第29回(R3年)柔道整復師国家試験 解説【午前31~35】

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問題31 前距腓靭帯断裂で誤っているのはどれか。

1.足関節外果部前方の皮下出血斑
2.内返し強制での疼痛増強
3.足関節周囲の圧痛
4.前方引き出しテスト陰性

答え.4

解説

前距腓靭帯断裂とは?

前距腓靭帯断裂とは、前距腓靭帯が過伸張、部分断裂または完全断裂する外傷である。足関節外側靭帯(前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯)の中でも前距腓靭帯が多く損傷される。スポーツによる急性外傷では最も頻度が高く、再損傷する場合も多いので注意が必要であり。症状として、外くるぶしの前下方に痛みや腫れ、内出血を生じる場合が多い。

1.3.〇 正しい。足関節外果部前方の皮下出血斑/足関節周囲の圧痛
なぜなら、前距腓靭帯は、腓骨から距骨に付着し、外果前方を走行するため。前距腓靭帯断裂の症状として、外くるぶしの前下方に痛みや腫れ、内出血を生じる場合が多い。

2.〇 正しい。内返し強制での疼痛増強
なぜなら、内反捻挫によって、足関節外側靭帯(前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯)が損傷されるため。前距腓靭帯は、足関節の内返しを制限する役割がある。

4.× 前方引き出しテストは、「陰性」ではなく陽性である。
足関節の前方引き出しテストとは、前距腓靭帯の安定性を見る。足関節は軽度底屈位で、踵を包むようにして前方へ引き出す。陽性の場合、患側の距骨は健側と比較して前方へ引き出される。また距骨が亜脱臼するため、足を戻す際、患者の痛みの訴えとともに「カクッ」という動きを触知できる。

外側靭帯とは?

外側靭帯は、前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯を合わせていう。

【足関節靭帯損傷の受傷原因】
足関節の内反や外反が強い外力でかかる捻挫が最も多い。
内反捻挫は、足関節外側靭帯(前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯)が損傷される。
外反捻挫は、足関節内側靭帯(三角靭帯)が損傷される。

【頻度】
外反捻挫より内反捻挫が多い。
足関節外側靭帯(前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯)の中でも前距腓靭帯が多く損傷される。
なぜなら、足関節の可動域が、外反より内反の方が大きく、内反・底屈に過強制力がかかるため。

 

 

 

 

 

問題32 足関節外側側副靭帯損傷のテーピングで正しいのはどれか。

1.ヒールロックは足関節の底背屈を制限する。
2.スターアップは下腿内側からはじめ外側で終わる。
3.フィギュアエイトは一定の圧で貼付する。
4.ホースシューは内返し・外返しを制限する。

答え.2

解説

巻き方の名称とその方法

アンカー(錨):はじめのアンカーは、テーピングを実施する範囲を規定する役割を持っています。最後のアンカーは、サポートとなるテープをしっかりと押さえるものです。
スターアップ:足首のみに使用され、踵の左右の動きを固定する目的で行います。縦方向にVの字や平行となるように、踵を経由して反対側の同じ高さまで巻きます。
ホースシュー:これも足首のみに使用され、足関節の横への動きを固定する目的で行います。足底と平行となるよう横方向にUの字に巻きます。(馬蹄形=ホースシュー)
サーキュラー:リング状の巻き方をいいます。部位を一周一周切りながら、少しずらして貼っていきます。各部を圧迫する時や全体を最後に覆う時に使用します。(サーキュラーの連続版。続けて螺旋状に巻く方法をスパイラルといいます。)
フィギュアエイト:8の字の形となるように巻く方法です。主に関節全体を固定する場合や伸展するのを防ぐ時に使用します。通常2回巻くようにします。
バスケットウェーブ:スターアップとホースシューを交互に行い編み込んで行くものです。
ヒールロック:踵を固定するために行うものです。内側・外側両方から脛に向かって貼っていきます。(左右のヒールロックを続けて巻く方法をアドバンスといいます)
Xサポート:補強したい靭帯の上にXのテープの重なりの部分がくるように貼ります。Xサポートの数を増やすことで、固定力・サポート力を高めることができます。
縦方向のサポート:Xサポートと同様に靭帯の補強に使用されます。通常Xサポートと同時に使用され、補強したい靭帯の真上を通るように貼ります。
コンプレッション:膝の場合に使用し、膝頭をはずして、上下に迂回するように貼っていくものです。幅の広い伸縮テープを2本に切り分けて(スプリットテープ)、膝頭の上下から圧迫し固定します。

(※引用:「巻き方の名称とその方法」吉田 泰将(慶應義塾大学体育研究所准教授))

1.× 足関節の底背屈を制限するのは、「ヒールロック」ではなくホースシューである。
ヒールロックとは、踵を固定するために行うものである。内側・外側両方から脛に向かって貼っていく。ちなみに、左右のヒールロックを続けて巻く方法をアドバンスという。

2.〇 正しい。スターアップは下腿内側からはじめ外側で終わる
スターアップとは、足首のみに使用され、踵の左右の動きを固定する目的で行う。縦方向にVの字や平行となるように、踵を経由して反対側の同じ高さまで巻く。

3.× フィギュアエイトは、「一定の圧」ではなく不定の圧で貼付する。
フィギュアエイトとは、足首の全体的なねじれの安定性を高めるテーピングであり、足首のコントロールタワーである距骨の前方へのズレを抑えることができる。8の字の形となるように巻く方法で、主に関節全体を固定する場合や伸展するのを防ぐ時に使用する。通常2回巻く。

4.× ホースシューは内返し・外返しを制限するのは、「ホースシュー」ではなくスターアップである。
ホースシューとは、足首のみに使用され、足関節の横への動きを固定する目的で行う。足底と平行となるよう横方向にUの字に巻く。(馬蹄形=ホースシュー)

外側靭帯とは?

