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問題51 受精は卵管のどこで起こるか。
1.漏斗部
2.膨大部
3.峡部
4.子宮部
答え.2
解説
1.× 漏斗部
漏斗部とは、卵巣と卵管膨大部の中間に位置し、内部は線毛に取り囲まれている。主要な役割は、卵巣から排卵された直後の卵黄を捕獲するこ とである。
2.〇 正しい。膨大部にて、受精が起こる。
受精とは、精子と卵子が合体融合して、受精卵が生じる現象を指す。受精は卵管膨大部で起こる。男性から射精された精子と卵巣から排卵された卵子は卵管内で受精卵となり、分裂を繰り返しながら卵管を輸送され、子宮内膜に着床し、妊娠が成立する。
3.× 峡部
峡部とは、子宮の外に出て外側に向かって直進する細い部分で、卵管の全長の約1/3を占める。卵巣から排卵された卵子が卵管膨大部で受精し、卵管中を移動しながら発生し、卵管峡部付近で胚盤胞となって、子宮に移動し、着床する。
4.× 子宮部
子宮部とは、輸卵管を構成する1つの部分で、卵殻を形成する。
(※図引用:「基礎編―人体発生―」腹腔内内ヘルニア大全HPより)
問題52 内分泌器で正しいのはどれか。
1.松果体は視床下部にある。
2.下垂体は第四脳室の下方にある。
3.上皮小体は甲状腺の前面にある。
4.副腎は腹膜後器官である。
答え.4
解説
(※図引用:「脳(矢状断)」illustAC様HPより)
1.× 松果体は、「視床下部」ではなく脳の第三脳室の後部にある。
松果体は、大脳半球の間に位置し、メラトニン(概日リズム調整ホルモン)の分泌、性腺刺激ホルモンの分泌抑制に関与する。
2.× 下垂体は、「第四脳室」ではなく視床下部の下方にある。
下垂体とは、さまざまホルモンを分泌する内分泌器官である。下垂体の前葉からは、副腎皮質刺激ホルモン、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、乳汁分泌ホルモン、性腺刺激ホルモンが、下垂体の後葉からは抗利尿ホルモンが分泌される。
3.× 上皮小体は、甲状腺の「前面」ではなく後面にある。
上皮小体は、甲状腺の後方に位置し、パラトルモン(上皮小体ホルモン)を分泌する。パラトルモン(上皮小体ホルモン)は、血液のカルシウムの濃度を増加させるように働き、逆に甲状腺から分泌されるカルシトニンはカルシウム濃度を減少させるように働く。
4.〇 正しい。副腎は腹膜後器官である。
腹膜後器官(後腹膜臓器)とは、後腹壁の壁側腹膜に接する領域に位置する器官のことである。腹膜後器官:①十二指腸、②腎臓、③副腎、④膵臓、⑤尿管、⑥腹大動脈、⑦下大静脈、⑧胸管、⑨乳び槽など
問題53 小脳にあるのはどれか。
1.歯状核
2.淡蒼球
3.被殻
4.尾状核
答え.1
解説
1.〇 正しい。歯状核は、小脳にある。
歯状核は、小脳半球にある核である。ちなみに、その他に①球状核、②栓状核、③室頂核がある。また、①球状核、②栓状核で中位核とも呼ばれる。
2~4.× 淡蒼球/被殻/尾状核
大脳基底核の一部で、主に運動制御に関与している。また、被殻とは、大脳の中央部に左右1対あり、身体の運動調節や筋緊張、学習や記憶などの役割を持っている。被殻出血の場合、頭痛や麻痺(片麻痺や顔面神経麻痺)が症状として見られる。
大脳基底核は、①線条体(被殻 + 尾状核)、②淡蒼球、③黒質、④視床下核である。
問題54 伝導路で正しいのはどれか。
1.随意運動の伝導路は脊髄で左右交叉する。
2.視覚伝導路は内側膝状体で中継される。
3.温痛覚の伝導路は後索を上行する。
