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26.上肢の動脈と走行部位との組合せで正しいのはどれか。
1.肩甲回旋動脈:外側腋窩隙
2.上腕動脈:外側二頭筋溝
3.橈骨動脈:手根管
4.尺骨動脈:ギヨン管
解答4
解説
1.× 肩甲回旋動脈は、「外側腋窩隙」ではなく内側腋窩隙を通る。
・内側腋窩隙とは、小円筋と大円筋と上腕三頭筋の長頭で出来る三角形の隙き間である。肩甲回旋動静脈が通る。
・外側腋窩隙とは、小円筋と大円筋と上腕三頭筋の長頭と上腕骨で囲まれた四角形の隙き間をいう。腋窩神経や後上腕回旋動静脈が通る。
2.× 上腕動脈は、「外側二頭筋溝」ではなく内側二頭筋溝を通る。
・外側二頭筋溝とは、上腕の表層の外側(上腕二頭筋と上腕筋の間)にみられる溝のことで、橈側皮静脈の通路の一部である。
・内側二頭筋溝とは、尺骨神経、正中神経、上腕動・静脈が通過している。
・上腕動脈は、前腕部より遠位、かつ最も前腕に近い動脈である。
3.× 橈骨動脈は、「手根管」ではなくタバコ窩を通る。
・手根管とは、手根骨と屈筋支帯に囲まれたトンネルである。通過するのは、①正中神経、②前腕屈筋群の腱(橈側手根屈筋腱、長母指屈筋腱、浅指屈筋腱、深指屈筋腱)である。
4.〇 正しい。尺骨動脈:ギヨン管
ギヨン管:Guyon管は、尺骨神経管ともいい、豆状骨と有鈎骨、そして豆鈎靱帯によって形成されたトンネル(管)のことである。通るものとして、①尺骨神経、②尺骨動脈である。Guyon管症候群は、尺骨神経麻痺が起こる。尺骨神経麻痺の症状として、Froment徴候陽性や鷲手がみられる。Froment徴候(フローマン徴候)とは、母指の内転ができなくなり、母指と示指で紙片を保持させると母指が屈曲位をとることである。
手背には長母指伸筋の腱、掌側には短母指伸筋の腱と長母指外転筋の腱が並んで走行している。ここを解剖学的嗅ぎタバコ窩という。手背の母指基部の専用のタバコ粉末を置いて匂いをかぐ楽しみの一つで使用されていた部位であることから、その名がつけられた。手背には長母指伸筋の腱、掌側には短母指伸筋の腱と長母指外転筋の腱が並んで走行している。ここから舟状骨も触知できる。
27.小脳にみられるのはどれか。
1.オリーブ
2.黒質
3.赤核
4.歯状核
解答4
解説
1.× オリーブは、延髄に存在する。
2~3.× 黒質/赤核は、中脳に存在する。
4.〇 正しい。歯状核は、小脳にみられる。歯状核は、小脳核のひとつである。小脳核とは、小脳内部で処理された情報(随意運動を円滑にする)を他の脳領域に出力する部位である。左右の脳に歯状核、中位核、室頂核と呼ばれる3対の神経核がある。
28.神経叢で副交感神経を含むのはどれか。
1.頸神経叢
2.腕神経叢
3.腰神経叢
4.仙骨神経叢
解答4
解説
1.× 頸神経叢は、主に首や肩の感覚と運動を司る神経である。
2.× 腕神経叢は、主に上肢の運動と感覚を司る神経である。
3.× 腰神経叢は、主に下肢の運動と感覚を司る神経である。
4.〇 正しい。仙骨神経叢は、神経叢で副交感神経を含む。副交感神経は、自律神経系の一部であり、主に内臓機能を調節する。副交感神経を含む神経叢は、脳神経(迷走神経など)および仙骨神経(S2~S4)から構成されている。この副交感神経は、骨盤内臓器(膀胱、直腸、性器など)を支配する(詳しくは、図参照)。
(今井昭一:薬理学.標準看護学講座5、金原出版、1998より改変)
29.側頭葉にみられるのはどれか。
1.運動野
2.視覚野
3.体性感覚野
4.聴覚野
解答4
解説
1.× 運動野は、前頭葉の中心前回に位置する。
2.× 視覚野は、後頭葉に位置する。
3.× 体性感覚野は、頭頂葉の中心後回に位置する。
4.〇 正しい。聴覚野は、側頭葉(の上側頭回)にみられる。聴覚や記憶、言語の理解に重要な役割を果たす。
30.皮膚について正しい記述はどれか。
1.立毛筋は交感神経が支配する。
2.ルフィニ小体は痛覚に関与する。
3.メラノサイトは角質層に存在する。
4.アポクリン汗腺は全身の皮膚に分布する。
解答1
解説
(※図引用:「皮膚に分布するヒトの触覚センサー、指の表面変形を捉える」著:田中 由浩)
1.〇 正しい。立毛筋は交感神経が支配する。立毛筋は交感神経の支配を受けているため、冷感ストレスや恐怖などの情緒性ストレスを受けた際に収縮する。つまり、毛が立つ(鳥肌が立つ)現象を引き起こす。ちなみに、立毛筋とは、毛包に付着している平滑筋の一種で、毛髪を立たせたり、毛穴の皮脂を外に押し出す役割を担っている。
2.× ルフィニ小体は、「痛覚」ではなく触圧覚(皮膚の伸張)に関与する。ちなみに、痛覚に関与するのは、自由神経終末である。
3.× メラノサイトは、「角質層」ではなく基底層(表皮の最下層)に存在する。メラノサイトは、メラニンを産生して紫外線から皮膚を保護する役割を持つ。
4.× アポクリン汗腺は、「全身」ではなく特定の皮膚(腋窩、乳輪、外陰部など)に分布する。一方、全身に広く分布しているのはエクリン汗腺である。