第34回(R8年)はり師きゅう師国家試験 解説【午前41~45】

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問題41 呼吸器疾患と症状の組合せで最も適切なのはどれか。

1.間質性肺炎:乾性咳嗽
2.細菌性肺炎:白色痰
3.気管支喘息:昼間の咳
4.COPD:発作性呼吸困難

解答

解説
1.〇 正しい。間質性肺炎:乾性咳嗽
なぜなら、間質性肺炎では、肺胞の壁や間質に炎症・線維化が起こり、痰の少ない乾いた咳が出やすいため。
・間質性肺炎とは、肺の間質組織の線維化が起こる疾患の総称で、慢性的かつ進行性の特徴を持つ。病因は、喫煙、職業上の曝露、感染、免疫不全などである。症状は咳、痰、呼吸困難などで、早期には特徴的な症状がないこともある。

2.× 細菌性肺炎は、「白色痰」ではなく膿性・黄緑色である。
なぜなら、痰の色が黄色や緑色に変化するのは、炎症細胞や壊れた細胞成分が混じるため
・細菌性肺炎とは、細菌が肺胞まで侵入して炎症を起こした状態である。症状としては、発熱、咳、痰絡み、息切れ、食欲低下、倦怠感などである。原因となる主な細菌は、肺炎球菌、インフルエンザ桿菌であり、治療は抗生物質を使用することが多い。

3.× 気管支喘息は、「昼間」ではなく夜間〜早朝に悪化する咳である。なぜなら、夜は副交感神経が優位になり、気道が狭くなるため。また、朝は、冷え込みによって、敏感になった気道に布団によるホコリやハウスダストなどで反応して喘息発作が起こる。

4.× COPDは、「発作性」ではなく慢性進行性呼吸困難である。
なぜなら、COPDは、息切れは徐々に進行していくのが基本であるため。
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)の最大の原因は喫煙であり、喫煙者の約20%がCOPDを発症する。慢性閉塞性肺疾患とは、以前には慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称である。他の特徴として、肺の過膨張、両側肺野の透過性亢進、横隔膜低位、横隔膜の平低化、滴状心などの特徴が認められる。進行性・不可逆性の閉塞性換気障害による症状が現れる。
増加:残気量・残気率・肺コンプライアンス・全肺気量・PaCO2
減少:一秒率・一秒量・肺活量・肺拡散能・PaO2

気管支喘息とは?

気管支喘息とは、主に気管支に炎症が起きている状態である。炎症により気管支が狭くなったり(狭窄)、刺激に対して過敏な反応を示したりする。喘息は乳幼児期に発症することが多く、全体の60~70%が2~3歳までに発症する。子どもの喘息の多くは思春期の頃には症状がよくなっていくが、そのうちの約30%は大人になっても続くといわれている。

【症状】
喘鳴、呼吸困難、呼気延長など(1秒率の低下)、アレルギー反応やウイルス感染が誘引となる。

【治療】気道の炎症を抑えて、発作が起きない状態にする。発作を繰り返すと、気道の粘膜が徐々に厚くなり、狭くなった気道が元に戻らなくなるため治療が難しくなる。そのため、日頃から気道の炎症を抑える治療を行い、喘息をコントロールすることが重要である。

 

 

 

 

 

問題42 消化管出血について正しいのはどれか。

1.上部消化管出血では下血を認めない。
2.胃からの出血ではコーヒー残渣様吐血をみる。
3.吐血を伴う腹痛には非ステロイド性鎮痛解熱薬を投与する。
4.免疫学的便潜血検査は獣肉の生食で陽性となる。

解答

解説

下血とは?

下血とは、肛門から黒い血が出ることである。黒い便(下血)の原因は、上部消化管、つまり食道、胃、十二指腸などの上部小腸からの出血である。

血便と下血は別のものであり、血便とは、赤い血が混じっている便である。赤い便(血便)は、下部消化管、すなわち回腸や大腸・肛門からの出血が原因である。

1.× 上部消化管出血では下血を「認める」。なぜなら、上部消化管出血において、腸管を通過した血液が黒色便(メレナ)として排出されるため。

2.〇 正しい。胃からの出血では、コーヒー残渣様吐血をみる。なぜなら、胃内に出た血液が胃酸に触れることで、赤いヘモグロビンが褐色のヘマチンに変化し、黒褐色でざらざらしたコーヒー残渣様に見えるため。
・吐物は、胃酸にさらされる時間が増えるほど、鮮血→黒褐色→コーヒー残渣様と変化する。食道などの出血は潜血となるが、胃内の吐物ではコーヒー残渣様である。

