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専門基礎科目
問題1 多職種連携によるチーム医療について望ましいのはどれか。
1.リーダーを特定の職種に固定する。
2.職種間で目的と情報を共有する。
3.他の職種の業務内容に立ち入らない。
4.患者・家族は参加しない。
解答2
解説
チーム医療とは、「医療に従事する多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供すること」と一般的に理解されている。チーム医療がもたらす具体的な効果としては、①疾病の早期発見・回復促進・重症化予防など医療・生活の質の向上、②医療の効率性の向上による医療従事者の負担の軽減、③ 医療の標準化・組織化を通じた医療安全の向上、等が期待される。(※引用:「チーム医療の推進について」厚生労働省HPより)
1.× リーダーを特定の職種に固定することはしない。
なぜなら、患者それぞれ別々の課題や目標があるため。目標に応じて、専門性の高い専門職がチームリーダーになることが多い。例えば、主な課題が下肢の筋力低下であれば「理学療法士」が、低栄養状態であれば「管理栄養士」が選ばれる。つまり、チームリーダーの職種は固定することはなく、患者の抱える問題やチームを構成する専門職の役割により、最も適切な専門職がリーダーシップをとる。
2.〇 正しい。職種間で目的と情報を共有する。
チーム医療とは、「医療に従事する多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供すること」と一般的に理解されている。チーム医療がもたらす具体的な効果としては、①疾病の早期発見・回復促進・重症化予防など医療・生活の質の向上、②医療の効率性の向上による医療従事者の負担の軽減、③ 医療の標準化・組織化を通じた医療安全の向上、等が期待される。(※引用:「チーム医療の推進について」厚生労働省HPより)
3.× 他の職種の業務内容に立ち入る。
なぜなら、それぞれ専門職といえども共通する領域が存在し、お互い立ち入ることで切れ目のない医療の提供につながるため。他施設・多職種それぞれが連携・補完し合うことが大切である。
4.× 患者・家族も参加する。
なぜなら、さまざまな職種や立場、経験年数の者がチームを構成することにより、多種多様な意見交換が可能になるため。
問題2 人生の最終段階に実施する医療を示すのはどれか。
1.QOL
2.ターミナルケア
3.バイオエシックス
4.ノーマライゼーション
解答2
解説
1.× QOL
QOL(Quality of life)とは、個人を主体としたその人自身の生命と生活の質のことである。人が人間らしく満足して生活しているか、自分らしい生活が送れているか「生活の質」を評価する概念である。
2.〇 正しい。ターミナルケアは、人生の最終段階に実施する医療を示す。
ターミナルケアとは、終末期医療ともいい、末期がんの患者などが、残された余命を平穏に過ごせるように行われるケアのことである。主に身体的・精神的苦痛を取り除くための処置が行われる。終末期看護の役割は、患者の残された時間の生活の質(QOL)を高め、その人らしいまっとうできるように援助を行うことである。患者が可能な限り前向きに生活できるような支援体制を提供するという。従来、医療・介護の現場では、終末期における治療の開始・中止・変更の問題は重要な課題のひとつである。疾病の根治を目的とせず延命のみを目的とした対症療法を一般的に延命治療と称し、人工呼吸・人工栄養(経管栄養)、人工透析などが含まれる。しかし、終末期患者では意思疎通の困難な場合も多く、患者の意思に反する治療(延命)になりかねない。治療・ケア内容に関する患者や家族の意思や希望を病状などに応じて繰り返し確認し、それを患者・家族・医療者で共有し、方針を見いだすことが非常に重要である。
3.× バイオエシックス
バイオエシックスとは、生命倫理学と訳されることが多く、医療や生命科学に関する倫理的・社会的・哲学的・法的問題やそれに関する問題をめぐり研究する学問のことを指す。
4.× ノーマライゼーション
ノーマライゼーションとは、「障害者が一般市民と同じ環境で、同じ条件で家庭や地域で共に生活すること」を目指す概念である。障害を持つ人が健常者と共存して「普通の社会生活」営めるように、当該社会から物心両面において改善しようという社会的志向である。
医療倫理の四原則は、トム・L・ビーチャムとジェイムズ・F・チルドレスが『生命医学倫理の諸原則』で提唱したもので、医療従事者が倫理的な問題に直面した時に、どのように解決すべきかを判断する指針となっています。
・自律性の尊重(respect for autonomy)
・無危害(non-maleficence)
・善行(beneficence)
・公正(justice)
(引用:「医療倫理」厚生労働省HPより)
問題3 2017年の被用者保険で加入者が最も多いのはどれか。
1.共済組合
2.船員保険
3.協会けんぽ
4.組合管掌健康保険
解答3
解説
平成23年度末現在の医療保障適用状況をみたものが、第1表である。加入者数は、全国健康保険協会(以下、「協会けんぽ」と略す。)が3,487万7千人、総人口の27.3%、組合管掌健康保険(以下、「組合健保」と略す。)が2,950万4千人、同23.1%、国民健康保険(以下、「国保」と略す。)が3,831万3千人、同30.0%であり、この3制度で大半を占めている。また、全国健康保険協会(法第3条第2項被保険者)(以下、「法第3条第2項」と略す。)は1万8千人、船員保険は13万2千人である。
(※図、文引用:「事業年報概要」全国健康保険協会様HPより)
1.× 共済組合
総人口の7.2%である。国家公務員共済組合とは、公務員および私立学校教職員を対象とした公的社会保障を運営する社会保険組合である。組合は医療保険、年金保険の役割を担っており、組合員は健康保険法に基づく保険料の徴収・各種給付が行なわれない。
