第32回(R6年)柔道整復師国家試験 解説【午後16~20】

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問題16 自発語が流暢で、理解は障害され、復唱は良好な失語はどれか。

1.ブローカ失語
2.ウェルニッケ失語
3.超皮質性運動性失語
4.超皮質性感覚性失語

解答

解説


1.× ブローカ失語とは、①復唱困難、②言語理解良好、③非流暢を特徴とした言語障害である。

2.× ウェルニッケ失語とは、①復唱困難、②言語理解不良、③非流暢を特徴とした言語障害である。

3.× 超皮質性運動性失語とは、①復唱良好、②言語理解良好、③非流暢を特徴とした言語障害である。

4.〇 正しい。超皮質性感覚性失語が、自発語が流暢で、理解は障害され、復唱は良好な失語である。超皮質性感覚性失語は、感覚性言語中枢(ウェルニッケ野)から概念中枢の経路が障害されることで起こる。

 

 

 

 

 

問題17 有酸素運動が主体なのはどれか。

1.重量挙げ
2.腕立て伏せ
3.サイクリング
4.100m全力疾走

解答

解説
1~2.4.× 重量挙げ/腕立て伏せ/100m全力疾走は、無酸素運動に分類される。なぜなら、短時間で高強度の筋力を発揮する運動で、主に速筋線維を使用し、酸素の供給が追いつかないため。したがって、エネルギーは主に解糖系から供給される。ちなみに、解糖系とは、生体内に存在する生化学反応経路の名称であり、グルコースをピルビン酸などの有機酸に分解し、グルコースに含まれる高い結合エネルギー(ATP)を生物が使いやすい形に変換していくための代謝過程である。グルコースから生じたピルビン酸は、還元され最終産物として乳酸になる。このグルコースから乳酸への変換経路は、酸素の関与なしに起こりうるので、嫌気的代謝(解糖)と呼ばれる。

3.〇 正しい。サイクリングは、有酸素運動が主体である。有酸素運動とは、好気的代謝によってヘモグロビンを得るため長時間継続可能な軽度または中程度の負荷の運動をいう。 つまり、酸素を摂取しながら行う運動の総称で、ジョギングや水泳などの運動を指す。

骨格筋の筋線維のタイプ

タイプⅡB(速筋)は、最も収縮能が高く、収縮速度も速いが疲労速度も速い。
タイプⅡAは、収縮能は中等レベルであり、収縮速度・疲労速度は速い。(人には少ない)
タイプⅠ(遅筋)は、収縮能は低く収縮速度も遅いが、疲労速度が遅い。

 

 

 

 

問題18 都道府県が実施する実験によって資格審査されるのはどれか。

1.臨床心理士
2.義肢装具士
3.介護福祉士
4.介護支援専門員(ケアマネージャー)

解答

解説
1.× 臨床心理士の資格試験は、民間資格となっており、日本臨床心理士資格認定協会による資格認定試験に合格する必要がある。ちなみに、臨床心理士とは、臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、人間のこころの問題にアプローチする心の専門家である。認知行動療法は、医師やカウンセラー、臨床心理士のもとで受けることができる。

2.× 義肢装具士の資格試験は、国家試験として厚生労働省(国)が実施する。ちなみに、義肢装具士とは、法律上、「医師の指示の下に、義肢及び装具の装着部位の採型並びに義肢及び装具の製作及び身体への適合を行うことを業とする者」と定められ、医師の処方に従い患者さんの採型や採寸を行い、これを元に義肢装具を製作して、病院などで適合を行う。

3.× 介護福祉士の資格試験は、国家試験として厚生労働省(国)が実施する。ちなみに、介護福祉士とは、社会福祉士及び介護福祉士法を根拠とする国家資格である。身体が不自由な高齢者、身体もしくは精神に障害がある方に対し、食事や入浴、排泄の介助など日常生活を営むためのサポートをおこなう。

4.〇 正しい。介護支援専門員(ケアマネージャー)は、都道府県が実施する実験によって資格審査される。ちなみに、介護支援専門員とは、介護保険法等を根拠に、ケアマネジメントを実施することのできる公用資格、また有資格者のことをいう。免許という位置づけではなく、要支援・要介護認定者およびその家族からの相談を受け、介護サービスの給付計画を作成し、自治体や他の介護サービス事業者との連絡、調整等を行う。

 

 

 

 

 

