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101.次の文で示す経脈病証に対し、難経六十九難の治療法則を考慮して施術を行う場合、最も適切な経穴はどれか。
「顔色が黒ずむ、呼吸が苦しく咳がでる、立ちくらみ、食欲がない、寝ることを好んで起きたがらない。」
1.太渓
2.大都
3.曲泉
4.経渠
解答4
解説
・顔色が黒ずむ、呼吸が苦しく咳がでる、立ちくらみ。
・食欲がない、寝ることを好んで起きたがらない。
→本症例は、腎虚証が疑われる。
【難経六十九難の治療法則】「虚すればその母を補い、実すればその子を瀉せ」に基づく。
1.× 太渓
太渓(※読み:たいけい)は、足関節後内側、内果尖とアキレス腱の間の陥凹部に位置する。
2.× 大都
脾の虚証(補法)は、大都・少府・労宮である。
栄穴である大都(※読み:だいと):足の第1指、第1中足指節関節の遠位陥凹部、赤白肉際に位置する。
栄穴である少府(※読み:しょうふ):手掌、第5中手指節関節の近位端と同じ高さ、第4・5中手骨の間に位置する。
栄穴である労宮(※読み:ろうきゅう):手掌、第2~3中手骨間、中手指節関節の近位陥凹部に位置する。
3.× 曲泉
肝の虚証(補法)は、曲泉・陰谷である。
合穴である曲泉(※読み:きょくせん)は、膝内側、半腱・半膜様筋腱内側の陥凹部、膝窩横紋の内側端に位置する。
合穴である陰谷(※読み:いんこく)は、膝後内側、半腱様筋腱の外縁、膝窩横紋上に位置する。
4.〇 正しい。経渠は、難経六十九難の治療法則を考慮して施術を行う場合の経穴である。
腎の虚証(補法)は、復溜・経渠である。
経穴である復溜(※読み:ふくりゅう):下腿後内側、アキレス腱の前縁、内果尖の上方2寸に位置する。
経穴である経渠(※読み:けいきょ):前腕前外側、橈骨下端の橈側で外側に最も突出した部位と橈骨動脈の間、手関節掌側横紋の上方1寸に位置する。
【部位】虚証(補法):実証(瀉法)
【肝】曲泉・陰谷:行間・少府・労宮
【肺】太淵・太白:尺沢・陰谷
【心】少衝・大敦:神門・太白
【腎】復溜・経渠:湧泉・大敦
【脾】大都・少府・労宮:商丘・経渠
【心包】中衝・大敦:大陵・太白
【胆】侠渓・足通谷:陽輔・陽谷・支溝
【大腸】曲池・足三里:二間・足通谷
【小腸】後渓・足臨泣:小海・足三里
【膀胱】至陰・商陽:束骨・足臨泣
【胃】解渓・陽谷・支溝:厲兌・商陽
【三焦】中渚・足臨泣:天井・足三里
102.腎経と心包経の接続部はどれか。
1.舌根
2.胸中
3.心中
4.中焦
解答2
解説
【中焦】①手の太陰肺経‐【手示指端】→②手の陽明大腸経‐【鼻翼外方】→③足の陽明胃経‐【足第1指内側端】→④足の太陰脾経‐【心中】→⑤手の少陰心経‐【手小指端】→⑥手の太陽小腸経‐【内眼角】→⑦足の太陽膀胱経‐【足第5指端】→⑧足の少陰腎経‐【胸中】→⑨手の厥陰心包経‐【手薬指端】→⑩手の少陽三焦経‐【外眼角】→⑪足の少陽胆経‐【足第1指外側端】→⑫足の厥陰肝経‐【中焦】→①手の太陰肺経
1.× 舌根は、接続部として当てはまらない。
2.〇 正しい。胸中は、腎経と心包経の接続部である。
⑧足の少陰腎経‐【胸中】→⑨手の厥陰心包経となる。
3.× 心中
④足の太陰脾経‐【心中】→⑤手の少陰心経となる。
4.× 中焦
