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問題101.誤っているのはどれか。
1.うっ血は静脈血の還流障害によって起こる。
2.肝うっ血では小葉辺縁帯にうっ血が強い。
3.肺うっ血は左心不全によって起こる。
4.肝硬変で門脈圧は亢進する。
解答2
解説
心不全は、心臓のポンプ機能低下のため末梢組織の酸素需要に見合った血液量を供給できない状態である。心不全は、どこにうっ血が強く出るかで以下のように分類される。
・左心不全:肺循環系にうっ血が著明なもの。
→症状:呼吸困難(労作時・夜間)、起座呼吸、尿量減少、血性泡沫状痰など。
・右心不全:体循環系(体静脈圧↑:右室拡張末期圧↑)にうっ血が著明なもの。
→症状:頸静脈怒張、胸水・腹水、下腿浮腫、肝腫大など。
●共通してみられる症状:チアノーゼ、倦怠感など。
左心不全では肺うっ血による低酸素血症が原因で、右心不全でも進行すると心拍出量低下のためチアノーゼが見られる。
1.〇 正しい。うっ血は、静脈血の還流障害によって起こる。
・うっ血とは、静脈血が組織や臓器にうっ滞している状態である。
・肺うっ血とは、心不全などの循環不全により、肺に血流がうっ滞する状態を示す。
2.× 肝うっ血では、「小葉辺縁帯」ではなく小葉中心帯にうっ血が強い。なぜなら、肝小葉の静脈血は中心静脈へ流出するため。したがって、静脈側のうっ滞は中心静脈周囲(小葉中心帯)に最も集積する。ちなみに、門脈域(小葉辺縁帯)は、動脈・門脈血の流入側であり、静脈うっ滞の影響は相対的に少ない。
3.〇 正しい。肺うっ血は、左心不全によって起こる。なぜなら、左心系のポンプ不全で肺静脈圧が上昇するため。したがって、肺毛細血管内圧が高まり間質肺胞への液体漏出(肺水腫)が進行する。
・左心不全とは、肺循環系にうっ血が著明なもので、症状として、呼吸困難、起座呼吸、尿量減少など)が生じる。原因として、左室の拍出量が減少することで生じることが多い。
4.〇 正しい。肝硬変で門脈圧は亢進する。なぜなら、肝硬変で類洞内・肝内静脈系の線維化と結節化により血流抵抗が増大するため。したがって、門脈から肝への流入が妨げられ門脈圧が上昇(門脈圧亢進)する。
問題102.誤っているのはどれか。
1.多血症では血栓形成が起こりやすい。
2.静脈血栓症の好発部位は上肢の静脈である。
3.血栓は血流が緩徐な部分で形成されやすい。
4.播種性血管内凝固症候群ではフィブリン微小血栓の形成がみられる。
解答2
解説
1.〇 正しい。多血症では、血栓形成が起こりやすい。なぜなら、血液粘稠度の上昇と過凝固状態が生じるため。
・多血症とは、血液の中の赤血球やヘモグロビンの量が基準値よりも多くなる病気のことをいう。多血症には、①肥満、高血圧、緊張によるストレス多血症、②アルコール多飲や脱水による循環血症量の減少による相対的多血症、③喫煙や肺疾患による低酸素血症による多血症、④JAK2遺伝子の後天的変異による真性多血症や造血ホルモン産生腫瘍による2次性多血症があげられる。
2.× 静脈血栓症の好発部位は、「上肢」ではなく下肢の静脈である。なぜなら、重力・静脈弁・筋ポンプの影響で下肢はうっ滞が生じやすいため。
・深部静脈血栓症とは、長時間の安静や手術などの血流低下により下肢の静脈に血栓が詰まってしまう病気である。下肢の疼痛、圧痛、熱感などの症状がみられる。ほかのリスク因子として、脱水や肥満、化学療法などがあげられる。
3.〇 正しい。血栓は、血流が緩徐な部分で形成されやすい。
・血栓とは、血管内において形成される凝血塊。血栓によって生じる病態を総称して血栓症という。 正常な状態では血液の凝固の促進が体内で調節されており、出血時に血栓を形成して止血される。止血が完了し障害された部位が修復されると血栓は消える。これを線溶作用という。
4.〇 正しい。播種性血管内凝固症候群ではフィブリン微小血栓の形成がみられる。なぜなら、全身で凝固が無秩序に活性化し、微小血管内にフィブリン血栓が散在性に形成されるため。
