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問題86.橋に神経核がある脳神経はどれか。
1.動眼神経
2.外転神経
3.滑車神経
4.舌咽神経
解答2
解説
【中脳】
Ⅲ:動眼
Ⅳ:滑車
【橋】
Ⅴ:三叉
Ⅵ:外転
Ⅶ:顔面
Ⅷ:前庭
【延髄】
Ⅸ:舌咽神経
Ⅹ:迷走神経
Ⅺ:副神経
Ⅻ:舌下神経
1.× 動眼神経は、中脳に神経核がある。
2.〇 正しい。外転神経は、橋に神経核がある。
3.× 滑車神経は、中脳に神経核がある。
4.× 舌咽神経は、延髄に神経核がある。
問題87.アキレス腱反射で正しいのはどれか。
1.多シナプス反射である。
2.脳幹反射である。
3.伸張反射である。
4.表在反射である。
解答3
解説
1.× 「多」ではなく単シナプス反射である。なぜなら、アキレス腱反射は筋紡錘からの求心性Ia線維が脊髄前角のα運動ニューロンに単シナプスで接続しており、介在ニューロンを介さないため。
・多シナプス反射とは、筋を弛緩するため、抑制性ニューロンを介在しなければならない反射である。例えば、屈曲反射(逃避反射)である。
2.× 「脳幹反射」ではなく脊髄反射である。例えば、S1神経根障害(例:椎間板ヘルニア)の場合、アキレス腱反射が減弱または消失する。これは脊髄レベルでの反射弓障害によるためである。
・脳幹反射とは、対光反射、角膜反射、毛様脊髄反射、眼球頭反射、前庭反射、咽頭反射、咳反射である。
3.〇 正しい。伸張反射である。
・伸張反射とは、外力により急に筋が引き伸ばされるとその筋が収縮する反射のことである。この反射は、筋肉の過伸長や損傷を防ぐために働く。伸張反射は、筋紡錘に存在する一次終末からのIa線維を介してα運動ニューロンにシナプスを形成するもので、単シナプス性の反射経路をとる。筋を伸張すると筋紡錘も引き伸ばされ、感覚神経の終末が変形する。この機械的刺激が感覚神経に求心性発射活動を引き起こす。
4.× 「表在反射」ではなく深部腱反射である。
・深部腱反射とは、ゴムハンマー等で腱を叩いた刺激に反応して起こる不随意かつ瞬間的な筋肉の収縮である。
・表在反射とは、皮膚や粘膜を刺激することでみられる反射のことで、消失により錐体路障害を示す徴候である。
問題88.随意運動発現の情報伝達で正しいのはどれか。
1.大脳辺縁系→大脳運動野→大脳連合野→脊髄
2.大脳連合野→大脳運動野→大脳辺縁系→脊髄
3.大脳運動野→大脳辺縁系→大脳連合野→脊髄
4.大脳辺縁系→大脳連合野→大脳運動野→脊髄
解答4
解説
1.× 大脳辺縁系→大脳運動野→大脳連合野→脊髄
2.× 大脳連合野→大脳運動野→大脳辺縁系→脊髄
3.× 大脳運動野→大脳辺縁系→大脳連合野→脊髄
これらは、随意運動発現の情報伝達とはいえない。
4.〇 正しい。大脳辺縁系→大脳連合野→大脳運動野→脊髄が、随意運動発現の情報伝達である。なぜなら、動機(大脳辺縁系)→計画・目標・順序・感覚統合に翻訳(大脳連合野)→運動プログラムを作成(大脳運動野)→出力(脊髄)の順であるため。
・大脳辺縁系とは、脳梁を取り囲むように大脳の内側部に存在し、本能・情動・記憶などを司る構造物の総称である。構成要素としては、辺縁葉(梁下野、帯状回、海馬傍回)、海馬、扁桃体、乳頭体、中隔核などがあげられる。
・大脳連合野とは、さまざまな異なった情報を統合し、判断、記憶するとともに、その情報に応じて適切な指令を出す高度な機能を営む。運動野と感覚野を除いた脳の部分を大脳連合野を指す。
・大脳運動野とは、大脳皮質の中で運動に特異的に関係している領域をいう。
問題89.肩関節屈曲に働くのはどれか。
1.大胸筋鎖骨部
2.三角筋後部
3.大円筋
4.上腕二頭筋長頭
解答1
解説
1.〇 正しい。大胸筋鎖骨部は、肩関節屈曲に働く。
大胸筋の【起始】鎖骨部:鎖骨内側1/2~2/3、胸肋部:胸骨前面と上5~7個の肋軟骨、腹部:腹直筋鞘前葉の表面、【停止】上腕骨の大結節稜、【作用】肩関節内転・内旋、鎖骨部:肩甲骨屈曲、腹部:肩関節下制である。
2.× 三角筋後部は、肩関節伸展に働く。
・三角筋の【起始】肩甲棘、肩峰、鎖骨の外側部1/3、【停止】上腕骨三角筋粗面、【作用】肩関節外転、前部は屈曲、後部は伸展、【支配神経】腋窩神経:(C4),C5,C6である。
3.× 大円筋の【起始】肩甲骨の下角部、棘下筋膜下部外面、【停止】上腕骨の小結節稜、【作用】肩関節内転、内旋、伸展、【神経】肩甲下神経である。
4.× 上腕二頭筋長頭は、肩関節外転に働く。
・上腕二頭筋の【起始】長頭:肩甲骨の関節上結節、短頭:肩甲骨の烏口突起、【停止】橈骨粗面、腱の一部は薄い上腕二頭筋腱膜となって前腕筋膜の上内側に放散、【作用】肘関節屈曲、回外(長頭:肩関節外転、短頭:肩関節内転)、【神経】筋皮神経である。
問題90.スカルパ三角を構成しないのはどれか。
1.半膜様筋
2.長内転筋
3.鼡径靭帯
4.縫工筋
解答1
解説

(※図引用:ながさき整骨院HP様)
スカルパ三角とは、①鼠径靭帯、②縫工筋内側縁、③長内転筋外側縁によって囲まれる領域のことである。外側から、大腿神経→大腿動脈→大腿静脈→リンパ節の順に走行する。
1.× 半膜様筋は、スカルパ三角を構成しない。
・半膜様筋の【起始】坐骨結節、【停止】脛骨粗面、脛骨内側顆の後部、斜膝窩靭帯、膝窩筋筋膜、【作用】股関節伸展、内転、内旋、膝関節屈曲である。
2.〇 長内転筋は、スカルパ三角の構成要素である。
・長内転筋の【起始】恥骨結節の下方、【停止】大腿骨粗線内側唇の中部1/3、【作用】股関節内転、屈曲、【神経】閉鎖神経前枝:L2~L4である。
3.〇 鼡径靭帯は、スカルパ三角の構成要素である。
・鼡径靭帯とは、上前腸骨棘から恥骨結節にかけて斜め走る靭帯である。
4.〇 縫工筋は、スカルパ三角の構成要素である。
・縫工筋の【起始】上前腸骨棘、【停止】脛骨粗面の内側(鵞足を形成)、【作用】股関節屈曲、外転、外旋、膝関節屈曲、内旋である。
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