶質を、輸送タンパクを利用して拡散させる方法をいう。これは、濃度勾配または電気的勾配に従い移動が行われる。例えば、グルコースやアミノ酸などが該当する。濃度勾配または電気的勾配に従った方向に輸送する場合は、エネルギーを必要としない。
③能動輸送とは、エネルギーを使いながら、濃度の低い方から高い方へ濃度勾配に逆らって、積極的な栄養素の吸収を行うものをさす。例えば、糖質やアミノ酸など輸送される。能動輸送で栄養素が吸収される場合には、担体が必要である。
問題62 血液中で最も多いのはどれか。
1.赤血球
2.血小板
3.リンパ球
4.顆粒白血球
答え.1
解説
①血漿(血液中の55%)
・血漿のうち91%が水
→タンパク質(アルブミンやグロブリン、凝固因子)が7%
→電解質が1%
→そのほか(糖や脂質、ビタミン、ホルモンなど)が1%
②血球(血液中の45%)
・血球のうち99%が赤血球
→したがって、白血球や血小板は1%にも満たない。
1.〇 正しい。赤血球は、血液中で最も多い。
人の血液の約45%を占める。赤血球とは、細胞内にヘモグロビンを含み、主に酸素の運搬を行う。血液中の細胞成分である。ちなみに、ヘモグロビンのヘム鉄が、酸素分子と結合する性質を持ち、肺から全身へと酸素を運搬する役割を担っている。
2.× 血小板
人の血液の約1%を占める。血小板とは、血液に含まれる成分の一種で、血管の傷ついた部位に集まってかたまりをつくり、止血する作用がある。そのため、血小板の数が減少すると出血が起こりやすく、血が止まりにくくなる。
3.× リンパ球
人の血液の約1%を占める。リンパ球は血液中にある全白血球の20~40%を占めている。リンパ球とは、主に獲得免疫を担う細胞集団である。ウイルスに対する免疫反応に関与する。リンパ球とは、脊椎動物の免疫系における白血球のサブタイプの一つである。リンパ球には①ナチュラルキラー細胞、②T細胞、③B細胞がある。B細胞は体液性免疫を担当し、B細胞から活性化して形質細胞となり抗体を産生する。
4.× 顆粒白血球
人の血液の約1%を占める。顆粒白血球は血液中にある全白血球の50~60%(好中球が最も多い)を占めている。好酸球、好塩基球、単球の比率はそれぞれ2~7%、0~1%、2~8%程度である。ちなみに、顆粒白血球とは、顆粒球ともいい、白血球のうち骨髄系の細胞の一つであり、細胞質内に豊富な顆粒(殺菌作用のある成分)を有することを特徴とする。好中球、好酸球、好塩基球の3種類に分類される。
問題63 吸息時の肺胞内圧と胸膜腔内圧の組合せで正しいのはどれか。
1.肺胞内圧が陽圧:胸膜腔内圧が陽圧
2.肺胞内圧が陽圧:胸膜腔内圧が陰圧
3.肺胞内圧が陰圧:胸膜腔内圧が陽圧
4.肺胞内圧が陰圧:胸膜腔内圧が陰圧
答え.4
解説
1~3.× 肺胞内圧が陽圧:胸膜腔内圧が陽圧/肺胞内圧が陽圧:胸膜腔内圧が陰圧/肺胞内圧が陰圧:胸膜腔内圧が陽圧
これも一般的には存在しない。
4.〇 正しい。肺胞内圧が陰圧:胸膜腔内圧が陰圧
通常、陰圧の状態が保たれており、陽圧になるのは人工的な換気が行われた場合のみである。安静時の吸息では、横隔膜の収縮と胸腔の容積の増加により、胸膜腔内圧がさらに陰圧になる。吸息時、胸郭が拡大し、胸膜腔内の圧力が下がり(陰圧となり)、その結果として肺胞が拡大し、肺胞内の圧力も下がる(陰圧となる)。ちなみに、胸膜腔とは、肺表面を覆う臓側胸膜と胸壁内面を覆う壁側胸膜に囲まれた空間のことである。
①安静吸気:横隔膜・外肋間筋。
