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問題111 平成28年の学校保健統計調査で児童の被患率がう歯に次いで高いのはどれか。
1.喘息
2.肥満傾向
3.胸郭・脊柱異常
4.裸眼視力1.0未満
答え.4
解説
(※図引用:「平成28年度学校保健統計(学校保健統計調査報告書)の公表について」)
【主な疾病・異常等の推移】
近年大きな変化はみられないが、むし歯(う歯)については改善傾向が続いている。また、裸眼視力1.0未満の者の割合は増加傾向にある。むし歯(う歯)は中学校と高等学校で過去最低、裸眼視力1.0未満の者の割合は小学校、中学校及び高等学校で過去最高となっている。また、耳疾患が小学校中学校及び高等学校で過去最高となったほか、ロ腔咽喉頭疾患・異常は幼稚園及び高等学校において過去最低となっている。その他、従前からの調査項目「せき柱・胸郭」に「四肢の状態」を追加した。(※引用:「平成28年度学校保健統計(学校保健統計調査報告書)の公表について」)
1.× 喘息は、3.69%で5位である。
2.× 肥満傾向は、統計されておらず、そもそも被患(病気)といいにくい。
3.× 胸郭・脊柱異常は、1.83%で8位である。
4.〇 正しい。裸眼視力1.0未満は、平成28年の学校保健統計調査で児童の被患率がう歯に次いで高い。
裸眼視力1.0未満は、31.46%で2位である。
問題112 労働災害で正しいのはどれか。
1.死亡災害は増加している。
2.休業4日未満は補償されない。
3.疲労と労働災害の発生は関係がない。
4.精神障害による認定件数は増加している。
答え.4
解説
1.× 死亡災害は、「増加」ではなく減少傾向である。
なぜなら、安全技術の進歩や労働環境の改善がみられているため。しかし、特定の産業分野や状況では増加することもある(例えば、リニアモーターの工事現場など)。「令和4年1月から12月までの新型コロナウイルス感染症へのり患によるものを除いた労働災害による死亡者数は774人(前年比4人減)と過去最少となった。休業4日以上の死傷者数は132,355人(前年比1,769人増)と過去20年で最多となっている」(※参考データ:「令和4年の労働災害発生状況を公表」厚生労働省HPより)。
2.× 休業4日未満は補償されないのは、「労働災害」ではなく労災保険の休業(補償)等給付である。
労働災害とは、労働者が、業務に起因して被る災害のことを指す。「労災保険の休業(補償)等給付は、休業の初日から3日目までは労災保険からの支給はありません。この間(待期期間)は、業務災害の場合、事業主が休業補償(1日につき平均賃金の60%)を行うことになります。ただし、複数業務要因災害・通勤災害の場合には、事業主の補償責任についての法令上の規定はありません(※引用:「労災保険」厚生労働省様HPより)」。
3.× 疲労と労働災害の発生は関係が「ある」。
なぜなら、疲労は反応時間の遅延、判断力の低下、注意力の散漫などを引き起こすため。労働災害のリスクを増加させる。
4.〇 正しい。精神障害による認定件数は増加している。
なぜなら、現代の労働環境では、労働によるストレスや過重労働、パワハラ等が原因となる精神的な問題が増加しているため。令和3年度の請求件数は2,346件で、前年の2,051件から295件増加した。一方、支給決定件数については629件となり、前年の608件から21件の増加に留まっている。ただし、過去最高の件数となっている。
問題113 新規に人工透析を導入する原因となる疾患で最も多いのはどれか。
1.糖尿病
2.肥満症
3.高血圧症
4.脂質異常症
答え.1
解説
血液透析とは、1週間に2~3回の通院をして、3~4時間の治療を受ける必要がある。血液透析は、シャント肢から十分な血流を保ちながら体外循環を行い、体液量や電解質濃度を是正するとともに尿毒素などの血液浄化を行う治療である。治療中、除水量が多いと循環動態に影響を及ぼしたり、血液中の電解質に急激な変化が生じたりすることがある。
