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問題86.軟部組織損傷と治療法との組合せで正しいのはどれか。
1.足底腱膜炎:足趾の他動的伸展運動
2.膝蓋腱炎:PTBギプス固定
3.足関節内返し捻挫:足関節内返し運動の強化
4.大腿部打撲:急性期のスクワット訓練
解答1
解説
1.〇 正しい。足底腱膜炎:足趾の他動的伸展運動
なぜなら、足趾を他動的に伸展することにより、足底腱膜の柔軟性が改善し、結果的に牽引ストレスが減少するため。
・足底腱膜炎とは、足のアーチ構造を支える足底腱膜が炎症を起こし、小さな断裂を繰り返している状態である。かかとや足底が地面に着地した際に、足底腱膜が伸ばされて痛みを感じる。
2.× 膝蓋腱炎は、「PTBギプス固定」ではなく安静を実施することが多い。
・PTB式免荷装具とは、膝蓋腱部で荷重を受けるソケットであり、下腿義足に対する標準的なソケットである。下腿骨骨折の手術後、部分荷重より開始とならないような重度のケースや、早期より免荷での歩行導入が必要な症例で用いられる。
・膝蓋腱炎とは、ジャンパー膝ともいい、ジャンピングなどの繰り返し行動による過度のストレスが膝蓋腱に与えられることにより、膝蓋骨周囲の疼痛や腫脹を生じている状態を指す。バスケットボールやバレーボールなどのスポーツによる膝伸展機構の使いすぎによって起こる。
3.× 足関節内返し捻挫は、「足関節内返し運動の強化」ではなく足関節外返し運動の強化を実施することが多い。なぜなら、足関節内返し捻挫の再発防止には、足関節外返し(腓骨筋群の強化)の強化をすることで、損傷した足関節の外側靭帯の代償へと働くため。
4.× 大腿部打撲は、「急性期のスクワット訓練」ではなく安静を実施することが多い。むしろ、スクワット訓練は禁忌である。なぜなら、急性期(受傷後48〜72時間)は、筋出血や炎症が進行する時期であり、過度な筋収縮を行うと血腫増大や骨化性筋炎を引き起こす危険があるため。
・大腿部打撲とは、チャーリーホースともいい、主な原因は、強い外力である。特にバスケットボール、サッカー、ラグビーなど接触が多い競技では相手の膝などが大腿部を強打することで多く起こる。
・炎症4徴候として、疼痛や腫脹、発赤、熱感があげられる。基本的に、RICE処置を実施する。RICE処置とは、疼痛を防ぐことを目的に患肢や患部を安静(Rest)にし、氷で冷却(Icing)し、弾性包帯やテーピングで圧迫(Compression)し、患肢を挙上すること(Elevation)である。頭文字をそれぞれ取り、RICE処置といわれる。
外側靭帯は、前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯を合わせていう。
【足関節靭帯損傷の受傷原因】
足関節の内反や外反が強い外力でかかる捻挫が最も多い。
内反捻挫は、足関節外側靭帯(前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯)が損傷される。
外反捻挫は、足関節内側靭帯(三角靭帯)が損傷される。
【頻度】
外反捻挫より内反捻挫が多い。
足関節外側靭帯(前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯)の中でも前距腓靭帯が多く損傷される。
なぜなら、足関節の可動域が、外反より内反の方が大きく、内反・底屈に過強制力がかかるため。
問題87.物理療法の適応で正しい組合せはどれか。
1.氷のう:無菌性結合織炎
2.極超短波:骨端成長軟骨板損傷
