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問題86.正しいのはどれか。
1.てこは棒が軸の回りを回転できる状態である。
2.第1のてこは力のてこである。
3.第2のてこは運動のてこである。
4.第3のてこは安定のてこである。
解答1
解説
1.〇 正しい。てこは棒が軸の回りを回転できる状態である。てことは、支点(回転軸)を中心に、棒や剛体が回転可能な仕組みをいう。支点、力点、作用点(負荷点)の位置関係により、第1のてこ、第2のてこ、第3のてこに分類される。
2.× 第1のてこは、「力」ではなく安定のてこである。
第1:作用点と力点の間に支点
【利点】比較的安定感がある。
例:シーソー、ハサミ(肘関節伸展)
3.× 第2のてこは、「運動」ではなく力のてこである。
第2:支点と力点の間に作用点
【利点】小さい力で大きな回転力を生む。
例:栓抜き、ボートのオール(足関節底屈)
4.× 第3のてこは、「安定」ではなく運動のてこである。
第3:支点と作用点の間に力点
【利点】運動の速さに有利だが大きな力が必要。
例:ピンセット、トング(肘関節屈曲)
問題87.膜性骨化で誤っているのはどれか。
1.結合組織性の骨化である。
2.間葉細胞が骨芽細胞に変化する。
3.頭蓋冠にみられる。
4.骨の長径成長を行う。
解答4
解説
1.〇 正しい。結合組織性の骨化である。なぜなら、膜性骨化は、結合組織から直接骨が形成される過程であるため。骨の形成には「①膜性骨化」と「②軟骨性骨化」がある。
2.〇 正しい。間葉細胞が骨芽細胞に変化する。
①膜性骨化とは、間葉系結合組織から直接骨芽細胞が分化して骨が作られるものである。
②軟骨性骨化とは、一度硝子軟骨モデルが形成され、それを置換して骨化するものである。
・間葉細胞とは、体の中でいろいろな種類の細胞に変わることができる「元の細胞」である。たとえば骨や軟骨、脂肪、筋肉などを作る材料になる。未熟な状態で形がはっきり決まっておらず、必要に応じて役割を変える柔軟さを持つ、いわば「万能な種」のような細胞である。
3.〇 正しい。頭蓋冠にみられる。
①膜性骨化:頭蓋冠・上顎骨・下顎体・肩甲骨・恥骨・腸骨・鎖骨などの肩平骨。
②軟骨内骨化:全ての長管骨・椎骨・肋骨・下顎頭及び頭蓋底。
4.× 骨の長径成長を行うのは、「軟骨内骨化」である。長管骨の長さの成長(長径成長)は、骨端軟骨板(成長板)で軟骨が増殖し、それが骨に置換されることで起こる。
問題88.神経線維で正しいのはどれか。
1.加えられた刺激による興奮は神経線維の一方向に伝導される。
2.1本の神経線維が興奮すると隣接する神経線維に興奮が伝わる。
3.有髄線維はシュワン細胞の細胞膜で幾重にも取り巻かれている。
4.有髄線維の直径が一定でも伝導速度は変化する。
解答3
解説
①絶縁性(隔絶)伝導:1本の神経線維の興奮は、隣接するほかの神経線維を興奮させない。
②不滅衰伝導:興奮は減衰せずに伝わる。
③両方向(両側)性伝導:神経線維の一部を刺激すると、興奮は両方向に伝導する。ただし、シナプスからの出力は原則一方向性である。
(※④等速伝導:1本の軸索上の興奮は一定の速度で伝導していく。ただし、有髄線維では跳躍伝導が起こる。)
1.× 加えられた刺激による興奮は、神経線維の「一方向」ではなく両方向に伝導される。なぜなら、③両方向(両側)性伝導が該当するため。
2.× 1本の神経線維が興奮すると隣接する神経線維に興奮は「伝わらない」。なぜなら、①絶縁性(隔絶)伝導が該当するため。
3.〇 正しい。有髄線維は、シュワン細胞の細胞膜で幾重にも取り巻かれている。これを髄鞘という。髄鞘は、絶縁体として働き、跳躍伝導を可能にすることで伝導速度を大幅に上げている。
4.× 有髄線維の直径が一定の場合、伝導速度も「一定である」。つまり、有髄線維の伝導速度は、ほぼ直径に比例する関係である。有髄線維の直径が太ければ太いほど、伝導速度も速くなる。

問題89.正しいのはどれか。
1.行動は身体内外からの刺激により誘発される。
2.皮膚感覚は体性感覚に含まれない。
3.刺激が感覚受容器で感知されることを感覚の投射という。
4.平衡感覚は体性感覚である。
解答1
解説
1.〇 正しい。行動は身体内外からの刺激により誘発される。人の行動は、感覚刺激(視覚・聴覚・体性感覚など)や内部刺激(ホルモン分泌、内臓感覚など)によって動機づけられる。つまり、身体の外(外界刺激)と内(内的刺激)の両方が行動を誘発する要因になる。
2.× 皮膚感覚は体性感覚に「含まれる」。体性感覚とは、①表在感覚(触覚、温度感覚、痛覚の皮膚感覚)と、②深部感覚(筋や腱、関節など)から成り、内臓感覚は含まない。皮膚感覚が皮膚表面における感覚であるのに対し、深部感覚とは、身体内部の感覚を意味する。後者は固有感覚または自己受容感覚とも呼ばれ、筋受容器からの伸縮の情報により、身体部位の位置の情報が得られる。
3.× 刺激が感覚受容器で感知されることを、「感覚の投射」ではなく感覚受容という。
・感覚受容とは、刺激を感覚受容器が捉えることである。
・感覚の投射とは、生じた感覚を「受容器が存在する部位に感じる」現象である。例えば、視覚伝導路(例えば視神経)を途中で刺激しても「眼に光が見えた」と感じる。
4.× 平衡感覚は、「体性感覚」ではなく特殊感覚である。特殊感覚とは、顔面や頭部にある非常に繊細な器官の感覚情報で、脳神経が大脳皮質へと伝達するのが特徴である。例えば、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・平衡感覚などが該当する。
問題90.咀嚼筋はどれか。
1.前頭筋
2.側頭筋
3.口輪筋
4.小頬骨筋
解答2
解説
咀嚼筋とは、下顎骨の運動(主に咀嚼運動)に関わる筋肉の総称である。咀嚼筋は一般的に、咬筋、側頭筋、外側翼突筋、内側翼突筋の4種類が挙げられる。咀嚼筋は、主にⅤ:三叉神経支配である。
1.× 前頭筋は、眉を持ち上げる。眉弓を引き上げ前頭部に皺(しわ)を作る表情筋である。
2.〇 正しい。側頭筋は、咀嚼筋である。
・側頭筋の【起始】側頭鱗外面と側頭筋膜の深葉の内面、【停止】下顎骨の筋突起、【作用】下顎を上げて、歯をかみ合させる(閉口)ほか、後部は下顎骨を後ろへ引く。
3.× 口輪筋は、口裂を閉じる・口笛を吹くなどに寄与する表情筋である。
4.× 小頬骨筋は、頬骨から口角に伸びる筋で、口角を引き上げに寄与する表情筋である。
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