血液透析が必要となる最も多い理由は、腎臓が血液から老廃物を十分にろ過できなくなること(腎不全:糖尿病性腎症)である。ちなみに、慢性腎不全とは、腎臓の濾過機能が数ヶ月〜数年をかけて徐々に低下していく病気である。その結果血液の酸性度が高くなり、貧血が起き、神経が傷つき、骨の組織が劣化し、動脈硬化のリスクが高くなる。その原因として最も多いのは糖尿病で、次に多いのは高血圧である。尿や血液、腹部超音波検査やCTなどの検査で腎臓機能に異常が見られ、その状態が3カ月以上続いている場合に診断される。慢性腎不全(CKD)に対する治療は、①生活習慣の改善、②食事療法が重要である。
①生活習慣の改善:禁煙・大量飲酒の回避・定期的な運動・ワクチン接種による感染症の予防・癌スクリーニングなど。
②食事療法:十分なエネルギー摂取量を確保しつつ、蛋白質・塩分・リンの制限。
1.〇 正しい。糖尿病は、新規に人工透析を導入する原因となる疾患で最も多い。
なぜなら、糖尿病は、特に長期間にわたって血糖値がコントロールされていない場合、腎臓の損傷を引き起こす可能性が高いため。これは、糖尿病性腎症と呼ばれ、最終的には腎臓の機能が重度に低下し、透析が必要となる状態(末期腎病)へと進行する。
2.× 肥満症が選択肢の中で最も多いとは言えない。
肥満症とは、肥満(BMI≧25 kg/m2)があり、肥満が原因ないし関連する病気を合併し減量を要する(減量により改善または進展が押さえられる)状態を指す。
3.× 高血圧症が選択肢の中で最も多いとは言えない。
高血圧症とは、①本態性高血圧(原因が生活習慣や環境、遺伝などはっきり特定できないもの:高血圧症全体の9割)と、②二次性高血圧(ホルモン分泌異常や臓器の奇形などで生じ原因が特定できるもの:腎血管性高血圧を含む)に分けられる。二次性高血圧症の原因として、①腎実質性、②腎血管性、③内分泌性、④血管性、⑤脳・中枢神経性(脳幹部血管圧迫)、⑥遺伝性、⑦薬剤誘発性などがある。②腎血管性高血圧は、腎動脈硬化症や線維筋性異形成、高安大動脈炎、解離性大動脈瘤などによる腎血流低下により腎臓でレニン産生が増加するため高血圧となる。③内分泌性高血圧には、先端巨大症、クッシング症候群、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫、レニン産生腫瘍などにより高血圧となる。
4.× 脂質異常症が選択肢の中で最も多いとは言えない。
脂質異常症とは、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高トリグリセリド(TG)血症を指し、動脈硬化の原因となる。その治療で重要なのは、薬物療法のほか、食事指導による適正体重の維持や内臓脂肪の減量である。まず食事指導の基本は、総摂取エネルギーと栄養素配分を適正化することである。
慢性腎不全(慢性腎臓病とも)は、腎臓の濾過機能が数ヶ月〜数年をかけて徐々に低下していく病気である。その結果血液の酸性度が高くなり、貧血が起き、神経が傷つき、骨の組織が劣化し、動脈硬化のリスクが高くなる。その原因として最も多いのは糖尿病で、次に多いのは高血圧である。尿や血液、腹部超音波検査やCTなどの検査で腎臓機能に異常が見られ、その状態が3カ月以上続いている場合に診断される。
慢性腎不全(CKD)に対する治療は、①生活習慣の改善、②食事療法が重要である。
①生活習慣の改善:禁煙・大量飲酒の回避・定期的な運動・ワクチン接種による感染症の予防・癌スクリーニングなど。
②食事療法:十分なエネルギー摂取量を確保しつつ、蛋白質・塩分・リンの制限。
問題114 介護保険の要支援2で利用できるサービスはどれか。
1.居宅サービス
2.施設サービス
3.介護予防サービス
4.地域密着型サービス
答え.3
解説
(※画像引用:「保険給付」日本電子健康保険組合様HPより)
1.× 居宅サービスは要介護(介護給付)が利用できる。
居宅サービスとは、自宅で生活する人を対象とした介護保険の介護サービス全般のことをいう。利用者は要介護2以下が7割を占めているというデータもあり、その割合は年々増加傾向となっている。【居宅サービスの種類】訪問看護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定支援入居者生活介護、福祉用具貸与、特定福祉用具販売、住宅改修費支給