外側靭帯は、前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯を合わせていう。

【足関節靭帯損傷の受傷原因】
足関節の内反や外反が強い外力でかかる捻挫が最も多い。
内反捻挫は、足関節外側靭帯(前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯)が損傷される。
外反捻挫は、足関節内側靭帯(三角靭帯)が損傷される。

【頻度】
外反捻挫より内反捻挫が多い。
足関節外側靭帯(前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯)の中でも前距腓靭帯が多く損傷される。
なぜなら、足関節の可動域が、外反より内反の方が大きく、内反・底屈に過強制力がかかるため。

 

 

 

 

 

問題33 下腿骨骨幹部骨折の固定範囲は大腿中央からどこまでか。

1.足尖まで
2.足MP関節手前まで
3.リスフラン関節手前まで
4.ショパール関節手前まで

答え.2

解説

下腿骨骨幹部骨折の介達外力

高エネルギー損傷で発生する。脛骨中下1/3内部骨析が多い(斜骨折、らせん状骨折になりやすい。横骨折は、後方凸変形となりやすい。開放骨折となりやすい。斜骨折の骨折線は前内方から後外上方へ走る。生じやすい後遺症として、①遅延治癒(偽関節)、②変形治癒:反張下腿、③神経損傷:腓骨神経麻痺(尖足位)、④筋萎縮、慢性浮腫などである。

【固定】膝関節30~40度屈曲位で行う。ギプス固定は反張位に注意する。金属副子固定は腓骨頭周囲に綿花を当てる。固定は、大腿近位部から足MP関節まで行う。

1.× 足尖まで
足尖まで固定すると、必要以上の範囲が制限され、他の部位の機能低下を促す。

2.〇 正しい。足MP関節手前までが、下腿骨骨幹部骨折の固定範囲である。
固定は、大腿近位部から足MP関節まで行うことで、指の動きや換気を促せる。ちなみに、足MP関節とは、指の付け根(中足骨と趾骨間)の位置で屈曲する関節である。

3.× リスフラン関節手前まで
リスフラン関節とは、足根中足関節ともいい、3つの楔状骨(内側・中間・外側楔状骨)—立方骨—中足骨で構成する関節のことである。

4.× ショパール関節手前まで
ショパール関節とは、横足根関節ともいい、踵骨—距骨—舟状骨—立方骨の間の関節のことである。

偽関節とは?

偽関節とは、骨折部の癒合不全により異常可動をきたすことである。血流が少なく、骨癒合が起こりにくい部位の骨折が好発部位である。つまり、①大腿骨頸部骨折、②手の舟状骨骨折、③脛骨中下1/3骨折等は偽関節を起こしやすい。

 

 

 

 

 

 

問題34 三角巾で正しいのはどれか。

1.うら・おもてがある。
2.両はしを尾という。
3.提肘のみに使用する。
4.結び目は頸部の正中を外す。

答え.4

解説

三角巾とは?

三角巾とは、正方形の布を対角線に2つ折りしたものである。布が大きく患部を広く覆うことができるため、応急処置として患部を保護・固定する際に用いられる。包帯を巻き終わった後は、①循環障害を起こしていないか、②可動性は認められるかなどに配慮する。

 

(※画像引用:「【研修資料】三角巾の使用方法 (基本編)」大阪市HPより)

1.× うら・おもては、「ない」
三角巾は通常、均一な素材で作られているため。

2.× 両はしを「尾」ではなく端や頂点という(※画像参考)。

3.× 提肘のみに使用するわけではない
三角巾は、提肘(肘の固定)だけでなく、止血に必要な「圧迫」、創傷部を空気に触れないようにする 「被覆」、打撲や骨折箇所を安静に保つための「固定」に使われる。

4.〇 正しい。結び目は頸部の正中を外す
なぜなら、結び目が頸部の正中にあると、長い時間の着用で痛みが出たり、不快感につながるため。

 

 

 

 

 

問題35 包帯の走行で8字を呈し交点がずれないように巻くのはどれか。

1.亀甲帯
2.麦穂帯
3.蛇行帯
4.螺旋帯

答え.1

解説
1.〇 正しい。亀甲帯は、包帯の走行で8字を呈し交点がずれないように巻く。
8字帯(亀甲帯)ともいう。関節部を中心に8の字に交差させながら巻いていく方法。 屈曲・伸展がある程度可能なので、肘関節や膝関節、足関節などの被覆(保護)に用いる。

2.× 麦穂帯
麦穂帯(ばくすいたい)とは、手関節、足関節、股関節、肩といった屈曲する部位、下腿などの太さが一定でない部位に対して行われる方法である。8の字を描くように交差させながら巻く。関節部分をきれいに覆うことができるだけでなく、各関節の良肢位を保ったまま固定できる。

3.× 蛇行帯
蛇行帯(だこうたい)とは、骨折部位のギプスシャーレや副え木を固定するために用いられ、包帯を重ねず、等間隔を空けて巻く方法である。骨折や脱臼などの治療において一時的な固定を行う際に使用される。弾性包帯のような伸縮性のある包帯では、ギプスシャーレや副え木をしっかり固定することが難しいため、伸縮性が低い包帯が用いられる。

4.× 螺旋帯
螺旋帯(らせんたい)とは、包帯を1/2~1/3程度重ねながら、らせん状に巻く方法である。広範囲の保護・固定をする場合や、ガーゼの保護や副え木を固定する場合などに用いられる。

 

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