4.錐体路は大脳脚を通る。
答え.4
解説
1.× 随意運動の伝導路は、「脊髄」ではなく延髄で左右交叉する。
これを錐体交叉という。随意運動の伝導路(錐体路)は、大脳皮質運動野―放線冠―内包後脚―大脳脚―延髄―錐体交叉―脊髄前角細胞という経路をたどる。
2.× 視覚伝導路は、「内側膝状体」ではなく外側膝状体で中継される。
視覚伝導路は、「視神経―視交叉―視索―外側膝状体―視放線―視覚野」である。ちなみに、内側膝状体は、聴覚伝導路で中継される。聴覚伝導路は、「蝸牛神経→蝸牛神経核→上オリーブ核→中脳下丘→内側膝状体→上側頭回」である。
3.× 温痛覚の伝導路は、「後索」ではなく側索を上行する。
外側脊髄視床路(温痛覚・粗大触圧覚)は、「感覚神経→脊髄後角→(交叉)→脊髄側索→視床→後脚→大脳皮質体性知覚野」である。ちなみに、後索は、深部感覚の伝導路である。【深部感覚(振動覚、位置覚)の伝導路】後根 ⇒ 後索(下肢からの線維は薄束を通って薄束核に終わり、上肢からの線維は楔状束を通って楔状束核に終わる) ⇒ 延髄(後索核) ⇒ 毛帯交叉 ⇒ 内側毛帯 ⇒ 視床後外側腹側核 ⇒ 感覚野である。
4.〇 正しい。錐体路は大脳脚を通る。
随意運動の伝導路(錐体路)は、大脳皮質運動野―放線冠―内包後脚―大脳脚―延髄―錐体交叉―脊髄前角細胞という経路をたどる。
聴覚:蝸牛神経→蝸牛神経核→上オリーブ核→中脳下丘→内側膝状体→上側頭回
視覚:視神経→視交叉→外側膝状体→視放線→視覚野
・外側皮質脊髄路 (錐体路・運動)
大脳皮質—放線冠—内包後脚—中脳の大脳脚—橋縦束―延髄で錐体交叉—脊髄の側索
・前皮質脊髄路(錐体路の一部・運動)
大脳皮質—放線冠—内包後脚—中脳の大脳脚—橋縦束—延髄—交叉せずに脊髄前索を下降(10~25%程度)
重要事項①延髄で交差せずに同側に下降すること、②支配はL2まで。
・前脊髄視床路(粗大な触覚・圧覚)
感覚神経→脊髄後角→(交叉)→脊髄前索→視床→後脚→大脳皮質体性知覚野
・外側脊髄視床路(温痛覚・粗大触圧覚)
感覚神経→脊髄後角→(交叉)→脊髄側索→視床→後脚→大脳皮質体性知覚野
問題55 橋背部に脳神経核群をもつのはどれか。
1.内耳神経
2.舌咽神経
3.迷走神経
4.舌下神経
答え.1
解説
(※図引用:「イラストでわかる歯科医学の基礎 第4版 」永未書店HPより)
1.〇 正しい。内耳神経は、橋背部に脳神経核群をもつ。
内耳神経とは、聴覚と平衡感覚を伝える感覚神経である。聴覚伝導路は、(内耳神経→蝸牛神経核(橋)→中脳下丘→視床→側頭葉)である。
2.× 舌咽神経は、延髄に脳神経核群をもつ。
舌咽神経とは、知覚・運動・分泌を受けもつ混合神経で、舌の後部3分の1の感覚や咽頭筋の運動を支配する。 また分泌線維は耳下腺に分布し、唾液の分泌を司る。 鼓室粘膜の知覚もこの神経が支配する。
3.× 迷走神経は、延髄に脳神経核群をもつ。
迷走神経とは、感覚神経・運動神経の一つである。嚥下運動や声帯の運動、耳介後方の感覚などに作用する。内臓(胃、小腸、大腸や心臓、血管など)に多く分布し、体内の環境をコントロールしている。刺激すると徐脈、咳、嘔吐などを生じる。強い痛みや精神的ショックなどが原因で、迷走神経が過剰に反応すると、心拍数や血圧の低下、失神などを引き起こす(迷走神経反射)。
4.× 舌下神経は、延髄に脳神経核群をもつ。
舌下神経とは、舌の運動を支配する運動神経である。
【中脳】
Ⅲ:動眼
Ⅳ:滑車
【橋】
Ⅴ:三叉
Ⅵ:外転
Ⅶ:顔面
Ⅷ:前庭
【延髄】
Ⅸ:舌咽神経
Ⅹ:迷走神経
Ⅺ:副神経
Ⅻ:舌下神経