第24回(H28年)柔道整復師国家試験 解説【午前56~60】

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問題56.聴覚を伝える神経はどれか。

1.反回神経
2.蝸牛神経
3.前庭神経
4.大耳介神経

解答

解説
1.× 反回神経は、運動神経、知覚神経を含む混合神経で声帯嚥下機能を司っている。前枝は喉頭粘膜、声帯裂、甲状披裂筋、外側輪状披裂筋に分布する。後枝は後輪状披裂筋、横披裂筋、斜披裂筋に分布する。喉から胸にかけて走行する。

2.〇 正しい。蝸牛神経は、聴覚を伝える神経である。
・蝸牛神経とは、聴神経ともいわれ音を脳へ伝える神経である。蝸牛神経と前庭神経を内耳神経といい、内耳道を通る。

3.× 前庭神経は、平衡感覚を伝える神経である。
前庭神経は、半規管や前庭の感覚器から入力を受け、体のバランスや頭部の位置情報を脳幹へ伝える。

4.× 大耳介神経は、頚神経叢の枝であり、耳介とその周辺の皮膚の感覚を司る神経である。大耳介神経の分布領域は広く、側頭部から耳介後部を経て後頭部、顔面の三叉神経第3枝領野と第2枝領野の一部、顎下部などに及んでいる。

(※図引用:「イラストでわかる歯科医学の基礎 第4版 」永未書店HPより)

 

 

 

 

 

問題57.腹腔神経節でニューロンをかえるのはどれか。

1.脳神経
2.脊髄神経
3.交感神経
4.副交感神経

解答

解説
1.× 脳神経は、主に頭頸部を支配し、副交感神経を含む一部(動眼・顔面・舌咽・迷走神経)は頭蓋内や頭頸部の副交感神経節でシナプスを行う。例えば、動眼神経は毛様体神経節で、顔面神経は翼口蓋神経節や顎下神経節でニューロンをかえる。

2.× 脊髄神経は、体性運動・体性感覚を伝える。脊髄神経は体性神経であり、自律神経節とは関係ない。

3.〇 正しい。交感神経は、腹腔神経節でニューロンをかえる(※下図参照)。交感神経の節前線維は胸髄・腰髄から出て交感神経幹を経由し、腹腔神経節でシナプスを行い、節後線維として腹腔内臓器に分布する。

4.× 副交感神経は、臓器近傍や壁内神経叢でシナプスを行う。

(今井昭一:薬理学.標準看護学講座5、金原出版、1998より改変)

 

 

 

 

 

問題58.耳管が連絡するのはどれか。

1.耳介:鼓膜
2.中耳:咽頭
3.内耳:鼻腔
4.外耳:中耳

解答

解説

(※図引用:「耳の構造・説明図」illustAC様より)

1.× 耳介:鼓膜
耳介は、外耳の一部で、外耳道を経て鼓膜に続く。

2.〇 正しい。中耳:咽頭は、耳管が連絡する。
・耳管とは、鼓膜の前壁から始まり、中耳と上咽頭を連絡する管である。中耳にあり、①鼓室内の圧調整、②惨出液を咽頭へ流す機能がある。

3.× 内耳:鼻腔
内耳は、蝸牛・前庭・半規管からなり、聴覚と平衡感覚に関与する閉鎖空間である。鼻腔との連絡はない

4.× 外耳:中耳
外耳と中耳を隔てているのは鼓膜である。

 

 

 

 

 

問題59.体表から触れるのはどれか。

1.顎動脈
2.舌動脈
3.後頭動脈
4.腕頭動脈

解答

解説
1.× 顎動脈は、体表から触れない。なぜなら、深部に位置するため。顎動脈は外頸動脈の枝で、顎の深部(翼突筋や咀嚼筋の間)を走行する。深部に位置するため、体表からの触診はできない。

2.× 舌動脈は、体表から触れない。なぜなら、深部に位置するため。舌動脈は外頸動脈の枝で、顎下腺の深部を通り、舌の中へ入る。

3.〇 正しい。後頭動脈は、体表から触れる。後頭動脈は外頸動脈の枝で、耳介後部から後頭部の頭皮を走行する。浅い位置にあるため、触診で拍動を確認できる。

4.× 腕頭動脈は、体表から触れない。なぜなら、深部に位置するため。腕頭動脈は、大動脈弓の分枝で、胸骨の後方を走行して右総頸動脈と右鎖骨下動脈に分かれる。

(※画像引用:岡山第一病院様より)

 

 

 

 

 

問題60.上腕骨内側上顆後面で触れるのはどれか。

1.筋皮神経
2.正中神経
3.橈骨神経
4.尺骨神経

解答

解説
1.× 筋皮神経は、内側上顆後面を通らない。筋皮神経は、腕の前面を走り、上腕二頭筋や上腕筋を支配し、前腕外側皮神経となる。

2.× 正中神経は、内側上顆後面を通らない。正中神経は、上腕の中央を走り、肘では前方(上腕骨内側上顆と上腕骨小頭の間=正中神経溝付近)を通る。

3.× 橈骨神経は、内側上顆後面を通らない。橈骨神経は上腕後面を走り、橈骨神経溝を経由して肘では外側に出る。外側上顆付近で深枝と浅枝に分かれる。

4.〇 正しい。尺骨神経は、上腕骨内側上顆後面で触れる。尺骨神経は上腕骨内側上顆と肘頭の間(肘部管)を通過する。
・ファニーボーンとは、ひじの内側にある骨の出っぱりに尺骨神経が通っていて、そこをぶつけると「ジーン」と強いしびれが広がる部分である。

 

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