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問題46.正しい組合せはどれか。
1.静脈性出血:拍動性
2.くも膜下出血:外出血
3.上部消化管出血:タール便
4.喀血:内出血
解答3
解説
内出血とは、皮膚の下や体内の血管が破れて血液が組織内に漏れ出した状態を指す。
例:脳出血、血胸、腹腔内出血など。
外出血とは、血液が血管から流れ出て体外(皮膚の外や粘膜の表面など)に直接漏れ出す状態を指す。
例:吐血、喀血、鼻出血、外傷による出血など。
1.× 静脈性出血は、「拍動性」ではなく非拍動性である。
・静脈性出血とは、暗赤色の血液が、傷口から持続的にわき出てくる出血(非拍動性)である。
2.× くも膜下出血は、「外出血」ではなく内出血である。
・くも膜下出血とは、くも膜と呼ばれる脳表面の膜と脳の空間(くも膜下腔と呼ばれ、脳脊髄液が存在している)に存在する血管が切れて起こる出血である。約85%が、破裂脳動脈瘤が原因である。
3.〇 正しい。上部消化管出血:タール便
・タール便とは、胃潰瘍など上部消化管出血のときに排出される血便の一種である。一般的に食道、胃、十二指腸からの出血は、ヘモグロビンの鉄が胃酸で酸化されるため起こる。
4.× 喀血は、「内出血」ではなく外出血である。
・喀血とは、気道(気管・肺)から出血した時に見られる出血である。気道の出血が少量であれば痰に血が混じっている状態、血痰という。喀血は血液そのものを咳とともに吐く状態である。一方、吐血との区別は口から血が出たときに伴う症状で区別する。①喀血:下気道(気管支肺)からの出血、②吐血:上部消化管からの出血がある。したがって、喀血は吐血と比べると赤みが強く、泡が混じることが多く、固まりにくいという特徴がある。
問題47.消毒と滅菌で正しいのはどれか。
1.消毒薬はすべての細菌に有効である。
2.損傷皮膚は消毒用エタノールで消毒する。
3.金属は高圧蒸気滅菌を行う。
4.病室はホルムアルデヒドガスで燻蒸する。
解答3
解説
1.× 消毒薬はすべての細菌に「有効とはいえない」。なぜなら、細菌には種類ごとに構造や性質の違いがあり、芽胞のように強い耐性をもつ形態も存在するため。芽胞を持つ細菌は、消毒薬に抵抗性があることが多い。
2.× 損傷皮膚は、「消毒用エタノール」ではなくポビドンヨードで消毒する。なぜなら、皮膚に傷がある場合は、より刺激の少ない消毒液を選択する必要があるため。エタノールなど刺激性が強い場合、創傷面や損傷皮膚に使用すると疼痛や組織障害を起こす。
・ポビドンヨードとは、世界中で感染対策に使われている代表的な殺菌消毒剤の有効成分のひとつである。
・エタノールとは、広く消毒液として用いられる。皮膚や手術部位の消毒、医療器具の洗浄消毒などに用いられ、粘膜への使用は禁忌である。
3.〇 正しい。金属は高圧蒸気滅菌を行う。
・高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)とは、飽和水蒸気(空気が排除され蒸気で満たされた状態)の中で135℃付近まで加熱し、発生した水分により蛋白凝固を促進して微生物を死滅させる方法をいう。利点として、①浸透性が強いこと、②残留毒性がないこと、③短時間で滅菌可能であることなどがあげられる。
4.× 病室はホルムアルデヒドガスで燻蒸する「ことはしない」。なぜなら、ホルムアルデヒドガスによる燻蒸は、人体への有害作用(発がん性)が強いため。昔は、ホルムアルデヒドガス燻蒸を行っていたが、現在は過酸化水素法が主流である。
