第30回(R4年)柔道整復師国家試験 解説【午前66~70】

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問題66 射精管開口部位は尿道のどこか。

1.壁内部
2.前立腺部
3.隔膜部
4.海綿体部

答え.

解説

(※図引用:「男性の尿道括約筋」illustAC様HPより)

1.× 壁内部
壁内部とは、内尿道口に始まる膀胱壁内の短い部分のことである。

2.〇 正しい。射精管開口部位は尿道の前立腺部である。
前立腺部とは、前立腺部を貫く部分(約3cm)である。前立腺とは、男性にしかない生殖器の一つで、前立腺液といわれる精液の一部を作り、精子に栄養を与えたり、精子を保護する役割を持っている。前立腺は、直腸と恥骨の間にあり、膀胱の出口で尿道を取り囲んでいる。

3.× 隔膜部
隔膜部とは、尿生殖隔膜を貫く部分(約1cm)である。外尿道括約筋が取り囲み、最も狭い部分である。

4.× 海綿体部
海綿体部とは、尿道海綿体の内部を走行する。約10cmある。海綿体とは、スポンジ状の勃起性組織である。男性の陰茎の勃起中には、陰茎海綿体のほとんどが、血液で占められる。

 

 

 

 

 

問題67 精細管外に位置する細胞はどれか。

1.間細胞
2.精祖細胞
3.精母細胞
4.セルトリ細胞

答え.

解説

精細管とは?

精細管とは、精巣内でセルトリ細胞と精子および精子の元になる細胞で作られる管腔構造したものである。セルトリ細胞が円周上に並び、その隙間に精子の元になる細胞が接着する。外周から中心に向かって精子形成が進行し、完成した精子は精細管の中心の内腔に向かってセルトリ細胞から切り離され、精細管内を運ばれていく。

1.〇 正しい。間細胞は、精細管外に位置する細胞である。
精巣には、精子形成の場である細精管のほかに、血管、リンパ管、神経、肥満細胞、および間細胞がある。間細胞とは、ライディッヒ細胞ともよばれ、脂質顆粒を含み、滑面小胞体がよく発達しており、雄性ホルモンは主としてここから分泌される。

2.× 精祖細胞
精祖細胞とは、精細管基底膜上に存在するまだ分化していない精細胞のことをいう。精細管の中には、胎児のときから、精子のもとになる精祖細胞があり、思春期になると、精祖細胞から精母細胞がつくられ、さらに精母細胞は精子細胞となる。

3.× 精母細胞
精子をつくるもとになる細胞は精母細胞と呼ばれる。

4.× セルトリ細胞
セルトリ細胞とは、脊椎動物の細精管壁の基底部のところどころにある大型の細胞である。精子を形成していく細胞群を物理的・内分泌的にサポートし、これらの細胞の維持・分化に重要な働きをする。

 

 

 

 

 

問題68 下垂体で誤っているのはどれか。

1.間脳の上後部に位置する。
2.下垂体門脈がある。
3.前葉は腺組織からなる。
4.後葉は神経組織からなる。

答え.

解説

下垂体とは?

下垂体とは、脳の直下にあって、さまざまホルモンを分泌する内分泌器官である。下垂体の前葉からは、副腎皮質刺激ホルモン、成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、乳汁分泌ホルモン、性腺刺激ホルモンが、下垂体の後葉からは抗利尿ホルモンが分泌される。

1.× 間脳の「上後部」ではなく下前部に位置する。
下垂体は、実際には間脳の下部、視床下部のすぐ下に位置する。

2.〇 正しい。下垂体門脈がある。
下垂体門脈とは、視床下部と下垂体前葉を連絡する。 視床下部で分泌された下垂体機能を調節するホルモンを下垂体に効率よく届ける役割を担う。

3.〇 正しい。前葉は腺組織からなる。
腺組織とは、特有の分泌物を生成して排出する機能をもつ生体組織である。1個または多数の腺細胞からなり,ときにはそれに他の組織細胞が加わって構成される。

4.〇 正しい。後葉は神経組織からなる。
神経組織とは、神経系を構成する組織で、中枢神経と末梢神経を作る細胞集団である。

 

 

 

 

 

問題69 脳の部位と脳室の組合せで誤っているのはどれか。

1.視床:第3脳室
2.視床下部:第3脳室
3.中脳:第4脳室
4.小脳:第4脳室

答え.

解説

(※図引用:「脳(矢状断)」illustAC様HPより)

1.〇 正しい。視床:第3脳室
第三脳室は、左右の視床を隔てる幅の狭い空間である。

2.〇 正しい。視床下部:第3脳室
視床下部とは、間脳に位置し、内分泌や自律機能の調節を行う総合中枢である。 ヒトの場合は脳重量のわずか0.3%、4g程度の小さな組織であるが、多くの神経核から構成されており、体温調節やストレス応答、摂食行動や睡眠覚醒など多様な生理機能を協調して管理している。つまり、視床下部は自律神経の最高中枢である。

3.× 中脳:第4脳室
中脳とは、間脳と橋の間に位置する脳構造である。中脳水道より背側の中脳蓋と、腹側の中脳被蓋、大脳脚の3つの部分に大別される。

4.〇 正しい。小脳:第4脳室
第四脳室とは、脳幹と小脳に挟まれた空間を指す。

 

 

 

 

 

問題70 上行性伝導路はどれか。

1.視蓋脊髄路
2.前庭脊髄路
3.赤核脊髄路
4.脊髄視床路

答え.

解説
1.× 視蓋脊髄路(※読み:しがいせきずいろ)
視蓋脊髄路とは、中脳上丘から頚髄へと投射する神経路である。つまり上行性伝導路で、上丘中間層および深層から起始した線維は背側被蓋交叉で反対側へと渡り、脊髄前索を下行する。

2.× 前庭脊髄路
赤核脊髄路とは、運動野と小脳からの求心性線維を受け取るため、間脳と運動ニューロンを通じて脊髄の活動に影響を与える錐体外路として機能するものである。ちなみに、錐体外路とは、錐体路以外の運動指令を行うための経路を総称したものである。錐体外路中枢や、大脳基底核、視床腹部、脳幹などと微調整しながら姿勢や運動に対する指令を骨格筋へ伝える。

3.× 赤核脊髄路
赤核脊髄路は、側索を通る外側皮質脊髄路と錐体外路系(赤核脊髄路・オリーブ脊髄路)であり、運動系の神経路である。

4.〇 正しい。脊髄視床路は、上行性伝導路である。
脊髄視床路は、脊髄後根から脊髄後角でニューロンを換え、左右交差し、反対の前側索を通過し、視床という経路になる。
・前脊髄視床路(粗大な触覚・圧覚)
感覚神経→脊髄後角→(交叉)→脊髄前索→視床→後脚→大脳皮質体性知覚野

・外側脊髄視床路(温痛覚・粗大触圧覚)
感覚神経→脊髄後角→(交叉)→脊髄側索→視床→後脚→大脳皮質体性知覚野

 

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