第25回(H29年)柔道整復師国家試験 解説【午前51~55】

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問51 プロゲステロンを分泌するのはどれか。

1.二次卵胞
2.グラーフ卵胞
3.黄体
4.白体

答え.3

解説

(※画像引用:日本医師会様HPより)

プロゲステロンとは?

プロゲステロン(黄体ホルモン)は、基礎体温を上げ、受精卵が着床しやすい状態にする作用を持つ。プロゲステロン(黄体ホルモン)は、性周期が規則的で健常な成人女性において、着床が起こる時期に血中濃度が最も高くなるホルモンである。着床が起こる時期とは、月経の黄体期である。黄体期は、排卵した後の卵胞(黄体)から黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されるようになる時期である。

1~2.× 二次卵胞/グラーフ卵胞は、卵巣内で発育中の卵胞であり、主にエストロゲンを分泌する。
・原始卵胞とは、休眠している卵胞のことである。排卵に向けて活性化すると一次卵胞、二次卵胞へと成長し最終的には卵子として排卵するか、発育途中で閉鎖卵胞として消失する。原始卵胞は新生児期には、約200万個存在する。
・グラーフ卵胞(成熟卵胞)が発育、増大すると卵巣の表面に突出して破裂し、卵細胞は卵胞液とともに卵巣から腹腔内へと放出される。この現象を排卵という。

3.〇 正しい。黄体からプロゲステロンを分泌する。黄体とは、哺乳類の卵巣で排卵後に形成される内分泌組織である。

4.× 白体は、黄体が退行してできる構造である。したがって、プロゲステロンの分泌は行わない。これは、黄体が退化すると、ホルモン分泌は停止するためである。

 

 

 

 

 

問52 写真を下に示す。視床はどれか。

1.a
2.b
3.c
4.d

答え.3

解説

(※図引用:「脳(矢状断)」illustAC様HPより)

1.× aは脳梁である。脳梁とは、左右の大脳半球をつなぐ交連線維の太い束である。左右の大脳皮質の間で情報をやり取りする経路である。脳梁は、いわゆる高次脳機能、認知機能に分類される症状を担っている。

2.× bは脳弓である。脳弓は、海馬体から乳頭体、中隔核に至る神経線維束で、Papez回路(パペッツ回路)のひとつである。Papez回路とは、大脳辺縁系にある常同と記憶に関与するサークル上の連絡路である。海馬→脳弓→乳頭体→視床前核→帯状回→海馬傍回→海馬・・・というサークルをたどる。

3.〇 正しい。cは視床である。視床とは、嗅覚以外のあらゆる感覚情報(体性感覚、痛覚、視覚、聴覚、味覚など)を大脳皮質に送る一大中継基地を担う。

4.× dは中脳である。中脳とは、間脳と橋の間に位置する脳構造である。中脳水道より背側の中脳蓋と、腹側の中脳被蓋、大脳脚の3つの部分に大別される。視覚情報・聴覚情報の処理を行い、体性運動の反射中枢としても働く。

 

 

 

 

 

問53 動眼神経核があるのはどれか。

1.視床
2.中脳
3.橋
4.延髄

答え.2

解説

(※図引用:「イラストでわかる歯科医学の基礎 第4版 」永未書店HPより)

1.× 視床とは、嗅覚以外のあらゆる感覚情報(体性感覚、痛覚、視覚、聴覚、味覚など)を大脳皮質に送る一大中継基地を担う。

2.〇 正しい。中脳に動眼神経核がある。中脳の神経核は、Ⅲ:動眼神経核、Ⅳ:滑車神経核が存在する。

3.× 橋の神経核は、Ⅴ:三叉神経、Ⅵ:外転神経、Ⅶ:顔面神経、Ⅷ:内耳神経が存在する。

4.× 延髄の神経核は、Ⅸ:舌咽神経、Ⅹ:迷走神経、Ⅺ:副神経、Ⅻ:舌下神経が存在する。

中脳と橋、延髄にある脳神経核

【中脳】
Ⅲ:動眼
Ⅳ:滑車

【橋】
Ⅴ:三叉
Ⅵ:外転
Ⅶ:顔面
Ⅷ:前庭

【延髄】
Ⅸ:舌咽神経
Ⅹ:迷走神経
Ⅺ:副神経
Ⅻ:舌下神経

 

 

 

 

 

問54 室間孔がつなぐ部位はどれか。

1.左右の側脳室
2.側脳室と第三脳室
3.側脳室と第四脳室
4.第三脳室と第四脳室

答え.2

解説

(※図引用:「脳(矢状断)」illustAC様HPより)

1.× 左右の側脳室を直接つなぐ通路はない

2.〇 正しい。側脳室と第三脳室をつなぐのは、室間孔である。尾側では中脳水道を通じて第四脳室につながり、脳脊髄液の通り道になっている。

3.× 側脳室と第四脳室を直接つなぐ通路はない

4.× 第三脳室と第四脳室をつなぐのは、中脳水道である。

 

 

 

 

 

問55 喉頭の運動に関与するのはどれか。

1.顔面神経
2.舌咽神経
3.迷走神経
4.舌下神経

答え.3

解説

(※図引用:「イラストでわかる歯科医学の基礎 第4版 」永未書店HPより)

1.× 顔面神経とは、表情筋の運動、涙腺や口蓋腺などの分泌作用制御の副交感神経、および味覚を司る感覚神経を含む混合神経である。したがって、顔面神経の障害により、顔面表情筋の障害、角膜反射低下、聴覚過敏、味覚低下(舌前2/3)、涙分泌低下、唾液分泌低下などが起こる。

2.× 舌咽神経とは、知覚・運動・分泌を受けもつ混合神経で、舌の後部3分の1の感覚や咽頭筋の運動を支配する。 また分泌線維は耳下腺に分布し、唾液の分泌を司る。 鼓室粘膜の知覚もこの神経が支配する。

3.〇 正しい。迷走神経が喉頭の運動に関与する。迷走神経とは、感覚神経・運動神経の一つである。嚥下運動や声帯の運動、耳介後方の感覚などに作用する。内臓(胃、小腸、大腸や心臓、血管など)に多く分布し、体内の環境をコントロールしている。刺激すると徐脈、咳、嘔吐などを生じる。強い痛みや精神的ショックなどが原因で、迷走神経が過剰に反応すると、心拍数や血圧の低下、失神などを引き起こす(迷走神経反射)。

4.× 舌下神経とは、舌の運動を支配する運動神経である。

 

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