問題48.術後に消化吸収障害を起こしやすいのはどれか。
1.肝切除
2.胃全摘
3.直腸切除
4.胆嚢摘出
解答2
解説
ダンピング症候群とは、胃切除後、摂取した食物が急速に小腸に流入するために起こる。2種類に分類され、①早期ダンピング症候群:食事中や直後(30分程度)にみられる早期と、②後期ダンピング症候群:食後2~3時間たってみられる後期(晩期)に分けられる。早期ダンピング症候群は、食物が腸に急速に流れ込むことで起こる。主な症状は、動悸、めまい、冷汗、顔面紅潮、全身倦怠感など。腹痛、下痢、悪心、嘔吐などの腹部症状がみられる場合もある。
1.× 肝切除後には、一時的な代謝障害は起こるが、消化吸収障害は主徴ではない。
・肝臓の働きは、①胆汁の生成とビリルビンの代謝、②血漿蛋白質と尿素の合成、③脂質代謝、④糖の貯蔵と放出、⑤ビタミンDの代謝、⑥ホルモンの代謝、⑦解毒・薬物の代謝である。
2.〇 正しい。胃全摘は、術後に消化吸収障害を起こしやすい。なぜなら、胃全摘により、①胃酸・ペプシンが消失→②たんぱく質の前消化が行えない→③胃の貯留・蠕動機能が失われる→④食物が急速に腸へ流入(ダンピング症候群)→⑥内因子欠乏によりビタミンB₁₂吸収が障害→⑦悪性貧血発症などの影響で、栄養素の消化・吸収が著しく低下するためである。
【胃全摘出術後にみられやすいもの】
①胃酸が不足することによる鉄の吸収障害。
②胃の壁細胞から分泌されるキャッスル内因子が減少することによるビタミンB12不足。
3.× 直腸切除では、便の貯留・排泄障害は起こるが、消化吸収障害は起こらない。なぜなら、直腸は便の一時的な貯留を担う器官であり、栄養素の吸収は行っていないため。
4.× 胆嚢摘出では、胆汁の貯留機能が失われるが、消化吸収障害は起こらない。なぜなら、胆嚢は、胆汁の貯蔵・濃縮を行う臓器であるため、摘出しても胆汁の分泌自体は維持されるため。
・胆嚢とは、胆汁を貯蔵し、必要に応じて腸に放出する役割を持つ臓器である。肝臓の右葉の下に位置し、長さは10cm、幅は4cm程度で、50〜60mlの胆汁を貯えることができる。
肝臓で合成されるアルカリ性の物質で、胆嚢で濃縮されたうえ、貯蔵される。胆汁中には消化酵素は存在しない。しかし、胆汁中に含まれる胆汁酸は乳化作用とミセル形成作用を有するため、脂肪の消化吸収に重要な役割を果たす。胆汁はビリルビン、胆汁酸、コレステロール、リン脂質からなり、消化酵素は含まれない。胆汁は消化酵素の働きを助ける作用がある。胆汁酸の働きは、脂肪を乳化し、消化・吸収させやすい形に変化させ、脂肪を分解吸収しやすくする。 さらに水に溶けない脂溶性ビタミンの吸収を助ける。排出された胆汁の大部分は小腸から吸収されて、他の吸収された栄養分と一緒に血管を通って肝臓に戻り、再利用される。 これを腸肝循環という。
問題49.正しいのはどれか。
1.血管縫合は外翻縫合である。
2.皮膚切開はランゲル皮膚割線に垂直に行う。
3.顔面の縫合創は約10日後に抜糸する。
4.ナイロン糸は吸収性縫合糸である。
解答1
解説
1.〇 正しい。血管縫合は外翻縫合である。なぜなら、血管を縫合する際に内膜が反転して内腔に突出すると、血栓形成や閉塞の原因となるため。したがって、縫合線上で内膜が正しく向かい合うように、外翻(外側にめくるように)して縫合する必要がある。
【縫合方法一覧】
筋膜・筋:筋肉自体は縫合しなくてもよい。
