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1.嚥下訓練の実施に最も関与する職種はどれか。
1.介護支援専門員
2.精神保健福祉士
3.理学療法士
4.言語聴覚士
解答4
解説
1.× 介護支援専門員とは、介護保険法等を根拠に、ケアマネジメントを実施することのできる公用資格、また有資格者のことをいう。免許という位置づけではなく、要支援・要介護認定者およびその家族からの相談を受け、介護サービスの給付計画を作成し、自治体や他の介護サービス事業者との連絡、調整等を行う。
2.× 精神保健福祉士とは、『精神保健福祉士法』に基づき、精神障害者に対する相談援助などの社会福祉業務に携わる専門職である。また、その家族に対しても相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な援助を行う。
3.× 理学療法士とは、医師の指示のもとに治療体操や運動・マッサージ・電気刺激・温熱などの物理的手段を用いて、運動機能の回復を目的とした治療法・物理療法(理学療法)を行う専門職である。つまり、関節可動域や筋力の向上などが役割である。
4.〇 正しい。言語聴覚士は、嚥下訓練の実施に最も関与する職種である。言語聴覚士とは、言語や聴覚、音声、呼吸、認知、発達、摂食・嚥下に関わる障害に対して、その発現メカニズムを明らかにし、検査と評価を実施し、必要に応じて訓練や指導、支援などを行う専門職である。
2.生活保護法による現物給付はどれか。
1.介護扶助
2.教育扶助
3.生活扶助
4.住宅扶助
解答1
解説
・現金給付とは、お金で支給されるもののことをさす。
・現物給付とは、診療や検査、投薬、入院などの医療行為を直接患者に提供することである。
生活保護制度は、『日本国憲法』25条の理念に基づき、生活困窮者を対象に、国の責任において、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長することを目的としている。8つの扶助(生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助)があり、原則現金給付であるが、医療扶助と介護扶助は現物給付である。
1.〇 正しい。介護扶助は、生活保護法による現物給付である。介護扶助とは、介護サービスの費用のことを指す。
2.× 教育扶助は、義務教育を受けるために必要な学用品費である。現金給付である。
3.× 生活扶助は、日常生活に必要な費用である。現金給付である。
4.× 住宅扶助は、アパート等の家賃である。現金給付である。
生活保護制度は、『日本国憲法』25条の理念に基づき、生活困窮者を対象に、国の責任において、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長することを目的としている。8つの扶助(生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助)があり、原則現金給付であるが、医療扶助と介護扶助は現物給付である。被保護人員は約216.4万人(平成27年度,1か月平均)で過去最高となっている。
生活扶助:日常生活に必要な費用
住宅扶助:アパート等の家賃
教育扶助:義務教育を受けるために必要な学用品費
医療扶助:医療サービスの費用
介護扶助:介護サービスの費用
出産扶助:出産費用
生業扶助:就労に必要な技能の修得等にかかる費用
葬祭扶助:葬祭費用
【生活保護法の4つの基本原理】
①国家責任の原理:法の目的を定めた最も根本的原理で、憲法第25条の生存権を実現する為、国がその責任を持って生活に困窮する国民の保護を行う。
②無差別平等の原理:全ての国民は、この法に定める要件を満たす限り、生活困窮に陥った理由や社会的身分等に関わらず無差別平等に保護を受給できる。また、現時点の経済的状態に着目して保護が実施される。
③最低生活の原理:法で保障する最低生活水準について、健康で文化的な最低限度の生活を維持できるものを保障する。
④保護の補足性の原理:保護を受ける側、つまり国民に要請される原理で、各自が持てる能力や資産、他法や他施策といったあらゆるものを活用し、最善の努力をしても最低生活が維持できない場合に初めて生活保護制度を活用できる。
【4つの原則】
①申請保護の原則:保護を受けるためには必ず申請手続きを要し、本人や扶養義務者、親族等による申請に基づいて保護が開始。
②基準及び程度の原則:保護は最低限度の生活基準を超えない枠で行われ、厚生労働大臣の定める保護基準により測定した要保護者の需要を基とし、その不足分を補う程度の保護が行われる。
③必要即応の原則:要保護者の年齢や性別、健康状態等その個人又は世帯の実際の必要の相違を考慮して、有効且つ適切に行われる。
④世帯単位の原則:世帯を単位として保護の要否及び程度が定められる。また、特別な事情がある場合は世帯分離を行い個人を世帯の単位として定めることもできる。
(※参考:「生活保護制度」厚生労働省HPより)
(※参考:「生活保護法の基本原理と基本原則」室蘭市HPより)
3.緩和医療について正しいのはどれか。
1.病気の早い段階で始めてはならない。
