第33回(R7年)柔道整復師国家試験 解説【午後16~20】

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問題16 手続き記憶にあたるのはどれか。

1.キーボードを操作する。
2.締め切りは来月10日である。
3.役場に行って申し込みをした。
4.発行されたワンタイムパスワードは5077である。

解答

解説
1.〇 正しい。キーボードを操作する
これは、手続き記憶である。手続き記憶とは、スポーツ技能の習得などの記憶である。特徴として、言語的表現が困難な記憶である。

2.× 締め切りは来月10日である。
これは、意味記憶である。意味記憶とは、言語・知識・社会的常識など時間的要素のない記憶を指す。例として「りんごは赤い」など。

3.× 役場に行って申し込みをした。
これは、エピソード記憶である。エピソード記憶とは、生活史など、自分の過去の経験を伴う記憶を指す。

4.× 発行されたワンタイムパスワードは5077である。
これは、短期記憶である。短期記憶とは、数秒~1分程度の記憶を記憶のことをいう。

 

 

 

 

 

問題17 高次脳機能障害に対するリハビリテーションを行う職種はどれか。2つ選べ。

1.介護福祉士
2.作業療法士
3.社会福祉士
4.臨床心理士

解答2・4

解説

高次脳機能障害とは?

高次脳機能障害とは、脳損傷に起因する認知障害全般を指し、 この中にはいわゆる巣症状としての失語・失行・失認のほか記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などが含まれる。

1.× 介護福祉士とは、社会福祉士及び介護福祉士法を根拠とする国家資格である。身体が不自由な高齢者、身体もしくは精神に障害がある方に対し、食事や入浴、排泄の介助など日常生活を営むためのサポートをおこなう。

2.〇 正しい。作業療法士は、高次脳機能障害に対するリハビリテーションを行う職種である。
・作業療法士とは、医師の指示のもとに手工芸・芸術・遊びやスポーツ・日常動作などを行うことにより、障害者の身体運動機能や精神心理機能の改善を目指す治療(作業療法)を行う専門職である。つまり、食事動作等、日常生活動作の回復が役割である。

3.× 社会福祉士とは、社会福祉援助(ソーシャルワーク)を主に行う職種のものである。例えば、①障害や病気などの理由により福祉サービスを必要とする人々からの相談を受け、②他の福祉サービスの提供者・医療機関と連携し、③相談者の自立に向け、専門的な知識と技術で的確な助言や指導、その他の援助を行う。

4.〇 正しい。臨床心理士は、高次脳機能障害に対するリハビリテーションを行う職種である。
・臨床心理士とは、臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、人間のこころの問題にアプローチする心の専門家である。認知行動療法は、医師やカウンセラー、臨床心理士のもとで受けることができる。ちなみに、社会復帰援助を主に実施する専門職は、社会福祉士の役割である。社会福祉士とは、社会福祉援助(ソーシャルワーク)を主に行う職種のものである。例えば、①障害や病気などの理由により福祉サービスを必要とする人々からの相談を受け、②他の福祉サービスの提供者・医療機関と連携し、③相談者の自立に向け、専門的な知識と技術で的確な助言や指導、その他の援助を行う。

 

 

 

 

 

問題18 脳卒中後の歩行訓練で使用する長下肢装具の主な目的はどれか。

1.腰痛の軽減
2.脚長差の補正
3.下肢の筋力強化
4.膝および足関節の安定化

解答

解説
1.× 腰痛の軽減には、コルセットの使用や筋力強化運動、疼痛管理(投薬)などが挙げられる。

2.× 脚長差の補正には、靴の中に挿入するインソール(踵補高)や、靴自体の加工(厚底化)などがあげられる。

3.× 下肢の筋力強化には、ゴムバンドや重りを使って麻痺側の足を上げる練習があげられる。

4.〇 正しい。膝および足関節の安定化は、脳卒中後の歩行訓練で使用する長下肢装具の主な目的である。長下肢装具とは、立位訓練開始から装具をつけ、介助下での平行棒な歩行訓練が必要なレベルの重度の麻痺に適応となる。臨床では、重度弛緩性麻痺時には長下肢装具で立位練習を行い、股関節の収縮が得られてきた際に、短下肢装具へ移行しながら練習することが多い。

 

 

 

 

 

問題19 頸部で固定性は低いが回旋を抑制できるのはどれか。

1.頸椎カラー
2.ハロー装具
3.ジュエット型装具
4.フィラデルフィアカラー

解答

解説
1.× 頸椎カラーは、首の安定化と保護を目的として使用される。主に交通事故や転倒などによる頭部や首の損傷を防ぐ目的で用いられる。

2.× ハロー装具は、頭蓋骨に直接ピン(ネジ)で固定したハローを胸椎装具と金属支柱で連結したものである。頚椎の前後屈および側屈・回旋を強く制限する。環椎や軸椎の骨折など、手術で固定の困難な重篤な骨折で用いられる。

3.× ジュエット型装具は、胸腰仙椎装具のひとつであり、体幹後屈は可能であり、体幹前屈の制限を目的とする。椎体圧迫骨折や円背などに適応となる。

4.〇 正しい。フィラデルフィアカラーは、頸部で固定性は低いが回旋を抑制できる。フィラデルフィアカラーは、下顎から頚部・肩までの固定により前後屈および側屈、回旋を制限するが、固定力は弱く、重さの支持も弱い。頚椎術後、頚髄損傷などで用いられる。急性期頸髄損傷で頸椎に不安定性のある場合には、体位交換などで麻痺の悪化の可能性があるので、フィラデルフィアカラーやSOMI装具などで固定を行う。

 

 

 

 

 

問題20 脳卒中片麻痺の回復を評価するブルンストローム法で、分離運動が認められるステージはどれか。

1.1
2.2
3.3
4.4

解答

解説


1.× 1は、弛緩性麻痺(随意運動がみられない)

2.× 2は、わずかな随意運動(共同運動が一部出現、連合反応が誘発される)

3.× 3は、十分な共同運動が出現

4.〇 正しい。4は、分離運動が認められるステージである。ちなみに、5は分離運動が全般的に出現している。

 

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