第25回(H29年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後111~115】

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

 

問題111 下肢にある郄穴の部位はどれか。

1.内側広筋隆起部、膝蓋骨底内端の上方2寸
2.脛骨内側面の中央、内果尖の上方5寸
3.腓骨の前方、外果尖の上方7寸
4.外果尖の直下、外果下縁と踵骨の間の陥凹部

解答

解説
1.× 内側広筋隆起部、膝蓋骨底内端の上方2寸は、血海(※読み:けっかい)である。要穴ではない。

2.× 脛骨内側面の中央、内果尖の上方5寸は、蠡溝(※読み:れいこう)である。肝の絡穴である。

3.〇 正しい。腓骨の前方、外果尖の上方7寸は、下肢にある都穴の部位である。外丘(※読み:がいきゅう)である。外丘は、胆の郄穴である。

4.× 外果尖の直下、外果下縁と踵骨の間の陥凹部は、申脈(※読み:しんみゃく)である。申脈は、八脈交会穴の陽蹻脈である。

 

 

 

 

 

問題112 八総穴で督脈の主治穴の部位はどれか。

1.第5中手指節関節尺側の近位陥凹部、赤白肉際
2.橈骨と尺骨の骨間の中点、手関節背側横紋の上方2寸
3.長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋の上方2寸
4.長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間、手関節掌側横紋の上方1寸5分

解答

解説

八脈交会穴(八総穴)

【衝脈】公孫:内関【陰維脈】
【帯脈】足臨泣:外関【陽維脈】
督脈】後渓:申脈【陽蹻脈】
【任脈】列欠:照海【陰蹻脈】

1.〇 正しい。第5中手指節関節尺側の近位陥凹部、赤白肉際は、八総穴で督脈の主治穴の部位(後渓)である。

2.× 橈骨と尺骨の骨間の中点、手関節背側横紋の上方2寸は、外関である。外関は、八総穴で陽維脈の主治穴の部位である。

3.× 長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋の上方2寸は、内関である。内関は、八総穴で陰維脈の主治穴の部位である。

4.× 長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間、手関節掌側横紋の上方1寸5分は、列欠である。列欠は、八総穴で任脈の主治穴の部位である。

 

 

 

 

 

問題113 奇穴と経穴が同じ高さにある組合せはどれか。

1.定喘:肩外兪
2.接脊:胃兪
3.痞根:腎兪
4.腰眼:関元兪

解答

解説
1.× 定喘:肩外兪
・定喘(※読み:ていぜん)は、上背部、第7頸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方5分に位置する。別名は治端(※読み:ちぜん)である。【主治】咳嗽、喘息、蕁麻疹、上肢麻痺である。
・肩外兪(※読み:けんがいゆ)は、上背部、第1胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸に位置する。

2.〇 正しい。接脊:胃兪
・接脊(※読み:せっせき)は、上背部、後正中線上、第12胸椎棘突起下方の陥凹部に位置する。別名で接骨(※読み:せっこつ)という。奇穴の【主治】脊椎・脊髓疾患、小児腹部疾患(下痢・脱肛・しぶり腹など)である。
・胃兪(※読み:いゆ)は、上背部、第12胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分に位置する。

3.× 痞根:腎兪
・痞根(※読み:ひこん)は、腰部、第1腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸5分に位置する。主治は、痞塊(肝臓・脾臓・膵臓などの肥大)、胃炎、腸炎、鼓腸、腰痛である。
・腎兪(※読み:じんゆ)は、腰部、第2腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分に位置する。

4.× 腰眼:関元兪
・腰眼(※読み:ようがん)は、腰部、第4腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸5分主治は、腰痛、生殖器疾患(特に精巣炎・卵巣炎)である。
・関元兪(※読み:かんげんゆ)は、腰部、第5腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分に位置する。

 

 

 

 

 

問題114 小円筋のトリガーポイント好発部位に当たるのはどれか。

1.天宗
2.肩貞
3.秉風
4.肩外兪

解答

解説
1.× 天宗(※読み:てんそう)は、肩甲部、肩甲棘の中点と肩甲骨下角を結んだ線上、肩甲棘から1/3にある陥凹部に位置する。棘下筋の治療穴である。

2.〇 正しい。肩貞は、小円筋のトリガーポイント好発部位に当たる。肩貞(※読み:けんてい)は、肩周囲部、肩関節の後下方、腋髙横紋後端の上方1寸に位置する。小円筋、大円筋、上腕三頭筋の治療穴である。

3.× 秉風(※読み:へいふう)は、肩甲部、棘上窩、肩甲棘中点の上方に位置する。肩甲部、棘上窩、肩甲棘中点の上方に位置する。

4.× 肩外兪(※読み:けんがいゆ)は、上背部、第1胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸に位置する。僧帽筋、肩甲挙筋の治療穴である。

 

 

 

 

 

問題115 睡眠障害をきたす病証と随伴症状の組合せで最も適切なのはどれか。

1.心火:食欲不振
2.肝火:腰痛
3.痰熱:胃脘部のつかえ
4.心脾両虚:口苦

解答

解説
1.× 心火は、「食欲不振」ではなく、心悸や口渇が起こる。
心火亢進は、心悸、心煩、不眠、顏面紅潮、口渇、暑がり、舌尖紅、脈数などがあげられる。

2.× 肝火は、「腰痛」ではなく、頭痛や眩暈が起こる。
肝火上炎の症状は、頭痛、眩暈、耳鳴、目赤、急躁、易怒、舌辺紅、脈弦数などである。

3.〇 正しい。痰熱は、胃脘部のつかえが起こる。
痰熱があると、胆気が安定しない。したがって、口苦・耳鳴・眩暈などがみられる。

4.× 心脾両虚は、「口苦」ではなく、貧血や物忘れが起こる。
心脾両虚とは、心臓と脾臓の両方が虚弱になった状態である。症状として、不眠、貧血、物忘れ(健忘症)などである。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)