3.× 吐血を伴う腹痛に、非ステロイド性鎮痛解熱薬(NSAIDs)の投与は「控える」。なぜなら、非ステロイド性鎮痛解熱薬(NSAIDs)の投与により、胃・十二指腸粘膜障害や潰瘍、消化管出血の原因にもなりえるため。つまり、すでにある出血を悪化させうる。

4.× 免疫学的便潜血検査は、獣肉の生食で陽性となる「とはいえない」。なぜなら、免疫学的便潜血検査は、ヒトヘモグロビンに対する抗体で検出する検査であり、食事由来の動物血液や肉の影響を受けにくいため。
・免疫便潜血検査とは、便中にヒトの血液(ヘモグロビン)が含まれるかを調べ、大腸がんやポリープのリスクを判定する検査である。ヒトの血液のみを検出し、動物の血液には反応しないので、食事の影響を受けない。主に大腸がん検診で用いられ、がんやポリープなどによる出血の手がかりを見つける。

 

 

 

 

 

問題43 尿所見と病態の組合せで正しいのはどれか。

1.多尿:前立腺肥大
2.低比重:脱水
3.糖陽性:甲状腺機能低下
4.ケトン体陽性:飢餓

解答

解説
1.× 前立腺肥大は、「多尿」ではなく頻尿である。
・前立腺肥大とは、男性の膀胱の隣にある前立腺という臓器が大きくなっている状態で、排尿症状や蓄尿症状、排尿後症状などが現れる。原因ははっきりと断定できていないが、男性ホルモンの関与が指摘されている。また、肥満や高血圧、高血糖、脂質異常症なども関係があるといわれている。
・多尿とは、3,000 mL/日以上である(尿量そのものが増える状態)。

2.× 脱水は、「低比重」ではなく高比重である。なぜなら、脱水では体内の水分が不足するため。腎臓は水をできるだけ再吸収して尿を濃くし、その結果、尿比重は上昇する。
・比重とは、同じ体積の水と比べたときの重さの割合である。尿比重なら、尿に溶けている物質の濃さを示す。

3.× 甲状腺機能低下は、「糖陽性」ではなく糖陰性である。甲状腺機能亢進症の場合、糖陽性となる。なぜなら、甲状腺機能亢進症では、甲状腺ホルモンが過剰となり、体の代謝が高まるため。すると肝臓で糖が作られやすくなり、腸からの糖吸収も進み、血糖が上がりやすくなる。血糖が腎臓で再吸収できる量を超えると、糖が尿中に出る。したがって尿糖陽性となることがある。

4.〇 正しい。ケトン体陽性:飢餓
なぜなら、飢餓状態では糖の利用が不足し、体が脂肪を分解してエネルギーを作るため。ケトン体が増えて尿中にも出現する。

尿ケトンとは?

尿ケトン体とは、体内で脂質が代謝される際に生成される物質で、主に脂肪を燃焼するために使用される。特に、低糖質ダイエットや糖尿病の治療において、尿中に検出されることが多い。ちなみに、健常人の尿中ケトン体(主にアセト酢酸)は2mg/dL以下である。

 

 

 

 

 

問題44 血小板が増加するのはどれか。

1.出血
2.紫斑病
3.急性白血病
4.再生不良性貧血

解答

解説
1.〇 正しい。出血は、血小板が増加する。なぜなら、出血のあとには、骨髄が反応して血小板産生を高める反応性血小板増加症を起こしうるため。
・血小板とは、出血の際の一次止血や血液凝固機能に関与する。血液中の細胞成分である。したがって、血小板の数が少なすぎたり、機能に異常があると出血傾向となる。

2.× 紫斑病は、血小板が減少する。
・特発性血小板減少性紫斑病とは、血液中の血小板が減少することにより出血しやすくなる病気である。原因は不明であるが、体の中の免疫反応が過剰になり、自分の血小板を攻撃してしまうために、血小板が減少するといわれている。