3.ホットパック:感覚脱失部位
4.超音波:ブラックアイ
解答1
解説
1.〇 正しい。氷のう:無菌性結合織炎
・無菌性結合織炎とは、外傷や微小損傷による軟部組織(筋膜・腱鞘・靭帯など)の非感染性炎症である。したがって、炎症の熱感・腫脹・疼痛を軽減する目的で冷却が有効である。
2.× 骨端成長軟骨板損傷において、極超短波は禁忌である。なぜなら、極超短波療法は深部加温作用をもつため。したがって、成長期の骨端線に照射すると、成長軟骨の損傷や早期閉鎖を起こす。
【極超短波療法(マイクロ波)の禁忌】
①温熱療法一般の禁忌(急性炎症部位、悪性腫瘍、出血傾向、知覚麻痺)
②金属部位への照射(衣服、装飾品、体内金属含む)
③心臓ペースメーカー使用者
④眼球、男性生殖器、妊婦の腹部
⑤小児の骨端線
3.× 感覚脱失部位において、ホットパックは禁忌である。なぜなら、感覚が低下・消失している部位では熱さを感じ取れず、低温熱傷を起こす危険があるため。
・温熱療法の禁忌は、①急性炎症、②悪性腫瘍、③感覚障害と意識障害、④出血傾向、⑤循環障害・動脈硬化などである。
4.× ブラックアイにおいて、超音波は禁忌である。なぜなら、眼に超音波を照射すると組織の空洞化を起こすため。
・超音波の禁忌として、①眼への照射、②成長時の骨端、③心臓、生殖器官、内分泌器官、④良性または悪性腫瘍、麻痺部、⑤ペースメーカーの入っている部位、⑥脊髄疾患(多発性硬化症、脊髄灰白質炎、脊髄空洞症)、⑦感覚障害である。
・超音波療法とは、超音波を用いた機械的振動によるエネルギーを摩擦熱に変換することによって特定の部位を温める療法の1つである。1MHzは深部組織、3MHZは皮膚表面に近い組織に照射できる。
・ブラック アイとは、頭蓋底骨折の際、眼瞼下の出血により結膜や眼瞼に出血斑がみられる徴候である。頭蓋底骨折はしばしば周囲の血管を損傷し、眼窩周辺の出血を引き起こす。
問題88.肩甲骨骨折で誤っているのはどれか。
1.上角骨折では小骨片が外上方に転位する。
2.下角骨折では小骨片が前外上方に転位する。
3.関節窩骨折では上腕骨頭が内方へ転位する。
4.外科頸骨折では遠位骨片が下前内方に転位する。
解答1
解説
1.× 上角骨折では小骨片が、「外上方」ではなく内上方に転位する。なぜなら、肩甲挙筋が働くため。
・肩甲挙筋の【起始】第1~(3)4頸椎の横突起後結節、【停止】肩甲骨の上角と内側縁の上部、【作用】肩甲骨を内上方に引く、【神経】頸神経叢の枝と肩甲背神経である。
2.〇 正しい。下角骨折では小骨片が前外上方に転位する。なぜなら、大円筋が働くため。
・大円筋の【起始】肩甲骨の下角部、棘下筋膜下部外面、【停止】上腕骨の小結節稜、【作用】肩関節内転、内旋、伸展、【神経】肩甲下神経である。
3.〇 正しい。関節窩骨折では上腕骨頭が内方へ転位する。原因は、肩甲骨後方からの強打、上肢外転状態での衝撃などにより、関節窩に上腕骨頭が衝突して生じる。症状として、関節内骨折のため腫脹は少ないが上腕骨頭が内方へ転位する。転位があるものは、骨折線が関節高の中心を通り、関節面が不整となる。
4.〇 正しい。外科頸骨折では、遠位骨片が下前内方に転位する。なぜなら、上腕二頭筋・大胸筋・三角筋前部線維などが収縮すると、遠位骨片は下方・前方・内方へ引かれる。
・上腕骨外科頸骨折とは、上腕骨の骨折の中で、特に高齢者に多く発生する骨折の一つであり、骨頭から結節部にかけての太い部分から骨幹部に移行する部位で発生する。老年期とは、一般的に65歳以上をいう。
問題89.骨折と骨片転位を起こす筋との組合せで正しいのはどれか。