・播種性血管内凝固症候群とは、小さな血栓が全身の血管のあちこちにできて、細い血管を詰まらせる病気である。血液凝固が増加することで出血の抑制に必要な血小板と凝固因子を使い果たしてしまい、過度の出血を引き起こす。感染、手術、出産時の合併症など、考えられる原因はいくつかある。妊娠高血圧症候群性の常位胎盤早期剥離では播種性血管内凝固症候群〈DIC〉を発生することが多い。
問題103.創傷治癒過程の出現順序で正しいのはどれか。
1.肉芽形成→瘢痕→線維化
2.線維化→瘢痕→肉芽形成
3.肉芽形成→線維化→瘢痕
4.線維化→肉芽形成→瘢痕
解答3
解説
血餅とは、傷ができたときにできる「かさぶた」と同じようなものであり、 歯を抜いた場所に、できる血の塊のことである。
①血液凝固期(術後~数時間後):出血による凝固塊が欠損をふさいで止血する時期である。
②炎症期(術直後~3日目ころ):炎症性細胞(好中球、単球、マクロファージなど)が傷に遊走して、壊死組織や挫滅組織などを攻める時期である。
③増殖期(3日目~2週間後):線維芽細胞が周辺から遊走して、細胞外マトリックスを再構築し、血管新生が起こり、肉芽組織が形成される時期である。
④成熟期(2週間~数か月後)(再構築期:リモデリング期):線維芽細胞が減り、線維細胞へと成熟し変化するじきである。コラーゲンの再構築が起き、創部の抗張力が高くなることで創傷が治癒していく。
1.× 肉芽形成→瘢痕→線維化
2.× 線維化→瘢痕→肉芽形成
4.× 線維化→肉芽形成→瘢痕
これらは、創傷治癒過程の出現順序に当てはまらない。
3.〇 正しい。肉芽形成→線維化→瘢痕
・肉芽組織はマクロファージ・線維芽細胞・新生血管から成り、壊死組織を置換する。続いて線維芽細胞がコラーゲン(主にⅠ型)を沈着させて線維化が進み、最終的に血管が減少・収縮し成熟した瘢痕となる。
肉芽組織は、組織の損傷後に形成される再生・修復過程の一環として生じる新生組織である。この組織は、傷を埋め、治癒を促進するために重要な役割を果たす。肉芽組織の特徴は、豊富な毛細血管、新生の血管網、炎症細胞、線維芽細胞などで構成されている。
問題104.正しい組合せはどれか。
1.ジフテリア菌:出血性炎
2.結核菌:ゴム腫
3.らい菌:肉芽腫性炎
4.淋菌:乾酪壊死
解答3
解説
1.× ジフテリア菌は、「出血性炎」ではなく毒素によって偽膜形成性壊死性炎が起こる。
・ジフテリア菌とは、鼻やのどの粘膜に感染して重い感染症を引き起こす細菌である。ジフテリア菌は、患者や無症候性保有者の咳などに含まれるジフテリア菌を吸い込むことによって感染する。
2.× 結核菌は、「ゴム腫」ではなく乾酪壊死性肉芽腫が起こる。ゴム腫は、梅毒の第3期に特徴的な肉芽腫である。
・肺結核とは、結核菌による感染症で、体の色々な臓器に起こることがあるが多くは肺のことである。結核菌は、喀痰の中に菌が出ている肺結核の患者と密閉空間で長時間(一般的には数週間以上)接触することにより空気感染でうつる。リンパ節結核や脊椎カリエス(骨の結核)など、肺に病気のない結核患者からはうつらない。また肺結核でも、治療がうまくいって喀痰の中に菌が出ていない患者さんからはうつることはない。また、たとえ感染しても、発病するのはそのうち1割ぐらいといわれており、残りの9割の人は生涯何ごともなく終わる。感染してからすぐに発病することもあるが、時には感染した後に体の免疫が働いていったん治癒し、その後数ヶ月から数十年を経て、免疫が弱ったときに再び結核菌が増えて発病することもある。結核の症状には、咳、痰、血痰、熱、息苦しさ、体のだるさなどがある。
3.〇 正しい。らい菌:肉芽腫性炎
・ハンセン病とは、らい病とも呼ばれ、らい菌が体内に入り(感染)、引き起こされる(発症)病気である。痒みや痛みなどの自覚症状のない治りにくい皮疹で、白斑、紅斑、環状紅斑、結節など多彩である。成人の場合、日常生活の中で感染することはない。また感染したとしても発症は非常にまれである。
・肉芽腫性炎とは、増殖性炎症の一つであり、肉芽腫(マクロファージ、類上皮細胞、多核巨細胞の増生からなる結節性の肉芽)の形成が特徴である。肉芽腫は慢性炎症などで見られる。
4.× 淋菌は、「乾酪壊死」ではなく急性化膿性炎が起こる。乾酪壊死は、慢性肉芽腫性炎(結核など)に特徴的である。
