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※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。コメント欄にてご教授いただければ幸いです。(※問題の引用:第30回柔道整復師国家試験問題、公益財団法人柔道整復研修試験財団HPより)
問題1 柔道の創始年で正しいのはどれか。
1.明治45年
2.明治35年
3.明治25年
4.明治15年
答え.4
解説
柔道は1882年(明治15年)に、嘉納治五郎師範(※読み:かのう じごろう)によって創設された。したがって選択肢4.明治15年が、柔道の創始年である。
問題2 精力善用で正しいのはどれか。
1.自己の精力が及ぶ限り大なる効力を世に顕すこと。
2.多数の人と助け合い共同の目的を達成すること。
3.自分の全精力を尽くした上で、成功を期待すること。
4.競争し合って共に向上すること。
答え.1
解説
1.〇 正しい。自己の精力が及ぶ限り大なる効力を世に顕すこと。精力善用(※読み:せいりょくぜんよう)とは、何事をするにも、その目的を達するために精神の力と身体の力とを最も有効に働かす、ということである。心身の力を最も有効に使用するということは、柔道の攻撃防禦のあらゆる場合を一貫した原理であり、また教えである。
2.× 多数の人と助け合い共同の目的を達成することは、一致団結である。
3.× 自分の全精力を尽くした上で、成功を期待することは、尽己竢成(※読み:おのれをつくしてなるをまつ)である。自分の全精力を尽くして努力した上で、成功・成就を期待すべきである。 力を尽くし切っていないのに失敗を運のせいにしてはいけない。 幸運を望む前に、まず自分の力を尽くせ。
4.× 競争し合って共に向上することは、切磋琢磨である。
問題3 医療倫理の四原則で誤っているのはどれか。
1.患者の最大の利益のために行動する。
2.患者に危害を加えない。
3.医療資源を公平・公正に分配する。
4.医療者を中心とした医療を行う。
答え.4
解説
医療倫理の四原則は、トム・L・ビーチャムとジェイムズ・F・チルドレスが『生命医学倫理の諸原則』で提唱したもので、医療従事者が倫理的な問題に直面した時に、どのように解決すべきかを判断する指針となっています。
・自律性の尊重(respect for autonomy)
・無危害(non-maleficence)
・善行(beneficence)
・公正(justice)
(引用:「医療倫理」厚生労働省HPより)
1.〇 正しい。患者の最大の利益のために行動することは、善行に該当する。患者の症状に合った治療方法があれば、できうる最良の治療をする。
2.〇 正しい。患者に危害を加えないことは、無危害に該当する。体に侵襲が少ない(傷つけない・影響が少ない)治療方法を可能な限り選択する。
3.〇 正しい。医療資源を公平・公正に分配することは、公正に該当する。大事故・災害の際に、一度に多くの患者が発生した場合に、重症度に従って、優先順位を決める(トリアージ)。
4.× 「医療者」ではなく患者を中心とした医療を行う。これは、自律性の尊重に該当する。自律は、自分の意思で決定することのできる人が、選択する自由がある状況で、自身のことを自分で決め、行動することである。
インフォームド・コンセントは、「十分な説明を受けたうえでの同意・承諾」を意味する。医療者側から診断結果を伝え、治療法の選択肢を提示し、予想される予後などについて説明したうえで、患者自らが治療方針を選択し、同意のもとで医療を行うことを指す。診断結果の伝達には「癌の告知」という重要な問題も含まれる。
問題4 施術者の態度で誤っているのはどれか。
1.理解的態度
2.支持的態度
3.評価的態度
4.共感的態度
答え.3
解説
ロジャーズの3原則とは、アメリカの心理学者であるカール・ロジャーズが提唱した「傾聴」の3つの構成要素を表すものである。
【ロジャーズ,C.Rの3原則】
①「共感的理解」:相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとすること
②「無条件の肯定的配慮」:相手の話を善悪の評価や好き嫌いの評価をせずに聴くこと
③「自己一致」:聴き手が相手に対しても、自分に対しても真摯な態度で、話が分かりにくい時は分かりにくいことを伝え、真意を確認すること
1.〇 正しい。理解的態度とは、患者が表現している感情、ものの見方、考え方などをこちらが正しく理解しているかどうかを確かめようとする態度のことである。
2.〇 正しい。支持的態度とは、患者の不安や心配などを緩和して落ちつかせようとする態度のことである。例えば、相手に保証を与える、深刻な感情を和らげる、不安を軽減させ、安心感を与える、というようなことを目指しているものである。何らかの形で、現在の ように感ずる必要はないということを暗示する。
3.× 評価的態度は、施術者の態度ではない。評価的態度とは、相手の発言の善悪や、正しさ、適当であるかどうか、効果的かどうかなどについて、判断を与えようとするものである。
4.〇 正しい。共感的態度とは、相手の立場に立ったうえで、相手の感情や思いを理解して関わろうとする態度のことである。
問題5 療養費の受領委任を取扱う「施術管理者」の要件で誤っているのはどれか。
1.定められた内容の研修を受ける。
2.同時間帯で2カ所の施術所まで担当できる。
3.一定期間実務に従事した経験を有する。
4.柔道整復師でなければならない。
答え.2
解説
受領委任とは、施術者が、医療保険(療養費)で定める施術を行い、患者等から一部負担金を受け取り、患者等に代わって療養費支給申請書を作成・保険者等へ提出し、患者等から受領の委任を受けた施術者等が療養費を受け取る取扱いである。
(※図引用:「柔道整復師の資格を取得される皆様、関係の皆様へ」全国柔整鍼灸協同組合)
1.〇 正しい。定められた内容の研修を受ける。
施術管理者になるためには、公益財団法人柔道整復試験財団の実施する「柔道整復師、施術管理者研修」を受講する必要がある。「柔道整復師、施術管理者研修」とは、公益財団法人柔道整復試験財団が主催する土・日及び祝日を使用した連続2日間の研修で合計16時間のプログラムである。
2.× 同時間帯では、「2カ所」ではなく1カ所の施術所まで担当できる。
「柔道整復師、施術管理者研修」の内容は、①職業倫理、②適切な保険請求、③適切な施術所管理、④安全な臨床などである。
3.〇 正しい。一定期間実務に従事した経験を有する。
2022年4月から2024年3月までに届出する場合:2年間の実務経験
2024年4月以降に届出する場合:3年間の実務経験が必要となる。
4.〇 正しい。柔道整復師でなければならない。
柔道整復師の資格要件が必須である。