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問題106.悪性腫瘍の特徴で誤っているのはどれか。
1.過形成
2.自律性増殖
3.組織破壊
4.悪液質
解答1
解説
腫瘍とは、体の中にできた細胞のかたまりのことである。
・悪性腫瘍とは、このような腫瘍のうち、無秩序に増殖しながら周囲にしみ出るように広がったり(浸潤)、体のあちこちに飛び火して新しいかたまりを作ったり(転移)するもののことをいう。
・良性腫瘍とは、浸潤や転移をせず、周りの組織を押しのけるようにしてゆっくりと増える腫瘍のことをいう。
1.× 過形成は、悪性腫瘍の特徴ではない。なぜなら過形成は、生理的刺激やホルモン刺激などに対する可逆的な細胞増殖であるため。
・過形成とは、外来の刺激に対する正常細胞の応答として細胞増殖が起こることによって、組織の体積が増加することである。外部からの刺激は生理的なものも異常なものも含む。
2.〇 正しい。自律性増殖は、悪性腫瘍の特徴である。
・自律性増殖とは、がん細胞によるヒトの正常な新陳代謝の都合を考えず、自律的に勝手に増殖を続け、止まることがないことである。
3.〇 正しい。組織破壊は、悪性腫瘍の特徴である。なぜなら、悪性腫瘍は浸潤的に増殖し、周囲正常組織を破壊しながら進展するため。一方、良性腫瘍は膨張性増殖で境界明瞭(被膜あり)なのに対し、悪性腫瘍は境界不明瞭で被膜を破って浸潤する。
4.〇 正しい。悪液質は、悪性腫瘍の特徴である。
・悪液質とは、がんの病状に伴い体重減少や食欲不振を特徴とする合併症である。進行したがん患者さんに多くみられる症状である。進行を伴う悪性腫瘍に関連する。
問題107.関連性の低い組合せはどれか。
1.ヘリコバクター・ピロリ菌:胃癌
2.α-フェトプロテイン:肝癌
3.癌胎児性抗原:大腸癌
4.エプスタイン・バーウイルス:子宮頚部癌
解答4
解説
ヘリコバクター・ピロリ菌は、慢性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃癌などに関与している菌である。ヘリコバクター・ピロリ菌は、井戸水などにより経口感染するヒトなどの胃に生息するらせん型のグラム陰性微好気性細菌である。単にピロリ菌と呼ばれることもある。アンモニアを遊離し、局所をアルカリ化することによって胃粘膜の障害をきたす病原菌である。胃炎や胃潰瘍の発生に関与する。
1.〇 ヘリコバクター・ピロリ菌:胃癌
なぜなら、ヘリコバクター・ピロリ菌の慢性感染により胃粘膜に慢性萎縮性胃炎・腸上皮化生・DNA損傷が生じ、発癌過程を促進するため。
2.〇 α-フェトプロテイン:肝癌
・AFP(α-フェトプロテイン)とは、肝臓の疾患を見つける腫瘍マーカーのひとつである。健康な成人の血液には含まれないが、肝臓がんになると血液中に増加するため、肝臓がんのスクリーニング検査として用いられる。C型肝炎ウイルスが原因で肝細胞がんが発生することがある。C型肝炎に感染すると、約70%が慢性肝炎に移行し、そのうちの約60%が肝硬変へと進展する。
3.〇 癌胎児性抗原:大腸癌
・癌胎児性抗原とは、大腸癌組織や胎児の消化管粘膜組織などに存在する糖蛋白で、腫瘍マーカーの一つである。
4.× エプスタイン・バーウイルスは、「子宮頚部癌」ではなく上咽頭癌と関連性が高い。子宮頚部癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)と関連性が高い。
・EBウイルス(エプスタイン・バーウイルス、Epsteir Barrウイルス)は、上咽頭癌やバーキットリンパ腫に関連する。バーキットリンパ腫とは、悪性リンパ腫のうち非ホジキンリンパ腫に分類される高悪性度のB細胞リンパ腫である。成人では悪性リンパ腫の1~2%程度あるが、小児では25~40%を占め、比較的若い人に多く発症する。女性1人に対し、男性が2~3人で男性に多い傾向がある。キスを介して感染する。
子宮頸がんとは、子宮頸部(子宮下部の管状の部分)に生じるがんのことである。子宮頸がんは、子宮がんのうち約7割程度を占める。近年、20~30歳代の若い女性に増えてきており、30歳代後半がピークとなっている。子宮頸がんの原因のほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染である。このウイルスは性的接触により子宮頸部に感染する。初期では無症状だが、進行するにつれて帯下の増加や悪臭のある帯下、周囲臓器の浸潤による疼痛などの症状が現れる。
問題108.常染色体優性遺伝を示す疾患はどれか。
1.緑赤色盲
2.家族性大腸ポリポーシス
3.ウィルソン(Willson)病
4.伴性無ガンマグロブリン血症
解答2
解説
染色体には性染色体と常染色体がある。常染色体優性遺伝とは、遺伝によって子孫に伝えられる性質(形質)が常染色体上の遺伝子で決定され、その形質が現れる場合のことを指す。
1.× 緑赤色盲(色覚異常の代表)は、X連鎖劣性遺伝(伴性劣性遺伝)により生じる。
