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問題61 鉄欠乏性貧血について正しいのはどれか。
1.葉酸の欠乏が原因となる。
2.血清フェリチンは増加する。
3.小球性貧血がみられる。
4.骨髄は低形成である。
解答3
解説
鉄欠乏性貧血とは、体内に流れている赤血球に多く含まれるヘモグロビンと鉄分が欠乏する事により、酸素の運搬能力が低下し全身に十分な酸素が供給されず倦怠感や動悸、息切れなどの症状がみられる貧血の種類の中でも最も多く特に女性に多い疾患である。原因としては、栄養の偏りなどによる鉄分の摂取不足、消化性潰瘍やがん、痔などの慢性出血による鉄の喪失、腸管からの鉄吸収阻害などがあげられる。
1.× 葉酸の欠乏が原因となるのは、「巨赤芽球性貧血」である。
巨赤芽球性貧血とは、ビタミンB12あるいは葉酸の不足が原因の、骨髄に巨赤芽球が出現する貧血の総称である。偏食や過度の飲酒などを背景にビタミン欠乏症の患者がみられる。貧血の症状(動悸や息切れ、疲労感)の他に、萎縮性胃炎やハンター舌炎(味覚障害や舌の痛みを伴う炎症)など消化器系に異常をきたす。また、ビタミンB12欠乏症において、手足のしびれ、思考力の低下、性格変化などの神経症状もみられる。
2.× 血清フェリチンは、「増加」ではなく低下する。
血清フェリチンは、体内の貯蔵鉄量を最も敏感に反映する指標である。鉄欠乏性貧血と診断として、血清フェリチン値が12ng/mL未満、ヘモグロビン値が12g/dL未満、総鉄結合能が360μg/dL以上があげられる。
3.〇 正しい。小球性貧血がみられる。
小球性貧血(鉄欠乏性貧血やサラセミアなど)とは、ヘモグロビン合成が障害されることで起こるヘモグロビン異常症でみられる。ちなみに、鉄欠乏性貧血とは、体内に流れている赤血球に多く含まれるヘモグロビンと鉄分が欠乏する事により、酸素の運搬能力が低下し全身に十分な酸素が供給されず倦怠感や動悸、息切れなどの症状がみられる貧血の種類の中でも最も多く特に女性に多い疾患である。原因としては、栄養の偏りなどによる鉄分の摂取不足、消化性潰瘍やがん、痔などの慢性出血による鉄の喪失、腸管からの鉄吸収阻害などがあげられる。
4.× 骨髄は低形成であるのは、「再生不良性貧血」である。
再生不良性貧血とは、骨髄の造血幹細胞の減少と、それによる末梢血の汎血球減少を主徴とする症候群で、骨髄で血液が造られないために血液中 の赤血球、白血球、血小板のすべての血球が減ってしまう病気である。白血球(Tリンパ球)の働きが何らかの原因で異常をきたし、自分自身の造血幹細胞を攻撃して壊してしまうことが原因と考えられている。
問題62 アルツハイマー病の症状で正しいのはどれか。
1.まだら認知症
2.物盗られ妄想
3.はぐらかし対応
4.パーキンソン症状
解答2
解説
アルツハイマー病とは、認知症の中で最も多く、病理学的に大脳の全般的な萎縮、組織学的に老人斑(アミロイドβの蓄積)・神経原線維変化の出現を特徴とする神経変性疾患である。特徴は、①初期から病識が欠如、②著明な人格崩壊、③性格変化、④記銘力低下、⑤記憶障害、⑥見当識障害、⑦語間代、⑧多幸、⑨抑うつ、⑩徘徊、⑩保続などもみられる。Alzheimer型認知症の患者では、現在でもできる動作を続けられるように支援する。ちなみに、休息をとることや記銘力を試すような質問は意味がない。
1.× まだら認知症は、血管性認知症である。
まだら認知症は、部分的に障害されるため機能低下と正常が混在する状態である。動揺性(まだら)で階段状に進行する経過をたどる。
2.〇 正しい。物盗られ妄想は、アルツハイマー病の症状である。
物盗られ妄想は、自分の持ち物、お金、大切な書類など、他人(身近な家族にが対象となることも多い)に盗られてしまうという妄想である。Alzheimer型認知症に典型的である。
3~4.× はぐらかし対応/パーキンソン症状は、レビー小体型認知症である。
