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問題51 上皮組織で正しい組合せはどれか。
1.食道:単層円柱上皮
2.気管支:多列線毛門柱上皮
3.尿細管:移行上皮
4.血管:単層立方上皮
答え.2
解説
1.× 食道は、「単層円柱上皮」ではなく重層扁平上皮である。
単層円柱上皮の特徴として、吸収と分泌を行う場所に向き、消化器系(胃、小腸、大腸)、卵管・子宮などがあげられる。重層扁平上皮の特徴として、摩擦など機械的刺激に強く、皮膚、口腔~食道、肛門、膣などがあげられる。
2.〇 正しい。気管支:多列線毛門柱上皮
多列線毛上皮の特徴として、表面に線毛があり、杯細胞が豊富。線毛と粘液で塵や異物をからめとり、鼻腔~気管・気管支(気道)などがあげられる。
3.× 尿細管は、「移行上皮」ではなく単層立方上皮である。
移行上皮の特徴として、伸び縮みすることができ、腎杯~尿管~膀胱(尿路)などがあげられる。一方、単層立方上皮は、甲状腺の濾胞上皮、尿細管などがあげられる。
4.× 血管は、「単層立方上皮」ではなく単層扁平上皮である。
単層立方上皮は、甲状腺の濾胞上皮、尿細管などがあげられる。一方、単層扁平上皮の特徴として、薄いので物質の交換などに向き、胸膜、腹膜、血管内皮、肺胞などがあげられる。
・単層扁平上皮:薄いので物質の交換などに向く。
(胸膜、腹膜、血管内皮、肺胞など)
・単層立方上皮:甲状腺の濾胞細胞など。
(甲状腺の濾胞上皮、尿細管など)
・単層円柱上皮:吸収と分泌を行う場所に向く。
消化器系(胃、小腸、大腸)、卵管・子宮など
・重層扁平上皮:摩擦など機械的刺激に強い。
皮膚、口腔~食道、肛門、膣など。
・多列線毛上皮:表面に線毛があり、杯細胞が豊富。線毛と粘液で塵や異物をからめとる。
鼻腔~気管・気管支(気道)
・移行上皮:伸び縮みすることができる。
腎杯腎~尿管~膀胱(尿路)
問題52 中胚葉由来はどれか。
1.脳
2.肺
3.肝臓
4.腎臓
答え.4
解説
外胚葉:神経(脳・脊髄)・表皮(毛・爪)・感覚器(視・聴覚)
中胚葉:骨格(軟骨)・筋・循環器系(心臓・血管・リンパ)・泌尿生殖器(腎臓・精巣・子宮・卵巣)
内胚葉:消化器(胃・腸)・呼吸器(気管・肺)・尿路系(膀胱・尿道)
1.× 脳は、外胚葉由来である。
2~3.× 肺/肝臓は、内胚葉由来である。
4.〇 正しい。腎臓は、中胚葉由来である。
問題53 筋の起始で正しいのはどれか。
1.筋の両端で動きの大きい方
2.体肢の筋では体幹に近い方
3.体幹の筋で起始と停止が明確でない筋では脊柱から遠い方
4.体幹の筋で上下方向に走る筋では骨盤から遠い方
答え.2
解説
1.× 筋の両端で動きの大きい方は、停止の定義となる。
(※参考:「筋の起始と停止から作用を理解するための考え方入門」より)
2.〇 正しい。体肢の筋では体幹に近い方が、筋の起始である。
筋の両端は、多くの場合 、骨に結合している。筋が力を出して収縮すると、筋が付いた骨が引かれて運動が起こる。筋の両端のうち筋が収縮するときに動きが小さい方が起始、収縮するときに動きが大きい方が停止と定義されている。筋の収縮時に両端のうちどちらの動きが小さいかが分かりにくい場合は、上下肢では筋の近位端、体幹では筋の脊柱に近い方、上下方向では筋の骨盤に近い方を起始と呼ぶ(※引用:「筋の起始と停止から作用を理解するための考え方入門」より)。
3.× 体幹の筋で起始と停止が明確でない筋では脊柱から「遠い」ではなく近い方を起始と定義する。
(※参考:「筋の起始と停止から作用を理解するための考え方入門」より)
4.× 体幹の筋で上下方向に走る筋では骨盤から「遠い」ではなく近い方を起始と定義する。
(※参考:「筋の起始と停止から作用を理解するための考え方入門」より)
問題54 頭蓋を構成する骨の数はどれか。
1.21
2.23
3.25
4.27
答え.2
解説
頭蓋骨とは、①脳頭蓋(神経頭蓋):脳や嗅覚・視覚・聴覚器官等を覆う部分、②顔面頭蓋(内蔵頭蓋):口の周辺や耳などを構成する部分をいう。
①脳頭蓋:6種8個に大別される。
頭頂骨(2個)、側頭骨(2個)、前頭骨、後頭骨、蝶形骨、篩骨
②顔面頭蓋:9種15個に大別される。
鼻骨(2個)、涙骨(2個)、下鼻甲介(2個)、上顎骨(2個)、頬骨(2個)、口蓋骨(2個)、下顎骨、鋤骨、舌骨
したがって、23個の骨が組み合わさって成り立っている。
1.3~4.× 21/25/27個は、頭蓋を構成する骨の数ではない。
2.〇 正しい。23個は、頭蓋を構成する骨の数である。
問題55 矢印で示す部位に付く筋を支配する神経はどれか。
1.三叉神経
2.第6頸神経
3.顔面神経
4.副神経
答え.4
解説
(※図引用:「イラストでわかる歯科医学の基礎 第4版 」永未書店HPより)
矢印部分は「乳様突起」である。
1.× 三叉神経
三叉神経とは、咀嚼運動にかかわる脳神経である。三叉神経は、主に咀嚼筋の咀嚼運動と顔面の皮膚感覚を司る。運動神経と感覚神経を含む。
2.× 第6頸神経
第6頸神経 (C6)は、手の親指側を支配する橈骨神経である。主に上肢、前腕、手指の運動に作用する。
3.× 顔面神経
顔面神経とは、表情筋の運動、涙腺や口蓋腺などの分泌作用制御の副交感神経、および味覚を司る感覚神経を含む混合神経である。したがって、顔面神経の障害により、顔面表情筋の障害、角膜反射低下、聴覚過敏、味覚低下(舌前2/3)、涙分泌低下、唾液分泌低下などが起こる。
4.〇 正しい。副神経が、矢印で示す部位に付く筋を支配する神経である。
副神経とは、僧帽筋や胸鎖乳突筋など、首を動かす筋肉に分布する運動神経である。胸鎖乳突筋の【起始】胸骨部:胸骨柄前面、鎖骨部:鎖骨の胸骨端、【停止】乳様突起、後頭骨の上項線の外側部、【作用】両側が同時に作用すると首をすくめて顎を突き出す。片側が働けば顔面を対側に回す。吸息の補助、【支配神経】副神経外枝、頸神経叢筋枝(C2,C3)である。
(※図引用:「看護roo!看護師イラスト集」より)