・伴性劣性遺伝とは、主にX染色体上にある劣性遺伝子によって起こる遺伝形式である。男性はX染色体を1本しか持たないため、劣性遺伝子でも発症しやすく、女性はもう1本のX染色体が正常なら発症せず保因者となる。血友病や赤緑色覚異常が代表例である。
・赤緑色覚異常は、色を感じ取る視細胞(錐体細胞)にある赤色や緑色を識別する遺伝子が正常に働かないために起こる。これらの遺伝子はX染色体上に存在する。
2.〇 正しい。家族性大腸ポリポーシスは、常染色体優性遺伝を示す疾患である。
・家族性大腸ポリポーシスとは、前がん病変である大腸ポリープが数百から数千個生じ、そこから大腸がんが発生する腫瘍症候群である。 発症は平均16歳であり、35歳までには95%の家族性大腸ポリポーシス保因者にポリープが生じる。
3.× ウィルソン(Willson)病とは、まれな遺伝性疾患(常染色体劣性遺伝)で、肝臓が正常時のように余分な銅を胆汁中に排泄せず、結果として肝臓に銅が蓄積して肝臓が損傷する病気である。銅は肝臓、脳、眼やその他の臓器に蓄積し、ウィルソン病の患者では、振戦(ふるえ)、発語困難、嚥下(えんげ)困難、協調運動障害、人格変化、肝炎がみられる。
4.× 伴性無ガンマグロブリン血症とは、遺伝性の免疫不全疾患で、X連鎖劣性遺伝(伴性劣性遺伝)に起因した病気であり、B細胞がなく、抗体(免疫グロブリン)の量が極めて少ないか、まったくみられない。したがって、せきを繰り返したり、鼻、耳、皮膚、副鼻腔、肺の感染症を生後約6カ月から繰り返すことが多い。
問題109.地域保健活動を実施する上で、最初に行うのはどれか。
1.地域のニーズの把握
2.コストベネフィットの評価
3.コストエフェクティブネスの評価
4.活動の優先順位の決定
解答1
解説
地域保健活動とは、健康課題の解決に向けて住民や組織同士をつなぎ、住民の主体的な行動の促進である。生活習慣病等の疾病の発症・重症化予防を徹底することで、要医療や要介護状態になることの防止する。地域の各種保健医療福祉計画に基づき、訪問指導、健康相談、健康教育、地区組織活動の育成及び支援等の活動方法を適切に用いて、ソーシャルキャピタルの醸成・活用を図りながら、保健サービス等を提供する。
1.〇 正しい。地域のニーズの把握は、地域保健活動を実施する上で、最初に行う。なぜなら、地域保健活動の第一歩は、地域住民の健康状態や生活環境、医療資源などを調査し、健康課題を把握することであるため。この段階を「地域診断」といい、統計資料(死亡率、罹患率、保健所データなど)や住民アンケートを用いて、健康ニーズ(健康上の欲求・問題)を明らかにする。
2.× コストベネフィットの評価(費用便益分析)は、活動を実施した後、その効果を金銭的に評価する段階で行う。例えば、予防接種事業に対して、費用(ワクチン購入費など)と便益(医療費削減額など)を金銭換算して比較する。
3.× コストエフェクティブネスの評価(費用効果分析)は、活動を実施した後、その効果を金銭的に評価する段階で行う。費用に対する効果を比較して、どの事業が効率的かを検討する。
・コストベネフィット分析(費用便益分析)とは、施策にかかる費用と得られる便益の両方を金額に換算し、差や比率で実施の妥当性を判断する手法である。
・コストエフェクティブネス分析(費用効果分析)は、成果を金額に換算せず(例:救命数や達成率)、同じ成果をより低コストで得られるか、または同コストでより大きな成果を比較する点が特徴である。
4.× 活動の優先順位の決定は、ニーズを把握した後に行う段階である。ニーズを抽出・分析したうえで、重要度・緊急性・実現可能性などの観点から活動を選定する。
問題110.誤っている組合せはどれか。
1.結核の集団検診:二次予防
2.リハビリテーション:三次予防
3.ポリオの予防接種:一次予防
4.薬の予防内服:二次予防
解答4
解説
疾病の進行段階に対応した予防方法を一次予防、二次予防、三次予防と呼ぶ。
一次予防:「生活習慣を改善して健康を増進し、生活習慣病等を予防すること」
二次予防:「健康診査等による早期発見・早期治療」
三次予防:「疾病が発症した後、必要な治療を受け、機能の維持・回復を図ること」
1.〇 正しい。結核の集団検診:二次予防
なぜなら、結核検診は、潜在的・初期の結核患者を早期に発見し、重症化・感染拡大を防ぐために行う早期発見活動であるため。
2.〇 正しい。リハビリテーション:三次予防
なぜなら、リハビリテーションは、疾病後の機能回復や再発防止、社会復帰支援を目的とするため。既に発病・治療を経た人の後遺症軽減・QOL向上を目指す。
3.〇 正しい。ポリオの予防接種:一次予防
なぜなら、予防接種は病原体への感染・発病を防ぐための一次予防活動であるため。免疫を事前に獲得し、個人防御および集団免疫を形成する。
4.× 薬の予防内服は、「二次予防」ではなく一次予防に該当する。なぜなら、発病を未然に防ぐ目的で薬を内服する行為は、発症前の予防(一次予防)に寄与するため。
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