3.× 急性白血病は、血小板が減少する。なぜなら、急性白血病では、白血病細胞が骨髄で増殖し、正常な造血が障害されるため。したがって、血小板産生が低下して血小板減少をきたす。
・急性白血病とは、骨髄の中にある幼若な血液細胞が癌化して白血病細胞となり骨髄の中で急速に分裂して数を増やす疾患である。白血病細胞が骨髄の中で増えてくる結果、骨髄の本来の機能である造血能が著しく障害される。初期症状として、発熱・貧血・出血傾向・骨痛・倦怠感がみられる。

4.× 再生不良性貧血は、血小板が減少する。なぜなら、再生不良性貧血では骨髄の造血機能そのものが低下し、赤血球・白血球・血小板のすべてが減少するため。
・再生不良性貧血とは、骨髄の造血幹細胞の減少と、それによる末梢血の汎血球減少を主徴とする症候群で、骨髄で血液が造られないために血液中 の赤血球、白血球、血小板のすべての血球が減ってしまう病気である。白血球(Tリンパ球)の働きが何らかの原因で異常をきたし、自分自身の造血幹細胞を攻撃して壊してしまうことが原因と考えられている。

 

 

 

 

 

問題45 登はん性起立がみられるのはどれか。

1.デュシェンヌ型筋ジストロフィー
2.重症筋無力症
3.中心性脊髄損傷
4.脳性麻痺

解答

解説

登はん性起立とは?

Gowers(ガワーズ)徴候(登はん性起立)は、床から起立する時、まず床に手をついて、お尻を高くあげ、次にひざに手をあてて、手の力を借りて立ち上がる。デュシェンヌ型筋ジストロフィーでみられる。

1.〇 正しい。デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、登はん性起立がみられる。なぜなら、登はん性起立は、近位筋(特に股関節周囲や大腿近位筋)の筋力低下で生じるため。
・Duchenne型筋ジストロフィーとは、幼児期から始まる筋力低下・動揺性歩行・登攀性歩行・仮性肥大を特徴とするX連鎖劣性遺伝病である。筋ジストロフィー症の中でもっとも頻度が高い。3歳頃に歩行や粗大運動の異常で気がつかれることが多い。

2.× 重症筋無力症とは、末梢神経と筋肉の接ぎ目(神経筋接合部)において、筋肉側の受容体が自己抗体により破壊される自己免疫疾患のこと。全身の筋力低下、易疲労性が出現し、特に眼瞼下垂、複視などの眼の症状をおこしやすいことが特徴(眼の症状だけの場合は眼筋型、全身の症状があるものを全身型と呼ぶ)。嚥下が上手く出来なくなる場合もある。重症化すると呼吸筋の麻痺をおこし、呼吸困難を来すこともある。日内変動が特徴で、午後に症状が悪化する。
クリーゼとは、感染や過労、禁忌薬の投与、手術ストレスなどが誘因となって、急性増悪し急激な筋力低下、呼吸困難を呈する状態のことである。

3.× 中心性脊髄損傷とは、頸椎の過伸展により頚髄中心部の灰白質が主として障害される。交通事故や高所からの転落による脊髄損傷と異なり、転倒など比較的軽微な外傷でも生じ、明らかな骨折や脱臼を伴わない例も少なくない。高齢者に多く、男女で比べると男性に多い。また、多くの場合基礎疾患として、後縦靭帯硬化症や脊柱管狭窄症を有している。下肢より上肢に運動障害が強く、受傷後の回復も下肢が早い。知覚障害は正常かあっても軽度であるが、上肢の痙縮は強いことが多く、手指の巧緻性低下により更衣動作や整容動作といったADLに影響が及ぶ。

4.× 脳性麻痺とは、お腹の中にいる間から、生後4週間までの間に発生した脳への損傷によって引き起こされる運動機能の障害を指す。失調型やアテトーゼ型などのタイプがある。アテトーゼ型は、麻痺の程度に関係なく四肢麻痺であるが上肢に麻痺が強い特徴を持つ。錐体外路障害により動揺性の筋緊張を示す。筋緊張は低緊張と過緊張のどちらにも変化する。他にも、特徴として不随意運動が主体であることや、原始反射・姿勢反射が残存しやすいことがあげられる。

 

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