・淋菌とは、淋菌感染症の原因菌で、性感染症のひとつである。淋菌は弱い菌で、患者の粘膜から離れると数時間で感染性を失い、日光、乾燥や温度の変化、消毒剤で簡単に死滅する。したがって、性交や性交類似行為以外で感染することはまれである。女性では男性より症状が軽くて自覚されないまま経過することが多く、また、上行性に炎症が波及していくことがある。米国ではクラミジア感染症とともに、骨盤炎症性疾患、卵管不妊症、子宮外妊娠、慢性骨盤痛の主要な原因となっている。その他、咽頭や直腸の感染では症状が自覚されないことが多く、これらの部位も感染源となる。淋菌感染症は何度も再感染することがある。
梅毒とは、5類感染症の全数把握対象疾患であり、スピロヘータ(細菌)の一種である梅毒トロポネーマ感染により発症し、この梅毒トロポネーマが脳の実施まで至ると、進行性麻痺となる。性行為や胎盤を通じて感染する。梅毒に特徴的な症状として、陰茎・外陰部を中心に生じる無痛性の硬結(指で触れることのできる硬い丘疹)やバラ疹(全身にできる淡い紅斑)などがあり、進行すると神経系の病変を生じて死に至ることもある。
【臨床的特徴】
Ⅰ期梅毒:感染後3~6週間の潜伏期の後に、感染局所に初期硬結や硬性下疳、無痛性の鼠径部リンパ節腫脹がみられる。
Ⅱ期梅毒:感染後3か月を経過すると皮膚や粘膜に梅毒性バラ疹や丘疹性梅毒疹、扁平コンジローマなどの特有な発疹が見られる。
経過晩期:感染後3年以上を経過すると顕症梅毒としてゴム腫、梅毒によると考えられる心血管症状、神経症状、眼症状などが認められることがある。なお、感染していても臨床症状が認められないものもある。先天梅毒は、梅毒に罹患している母体から出生した児で、①胎内感染を示す検査所見のある症例、②Ⅱ期梅毒疹、骨軟骨炎など早期先天梅毒の症状を呈する症例、③乳幼児期は症状を示さずに経過し、学童期以後にHutchinson3徴候(実質性角膜炎、内耳性難聴、Hutchinson歯)などの晩期先天梅毒の症状を呈する症例がある。また、妊婦における梅毒感染は、先天梅毒のみならず、流産及び死産のリスクとなる。(※一部引用:「梅毒」厚生労働省HPより)
問題105.Ⅳ型アレルギー(遅延型過敏反応)はどれか。
1.花粉症
2.RH不適合輸血
3.ツベルクリン反応
4.血清病
解答3
解説

(※引用:「アレルギー総論」厚生労働省HPより)
1.× 花粉症は、Ⅰ型(即時型)アレルギー反応である。
・花粉症とは、植物の花粉が原因(アレルゲン)となって、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を起こす病気である。花粉症は、スギやヒノキなど植物の花粉がアレルゲンとなり生じる。Ⅰ型アレルギーではマスト細胞や好塩基球のIgEによる液性免疫が重要な役割を果たす。
2.× RH不適合輸血は、Ⅱ型(細胞障害型)アレルギー反応である。
・Rh不適合輸血とは、Rh陰性の人にRh陽性血液を輸血することで起こる免疫反応である。体内で抗Rh抗体(IgG)が作られ、抗体が赤血球表面の抗原に結合する。これはⅡ型(細胞障害型)アレルギー反応で、補体活性化などにより赤血球が破壊(溶血)され、発熱や腎障害などを引き起こす。
3.〇 正しい。ツベルクリン反応は、Ⅳ型アレルギー(遅延型過敏反応)である。
・ツベルクリン反応とは、Ⅳ型アレルギーの反応を利用した検査である。細胞性免疫を司るTリンパ球と抗原物質であるツベルクリンとの特異的結合によって発赤などが起こる反応である。結核菌から精製した抗原を皮内投与し、接種部位に出現する発赤・硬結の直径を48時間後に測定して、感染を診断する検査である。結核に罹患している患者では、結核菌の成分(抗原)で感作されたT細胞(Tリンパ球)がすでに体内に存在しているため、投与した抗原に反応してサイトカイン放出と細胞性免疫により、発赤・硬結が出現する。
4.× 血清病は、Ⅲ型(免疫複合体型)アレルギー反応である。
・血清病とは、動物由来の抗毒素などのタンパク質を体内に入れたとき、免疫反応により発熱・発疹・関節痛などが起こるアレルギー反応である。主に投与から1〜2週間後に症状が現れ、一時的なものですが注意が必要である。
国試オタク 
