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問題11 受動喫煙の防止について規定しているのはどれか。
1.環境基本法
2.健康増進法
3.地域保健法
4.ダイオキシン類対策特別措置法
解答2
解説
健康増進法は、国民の健康維持と現代病予防を目的として制定された日本の法律である。都道府県と市町村は、地域の実情に応じた健康づくりの促進のため、都道府県健康増進計画(義務)および市町村健康増進計画(努力義務)を策定する。平成14(2002)年に制定された。
【市町村が行う健康増進事業】
①健康手帳、②健康教育、③健康相談、④訪問指導、⑤総合的な保健推進事業、⑥歯周疾患検診、⑦骨粗鬆症検診、⑧肝炎ウイルス検診、⑨がん検診、⑩健康検査、⑪保健指導などである。
【都道府県の役割】
都道府県は、都道府県健康増進計画において、管内市町村が実施する健康増進事業に対する支援を行うことを明記する。都道府県保健所は、市町村が地域特性等を踏まえて健康増進事業を円滑かつ効果的に実施できるよう、必要な助言、技術的支援、連絡調整及び健康指標その他の保健医療情報の収集及び提供を行い、必要に応じ健康増進事業についての評価を行うことが望ましい。都道府県は、保健・医療・福祉の連携を図るとともに、市町村による健康増進事業と医療保険者による保健事業との効果的な連携を図るために、地域・職域連携推進協議会を活性化していくことが望ましい。
1.× 環境基本法とは、日本の環境政策の根幹を定める基本法である。国・地方公共団体・事業者・国民の責務、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築、国際的協調による地球環境保全の積極的推進、環境基本計画や環境基準の策定などを規定している。
2.〇 正しい。健康増進法は、受動喫煙の防止について規定している。望まない受動喫煙の防止を目的とする改正健康増進法が平成30年7月に成立した。この改正により、学校・病院等には令和元年7月1日から原則敷地内禁煙(屋内全面禁煙)が、飲食店・職場等には令和2年4月1日から原則屋内禁煙が義務づけられている。学校・病院・駅など、多数の者が利用する施設を管理する者に対し、受動喫煙防止措置(分煙の徹底など)をとる努力義務を規定している(努力義務)。
3.× 地域保健法とは、地域保健対策の推進に関する基本指針、保健所の設置その他地域保健対策の推進に関し基本となる事項を定めることにより、母子保健法その他の地域保健対策に関する法律による対策が地域において総合的に推進されることを確保し、地域住民の健康の保持及び増進に寄与することを目的として制定された法律である。
4.× ダイオキシン類対策特別措置法とは、ダイオキシン類による環境汚染を防止するため、規制の対象となる施設を特定施設とし、施設ごとに排出基準を設定している法律である。特定施設を設置しようとしている、あるいは既にしている事業者には届出が義務付けられている。
問題12 水質で正しいのはどれか。
1.CODの環境基準達成率100%である。
2.水道水の水質基準に硬度の項目がある。
3.水道水に一般細菌は検出されてはいけない。
4.水道水に遊離残留塩素は検出されてはいけない。
解答2
解説
①水素イオン濃度、②生物化学的酸素要求量、③化学的酸素要求量、④浮遊物質量、⑤溶存酸素量、⑥大腸菌群数、⑦総窒素、⑧総リン、⑨n-へキサン抽出物質などがあげられる。
1.× COD(Chemical Oxygen Demand:化学的酸素要求量)の環境基準達成率は、「100%」ではなく約50%である。化学的酸素要求量(COD)とは、水中の有機物や無機物が化学的に酸化分解するのに必要な酸素量(酸素要求量)を示す水質汚濁の指標である。類型指定水域(189水域)における環境基準達成率は、49.7%(前年度 50.0%)となっている。
2.〇 正しい。水道水の水質基準に硬度の項目がある。硬度とは、水に含まれるマグネシウムとカルシウムの合計含有量の指標である。これらが多く含まれているものを「硬水」、少ないものを「軟水」と呼んで区別する。基準値は、300mg/L以下である。(※参考:「水質基準項目」東京都水道局HPより)
3.× 水道水に一般細菌は、「検出されてはいけない」のではなく、一定の基準値を超えてはならない。一般細菌の基準値は、1mLの検水で形成される集落数が100以下である。水の一般的清浄度を示す指標であり、平常時は水道水中には極めて少ないが、これが著しく増加した場合には病原生物に汚染されている疑いがある(※参考:「水質基準項目」東京都水道局HPより)。
4.× 水道水に遊離残留塩素は、「検出されてはいけない」のではなく、一定の基準値(0.1mg以上)を超えるべきである。水道法第22条において、「水道水(水道局が配水し、蛇口から出てくる水)の塩素濃度基準値は遊離残留塩素で0.1mg/L以上で保持すること」と定められている。季節や時間帯、水温等によって残留塩素濃度の値は日々異なるが、東京都の場合、蛇口(末端給水栓)から出てくる水でおよそ0.5mb/Lほど存在している(※参考:「飲料水の水質基準は?」鈴研株式会社HPより)。
問題13 ICFで正しいのはどれか。
1.対象範囲を障害者としている。
