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問題21 肘関節後方脱臼の整復法で正しいのはどれか。
1.肘関節を伸展位にする。
2.回内・回外中間位で牽引をする。
3.前腕長軸方向に牽引する。
4.肘関節を過伸展して整復を確認する。
答え.3
解説
(※図引用:「上腕骨 完全脱臼」illustAC)
・患者:側臥位
・助手:手関節部を把持し、脱臼肢位の角度のまま前腕長軸末梢方向に徐々に牽引する。
・術者:4指を用い牽引しつつ、腕がもっていかれないように上腕を支えながら、母指にて肘頭が鉤状突起を乗り越えるイメージで上へ押し上げながら直圧し整復する。
1.× 肘関節を伸展位にする。
肘関節軽度屈曲位(30度程度)で弾発性固定がみられる。
2.× 回内・回外中間位で牽引をする。
回外位で行うことが多い。
3.〇 正しい。前腕長軸方向に牽引する。
助手が行うことが多い。手関節部を把持し、脱臼肢位の角度のまま前腕長軸末梢方向に徐々に牽引する。
4.× 肘関節を過伸展して整復を確認する。
肘関節の過伸展は、必要以上に反ってしまうことである。女性に見られやすく、肘関節後方脱臼後にわざわざ確認するものではない。
好発:青壮年
原因:①肘関節過伸展の強制:肘関節伸展位で手をつく(転倒などの強い衝撃)
【症状】関節包前方断裂、疼痛、肘関節屈曲30度で弾発性固定、自動運動不可、肘頭の後方突出、上腕三頭筋腱が緊張(索状に触れる)、ヒューター三角の乱れ(肘頭高位)、前腕の短縮
【固定肢位】肘関節90°屈曲、前腕中間位(回内位も)
【固定範囲】上腕近位部からMP関節手前まで
【固定期間】靭帯損傷なし:3週間、不安定性がある場合4週間
問題22 肘関節後方脱臼でクラーメルによる固定範囲はどれか。
1.前腕近位まで
2.前腕遠位まで
3.MP関節手前まで
4.PIP関節手前まで
答え.3
解説
好発:青壮年
原因:①肘関節過伸展の強制:肘関節伸展位で手をつく(転倒などの強い衝撃)
【症状】関節包前方断裂、疼痛、肘関節屈曲30度で弾発性固定、自動運動不可、肘頭の後方突出、上腕三頭筋腱が緊張(索状に触れる)、ヒューター三角の乱れ(肘頭高位)、前腕の短縮
【固定肢位】肘関節90°屈曲、前腕中間位(回内位も)
【固定範囲】上腕近位部からMP関節手前まで
【固定期間】靭帯損傷なし:3週間、不安定性がある場合4週間
1~2.4.× 前腕近位まで/前腕遠位まで/PIP関節手前まで
肘関節後方脱臼の固定範囲に該当しない。
3.〇 正しい。MP関節手前までが、肘関節後方脱臼でクラーメルによる固定範囲である。
肘関節後方脱臼の固定範囲は、上腕近位部からMP関節手前までである。
問題23 肘内障で正しいのはどれか。
1.前腕は回外位となる。
2.肘関節全体が腫脹する。
3.腕尺関節部に圧痛がある。
4.万歳ができない。
答え.4
解説
肘内障とは、乳幼児に特有の外傷で、橈骨頭が引っ張られることによって、橈骨頭を取り巻いている輪状靭帯と回外筋が橈骨頭からずれた状態(亜脱臼)になったものである。5歳くらいまでの子どもに発症する。 輪状靭帯の付着がしっかりする6歳以降では起こりにくい。
1.× 前腕は、「回外位」ではなく回内位となる。
なぜなら、強い引っ張りによる外力(前腕回内力)が加わり、受傷されるため。多くは、前腕回内位・肘関節軽度屈曲位で来院する。
2~3.× 肘関節全体が腫脹する/腕尺関節部に圧痛がある。
関節腫脹、熱感、発赤、圧痛などの他覚所見はみられないことが多い。
4.〇 正しい。万歳ができない。
上肢全体を麻痺があるかのようにまったく動かさなくなります。 患肢をだらんと垂らしたまま曲げようとしない、患肢に触れようとすると嫌がり泣き出すといった症状がみられる。
問題24 棘上筋損傷の徒手検査法で誤っているのはどれか。
1.インピンジメントサイン
2.ペインフルアークサイン
3.ドロップアームサイン
4.リフトオフテスト
答え.4
解説
1.〇 正しい。インピンジメントサイン
①Neerテスト、②Hawkinsテストがある。①Neerテスト(ニアテスト)は、 患者の後側方に立ち、一方の手で肩甲骨を保持し、もう一方の手で上肢(回内位)を最大挙上させ、大結節を肩峰前縁に圧迫させる。挙上90°~120°で疼痛が誘発されれば陽性である。②Hawkinsテスト(ホーキンズテスト)は、患者の腕を90度まで上げ、肘を90度に屈曲させ、強制的に肩関節を内旋し、痛みの有無を調べる。
2.〇 正しい。ペインフルアークサイン
Painful arc sign(ペインフルアークサイン)は、患者さんの力により外転方向に挙上してもらう。棘上筋が損傷していれば60°〜120°の間で疼痛を感じ、それ以外の角度では疼痛を感じない。
3.〇 正しい。ドロップアームサイン
drop arm(ドロップアーム)テストの陽性は、肩腱板断裂を疑う。方法は、座位で被験者の肩関節を90°より大きく外転させ、検者は手を離す。
4.× リフトオフテストは、棘上筋損傷の徒手検査法ではない。
Lift Off Test(リフトオフ)は、肩関節の障害部位を予測して不安定さを評価するテストである。主に、肩甲下筋の機能を評価する検査である。
問題25 肩関節のインピンジメントを確認する動作はどれか。
1.検者は患者の健側前方に位置する。
2.検者は大結節を押さえる。
3.肩関節を内旋位で挙上する。
4.挙上は自動運動で行う。
答え.3
解説
腱板断裂とは、肩のインナーマッスルである棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の腱が損傷・断裂していることをいう。肩峰や上腕骨頭とのインピンジメント(衝突)で損傷されやすい棘上筋腱の損傷がほとんどである。画像所見やインピンジメントの誘発テストによって診断される。また、断裂と断裂部に関節液の貯留を認めるため、超音波(エコー)やMRI検査で診断することが多い。MRIは時間がかかることや体内に磁性体がある場合は行うことができない。また画像をスライスでしか確認できないため連続性を追いにくいといった特徴がある。
1~2.4.× 検者は患者の健側前方に位置する/検者は大結節を押さえる/挙上は自動運動で行う。
肩関節のインピンジメントを確認する動作には該当しない。
3.〇 正しい。肩関節を内旋位で挙上することは、肩関節のインピンジメントを確認する動作である。
①Neerテスト、②Hawkinsテストがある。①Neerテスト(ニアテスト)は、患者の後側方に立ち、一方の手で肩甲骨を保持し、もう一方の手で上肢(回内位)を最大挙上させ、大結節を肩峰前縁に圧迫させる。挙上90°~120°で疼痛が誘発されれば陽性である。②Hawkinsテスト(ホーキンズテスト)は、患者の腕を90度まで上げ、肘を90度に屈曲させ、強制的に肩関節を内旋し、痛みの有無を調べる。