②安静呼気:呼気筋は関与しない。
③努力吸気:呼吸補助筋(僧帽筋、胸鎖乳突筋・斜角筋・大胸筋・小胸筋・肋骨挙筋など)が関与。
④努力呼気:内肋間筋・腹横筋・腹直筋が関与。
問題64 閉塞性換気障害で低下するのはどれか。
1.1秒率
2.肺活量
3.残気量
4.気道抵抗
答え.1
解説
(※図引用:yakugaku lab様HP)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の最大の原因は喫煙であり、喫煙者の約20%がCOPDを発症する。慢性閉塞性肺疾患とは、以前には慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称である。他の特徴として、肺の過膨張、両側肺野の透過性亢進、横隔膜低位、横隔膜の平低化、滴状心などの特徴が認められる。進行性・不可逆性の閉塞性換気障害による症状が現れる。
増加:残気量・残気率・肺コンプライアンス・全肺気量・PaCO2
減少:一秒率・一秒量・肺活量・肺拡散能・PaO2
1.〇 正しい。1秒率は、閉塞性換気障害で低下する。
1秒率とは、息を努力して吐き出したときに呼出される空気量のうち最初の一秒間に吐き出された量の割合である。口すぼめ呼吸を行いリハビリすることが多い。口すぼめ呼吸とは、呼気時に口をすぼめて抵抗を与えることにより気道内圧を高め、これにより末梢気管支の閉塞を防いで肺胞中の空気を出しやすくする方法である。鼻から息を吸い、呼気は吸気時の2倍以上の時間をかけて口をすぼめてゆっくりと息を吐く。
2.× 肺活量
肺活量とは、[最大吸気量 + 予備呼気量]のことをいう。つまり、限界まで吸い、限界まで吐いたときの空気の量である。
3.× 残気量
残気量とは、最大に呼出させた後、なおも肺内に残っている空気量のことをいう。
4.× 気道抵抗
気道抵抗とは、気道を流れる空気の「通りにくさ」を意味し、気道内径の変化を伴う気道障害の指標となる。喘息など閉塞性換気障害のある人では、呼気時の気道抵抗は著明に上昇する。
(※図引用:「呼吸機能検査 フロー・ボリューム曲線」医學事始様HPより)
問題65 中性脂肪の構成成分はどれか。
1.アデノシン
2.アミノ酸
3.グリコーゲン
4.グリセロール
答え.4
解説
1.× アデノシン
アデノシンとは、心臓、骨格筋、脳、肝臓などの種々の臓器の血管拡張を司っており、特に冠血管については、主として直径50~200μmの抵抗血管を拡張し、冠血流量増加をもたらすことから、重要な冠血流量調節因子と考えられている。
2.× アミノ酸
アミノ酸とは、広義には、アミノ基とカルボキシ基の両方の官能基を持つ有機化合物の総称である。一方、狭義には、生体のタンパク質の構成ユニットとなる「α-アミノ酸」を指す。
3.× グリコーゲン
グリコゲーンとは、多糖類の一種で、エネルギーを貯蔵し人間の活動に欠かせないものである。普段は、肝臓や骨格筋等に蓄えられており、急激な運動を行う際のエネルギー源として、あるいは空腹時の血糖維持に利用される。
4.〇 正しい。グリセロールは、中性脂肪の構成成分である。
中性脂肪(トリグリセリド)とは、脂肪酸が3本、グリセロールと呼ばれる物質で束ねられた構造をしている。中性脂肪は、エネルギー源となったり体温を一定に保つ役割をしており、人間の身体にとってなくてはならないものである。しかし中性脂肪が増えすぎると、余ったものは肝臓や脂肪組織に蓄積し、脂肪肝、肥満の原因である。