⑫足の厥陰肝経‐【中焦】→①手の太陰肺経となる。
103.肩関節を90度外転したとき、天井から臑会の長さはどれか。
1.5寸
2.6寸
3.7寸
4.8寸
解答2
解説
天井(※読み:てんせい)は、肘後面、肘頭の上方1寸、陥凹部に位置する。
臑会(※読み:じゅえ)は、上腕後面、三角筋の後下縁、肩峰角の下方3寸に位置する。
1.3.4.× 5寸/7寸/8寸は該当しない。
2.〇 正しい。6寸は、肩関節を90度外転したとき、天井から臑会の長さである。
肩関節90度外転:肘頭から肩峰角までの長さは、1尺である。
1尺(10寸)-1寸-3寸=6寸
骨度法とは、骨を基準にして、身体各所の長さを尺寸によって定める方法である。
骨度法:1尺10寸、1寸10分
【頭顔面部】
前髪際中点~後髪際中点:1尺2寸
眉間~前髮際中点:3寸
両額角際間:9寸
両乳様突起間:9寸
【胸腹部】
頸切痕~胸骨体端:9寸
胸骨体下端~臍中央:8寸
臍中央~恥骨結合上縁:5寸
両乳頭間:8寸
【上肢】
左右の肩甲棘内端縁間:6寸
中指尖~手関節横紋:8寸5分
腋窩横紋前端または後端~肘窩:9寸
肘窩~手関節横紋:1尺2寸
【下肢】
恥骨結合上縁~膝蓋骨上縁:1尺8寸
膝蓋骨尖~内果尖:1尺5寸
脛骨内側顆下縁~内果尖:1尺3寸
脛骨内側顆下縁~膝蓋骨尖:2寸
大転子頂点~膝窩:1尺9寸
殿溝~膝窩:1尺4寸
膝窩~外果尖:1尺6寸
内果尖~足底:3寸
足指尖~踵(足底):1尺2寸
104.経穴間の組合せで最も長いのはどれか。
1.大腸経の下合穴:条口
2.脾経の郄穴:漏谷
3.大腸経の土穴:手三里
4.三焦の募穴:建里
解答4
解説
下合穴は、胆:陽陵泉【胆】、小腸:下巨虚【胃】、胃:足三里【胃】、大腸:上巨虚【胃】、膀胱:委中【膀】、三焦:委陽【膀】があげられる。
1.× 大腸経の下合穴:条口
大腸経の下合穴である上巨虚は、下腿前面、犢鼻と解渓を結ぶ線上、犢鼻の下方6寸に位置する。
条口は、下腿前面、犢鼻と解渓を結ぶ線上、犢鼻の下方8寸に位置する。
つまり、距離2寸である。
2.× 脾経の郄穴:漏谷
脾経の郄穴である地機は、下腿内側(脛側)、脛骨内縁の後側、陰陵泉の下方3寸に位置する。
漏谷は、下腿内側(脛側)、脛骨内縁の後側、内果尖の上方6寸に位置する。
つまり、距離4寸である。
3.× 大腸経の土穴:手三里
大腸経の土穴である曲池は、肘外側、尺沢と上腕骨外側上顆を結ぶ線上の中点に位置する。
手三里は、前腕後外側、陽渓と曲池を結ぶ線上、肘窓横紋の下方2寸に位置する。
つまり、距離2寸である。
4.〇 正しい。三焦の募穴:建里
三焦の募穴である石門は、下腹部、前正中線上、臍中央の下方2寸に位置する。
建里は、上腹部、前正中線上、臍中央の上方3寸に位置する。
つまり、距離5寸である。
105.尺骨神経溝部にある経穴はどれか。
1.支正
2.臂臑
3.少海
4.小海
解答4
解説
1.× 支正は、前腕後内側、尺骨内縁と尺側手根屈筋の間、手関節背側横紋の上方5寸に位置する。
2.× 臂臑は、上腕外側、三角筋前縁、曲池の上方7寸に位置する。
3.× 少海は、肘前内側、上腕骨内側上顆の前縁、肘窩横紋と同じ高さに位置する。
4.〇 正しい。小海は、尺骨神経溝部にある経穴である。小海は、肘後内側、肘頭と上腕骨内側上顆の間の陥凹部(尺骨神経溝部)に位置する。