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問題116 病理検体の採取時に用いる固定液はどれか。
1.キシレン
2.ホルマリン
3.パラフィン
4.エオジン
解答2
解説
固定(ホルマリン) → 脱水 → 透徹(キシレン)→ 包埋(パラフィン)→ 薄切 → 染色という流れをたどる。
1.× キシレンとは、組織標本作製の過程で用いられる透徹剤(とうてつざい)である。脱水後の組織にしみ込ませてアルコールを除き、パラフィンが入りやすい状態にするために用いる。
2.〇 正しい。ホルマリンは、病理検体の採取時に用いる固定液である。固定液の役割は、採取した組織の蛋白を変性・架橋して、細胞や組織の形をできるだけ生体に近い状態で保つことである。たとえば、手術で摘出した胃や大腸の組織は、まずホルマリンで固定される。その後、標本作製の段階で
固定(ホルマリン) → 脱水 → 透徹(キシレン)→ 包埋(パラフィン)→ 薄切 → 染色という流れをたどる。
3.× パラフィンとは、固定後の組織を包み込んで薄切しやすくするための包埋材(ほうまいざい)であるため、採取時に使う固定液ではないからです。
病理標本では、固定した組織をそのまま薄く切ることは難しいため、パラフィンにしみ込ませて固めます。これをパラフィン包埋といいます。
つまり、パラフィンは組織を保存・支持して薄切可能にする材料であり、固定液そのものではありません。
4.× エオジンは、組織や細胞質を赤色~桃色に染める染色液である。病理組織学でよく使われるH-E染色の「E」にあたる色素である。
H-E染色とは、
①ヘマトキシリン:核を青紫色に染める
②エオジン:細胞質や間質を赤~桃色に染める
という、最も基本的な染色法である。
問題117 循環障害はどれか。
1.壊死
2.梗塞
3.肉芽
4.転移
解答2
解説
1.× 壊死とは、組織の一部が死に至ることである(組織の細胞死)。
2.〇 正しい。梗塞は、循環障害である。
・梗塞とは、動脈閉塞や静脈還流障害などにより血流が途絶え、組織が虚血に陥ることで生じる循環障害である。
3.× 肉芽とは、毛細血管に富んだ新生結合組織(幼若な結合組織)である。修復過程でみられる組織である。
4.× 転移とは、がん細胞が原発腫瘍から他の部位に広がる現象である。悪性腫瘍の特徴である。
問題118 女性に多いのはどれか。
1.胆嚢癌
2.胆管癌
3.肝細胞癌
4.肝内胆管癌
解答1
解説
1.〇 正しい。胆嚢癌は、女性に多い(男女比1:2)。なぜなら、女性では胆石ができやすく、胆嚢の中が長いあいだ刺激されやすいため。女性ホルモンや妊娠の影響で、胆汁の流れが滞りやすくなることが関係すると考えられている。
2.× 胆管癌は、男性に多い(男女比1.2:1)。なぜなら、胆汁の通り道に長く炎症が起きる病気や、たばこ、体重過多、糖尿病などが背景となるため。
3.× 肝細胞癌は、男性に多い(男女比2:1)。なぜなら、B型・C型肝炎、酒の飲み過ぎ、脂肪肝、糖尿病などが背景にあるため。
・肝細胞癌とは、肝臓の細胞ががん化したものである。肝細胞がんの発生には、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの感染、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪肝炎などによる、肝臓の慢性的な炎症や肝硬変が影響している。肝臓は、肝動脈と門脈の二重血流支配を受けており、肝細胞癌は主に肝動脈からの血流支配を受けている。そのため、肝細胞癌を支配する肝動脈を塞栓物質で血流遮断することで治療する。
4.× 肝内胆管癌は、男性に多い(男女比1.5:1)。なぜなら、肝臓の中の胆管が、肝炎、肝硬変、飲酒、たばこ、体重過多や糖尿病などで長く刺激されやすいため。肝臓の中の細い管が、何年も炎症と修理をくり返すうちに、細胞の作りが乱れてがんになりやすくなる。
問題119 疾患・症状と原因の組合せで正しいのはどれか。
1.ウィルソン(Wilson)病:鉄過剩
2.ヘモクロマトーシス:銅過剩
3.高血圧:ナトリウム不足
4.テタニー:カルシウム不足
解答4
解説
1.× ウィルソン(Wilson)病は、「鉄」ではなく銅過剩である。
・ウィルソン病とは、まれな遺伝性疾患(常染色体劣性遺伝)で、肝臓が正常時のように余分な銅を胆汁中に排泄せず、結果として肝臓に銅が蓄積して肝臓が損傷する病気である。銅は肝臓、脳、眼やその他の臓器に蓄積し、ウィルソン病の患者では、振戦(ふるえ)、発語困難、嚥下(えんげ)困難、協調運動障害、人格変化、肝炎がみられる。
2.× ヘモクロマトーシスは、「銅」ではなく鉄過剩である。
・ヘモクロマトーシスとは、鉄過剰症ともいい、体内の鉄の調節が崩れ、鉄が臓器に過剰に沈着して障害を引き起こす病気である。遺伝性の疾患が多く、腸管からの鉄吸収が過剰になることで全身の臓器に鉄が沈着し、肝硬変や糖尿病、皮膚の色素沈着などの症状を引き起こす。
3.× 高血圧は、ナトリウム「不足」ではなく過剰である。なぜなら、ナトリウムの過剰により、血液中の濃さを保つために水分が体内へ引き込まれ、血液量が増えるため。その後、血管の中を流れる量が増えて圧が上がり、心臓の負担も大きくなる。
4.〇 正しい。テタニー:カルシウム不足
・テタニーとは、自分の意志とは関係なく手足などの筋肉が 痙攣している状態である。甲状腺全摘術にて副甲状腺も一緒に切除された場合、(二次性)続発性副甲状腺機能低下症が起こる。続発性副甲状腺機能低下症では、副甲状腺ホルモン低下により低カルシウム血症となり、テタニーなどの症状が現れる。
問題120 1型糖尿病で障害される膵臓の細胞はどれか。
1.A(α)細胞
2.B(β)細胞
3.腺房細胞
4.膵管上皮細胞
解答2
解説
・1型糖尿病とは、原因が自己免疫異常によるインスリン分泌細胞の破壊などがあげられる糖尿病である。小児~思春期の発症が多く、肥満とは関係ないのが特徴である。
・2型糖尿病の原因は生活習慣の乱れなどによるインスリンの分泌低下である。
1.× A(α)細胞は、グルカゴンを分泌する細胞である。
・グルカゴンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるα細胞から分泌されるホルモンの一種で、①血糖上昇、②脂肪分解の作用がある。
2.〇 正しい。B(β)細胞は、1型糖尿病で障害される膵臓の細胞である。なぜなら、B(β)細胞はインスリンを分泌する細胞であるため。
・インスリンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞から分泌されるホルモンの一種で、①血糖低下、②脂肪合成の作用がある。
3.× 腺房細胞は、膵液中の消化酵素を分泌する外分泌細胞である。
4.× 膵管上皮細胞は、膵臓で作られた膵液を十二指腸へ運ぶ管の内面を覆う細胞である。
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