2.× 船員保険
総人口の0.1%である。船員保険とは、船員法第1条に規定する船員として船舶所有者に使用される者を対象としている。船員保険法等を根拠とする。特徴として、船員保険は健康保険より給付が手厚いことがあげられる。特に通常の健康保険と違うのは、業務上の災害や事故による場合でも、保険給付が行われるという部分である。また、独自の給付に加え、健康保険、年金、さらには雇用保険と労働災害保険の全てを兼ね備えている。
3.〇 正しい。協会けんぽは、2017年の被用者保険で加入者が最も多い。
総人口の27.3%である。全国健康保険協会管掌保険(協会けんぽ)とは、中小企業の労働者やその家族を対象とした保険制度で、被用者保険の範囲内に含まれる。協会けんぽは、加入者の医療費や年金を支払うために設立されている。
4.× 組合管掌健康保険
総人口の23.1%である。組合管掌健康保険とは、大企業の被用者等を対象とした健康保険制度のことをいう。常時700人以上の従業員がいるか、又は同じ業種の事業所が集まって、3,000人以上いる場合は、厚生労働大臣の認可を得て健康保険組合を設立し、企業の実態に応じた健康保険事業を運営することができる。
被用者保険とは、被用者を対象とする保険のことである。被用者とは、企業や個人事業主等に雇われた人々で、いわゆるサラリーマン等の会社員や公務員、さらには船員が含まれる。職域保険ともいう。被用者保険の場合、雇用に伴う給料支払等を通じて、被用者の所得等が把握されるため、雇用主からの拠出や被用者からの保険料徴収が相対的に容易に行えるというメリットがある。被用者保険は、①健康保険(一般被用者保険)、②特定被用者保険に分かれる。①健康保険は、組合管掌健康保険(組合健保)、全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)があり、②特定被用者保険は、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済制度、船員保険があげられる。
問題4 「医師は子どものことを思う親のように、患者は親に保護される子どものように行動する」と表現される医療従事者と患者の関係性はどれか。
1.パターナリズム
2.セカンドオピニオン
3.工学モデル
4.契約モデル問題
解答1
解説
1.〇 正しい。パターナリズムが、「医師は子どものことを思う親のように、患者は親に保護される子どものように行動する」と表現される医療従事者と患者の関係性である。
パターナリズムとは、父権主義ともいい、弱い立場の者の意思・判断に関係なく強い立場の者が介入・干渉し、それに従うべきだとする考えのことである。医療において、患者の意思にかかわらず、医師などの専門家に任せた治療を進めることを指す。
2.× セカンドオピニオン
セカンドオピニオンとは、診断や治療について、主治医以外の医師の意見を求めることを指す。主治医の意見に不安や悩みを抱えている患者に提案することが多い。
3.× 工学モデル
工学モデルとは、医師は、科学者、技術者、さらには修理工であり、患者は自己の心身の修理を医師に依頼するクライアントという関係になる。また、「すべての事実」を患者に情報開示し、患者に自己決定させるという特徴があり、かつ、自分の道徳観と合わない依頼でも、「応用科学者」あるいは修理工として「中絶」でも請け負う性格がある(※引用:「医師-患者関係において工学モデルはなぜ問題となるのか? 」著:村岡 潔より)。
4.× 契約モデル問題
契約モデルとは、医師-患者間の契約は両者の一般的な義務と利益について法律とは違った形で述べるものである。この契約では意志決定の責任は双方にある。重要な決定をする時はいつでも患者が自分の生命をコントロールすべきであることを医師は認める。しかし、いったんその重い価値をもった重要な場面を処理したら、患者は自分が同意している大きな目標の達成に必要な技術的決定については、それを行なうのに必要な技倆を医師がもっていることを承認する。患者はその医師が自分の意志を無視して大事な行動をとることはないと信じている。しかし、細かい技術的なことを全部相談されるとは思っていない。医師は、また、もし患者の要求を実行することが医師自身の道徳的価値観から見てどうにも我慢ならない行為をせざるをえなくなるようであるなら、契約に入らない、あるいは契約を打ち切る権利をもっている(※引用:「医師-患者関係において工学モデルはなぜ問題となるのか? 」著:村岡 潔より)。
問題5 疾病予防の段階について、二次予防に分類されるのはどれか。
1.遺伝相談
2.感染経路対策
3.発がん物質対策
4.スクリーニング検査
解答4
解説
疾病の進行段階に対応した予防方法を一次予防、二次予防、三次予防と呼ぶ。
一次予防:「生活習慣を改善して健康増進し、生活習慣病等を予防すること」
二次予防:「健康診査等による早期発見・早期治療」
三次予防:「疾病が発症した後、必要な治療を受け、機能の維持・回復を図ること」と定義している。
(※健康日本21において)
1.× 遺伝相談は、一次予防に分類される。
ちなみに、遺伝相談とは、遺伝カウンセリングともいい、遺伝性疾患を持つ、または遺伝性疾患のリスクを持つ方々に対し、健康に関する情報提供やサポートを行うものである。
2.× 感染経路対策は、一次予防に分類される。
感染経路対策とは、感染症の拡散を防ぐための対策を指す。
3.× 発がん物質対策は、一次予防に分類される。
ちなみに、発がん物質対策とは、発がん物質を避けることで、がんの発症リスクを低減する取り組みを指す。
4.〇 正しい。スクリーニング検査は、二次予防に分類される。
スクリーニング検査は、まだ症状が出ていない人に対して病気の可能性があるか調べるために行う検査のことである。