レビー小体型認知症とは、Lewy小体が広範な大脳皮質領域で出現することによって、①進行性認知症と②パーキンソニズムを呈する病態である。認知機能の変動・動揺、反復する幻視(人、小動物、虫)、パーキンソニズム、精神症状、REM睡眠型行動異常症、自律神経障害などが特徴である。実際にはいない人が見える「幻視」、眠っている間に怒鳴ったり、奇声をあげたりする異常言動などの症状が特徴的である。頭がはっきりしたり、ボーッとしたり、日によって変動することもある。レビー小体型認知症そのものを治す治療はなく、現状では症状に対する薬を使用して効果をみる。抗精神薬による精神症状のコントロールと抗パーキンソン病薬による運動症状の改善、自律神経障害に対しての血圧コントロールなどがある。
問題63 HbA1cが反映する血糖値の期間はどれか。
1.1~2日間
2.1~2週間
3.1~2か月間
4.1~2年間
解答3
解説
1~2.4.× 1~2日間/1~2週間/1~2年間
HbA1cが反映する血糖値の期間とはいえない。
3.〇 正しい。1~2か月間は、HbA1cが反映する血糖値の期間である。
ヘモグロビンA1cとは、ヘモグロビンのアミノ基とブドウ糖が結合したもので過去1~2ヶ月程度の血糖の高さを反映する検査である。
問題64 甲状腺機能低下症の症状で正しいのはどれか。
1.頻脈
2.手指振戦
3.体重増加
4.発汗過多
解答3
解説
1~2.4.× 頻脈/手指振戦/発汗過多
これらは、甲状腺機能亢進症の症状である。
3.〇 正しい。体重増加は、甲状腺機能低下症の症状である。
橋本病(甲状腺機能低下症)とは、甲状腺に炎症が引き起こされることによって徐々に甲状腺が破壊され、甲状腺ホルモンの分泌が低下していく病気のことである。慢性甲状腺炎とも呼ばれる。甲状腺機能低下症になると、全身の代謝が低下することによって、無気力、疲れやすさ、全身のむくみ、寒がり、体重増加、便秘、かすれ声などが生じる。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の症状として、発汗や食欲亢進、体重減少、下痢、振戦、メルセブルグ3徴(眼球突出、甲状腺腫、頻脈)がみられる。放射線性ヨウ素内用療法は、バセドウ病(甲状腺機能亢進症)や甲状腺がんに対して行われる治療のひとつである。甲状腺機能亢進症では、放射性ヨウ素から放出されるベーター線で正常な甲状腺細胞を破壊し、甲状腺機能亢進症を改善させる。
【治療後1週間の注意事項】
・不要な放射性ヨウ素を早く体外に出すため十分に水分を摂る。
・排泄後、2度水を流す。尿の飛散による汚染を軽減させるため便座に座る。
・汗に少量の放射性ヨウ素が出るから入浴は最後に入る。
・可能ならば1人で寝る。
・唾液や体液にごく少量の放射性ヨウ素が出るからキスやセックスを避ける。
・子供との親密に接触(距離1m以内)すること、近くで長時間過ごすこと(添い寝など)などは避ける。
問題65 骨粗鬆症患者で最も骨折が起こりにくい部位はどれか。
1.橈骨遠位部
2.腰椎椎体
3.大腿骨近位部
4.踵骨体部
解答4
解説
1~3.〇 橈骨遠位部/腰椎椎体/大腿骨近位部
骨粗鬆症は閉経後の女性に多く、骨の変形や痛み、易骨折性の原因となる。高齢者に多い骨折は①大腿骨頸部骨折、②脊椎圧迫骨折、③橈骨遠位端骨折、④上腕骨頸部骨折などがあり、これらは「高齢者の4大骨折」と呼ばれている。
4.× 踵骨体部は、骨粗鬆症患者で最も骨折が起こりにくい部位である。
踵骨骨折は足根骨骨折の中で最も頻度が高く、受傷機転の多くは高所からの転落による高エネルギー直達外力である。踵骨骨折のうち関節内骨折は65〜75%を占めるとされる。踵骨の大部分は海綿骨であり骨癒合は良好とされる。その反面、骨萎縮や可動域制限による疼痛などの機能障害が残存しやすい病態であり、適切な時期に的殺な治療を行うことが予後を大きく左右するとされる。
①原発性骨粗鬆症とは、閉経後や高齢者にみられる骨粗鬆症のことである。
②続発性骨粗鬆症とは、結果として二次的な骨量喪失が起こる骨粗鬆症のことをいう。例えば、骨代謝に影響を及ぼすホルモンやサイトカイン異常、不動など骨への力学的負荷の減少、骨構成細胞や物質の異常、全身的および血管障害などの局所的栄養障害などによって起こる。これら骨粗鬆症は原疾患に基づいて発症する続発性骨粗鬆症であるため、原疾患の適切な治療により正常化することが期待しうるが、骨代謝の正常化を期待するには不十分であることが多く、また先天性異常では改善は望めず、多くの症例で骨量喪失に対する治療を要することが多い。