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問題91.前腕を回外するのはどれか。
1.肘筋
2.上腕筋
3.上腕二頭筋
4.上腕三頭筋
解答3
解説
1.× 肘筋の【起始】上腕骨の外側上顆の後面、肘関節包、【停止】尺骨後縁後面の上部、【作用】肘関節の伸展を助ける、【神経】橈骨神経である。
2.× 上腕筋の【起始】上腕骨の内側および外側前面の下半、内・外側の筋間中隔、肘関節包前面(広い)、【停止】鈎状突起と尺骨粗面(肘関節包)、【作用】肘関節屈曲、【支配神経】筋皮神経(外側は橈骨神経)である。
3.〇 正しい。上腕二頭筋は、前腕を回外する。
・上腕二頭筋の【起始】長頭:肩甲骨の関節上結節、短頭:肩甲骨の烏口突起、【停止】橈骨粗面、腱の一部は薄い上腕二頭筋腱膜となって前腕筋膜の上内側に放散、【作用】肘関節屈曲、回外(長頭:肩関節外転、短頭:肩関節内転)、【神経】筋皮神経である。
4.× 上腕三頭筋の【起始】内側頭:上腕骨後面の橈骨神経溝の下方の大部分(広い)、両側の筋間中隔、外側頭:上腕骨橈骨神経溝の上方、長頭:肩甲骨の関節下結節、【停止】尺骨の肘頭、【作用】肘関節伸展、肩関節伸展、【神経】橈骨神経である。
問題92.安定性のよい立位姿勢の条件はどれか。
1.重心の位置が高い。
2.支持基底の面積が狭い。
3.重心腺が支持基底内の中心に近い。
4.床との接触面の摩擦抵抗が小さい。
解答3
解説
ボディメカニクスとは、「body=身体」と「mechanics=機械学」の造語で、人間が動作するときに骨や筋肉、関節が相互にどのように作用するかといった力学的関係を活用したものである。介護を行うときには、介護者の負担の軽減のためにも身につけておきたい。
①重心の高さは、低い方が安定する。
②支持基底面の広さは、広い方が安定する。
③摩擦抵抗の有無は、有った方が踏ん張りが効き安定する。
④支持基底面と重心の距離は、短い方が足腰への負担は少ない。
1.× 重心の位置が「高い」ではなく低いほど安定性は高い。なぜなら、重心が高いほどわずかな外力(揺れや傾き)で、重心線が支持基底面から外れやすいため。
2.× 支持基底の面積が「狭い」ではなく広いほど安定性は高い。なぜなら、重心線が支持基底面の範囲内に留まりやすいため。
3.〇 正しい。重心腺が支持基底内の中心に近いほど安定性は高い。なぜなら、重心線が支持基底内の中心に近いほど、わずかな外力や姿勢変化でも基底外に出にくいため。
4.× 床との接触面の摩擦抵抗が「小さい」ではなく大きいほど安定性は高い。なぜなら、摩擦抵抗が小さいと、足底が滑りやすいため。
問題93.成人の錐体路障害時に出現する病的反射はどれか。
1.バビンスキー反射
2.手掌把握反射
3.ランドウ反射
4.交差性伸展反射
解答1
解説
病的反射とは、原始的な反応への退行であり、大脳皮質からの抑制が消失していることを意味する。例えば、バビンスキー反射の出現などである。中枢側にある上位運動ニューロンが傷害され、その下位運動ニューロンに対する抑制が消失し、正常では認められないような反射である。
1.〇 正しい。バビンスキー反射は、成人の錐体路障害時に出現する病的反射である。
・バビンスキー反射とは、下肢の病的反射で、皮膚への刺激によって母趾がゆっくりと背屈すれば陽性(母趾現象または伸展足底反射)ときには他の4指が開く(開扇現象)。正常では足底反射より母趾屈曲が起こる。
2.× 手掌把握反射とは、出生時からみられ生後4か月ころに消失する反射である。児が指を開いているときに指で手のひらを刺激すると、指を握りしめようとする反射で、代表的な原始反射のひとつである。
3.× ランドウ反射は、第1相:0~6週、第2相:7週~3、4 ヵ月、第3相:6 ヵ月から1~2歳で統合される。乳児の腹部を検者の手掌で支えて水平にすると、頭を上げ体幹をまっすぐにし,さらに下肢を伸展する。3つの頭部の立ち直り反応すべての効果が合わさった反応である。第1相:頸部、体幹軽度屈曲、四肢軽度屈曲。第2相:頸部水平、体幹軽度屈曲、四肢軽度屈曲。第3相:頸部伸展挙上、体幹伸展、四肢伸展傾向。
4.× 交差性伸展反射とは、脊髄レベルの姿勢反射である。【刺激と反応】検者が一側下肢を伸展させ、同側の足底を刺激すると反対側の下肢が屈曲し、その後に刺激を与えている検者の手を払いのけるように伸展・交差する。【出現と消失時期】胎児期後期から、生後1、2 ヵ月まで。
原始反射は知覚や姿勢に入力された刺激が大脳の指令を受けずに脊髄や脳幹レベルで処理されることで、無意識下で筋肉が動く現象である。随意運動が発達すると徐々に原始反射は消失する。これは、新生児期の反射中枢は脊髄レベルであり、月齢とともに、脳幹部、中脳、大脳皮質と反射中枢は高次に達するため。
問題94.スキップ動作が遂行可能となる年齢はどれか。
1.2歳
2.3歳
3.5歳
4.7歳
解答3
解説
1.× 2歳は、「その場でジャンプ」が獲得できる時期である。
2.× 3歳は、早い時期の子は「片足とび」が獲得し始める時期である。4歳頃になると、ほとんどの子が「片足とび」を獲得できる。
3.〇 正しい。5歳は、スキップ動作が遂行可能となる年齢である。スキップは、「片足とび+交互のリズム+バランス制御」が必要となる。これらが獲得できるのが、5歳前後である。
4.× 7歳(小学校入学期)は、すでにスキップを獲得済みといえる。

(※図引用:「日本版デンバー式発達スクリーニング検査」)
問題95.運動学習で誤っているのはどれか。
1.学習は比較的永続する変化である。
2.学習は結果として行動に変化を起こす。
3.学習は経験または練習の結果として生じる。
4.学習を直接観察することができる。
解答4
解説
運動学習とは、「熟練パフォーマンスの能力に比較的永続的変化を導く練習や経験に関連した一連の過程であるのこと」と定義されている。例えば、訓練や練習を通して獲得される運動行動の変化で、状況に適した協調性が改善していく過程である。感覚運動学習とも呼ぶ。運動学習をする際には、①口頭指示(文字のみ)→②模倣→③介助(誘導)の順で難易度が下がっていく。
1.〇 正しい。学習は比較的永続する変化である。なぜなら、学習は単なる疲労や気分の変化ではなく、経験や練習を通して神経系や運動パターンが適応的に変化することを意味するため。
2.〇 正しい。学習は結果として行動に変化を起こす。なぜなら、学習自体は直接観察できないため。しかし、その結果として、行動・運動・判断などの変化が見られることで、学習が起こったと推定できる。
3.〇 正しい。学習は経験または練習の結果として生じる。なぜなら、学習は偶然起こるものではないため。経験や反復練習によって、神経回路や行動パターンが変化して定着する。
4.× 学習を直接観察することが「できない」。なぜなら、学習は、中枢神経系の情報処理・記憶形成など内部過程の変化であるため。つまり、外部から直接見えるものではない。観察できるのは、その結果としての行動・運動・反応の変化である。
国試オタク 