問題19 頸椎の固定性が高い装具の順番で正しいのはどれか。

1.ハロー装具>頸椎カラー>フィラデルフィアカラー
2.ハロー装具>フィラデルフィアカラー>頸椎カラー
3.フィラデルフィアカラー>ハロー装具>頸椎カラー
4.フィラデルフィアカラー>頸椎カラー>ハロー装具

解答

解説

(※写真:フィラデルフィアカラー)

 

各装具の特徴

ハロー装具:最も高い固定性を持つ。頭蓋骨に直接ピン(ネジ)で固定したハローを胸椎装具と金属支柱で連結したものである。頚椎の前後屈および側屈・回旋を強く制限する。環椎や軸椎の骨折など、手術で固定の困難な重篤な骨折で用いられる。

フィラデルフィアカラー:中程度の固定性を持つ。フィラデルフィアカラーは、下顎から頚部・肩までの固定により前後屈および側屈、回旋を制限するが、固定力は弱く、重さの支持も弱い。頚椎術後、頚髄損傷などで用いられる。急性期頸髄損傷で頸椎に不安定性のある場合には、体位交換などで麻痺の悪化の可能性があるので、フィラデルフィアカラーやSOMI装具などで固定を行う。

頸椎カラー:最も固定性が低い。頸椎カラーは、首の安定化と保護を目的として使用される。主に交通事故や転倒などによる頭部や首の損傷を防ぐ目的で用いられる。一般的には、剛性のあるプラスチック製で首を固定することで、頸椎への圧迫や動きを制限する。一方で、患者の快適さを考慮して、プラスチックと皮膚との間はソフトな素材であるため、可動性も許されている。

1.× ハロー装具>頸椎カラー>フィラデルフィアカラー
3.× フィラデルフィアカラー>ハロー装具>頸椎カラー
4.× フィラデルフィアカラー>頸椎カラー>ハロー装具
これらは、頸椎の固定性が高い装具の順番とはいえない。

2.〇 正しい。ハロー装具>フィラデルフィアカラー>頸椎カラーは、頸椎の固定性が高い装具の順番である。

(※図引用:「ハローブレース」MSDマニュアル家庭版様HPより)

 

 

 

 

 

問題20 頭部単純CT画像を下に示す。考えられるのはどれか。

1.脳出血
2.脳梗塞
3.くも膜下出血
4.慢性硬膜下血腫

解答

解説

急性期における梗塞巣の確認のしやすさ

①拡散強調像(DWT):超急性期(発症後1~3時間)
②FLAIR像:発症後3~6時頃
③T2強調像:発症後3~6時頃
④T1強調像の順である。

1.〇 正しい。脳出血が最も考えられる。なぜなら、左被殻に頭部単純CT画像の高吸収域(白)が認められているため。単純CT像は、急性期のくも膜下出血の診断に最も有用である。また、急性期の脳出血や石灰化、骨折などの骨の形態変化などに適している。脳出血急性期に出血部位が高吸収域(白く映る)になる。

2.× 脳梗塞の場合は、頭部単純CT画像は低吸収域(黒色)が認められていることとなる。

3.× くも膜下出血の場合は、くも膜下腔に血液が流入し、CTでは高吸収域として抽出される。ちなみに、くも膜下出血とは、くも膜と呼ばれる脳表面の膜と脳の空間(くも膜下腔と呼ばれ、脳脊髄液が存在している)に存在する血管が切れて起こる出血である。合併症には、①再出血、②脳血管攣縮、③正常圧水頭症などがある。①再出血:発症後24時間以内が多く、死亡率も高い。②脳血管攣縮:72時間後〜2週間後(ピークは8〜10日)が多く、脳血管攣縮による梗塞の好発部位は、「前交通動脈」である。③正常圧水頭症:数週〜数ヶ月後に認知症状、尿失禁、歩行障害などの症状が出現する。

4.× 慢性硬膜下血腫の場合は、頭部単純CT画像は低吸収域(黒色)が認められていることとなる。硬膜下血腫とは、①急性と②慢性に大きく分類される。①急性硬膜下血腫とは、短時間のうちに硬膜と脳の間に血腫が形成された状態のことであり、頭部外傷としては重症に分類される。ほとんどが頭部外傷によるもので、児童虐待の死因として最も多い。一方、②慢性硬膜下血腫とは、軽度の外傷により軽微な出血が起こり、経時的に血腫が増大し、やがて症状が現れる。症状として、認知障害、頭痛、尿失禁、歩行障害、片麻痺などである。CT画像から、急性硬膜下血腫に特徴的な①三日月状の高吸収域、②左側脳室体部の圧排変形、③midlineの偏位がみられる。

 

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