2.疾病の根治を目指すものではない。
3.がん患者以外に適用してはならない。
4.心理的な痛みへの対応は不要である。
解答2
解説
ターミナルケアとは、終末期医療や緩和医療ともいい、末期がんの患者などが、残された余命を平穏に過ごせるように行われるケアのことである。主に身体的・精神的苦痛を取り除くための処置が行われる。終末期看護の役割は、患者の残された時間の生活の質(QOL)を高め、その人らしいまっとうできるように援助を行うことである。患者が可能な限り前向きに生活できるような支援体制を提供するという。従来、医療・介護の現場では、終末期における治療の開始・中止・変更の問題は重要な課題のひとつである。疾病の根治を目的とせず延命のみを目的とした対症療法を一般的に延命治療と称し、人工呼吸・人工栄養(経管栄養)、人工透析などが含まれる。しかし、終末期患者では意思疎通の困難な場合も多く、患者の意思に反する治療(延命)になりかねない。治療・ケア内容に関する患者や家族の意思や希望を病状などに応じて繰り返し確認し、それを患者・家族・医療者で共有し、方針を見いだすことが非常に重要である。
1.× 病気の早い段階で「始めてはならない」という基準はない。むしろ、病気は早期発見・早期治療が一般的である。同様に、緩和医療も、病気のどの段階でも提供されるべきである。特に、進行性疾患の診断がされた場合、早い段階から始めることで、患者のQOL(生活の質)を高めることができる。
2.〇 正しい。疾病の根治を目指すものではない。緩和医療の目的は、根治ではなく、患者の苦痛を軽減し、身体的・心理的・社会的・スピリチュアルなケアを提供して、患者や家族のQOLを向上させることである。つまり、苦痛を和らげることが主目的である。ちなみに、根治(※読み:こんじ)とは、病気や疾患を根本から完全に治すことを意味する。
3.× がん患者以外に「適用してはならない」という基準はない。むしろ、緩和医療は、がん患者だけでなく、心不全、慢性呼吸器疾患、腎不全、神経変性疾患(例:ALS、パーキンソン病)などの進行性疾患を持つ患者にも適用される。つまり、多様な進行性疾患における苦痛の緩和が推奨されている。
4.× 心理的な痛みへの対応は、「不要」ではなく必要である。主に身体的・精神的苦痛を取り除くための処置が行われる。
4.疫学について正しいのはどれか。
1.罹患率はある時点のその疾病の有無の率である。
2.有病率はある期間内の疾病の発生の率である。
3.合計特殊出生率は1人の女性が一生の間に産む子供の数の指標である。
4.国勢調査は7年に1回行われる。
解答3
解説
1.× ある時点のその疾病の有無の率は、「罹患率」ではなく有病率である。
2.× ある期間内の疾病の発生の率は、「有病率」ではなく罹患率である。
・罹患率とは、ある一定の観察期間に新規発生した患者数を、危険曝露人口一人ひとりの観察期間の総和(観察人年)で除したものである。疾病や死亡が生じることを事象の発生という。事象の発生は、ある一定期間を設定し、その期間内で新規に発生した頻度により把握できる。また、発生頻度の表現は、率(rate)の形で示される。
・有病率とは、ある一時点において、観察集団のなかで疾病を有している人の割合である。生涯有病率とは、一生のうちに一度はその病気にかかる人の割合をいう。
3.〇 正しい。合計特殊出生率は、1人の女性が一生の間に産む子供の数の指標である。合計特殊出生率とは、15~49歳の女性の年齢別出生率を合計したものである。1人の女性が一生の間に生む平均子ども数を表したものである。この指標は、人口動態や将来的な人口推移の予測に使用される。
4.× 国勢調査は、「7年」ではなく5年に1回行われる。国勢調査とは、日本に住んでいるすべての人を対象に5年に1回行う調査で、国内の人口や世帯の実態を把握するために行われる。男女の別、出生の年月、就業状態、従業地または通学地、世帯員の数、住居の種類、住宅の建て方などを調べる調査である。
5.一次予防はどれか。
1.リハビリテーション
2.生活環境改善
3.がん検診
4.社会復帰
解答2
解説
疾病の進行段階に対応した予防方法を一次予防、二次予防、三次予防と呼ぶ。
一次予防:「生活習慣を改善して健康増進し、生活習慣病等を予防すること」
二次予防:「健康診査等による早期発見・早期治療」
三次予防:「疾病が発症した後、必要な治療を受け、機能の維持・回復を図ること」と定義している。
(※健康日本21において)
1.× リハビリテーションは、三次予防である。リハビリテーションは、疾病や障害が発生した後に機能回復や社会復帰を目指すものである。
2.〇 正しい。生活環境改善は、一次予防である。生活環境の改善は、感染症や慢性疾患を予防するための重要な手段の一つである。例えば、清潔な水の供給や排水設備の整備、空気の質の改善などである。
3.× がん検診は、二次予防である。がん検診とは、がんの症状がない人々において、存在が知られていないがんを見つけようとする医学的検査である。がん検診は健康な人々に対して行うものである。
4.× 社会復帰は、三次予防である。社会復帰は、病気や障害によって損なわれた機能や能力の回復を図り、元の生活に戻ることを目指すものである。