神経:神経鞘を縫合
血管:外翻縫合
消化管:内翻縫合
2.× 皮膚切開はランゲル皮膚割線に「垂直」ではなく平行に行う。
・ランゲルの皮膚割線とは、皮膚割線(※読み:ひふかっせん)のことである。人は受精卵から細胞分裂を繰り返して体を作るが、この細胞分裂の過程によって生じた細胞膜の跡をランゲルラインという。外科手術の際にランゲルラインに 沿ってメスを入れると線維を切断しないため、傷口がきれいで手術跡が目立たない。
3.× 顔面の縫合創は、「約10日後」ではなく約5日後に抜糸する。なぜなら、顔面は、血流が豊富で創傷治癒が早いため。また瘢痕を残さないことが重要な部位のため、長期間糸を留めると糸痕が残りやすい。一方、体幹部や四肢の抜糸は7~14日程度後に行われる。
4.× ナイロン糸は、「吸収性縫合糸」ではなく非吸収性縫合糸である。なぜなら、ナイロンは合成高分子で生体内で分解・吸収されず、長期間強度を保つため。
・吸収性縫合糸とは、吸収されて体内で消失する糸のことである。一定の期間は創部を維持する抗張強度を有し、加水分解などで経時的に吸収される。糸の種類によって、抗張強度維持期間と吸収期間が異なる。主な使用部位は、消化管・筋膜・筋層・皮下組織・尿路生殖器などである。
問題50.不適合輸血による初期症状で正しいのはどれか。
1.肝炎
2.下腿浮腫
3.無尿
4.発疹
解答4
解説
不適合輸血とは、血液型などの適合性を確認せず、患者と合わない血液を輸血してしまうことで起こる医療事故である。特にABO式血液型が不適合な場合、体内で急激な溶血反応が起こり、発熱、悪寒、血圧低下、腎不全などの重篤な症状を引き起こすことがある。適切な血液型判定と交差適合試験により予防可能である。
1.× 肝炎は、数週間~数か月後に発症する。なぜなら、輸血後肝炎(B型・C型など)は、輸血血液中のウイルス感染によって数週〜数か月後に発症する遅発性合併症であるため。
2.× 下腿浮腫は、不適合輸血の症状とはいえない。なぜなら、浮腫は、慢性的な心不全・腎不全・肝硬変などで循環血液量や蛋白代謝に変化した際にみられる症状であるため。
3.× 無尿は、重症例の後期症状である。なぜなら、不適合輸血により生じた溶血で、遊離ヘモグロビンが腎尿細管を障害し、急性腎不全を起こすため。
・無尿とは、1日の尿量が100mL以下となった状態である。重度の腎障害が起こっている可能性がある。
4.〇 正しい。発疹は、不適合輸血による初期症状(発疹・発熱・悪寒)である。なぜなら、抗原抗体反応によりヒスタミンやサイトカインが放出され、血管拡張や皮膚反応が起こるため。発疹や発熱が出た時点で直ちに輸血を中止し、ラインを確保して生理食塩水で維持することが求められる。
浮腫とは、体液のうち間質液が異常に増加した状態を指す。主に皮下に水分が貯留するが、胸腔に溜まった場合は胸水・腹腔に溜まった場合は腹水と呼ばれる。軽度の浮腫であれば、寝不足や塩分の過剰摂取、長時間の起立などが要因で起きることがある。病的な浮腫の原因はさまざまだが、①血漿膠質浸透圧の低下(低アルブミン血症など)、②心臓のポンプ機能低下による血液のうっ滞(心不全など)、③リンパ管の閉塞によるリンパ液のうっ滞、④血管透過性の亢進(アナフィラキシーショックなど)に大別することができる。
【低アルブミン血症の原因】①栄養摂取の不足(低栄養状態)、②肝臓における蛋白質合成能の低下、③腎臓から尿への蛋白質の大量喪失(ネフローゼ症候群)など。
国試オタク 