2.× 施設サービスは要介護(介護給付)が利用できる。
施設サービスは、「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」「介護医療院」に入所した要介護状態にある高齢者に対して提供されるサービスである。
3.〇 正しい。介護予防サービスは、介護保険の要支援2で利用できるサービスである。
介護予防サービスとは、住み慣れた地域環境で自立した生活を継続していけるように支援するサービスの1つである。サービスを受けられる対象は基本的に自立した生活のできる要支援1、2の方である。
4.× 地域密着型サービスは要介護(介護給付)が利用できる。
地域密着型サービスとは、高齢者が住み慣れた地域でサービスを受けられるようにするものである。原則として、その市町村の被保険者しか利用できない。今後増加が見込まれる認知症高齢者や中重度の要介護高齢者等が、出来る限り住み慣れた地域で生活が継続できるように、市町村指定の事業者が地域住民に提供するサービスである。
地域支援事業とは、介護保険の介護給付や予防給付とは別に、地域住民が要支援・要介護状態になることを予防し、要介護状態等になった場合も住み慣れた地域でできるだけ自立した生活が送れるように市町村が実施する事業である。
問題115 平成28年の食中毒統計において、発生件数の多い原因はどれか。2つ選べ。
1.サルモネラ菌
2.ノロウイルス
3.ボツリヌス菌
4.カンピロバクター
答え.2・4
解説
(※図引用:「平成28年食中毒発生状況」厚生労働省HPより)
1.× サルモネラ菌の患者数は、704人である。
サルモネラとは、人をはじめ、牛や豚やにわとりなどの家畜の腸内、河川・下水など自然界に広く生息していている細菌である。感染して12時間から72時間の症状のない期間があった後に下痢、腹痛、発熱などが見られ、まれにサルモネラが血液中に入り、他の臓器に病気を起こし、重症化することもある。
2.〇 正しい。ノロウイルスは、平成28年の食中毒統計において、発生件数の多い原因である。
ノロウイルスの患者数は、11397人である。ノロウイルスとは、もっとも一般的な胃腸炎の原因である。感染者の症状は、非血性下痢、嘔吐、胃痛(悪心・嘔吐、水様性下痢腹痛、発熱等の急性胃腸炎)が特徴である。発熱や頭痛も発生する可能性がある。症状は、通常ウイルス曝露後12〜48時間で発症し、回復は通常1〜3日以内である。合併症はまれだが、特に若人、年配者、他の健康上の問題を抱えている人では、脱水症状が起こることがある。原因として、①カキ等の二枚貝、②感染者の嘔吐物等への接触や飛沫による二次感染である。感染経路は、経口感染、接触感染、飛沫感染、空気(飛沫核)感染による。
3.× ボツリヌス菌の患者数は、平成28年において報告されなかった。
ボツリヌス菌とは、土壌や水などの環境中に生息し、缶詰や瓶詰め真空パック食品で問題となることが多い。潜伏期間は12~36時間で、症状は眼症状、嚥下障害、四肢麻痺、呼吸筋麻痺・死亡などである。
4.〇 正しい。カンピロバクターは、平成28年の食中毒統計において、発生件数の多い原因である。
カンピロバクターの患者数は、3272人である。カンピロバクターとは、生肉・生乳が主な原因食品であり、鶏、牛、野鳥など多くの動物が保有する細菌である。潜伏期間は、2~7日である。症状は、腹痛を伴う下痢、発熱などである。
【予防・拡大防止】
①感染源となる二枚貝等は、中心部まで十分に加熱(85~95℃以上、90秒以上)する。
②消毒には、通常のアルコール製剤や逆性石鹸は有効でないため、塩素系消毒剤(0.1%次亜塩素酸ナトリウム)を用いる。
③ノロウイルスは乾燥に強く、感染者の嘔吐物等が乾燥して空気中に飛散することで感染拡大するため完全に拭き取る。
④嘔吐物等の処理時には手袋、ガウンマスクを装着する。
(※参考:「ノロウイルスに関するQ&A」厚生労働省HPより)