1.肩甲骨上角骨折:棘上筋
2.上腕骨内側上顆骨折:回外筋
3.ベネット(Bennett)骨折:長母指外転筋
4.中節骨骨幹部骨折:深指屈筋
解答3
解説
1.× 肩甲骨上角骨折は、「棘上筋」ではなく上部僧帽筋と肩甲挙筋が関与する。
・棘上筋の【起始】肩甲骨の棘上窩、棘上筋膜の内側、【停止】上腕骨大結節の上部、【作用】肩関節外転、【支配神経】肩甲上神経:C5,C6である。
・肩甲挙筋の【起始】第1~(3)4頸椎の横突起後結節、【停止】肩甲骨の上角と内側縁の上部、【作用】肩甲骨を内上方に引く、【支配神経】頸神経叢の枝と肩甲背神経:C2~C5である。
2.× 上腕骨内側上顆骨折は、「回外筋」ではなく前腕屈筋群(円回内筋・尺側手根屈筋など)が関与する。
・回外筋の【起始】上腕骨外側上顆、尺骨の回外筋稜、肘関節包後面、橈骨輪状靭帯、【停止】橈骨上部外側面、【作用】前腕回外、【支配神経】橈骨神経深枝:C5~C7である。
3.〇 正しい。ベネット(Bennett)骨折:長母指外転筋
・ベネット(Bennett)骨折とは、第一中手骨基部の関節内骨折で、第一中手骨の脱臼を伴いやすい。母指先端にボールが当たったり喧嘩やボクシングで母指の先端に力が加わった際に起こりやすい。骨棘は、骨折や関節の摩耗により関節周囲の骨が増殖する現象である。
・長母指外転筋の【起始】尺骨と橈骨の中部背側面、前腕骨間膜背面、【停止】第1中手骨底背面外側付近、【作用】母指外転、【支配神経】橈骨神経深枝:C6~C8である。
4.× 中節骨骨幹部骨折は、「深指屈筋」ではなく浅指屈筋が関与する。
・深指屈筋の【起始】尺骨の内側面と前面、前腕骨間膜の一部、【停止】第2~5指末節骨底、【作用】第2~5指の両指節間関節の屈曲、【神経】橈側部は正中神経、尺骨部は尺骨神経である。
・浅指屈筋の【起始】上腕尺骨頭:上腕骨内側上顆・尺骨粗面の内側、橈骨頭:橈骨の上部前面【停止】第2~第5中節骨底、【作用】第2~5指の中手指節関節と近位指節間関節の屈曲、【神経】正中神経:C7~T1である。
問題90.三角筋付着部より近位の上腕骨骨幹部骨折で近位骨片を内転させるのはどれか。
1.上腕二頭筋
2.上腕三頭筋
3.広背筋
4.烏口腕筋
解答3
解説
三角筋付着部よりも近位の上腕骨骨幹部骨折では、近位骨片は内転・内旋方向に転位する。なぜなら、近位骨片は大胸筋・広背筋によって牽引されるため。したがって、肩関節外転70~80度で固定する。
他にも大結節(棘上筋、棘下筋など)、小結節(大円筋、肩甲下筋)が付着しているが、筋の大きさに依存するため、大胸筋の影響を強く受ける。
1.× 上腕二頭筋の【起始】長頭:肩甲骨の関節上結節、短頭:肩甲骨の烏口突起、【停止】橈骨粗面、腱の一部は薄い上腕二頭筋腱膜となって前腕筋膜の上内側に放散、【作用】肘関節屈曲、回外(長頭:肩関節外転、短頭:肩関節内転)、【神経】筋皮神経である。
2.× 上腕三頭筋の【起始】内側頭:上腕骨後面の橈骨神経溝の下方の大部分(広い)、両側の筋間中隔、外側頭:上腕骨橈骨神経溝の上方、長頭:肩甲骨の関節下結節、【停止】尺骨の肘頭、【作用】肘関節伸展、肩関節伸展、【神経】橈骨神経である。
3.〇 正しい。広背筋は、三角筋付着部より近位の上腕骨骨幹部骨折で近位骨片を内転させる。
・広背筋の【起始】第6~8胸椎以下の棘突起、腰背腱膜、腸骨稜、第(9)10~12肋骨および肩甲骨下角、【停止】上腕骨の小結節稜、【作用】肩関節内転、伸展、多少内旋である。
4.× 烏口腕筋の【起始】烏口突起、【停止】上腕骨の内側面の中部、【作用】肩関節屈曲、内転、【支配神経】筋皮神経である。
国試オタク 