2.身体構造とは身体の生理的機能を示す。
3.個人因子の中に物理社会的状況が含まれる。
4.活動とは個人による課題や行為の遂行を示す。
解答4
解説
(※画像引用:Job Medley様HPより)
ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)は、人間の生活機能と障害分類法として2001年5月、世界保健機関(WHO)において採択された。これまでの ICIDH(国際障害分類、1980)が「疾病の帰結(結果)に関する分類」であったのに対し、ICF は「健康の構成要素に関する分類」であり、新しい健康観を提起するものとなった。生活機能上の問題は誰にでも起りうるものなので、ICF は特定の人々のためのものではなく、「全ての人に関する分類」である。
1.× 対象範囲を「障害者」ではなくすべての人としている。
2.× 身体の生理的機能を示すのは、「身体構造」ではなく心身機能である。ちなみに、身体構造とは、身体の解剖学的部分を指す。
3.× 物理社会的状況が含まれるのは、「個人因子」ではなく環境因子である。個人因子とは、年齢・性別・生活歴・価値観・ライフスタイルなどである。
4.〇 正しい。活動とは、個人による課題や行為の遂行を示す。ちなみに、参加とは、生活・人生場面への関わりのことである。
ICIDHとは、一方向に「疾病変調→機能障害→能力障害→社会的不利」とマイナス面のみを評価するものである。ICIDH(国際障害分類)に対する批判から、医療福祉の専門家と障害者団体が関わって、その結果を結集してICFの改訂へと至っている。
機能障害:病気やけがによる一次的な生物学的障害
能力低下:けがによって歩けないといった個人レベルの障害
社会的不利:けがによって就職できないといった社会レベルの障害
問題14 日本版ミニメンタルテスト(MMSE)に含まれるのはどれか。
1.年齢を尋ねる。
2.知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってもらう。
3.5つの品物を見せて覚した後に何があったか言ってもらう。
4.五角形が2つ組み合わさった図を見せてその図形を描かせる。
解答4
解説
1~3.× 年齢を尋ねる/知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってもらう/5つの品物を見せて覚した後に何があったか言ってもらうのは、HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)の検査項目である。HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)とは、簡便に知能を検査する方法である。見当識、記銘・再生、計算、言語の流暢性の各項目により、30点満点中20点以下を、軽度以上の認知症があるとする。
4.〇 正しい。五角形が2つ組み合わさった図を見せてその図形を描かせるのは、日本版ミニメンタルテスト(MMSE)に含まれる。MMSE(Mini-Mental State Examination)は、認知症の知的・認知機能評価である。内容は、見当識・記銘力・注意と計算・想起・言語・組み立ての各項目があり、30点満点で評価する。26点以下で軽度認知障害の疑いを示し、23点以下では認知障害の可能性が高いことを示す。
問題15 筋原性疾患を示すのはどれか。
1.神経伝導検査における潜時遅延
2.神経伝導検査における伝導ブロック
3.針筋電図における早期動員パターン
4.針筋電図における随意収縮時の高振幅多相波
解答3
解説
運動神経伝導検査とは、末梢神経を電気刺激した際に、神経やその支配筋から発生する活動電位を記録したものである。主として末梢神経の機能評価に用いられる。要するに、神経の伝達速度が遅くなっているか調べるものとなっている。
【結果の解釈】
脱髄:伝導速度低下、持続時間延長、振幅低下
軸索変性:持続時間短縮、振幅低下
1.× 神経伝導検査における潜時遅延の場合、絞扼性末梢神経障害を示す。なぜなら、刺激部位より遠位での障害が考えられるため。ちなみに、潜時とは、刺激を与えてからM波が立ち上がるまでの時間のことである。
2.× 神経伝導検査における伝導ブロックの場合、神経の一部で電気信号の伝達が阻害されていることを示す。したがって、末梢神経障害(神経原性疾患)に関連する。
3.〇 正しい。針筋電図における早期動員パターンは、筋原性疾患を示す。なぜなら、筋原性疾患により筋線維が減少し、残存している筋線維が過度に動員されるため。筋原性疾患では低振幅、短持続の電位が見られることが多い。
4.× 針筋電図における随意収縮時の高振幅多相波の場合、神経原性疾患(筋萎縮性側索硬化症)を示す。神経原性疾患(筋萎縮性側索硬化症)の針筋電図の特徴として、他にも中枢潜時の延長、刺激閾値の上昇、誘発電位の振幅低下などあげられる。
神経原性筋萎縮とは、脊髄の運動ニューロン(脊髄の前角にある運動性神経細胞)や脊髄から出る末梢神経が障害されて筋肉が萎縮する状態の病気である。筋萎縮性側索硬化症があげられる。
筋原性疾患とは、筋肉そのものに原因があって、筋肉が萎縮したり、力が弱くなったりする病気である。筋ジストロフィーがあげられる。