第25回(H29年)柔道整復師国家試験 解説【午前41~45】

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問41 有対性(体の左右にある)なのはどれか。

1.上矢状静脈洞
2.腕頭静脈
3.奇静脈
4.門脈

答え.2

解説

(※画像引用:岡山第一病院様より)

1.× 上矢状静脈洞は、有対性ではない。上矢状静脈洞とは、上矢状静脈洞は脳の矢状面を縦に走る単一の静脈洞である。静脈洞とは、脳に動脈で血液を送った後に、血液が心臓に戻るための最後に通る場所である。

2.〇 正しい。腕頭静脈は、有対性である。腕頭静脈は、左右に一対ずつ存在する。ちなみに、腕頭動脈は、右だけの無対動脈である。

3.× 奇静脈は、有対性ではない。奇静脈とは、脊柱の右側を走行し上大静脈に合流する静脈をいう。ほかに、脊柱の左側を走行する静脈に半奇静脈と副半奇静脈がある。これらは上大静脈と下大静脈の連絡を担い、閉塞した際には奇静脈が側副血行路として機能する。

4.× 門脈は、有対性ではない。門脈とは、だいたいの消化管から得られた栄養を肝臓へと運ぶ働きを持つ機能血管である。

 

 

 

 

問42 正しいのはどれか。

1.舌筋は舌咽神経に支配される。
2.胃の筋層は内輪、外縦の2層からなる。
3.食道上部の筋層は平滑筋からなる。
4.外肛門括約筋は横紋筋からなる。

答え.4

解説
1.× 舌筋は、「舌咽神経」ではなく舌下神経に支配される。舌下神経とは、舌の運動を支配する運動神経である。一方、舌咽神経とは、知覚・運動・分泌を受けもつ混合神経で、舌の後部3分の1の感覚や咽頭筋の運動を支配する。 また分泌線維は耳下腺に分布し、唾液の分泌を司る。 鼓室粘膜の知覚もこの神経が支配する。

2.× 胃の筋層は、「2層(内輪、外縦)」ではなく3層(内斜、中輪、外縦)からなる。詳しくいうと、胃体では3層(内斜、中輪、外縦)からなる。胃以外の消化管の筋層は、内輪、外縦の2層構造である。

3.× 食道上部(上1/3)の筋層は、「平滑筋」ではなく横紋筋からなる。ちなみに、食道(下2/3)の筋層は、平滑筋からなる。

4.〇 正しい。外肛門括約筋は横紋筋からなる。ちなみに、外肛門括約筋とは、内肛門括約筋を外側から筒状に取り囲むように存在する随意筋かつ横紋筋である。体性神経である下直腸神経・会陰神経の支配を受けている。外肛門括約筋の弛緩が起こって排便が起こる(排便反射)。つまり、お尻の穴の排便の時に働く筋肉である。
また、内肛門括約筋は、平滑筋からなる。

(※図引用:「イラストでわかる歯科医学の基礎 第4版 」永未書店HPより)

 

 

 

 

 

問43 トライツ靭帯が位置する椎体レベルはどれか。

1.第10胸椎
2.第12胸椎
3.第2腰椎
4.第4腰椎

答え.3

解説

(※図引用:「腹痛」ソージュ山下町内科クリニック様HPより)

トライツ靭帯とは?

トライツ靭帯(Treitz靭帯)は、十二指腸と空腸の間(移行部)に位置している。

1~2.4.× 第10胸椎/第12胸椎/第4腰椎
これらは、トライツ靭帯の位置と関連がない。

3.〇 正しい。第2腰椎にトライツ靭帯が位置する。

(※図引用:「イラスト素材:脊柱(側面)」illustAC様より)

 

 

 

 

 

問44 総胆管の開口部位は十二指腸のどれか。

1.上部
2.下行部
3.水平部
4.上行部

答え.2

解説

(※図引用:「胆嚢管」wikiより)

1.3~4.× 上部/水平部/上行部
これらは、総胆管の開口部位とはいえない。

2.〇 正しい。下行部に総胆管の開口部位が位置する。十二指腸とは、小腸の一部で消化管の一つで胃の奥にある臓器で、壁の薄さは約2~3mmと薄く、長さは約25cmで、球部、下行部、水平部、上行部に分けられる。下行部には膵液、胆汁の出口であるファーター乳頭があり、それらの消化液は、食物の消化や吸収に役立つ。

 

 

 

 

 

問45 右主気管支の特徴はどれか。

1.左主気管支より短い。
2.左主気管支より細い。
3.左主気管支より枝が少ない。
4.左主気管支より柔らかい。

答え.1

解説

(※画像引用:中高津クリニック様HP)

1.〇 正しい。左主気管支より短い。気管支の分岐角は、右(25°)よりも左(45°)が大きい。そのため吸い込まれた異物は、右気管支に入りやすい。その結果として、誤嚥性肺炎は右側に多い。

2.× 左主気管支より「細い」のではなく太い。なぜなら、心臓が左に片寄っており、右肺の方が左肺より若干大きいため。

3.× 左主気管支より枝が「少ない」のではなく多い。なぜなら、右主気管支は3つの葉に分岐するため。

4.× 左主気管支より「柔らかい」のではなく「柔らかさに大きな違いはない」。どちらも気管支軟骨により構造が保たれている。

(※図引用:「肺の解剖と機能について」信州大学様HPより)

 

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